フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの評価

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは、バンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・コンストレインド・インデックスをベンチマークとするアクティブ型の米国ハイイールド債券ファンドです。

1998年4月1日に設定された毎月分配型のファンドです。

ハイイールド債券というとなんとなく聞こえが良いですが、ただの投資不適格債(ジャンク債=くず債券)です。その分高いリスクを取っており、安定的に毎月の分配金を求める投資家にはもちろん、一般の投資家にとってもハイイールド債券ファンドは不要です。

信託報酬も年1.58%(税抜)と高く、SBI証券、楽天証券等の主要ネット証券でもノーロードで購入もできない高コストファンドです。

ただ、見かけ上の毎月分配金の多さからか、12年間も国内で純資産総額1位だったグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)(グロソブ)を抜いて、2014年度には国内で購入できる全ファンドの中で純資産総額トップだった謎ファンドです

肝心のリターンもベンチマークにぼろ負けしており、「高コスト、毎月分配型、低リターン」と良いところが一つもないダメファンドの筆頭と言えます。

(2016年3月22日更新)


 


フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの概要

・購入単位:1万円以上1円単位
信託報酬年率1.58%(税抜)
信託財産留保額:なし
・決算:毎月20日。毎月の分配金を70円吐き出している超非効率なファンドです。
・資産配分比率: 米国ハイイールド債券を中心に株式含め556銘柄に投資。(2016年2月29日時点)

資産別組入状況は以下の通りです。
ハイイールド債券91.2%の他、転換社債や株式にも投資しています。
なぜなのか説明はどこにも書かれていません。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 資産別組入状況


格付別組入比率は以下の通りです。(平均格付けはB格)
投資適格債はBBB以上なので、約94%は格付BB未満の投資不適格債に投資しています。
Cと付いている債券は既にデフォルトとみなされており、投資不適格というよりも「もはや紙くずで投資できない」債券です。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 格付別組入状況


組入上位10銘柄は以下の通りです。
クーポン(表面利回り)は、年11.75%のハイイールド債券(格付けなし)まであります。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 組入10銘柄のクーポン、格付け、満期日、構成比率

・償還日:無期限
・運用:フィデリティ投信株式会社
・為替ヘッジ:なし



フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド・管理人の感想

毎月の分配金は利益ではなく、資産から切り崩していることに注意

米国のハイイールド債券(投資不適格債)に投資する毎月分配型ファンドです。いまだに分配金が利益だと思っている大半の個人投資家、(投資家と言えるのかどうか疑問ですが)、に絶大な人気を誇り、2014年は国内投資信託で純資産総額1位を誇っていました。

分配金は利益でもなんでもなく、ただの資産からの切り崩しです。(含み益がある分は税金が20.315%も引かれます)

その簡単な原理が理解できないカモ投資家が多数存在する限り、当面、毎月分配型ファンドは資金を集め続けるでしょう。このファンドの人気は、その証明でもあります。

 
 (注:画像と当ファンドは、投資家のレベルと言う点以外は無関係です)


ハイイールド債券(クズ債券)の表面上の利回りに惑わされてはいけない

表面利回りが高く見えることの裏返しとして、非常にリスクの高い(=値動きの激しい)投資対象であることを理解する必要があります。フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの投資対象の約94%は、BB格以下の投資不適格債です。

ハイイールド債の見かけの高利回りには騙されてはいけないでもお伝えしたように、 投資不適格債は、例えば各国の企業の年金基金では、クズすぎて規約で保有できない債券です。保有している債券が投資不適格債になると、強制的に売却する必要さえあります。

その分、買い手がいないために、発行体企業は不自然に高い表面利回り(クーポン)の社債を発行する必要があります。

リーマンショックのような金融危機時は、格付けの低い社債はデフォルト(債務不履行)となる率が高く、利回り分を消し飛ぶ暴落が起きやすいです。(低格付の債券価格は株式同様に大幅下落)

本来は分散効果を期待して、株式クラスと共にアセットアロケーションに組み入れるべき債券ファンドが共に下落するようでは意味がありません

一定の割合でデフォルトする債券もあることを承知で、それでも利回りの高い債券に分散投資することで高リターンを狙うハイイールド債券投資戦略自体はあります。

ただそれも景気好調時のみなので、素直に株式クラスに投資したほうが、期待リターンは高いです。


高コストすぎてその時点で投資対象外

しかもフィデリティ・USハイ・イールド・ファンド信託報酬は年1.58%とかなりの高コストです。

ハイイールド債券はリスクの割に期待リターンも小さく、かつ高コストのため購入の必要はありませんが、どうしても買いたい場合は、i-mizuhoハイイールド債券インデックス(為替ヘッジなし)(信託報酬0.90%)の方がまだ低コストです。


ベンチマークに惨敗している情けないアクティブファンド

また、アクティブファンドとして肝心の成績もベンチマークをはるかに下回っています。下のグラフは、設定来の基準価額とベンチマークの推移です。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 設定来の基準価額とベンチマークのリターン比較
 
分配金の税金が無税として再投資した場合という、「ありえない設定の場合でも濃い青色の線」です。(実際には税金が引かれる分、リターンはもっと下に落ちています) ベンチマーク(図の赤破線)に成績は負けており、アクティブファンドとしての存在価値がないことがわかります。

高リスクの投資不適格債を投資対象にし、信託報酬も高く、アクティブファンドとしてリターンも悪いこんなファンドのどこが良いのか冷静に考えれば、メリットが全くないことがわかります。

正しい選択眼を持てば、このようなファンドを選ぶ理由は100%ありませんね。

米国のハイイールド債だけでなく、欧州やアジアのハイイールド債に1/3ずつ投資するフィデリティ・グローバル・ハイ・イールド・ファンド(毎月決算型)もありますが、同様に高コスト、低リターンの毎月分配型ファンドです。

「フィデリティ」と名のついたファンドはいずれも高コスト、低リターンであることが定番です。まず、疑ってかかることも大切です。変なファンドを購入して、投資信託の価値並に、あなたのお金の価値を落とさないように注意したいものです。



フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの購入先

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドをノーロードで購入できるのは、東海東京証券とスルガ銀行のみです。主要ネット証券含め、他証券会社や銀行は販売手数料がかかります。(フィデリティ証券のノーロードキャンペーンを利用すれば、ノーロードで買えますが)

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