日興五大陸株式ファンド・・・古ぼけたカビ臭い投資信託という印象

日興五大陸株式ファンドは、先進国株式80%と新興国株式20%を基本投資比率とする世界株式インデックスファンドで、2006年6月12日に設定されたゆうちょ銀行専用ファンドです。

MSCI-KOKUSAIインデックス80%と、MSCIエマージング・マーケット・インデックス20%の合成指数をベンチマークとしています。要は、これ1本で先進国株式と新興国株式に幅広く投資できます。

日興五大陸株式ファンド


ただし、ノーロードではなく販売手数料が最低1.6%(税抜)かかり、信託報酬も年1.10%(税抜)と、コストが高いことが残念です。また、再投資とする事は可能ですが、基本的には年4回分配型の投資信託となります。


(2019年4月25日更新)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


日興五大陸株式ファンドの基本的情報

項目 内容
販売手数料 窓口2.0%(税抜)、ネット(投信ダイレクト)1.6%(税抜)
信託報酬 年率1.1%(税抜)
信託財産留保額 0.3%
ファンド運用方式 ファミリーファンド方式
運用期間 無期限
決算 年4回(2月、5月、8月、11月の各16日)
運用会社 日興アセットマネジメント株式会社


先進国と新興国の投資比率や組み入れ銘柄数などについては、以下の通りです。

組入資産(インデックスマザーファンド)  ベンチマーク 組入銘柄数 組入比率 基本配分比率
 先進国株式マザーファンド MSCI-KOKUSAIインデックス  1309銘柄  80.3%  80%
 新興国株式マザーファンド MSCIエマージング・マーケット・インデックス  935銘柄  19.7%  20%



日興五大陸株式ファンドに対する管理人の感想と評価

ベンチマークに対する下振れが大きすぎないか?

まず、日興五大陸株式ファンドの設定来の分配金込みの基準価額とベンチマークの推移を、以下の通り確認してみましょう。ベンチマークに対して設定来で41.5%も下回る不出来なファンドのように見えますが、インデックスファンドですので、解釈は別になります。

インデックスファンドの場合、ベンチマークに対して、コストの分だけリターンが下振れするのは当然の事であり、それ自体に特段の問題はありません。

日興五大陸株式ファンドのベンチマークに対する下振れ


となると、設定来の13年間で41.5%下回るという事ですから、1年あたり3.19%もベンチマークに劣るという事になって・・・信託報酬は1.1%ですから・・・「あれ?これは変ではないか?」という疑問が湧いてきます・苦笑。

しかもファンドのリターンには投資先からの配当が含まれているのに対し、ベンチマークは配当抜きの指数のようですから、配当分だけ更にベンチマークとの差異は広がることになります。これは著しく不可解な事であり、この理由が分からないので、本ファンドには手出し無用だという結論がまず出ます。

日興五大陸株式ファンドのベンチマークとの差異に関する説明


運用報告書を見ても、ベンチマークに対する下振れ要因は、「海外カストディー・フィー」などの諸費用としか書かれておらず、個人投資家には全く意味不明な用語でサラッと終わりにするあたり、個人投資家などどうでも良いとしか思っていないように見えます。


先進国と新興国に投資できるインデックスファンドが登場している

上記のような不透明な商品を使わなくても、本ファンドが登場した2006年当時と違って、今は先進国と新興国の両方の株式に投資できるインデックスファンドが登場しています。日興五大陸株式ファンドと異なり、購入時の手数料はすべてゼロで、信託報酬も超低コストです。

ファンド名称  ベンチマーク 投資先 信託報酬
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本) 日本を除く先進国と新興国 0.142%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み) 日本を含む先進国と新興国 0.142%
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式)) FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) 日本を含む先進国と新興国 0.142%
野村つみたて外国株投信 MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本・配当込み) 日本を除く先進国と新興国 0.19%


日興五大陸株式ファンドが日本を含まない先進国と新興国に投資しますので、そういう意味からすると、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)あるいは野村つみたて外国株投信が完全に代替え候補となります。

それぞれ、先進国株式への投資比率はおおよそ87%で、新興国株式は13%程度となり、日興五大陸株式ファンドとは厳密には比率が異なりますが、特に問題は無いかと思います。

「どうじても新興国の比率をもっと上げたい」という人がいれば、別途、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド(共に信託報酬0.189%)を追加購入しておけば良いでしょう。

ちなみに、当サイト管理人は野村つみたて外国株投信を、つみたてNISAの制度が始まった時点から積み立て投資をしています。0.19%のコストで済むところを、日興五大陸株式ファンドは1.1%かかるのですから、もはやボッタクリ商品と言っても良いくらいです。


日興五大陸株式ファンドの分配金も不誠実

日興五大陸株式ファンドは年4回決算タイプの、定期分配型の投資信託です。恐らく定期的な分配金を目当てにして投資している人が大多数だと思います。

分配金を目的にする場合、運用報告書をチェックして、タコ足分配になっていないかどうかをきちんと確認する事が必須となります。以下、分配原資の内訳を見てみます。運用報告書を2回分見て、1年間4回分の分配金を確認してみました。

日興五大陸株式ファンドの分配金はタコ足分配


すると、ファンドの得る収益(赤枠)が1年間の合計で215円なのに対し、あなたに支払う分配金(青線)は448円にもなっています。となると、毎期の収益で分配金を半分もカバーできないタコ足分配である事が分かります。

タコ足分配は、ご自分の投資元本が勝手に手元に戻って来るだけの事であり、利益ではありません。これを儲けだと勘違いしてお金を使い込むと、あっという間に財産を食い潰す事になりますから、大いに注意する必要があります。

そもそも、タコ足分配で元本払戻金を出しまくる投資信託などゲスの極みです。そのような不誠実極まりない投資信託は、決して買ってはなりません。

先進国と新興国の株に投資しながら分配金が欲しいならば、先述したインデックスファンドをSBI証券で購入しての投資信託定期売却サービスを利用すれば、自分で毎月の取り崩し金額が設定できますから、タコ足分配にならない自作の毎月分配型投資信託が出来上がりです。

今どき、郵便局で古くてかび臭いファンドなど買っても、利益を取り損ねる事になるだけです。しかも、郵便局員が投資信託の説明をマトモにするとは思えませんので、ご自身でしっかりと情報を確認して、問題の無い商品を活用するようにしましょう。


 


★この記事が参考になりましたら、ブックマークもしくはシェアをお願いいたします

ページトップへ戻る