ETF(上場投資信託)のメリットやデメリットなどを知っておこう

意外とマイナーな運用商品であるETF、あまりご存じではない方も多いかと思います。英語表記である為に、抵抗感のある人も多いでしょうね。正式名称は「Exchaged Traded Fund」・・・・・略してETFとなります。

ETF・上場投資信託とは何か


このページでは、ETF(上場投資信託)の全てを記します。非常に長いコンテンツになりますので、以下の項目に複数に分割して表示します。興味のある部分をクリックして頂いて、該当箇所をお読みください。もちろん、最初からガッツリと読んでもOKです。

ETFとは何か?ETFの基礎の基礎
ETFと株式との違い
ETFと投資信託との違い
ETFの配当金や分配金に関して知っておくべき事
ETFのメリットまとめ
ETFのデメリットまとめ


 


ETFとは何か?ETFの基礎の基礎

日本語に訳すと、「株価指数連動型上場投資信託」です。英語表記に負けず劣らず、超分かりにくいですね。簡単に言うと、「株価指数」、例えば日本市場で言えば日経平均株価や、TOPIX(トピックス)などの指数に「連動」する「投資信託」が、市場にそのまま「上場」してしまったものの事を言います。

指数に連動しますから、例えば日経平均株価が上昇すればそれにほぼ連動して同じくらい値上がりし、下がれば同じ分だけ下がる投資信託です。

でも投資信託って、今までも有ったよね?」と言う疑問も涌いてくるかと思います。 実はETFと呼ばれる投資信託は、先ほども書いたように、ファンド自体が上場してしまっているのが特徴なのです。上場していますから、いわゆる現物株同様、「上場コード」が付いていて、株と同じように売買できます。

つまり、市場が開いている時間帯にリアルタイムで売買が可能となるのです。

通常、投資信託は市場の終値が基準価額に適用されますが、ETFは好きなタイミングで投資できますから、自分の意思を、よりファンドに投影しやすくなります。(思い切り価格が下落した瞬間に購入する、なんて事が可能になります。)

投資信託はどちらかと言うと緩く売買するのに対して、ETFならば個別株式のようにタイミングを見極めた高度な売買も出来る訳ですね。

管理人の肌感覚ですが、ETF投資では大失敗する可能性が低い事も、大きな特徴でしょう。個別株式に比べて価格変動が緩やかで、倒産の心配をする必要が基本的に無いために、暴落時に心置きなく買い向かう事が可能です。

どんなに不景気でも、世界に激震が走っていても、業績の良い会社を含めて一纏めにしている為に、下落し続けて塩漬け銘柄になる心配が極めて低い点も非常に魅力的です。

つまり個別株に比べて比較的に小さなリスクで、そこそこのリターンを得やすいとも言え、初心者でも再現性よく投資できる点が、実は隠れた大きな魅力だと思っています。



ETFと株式との違い

ETFと個別株式は、非常に似通っている特徴があります。ですが、株式には無い隠れたメリットがある点が、ETFの特徴と言っても良いかもしれません。まずは、一般的に言われている株式との違いを確認してみましょう。

項目 ETF投資 個別株投資
購入場所 取扱いのある証券会社 証券会社
売買価格 希望価格で売買可能。指値等の高度な取引もできる
取引時間 証券取引所がオープンしている時間であれば、いつでも可能
購入コスト 証券会社ごとに設定されている売買手数料がかかる
保有コスト 0.1%未満のものから最大でも1%程度 なし
流動性(換金性) まれにだが、市場の暴落時に取引制限がかかることがある
取引中止のリスク 該当ETFそのものが上場廃止になり、償還されることもある 倒産した場合や会計上不正が疑われた時など


以上が一般的に知られているような違いですね。ですが管理人はこれら以外にも重要な隠れた魅力があると思っています。


大損する可能性が、株式に比べて非常に小さい

例えば東京電力の株価です。誰もが超優良株だと思われていたのですが、東日本大震災で下記のように株価が2100円から211円まで大暴落。1/10になりましたね。損失率はマイナス90%。これが個別株の非常に大きなリスクの一つです。

では、日経平均に連動するETFも、同様の期間で見てみましょう。株価は10640円から8570円までの下落。損失率はマイナス20%です。下記、2つのチャートを見比べてください。




同じ損失でも、90%と20%はかなり違います。個別株式の場合、このような想定外の大損失を意外と簡単に被ります。特に初心者の場合は損切りが間違いなく出来ないために、ダメージは尋常ではありません。

つまり個別株式に比べて損失のダメージをかなり小さくできると言う事ですね。資産運用で何よりも優先する事は損失の最小化ですから、初心者向きと言っても良いと思います。


塩漬けリスクが基本存在せず、相場上昇時の利益を確実に得る事が出来る

個別株式での投資が難しい理由は、銘柄数が多い事です。銘柄選定が重要になります。特に銘柄選定を失敗した場合の一番のリスクは、買った後に永遠に株価が元に戻らない事です
初心者の皆さんは欲望に目がくらんで、株価が塩漬けになるリスクを過小評価していますね。少し銘柄を見てみましょう。

