本当は、長期投資はリスクが高い

長期投資のカリスマと言えば、さわかみファンドの澤上社長。私も長期投資を志す一人として、澤上氏には大いに影響を受けた。

さわかみファンド同様に、長期投資をストレートに謳うセゾン投信おらが町投信などの直販型ファンドも、少しずつ増えている。

それに比例してか、長期投資を口にする人が増えてきたように感じる。投資家の質が上がっているのか?それとも金融機関が耳触りのよいセールストークを、また一つ手に入れたのか、その辺はちょっと分からない。

それよりも、長期投資はリスクが低くて安心、という間違った認識を持っている人がおられるとしたら、それは問題だと思う。


初心者(あるいは漫然と投資を続ける人)にとって、馴染みにくい考え方であるが、リスクと言うのは「危険」という意味ではない。投資の世界では、「リスク=不確実性」の事を表す。(本来、危険を英訳するとデインジャーになりますよね)

となると、将来は遠ければ遠いほど、不確実性が増すのがすぐに分かると思う。

アメリカは世界の覇権国だが、30年後にも同じ、国際的な地位を占めているかどうかは、誰にも分からない。

けれども3年後なら、たとえその地位が揺らいでいたとしても、まだまだ強大な国でい続けていそうだ、とのイメージを持つ事が出来る。3日後なら、誰でも間違いなくアメリカはナンバーワンだと言うだろう。

短期に売買を繰り返すデイトレーダーを「投機家」と言って、やや格下に見る事があるけれども(どこかの官僚が一時、デイトレーダーはバカだ、と発言してましたね)、実はリスクと言う事を念頭に入れると、デイトレは明らかに、将来の不確実性を極限まで除去した、ある意味賢明な投資行動と言える。

不確実性、つまりリスクを徹底的に排除した取引を長期に渡り繰り返し継続する事で、結局は長期投資をしているのと同じ事になる。

では一体、長期投資の拠り所はどこにあるのか?

これはもう、たった2つしかない。それが、下記に記した事。

人類は、常に右肩上がりを志向する生物

世界各国の株式市場を見てみると、GDP等の経済成長率の高い国の株式ほど、伸長している。逆に、マイナス成長に陥る国は、株式も低迷、あるいは大きく下落する。

国単位ではそういった凹凸があるわけだが、これを世界全体で均すと、長期に渡り、緩やかな右肩上がりを続けている。GDPが増加するのに比例して、株価も上昇するのだから、長期投資とは、「人類の未来志向・拡大志向に対して、ひたすら信頼を寄せる投資」に他ならない。

つまり、大した理屈などは無い、と言う事になる。けれども、有史以来、人類の営みは常に右肩上がり出来ている事から、それに逆らわずにのんびり乗っかって行こうというのが、長期投資の大きな拠り所だ。

冒頭の澤上社長、若い頃は(たぶん機関投資家として)、短期売買を繰り返していたそう。が、長いスパンで見てみると、短期的な成功も長期的な成功も、ほとんど同じ程度だったとの事。

だったらのんびり投資できる長期投資の方が、断然ラク!と言う事。

(ただし、現物株に投資する方は、購入する株の見極めが、投資信託の見極めなんかよりもはるかにしんどいです。下手に買って、長期塩漬けになる事も、良くあります。そういう意味では、投資信託は長期投資とかなり親和性のある投資手段だと思います。)

コストを減らす効果が大きい

長期投資で、唯一にして絶対的にメリットがある点がこれ

デイトレードは将来の不確実性を明らかに減らせるが、代わりに取引ごとにコストがかかる。長期投資は、それが非常に少なくて済む。

例えば、5万円で株を購入して手数料が1000円かかったとする。これを1年で売却した人と30年で売却した人の手数料率は、前者が0.02%で、後者が0.00067%となり、明らかに長期投資の方が有利だ。

結局、有利不利を確実に現わすとしたら、これしかない。長期投資は、コスト負担を極限まで回避する事が出来る。


 

分散投資とリバランスは絶対に必要

見てきた通り、長期投資はコスト低減効果はあるものの、リスクはとても高い事が分かる。アメリカの30年後がどうなるか分からない。その時にどの国が経済成長を手にしているのか、予測がつかない。

ではどうにかしてこのリスクを減少させることはできないものか?

最善の策は、あらゆる地域に分散して投資する事。世界分散投資をしておけば、不確実性、つまりリスクを少なくする事が出来る。どこかの地域が発展して、資産全体に占めるその地域の割合が増大してきたら、実態に合わせてその地域への投資金額を多くしてやる。

つまり、リバランスをすると言う事

世界分散投資と定期的なリバランスの実行。個人が対応するには、非常に大変だ。その意味からして、投資信託と言うのは、絶好の道具となる

管理人が投資信託を資産運用の中心に据えるには、こういった理由があるのだ。

コラム・投資信託一刀両断!に戻る

★この記事が参考になりましたら、ブックマークもしくはシェアをお願いいたします

ページトップへ戻る