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日本の公的年金の運用は間違っていない!(ただし、少し要望もあるが)
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08年7月4日の読売新聞。「年金運用・5兆円赤字」とのタイトルで、1面のトップ記事。
これを見た大半の人が、年金記録漏れ問題などを連想し、「またこんな体たらくか!」などと、怒った人も多いのではないでしょうか?
しかし、実はこれ、マスコミ報道の方が全くトンチンカンなのです。
マスコミは読者が興味を示すように報道したがるので、「マスコミの言う事は、果たして真実なのか?」と言う観点で、常に見ておいた方が良い。
年金の運用で、何が間違えていないのかを、下記に示してみましょう。
●公的年金は、どのように運用されているか?
巨額の年金の運用(計150兆円のうち90兆円を運用)は、厚生労働省所轄の、「年金積立金管理運用独立行政法人」が行っています。
そのほとんどをインデックス運用しており、プロのファンドマネージャーを擁した、高コストの運用(アクティブ運用)をほとんどしていない点で、実はとても合理的です。
運用結果は四半期ごとに公表されます。保有資産のポートフォリオは次の通り。

見ていただくと分かる通り、貴重な年金を元本割れさせてはならないはずなのに、リスクの高い株式への投資が、外国株も含めて、33%もあるのが分かります。
公的年金を何故このようなリスクにさらすのか?
実は株式投資と言うのは、1年などの短期で見た場合、大きく元本割れをする事がありますが、5年〜10年単位で見ると、大きなリターンを得られる事が、投資・運用の世界では常識だからです。
●公的年金の、過去の運用成績
ここ10年間の、年金の運用成績を見てみましょう。
| 年度 |
利回り |
1995年度に100の数値を投資した場合の運用結果 |
| 1995 |
15.2% |
115 |
| 1996 |
5.0% |
121 |
| 1997 |
7.1% |
130 |
| 1998 |
3.1% |
134 |
| 1999 |
11.4% |
149 |
| 2000 |
-5.0% |
141 |
| 2001 |
-2.5% |
138 |
| 2002 |
-8.5% |
126 |
| 2003 |
12.5% |
142 |
| 2004 |
4.6% |
148 |
| 2005 |
14.4% |
170 |
| 2006 |
4.8% |
178 |
どうでしょうか? 安全資産の日本債券に比率が非常に多いのに、ここまできちんとした運用成果を収めているんです。読売新聞(またはマスコミ全般)には、上記のような過去の運用成績は、全く触れられていません。それどころか、
「今後、積立金の運用方法の見直しを求める声が一段と高まりそうだ。」などと、非常に無責任で、投資の事を理解できていないコメントが載せられています。
ではもし、年金を「銀行の預金」で運用していたら、どうなっていたでしょうか(大手銀行の普通預金ですが)? これほど安全確実な運用は無い、と思うかもしれませんが、結果は下記の通りです。
| 年度 |
利回り |
1995年度に100の数値を投資した場合の運用結果 |
| 1995 |
0.1% |
100.1 |
| 1996 |
0.1% |
100.2 |
| 1997 |
0.1% |
100.3 |
| 1998 |
0.1% |
100.4 |
| 1999 |
0.05% |
100.45 |
| 2000 |
0.1% |
100.55 |
| 2001 |
0.02% |
100.57 |
| 2002 |
0.003% |
100.57 |
| 2003 |
0.001% |
100.58 |
| 2004 |
0.001% |
100.58 |
| 2005 |
0.001% |
100.58 |
| 2006 |
0.001% |
100.58 |
もしもあなたが公的年金と同じポートフォリオで、個人向け国債を買ったり外国株のインデックスファンドを買ったりしていれば、95年に100万円投じていた人は、なんと178万円に資産が増えていた事になります。
それに対して、銀行預金のみに頼った人は、5800円しか増えない。
公的年金の運用を指示している公務員は、低コストできちんとリターンをあげているのです。(公務員の事なかれ主義が、結果的にアクティブファンドの餌食になっていない、という「うがった見方」も出来るかも知れませんが・・・・・)
●管理人的・公的年金への要望
長期株式投資のカリスマ的存在、さわかみ投信の澤上社長が、著書(下記)の中でコメントしていました。
「1952年から2006年までの54年間、日本株は年平均13.7%もの利回り。しかもバブル崩壊後10数年の停滞期間も含めて。バブル崩壊前までなら、何と年20.2%だった!」と。
つまり、日本人の投資に対する認識が低すぎるがゆえに、それを十分享受できていないと言う事が出来そうです。
日本の年金ですから、日本への投資比率が高いのは、一見当然のような気がしますが、国債と株式を合わせて実に75%もの比率で日本に集中投資しているのは、カントリーリスクが高すぎる。
確率は低いでしょうが、日本がつぶれたら、なけなしの年金がすべてパーになる恐れもある。
現代ポートフォリオ理論からしても、もっと外国株式に分散投資、外国債券の比率も上げて、本当の意味での世界分散投資にした方が良いのではないでしょうか?
澤上社長の言う、年率13%のリターンは目指さなくても、現在の3〜4%のリターンを、せめてあと2,3%上回るだけで、複利効果を考えると、膨大な含み益となるはずです。
年金の不安など、長期投資をきちんと説明すれば、払しょくできるほどインパクトが大きいはずです。
これからは無理解のマスコミに言われっぱなしではなく、キチンと反論する姿勢を見せてほしいなと思います。年金積立金管理運用独立行政法人は、日本では数少ない、「筋金入りの長期投資家」の一人なのですから。
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