例えば大企業で有名なシャープ。数年前までは非常にイケイケの企業でしたからね。それが下記のように過去3年間の株価を見ると低迷していますね。同じ時期の、日経平均に連動するETFも並べて見てみましょうか。




日経平均連動ETFは、この世の春を謳歌する程の大盛況です。個別株式では、皆さん意外と、価格が上昇しない銘柄を選んでしまいがちだったりします。(これは、実際にやってみないと感覚は分からないと思います。)

株式投資で真に難しい所は、確実に上昇する銘柄を選ぶ事が出来ないという点です。

銘柄選びを丹念にやれば可能性を上げる事は出来ますが、膨大な数の銘柄から、初心者が選びだす事は意外と難しいです。さらに、予想しない事態で株価が低迷する事も日常茶飯事です。

それに比べて指数に連動するタイプのETFは、相場上場時には確実に上昇します。指数自体の数も少ないために、相当変な指数を選ばない限り、塩漬けも回避できます。

整理すると、個別株式投資に比べて銘柄選びの負担も少なく、損失幅も小さい上に、初心者が簡単に利益を得る事が出来る対象であるとも言えますね。労力が非常に少ないので費用対効果で考えると、超絶的にお得だと言えます。


 


ETFと投資信託との違い

ETFは、投資信託が証券取引所に上場したものだから一般の投資信託と同じようなものかと言うと、実は大きく異なります。共に「投資信託」と言う単語は付くものの、実際はまったく別の金融商品と認識したほうが分かりやすいです

項目 ETF 一般の投資信託
購入場所 ETFの取り扱いのある証券会社 証券会社や銀行全般
売買価格 希望価格での売り買いが可能。現物株同様、指値での注文なども可能 売買価格を投資家が指定する事は不可能。ファンドの価格は取引の終了時点で決定する
取引時間 該当する証券取引所がオープンしている時間内なら好きな時に取引可能 リアルタイム取引は不可能
購入コスト 証券会社の売買手数料により変動 手数料無料のものから3.5%程度の手数料のものまで多彩
保有コスト 0.1%未満のものから、最大でも1%程度 インデックス投信では1%くらいまで、アクティブ投信だと2%くらいまで
流動性(換金性) まれにだが、市場の暴落時に取引制限がかかることがある 基本的にいつでも解約可能だが、左のようなことはありうる。解約注文後、入金まで数日
取引中止のリスク 該当のETFそのものが上場廃止になり、償還される事もありえる 資金減少などを理由に、途中で繰り上げ償還されることもありえる


長期投資の視点から考えると、保有コストが大幅に改善される事が一番のメリットだと思います。ただし、売買手数料が必要になるため、ある程度の資金でまとめて購入する必要性が生じます。

短中期取引の視点から考えると、リアルタイム取引が可能な点は、非常に魅力的なポイントになります。投資信託の場合、当日が約定日ならまだ許せるのですが、翌営業日が約定日である投資信託も存在します。

特に短中期取引の場合はタイミングを見極める事が運用成績に多大な影響を与えますからから、リアルタイム取引が出来るという点は、非常に重要です。



ETFの配当金や分配金に関して知っておくべき事

インデックス型の投資信託ではなくて、ETFを利用しようと思う大きな理由の一つに、ETFの分配金が挙げられます。

個別株式を買って配当金を受け取るのと非常に似ているのですが、個別の株式を購入すると集中投資になりすぎて、大きなリスク(価格変動や倒産リスク含む)を抱え込む事になります。ETFを利用すると、多くの銘柄に分散投資を行いますからリスク分散にもなりますね。

一般の投資信託でも同様に分配金を受け取る事ができますすが、投資信託で分配金を目当てにすると、ほぼ100%の確率でボッタクリファンドを掴まされます。分配金を得たいと思ったら、明らかにETFにメリットがあります。


ETFの分配金の仕組み

ETFの出す分配金の原資は、投資先の株式などから得られる配当収入です。下記のように、東証一部上場企業の配当金支払額は、年々増加傾向です。(東京証券取引所より)




株式の投資先が出す配当金や債券の利子が、主な原資となる訳です。ここで重要な事は、投資先から得られた配当等収益が、そのまま我々に分配される訳ではないという事です。




上記のように、実は信託報酬等の必要費用が差し引かれた上で、投資家である我々に分配されます。ですから、コストである信託報酬は、最終的な分配金の利回り(再投資した場合は運用成績)に大きく影響します。


ETFの分配金が貰える時期

気になるのは、分配金をいつ貰えるのかですね。参考に、東証上場のETFが分配金を支払った時期を見てみましょう。




上記のように、7月と1月に大部分のETFが分配金を出すようです。実はETFの分配回数は、年に1回だけではありません。毎月分配型(年間12回)、隔月分配型(年間6回)、四半期分配型(年間4回)など様々なものがあります。

なお、海外の債券型ETFであれば毎月分配型が一般的です。再投資で資産運用をする視点から考えると、ちょっと意外ですよね。

しかし、そもそもETFは決算時に全額分配する必要があるために、年に1回、大きな分配金を出してしまうと、債券型ETFの値段が大きく変わってしまいます。債券は、価格変動が少ないから選ぶ意味合いもある投資対象ですから、価格変動を避ける意味で、毎月分配にしています。

なお、日本で販売されている毎月分配型投資信託は、明らかに過剰な分配金を出すから問題である訳で、真っ当な分配金を毎月出す事自体が悪い訳ではありません。



ETFのメリットまとめ

メリット1:1本のファンドで市場全体に分散投資

ETFは株価指数の連動する上場投資信託ですから、例えばアメリカのダウ工業平均や、香港のハンセン指数に連動する海外ETFを購入すれば、全銘柄に投資したのと同じ事になります。

これは実は大変凄い事で、投資のリスクを低くするために様々な銘柄に分散投資しようとして、仮にダウ平均構成銘柄30種を1人で買おうとしたら、大変な元手が必要になります。が、ETFなら数万円程度のお金で、全ての銘柄に分散投資する事が出来るのです


メリット2:リアルタイムで売り買いが可能

ETFは上場された投資信託なので、他の上場株と同様に、取引時間内に自由に売り買いすることが出来ます。一般の投資信託はこれができません。

株式市場の値動きを見ていると、ある時間帯に株価が急落してその後急回復する、などと言ったケースも見られます。急落した安値の瞬間にETFを購入するといった事も出来るのが、大きな特徴です。


メリット3:一般の人の海外投資に最適

海外市場で現物株の取引をしようと思っても、会社員など、昼間に仕事をしている人にとっては、どの銘柄をどのようなタイミングで売り買いしたら良いのか、数多くの銘柄の中から判断する事はほとんど不可能と言って良いでしょう。(夜仕事をしていても同じか・・・)

それに対しETFであれば、ダウ平均全体、ハンセン指数全体など、特定の指標に基づいて設定されたETFを1本購入するだけですから、全く難しくありません。

現在の経済状況に対し、株価が適切な範囲にあるのかなど、かなり簡単なチェックだけで投資判断が付きます。これは海外への投資のハードルを著しく低める事になりますし、初心者でも安心して投資が出来ます。


メリット4:一般の投資信託に無いようなタイプのETFが存在

一般の投資信託の種類と言えば、株式、債券、リート(不動産投資信託)、コモディティー商品、及びそれらを組み合わせたバランス型ファンド、となるでしょうか。これでも十分多いかもしれませんね。

ところがETFは、さらにひとひねり加えたような商品も存在するのです

例えば「セクター別」ETFと呼ばれるものです。例として「S&Pグローバル一般消費財セクター」という指数に連動するETFを購入すると、個人消費に関連するおよそ全ての業種や銘柄、トヨタ自動車を筆頭にタイムワーナー、ウォルトディズニー、マクドナルドなど、世界中の消費関連優良企業に分散投資する事が可能です。

同様に、エネルギー産業中心に投資したい人は「グローバルエネルギーセクター指数」連動型ETFを、医療・薬品を中心にしたい方は「グローバルヘルスケアセクター指数」連動型ETFに投資する事が出来ます。

つまり、先進国とか新興国といったくくり、株式や債券といったくくりとは別のくくり方で、まさに世界中を縦横無尽にしたような投資が可能となるのです。

これを一般の投資信託でやろうとした場合は、ボッタクリアクティブファンドを無理やり利用するしかありませんから、ETFの大きなメリットになります。



ETFのデメリットまとめ

ETFは上場投資信託ですので、市場で売買される価格は毎日変動します。同然上昇する事もあれば下落することもあるわけで、「価格変動のリスク」があります。

もっとも、これはリスクであってデメリットではありませんね。ETFと言う商品は本当にデメリットを指摘しにくいので、書いている方が困ってしまいます。あえて指摘できるとしたら、下記の2点になると思います。


デメリット1:複利効果が無い

まず記しておきたいのが、一般の投資信託と異なり分配金は再投資されないという点です。再投資されないと言う事は複利効果が出ない事になりますので、この点は要注意です。

一般の投資信託では、基準価額が期待通りに上昇した場合、20年30年保有する事で加速度的に元本が増えます。(分配金再投資の場合)

が、ETFではあくまでも購入時より売却時の価格が上回っている事、つまりキャピタルゲインが利益の源泉になります。分配金はその都度、入金されますので、無駄遣いしないようちゃんと貯金に回し、一定額が貯蓄できたら、再びETFを購入するといった好循環につなげていく事が肝心です。


デメリット2:投資金額が一般の投資信託よりも大きくなる

普通、投資信託を購入しようとした場合、ネット証券では100円から積み立て投資で購入できます。庶民の投資として投資信託が適しているのは、このように投資金額が非常に小さくて済むからです。

それに対しETFだと、数万円から20万円以上の範囲で資金を用意しなくてはなりません。これが、一般の投資信託と比較した場合のデメリットとなります。

しかし、これはあくまで一般の投資信託と比較した場合であって、個別に株を購入する場合は1銘柄あたり数万円から100万円単位でお金がかかりますので、それを考えると必ずしもデメリットではないと言う見方もできます。


(今後、ETFを使った運用手法についても記します。)


 


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