野村世界6資産分散投信・・・コスト面で魅力が低いインデックス投信

野村世界6資産分散投信は、2005年に設定された、ゆうちょ銀行専用の投資信託です。当初から設定・運用されたのは分配コース、成長コース、安定コースの3タイプで、以前は分配コースが売れ、昨今は安定コースに人気があります。

投資信託の規模としてもかなり大きく、金融機関としては利益も取れるという事からか、2015年には配分変更コースが追加設定され、更には2017年からは確定拠出年金専用のコースも追加されて、現在は以下の通りのラインナップです。

野村世界6資産分散投信

コース 設定日 純資産総額
安定コース 2005年10月3日 686億円
成長コース 357億円
分配コース 1180億円
配分変更コース 2015年9月28日 139億円
DC・安定コース 2017年8月31日 1億円
DC・インカムコース 1億円
DC・成長コース 1億円


基本的に、日本と先進国の株式、債券、REITの計6資産に分散投資するバランス型のインデックスファンドにもかかわらず、購入手数料が1.5%(税抜)かかり、最もコストの低い安定コースであっても信託報酬は0.62%であり、少々買う気が失せるのが正直なところです。


(2019年4月19日更新)本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


野村世界6資産分散投信の概要

このファンドの基本情報

項目 内容
購入手数料 窓口1.5%、ネット(投信ダイレクト)1.2%(それぞれ税抜です)
購入単位 1万円以上1円単位。
信託報酬 ・年率0.62%(’安定コース)  ・0.69%(分配コース)
0.76%(成長コース) ・0.95%(配分変更コース)・・・それぞれ税抜き
信託財産留保額 0.3%
スイッチング それぞれのコース間で、手数料無料で変更(スイッチング)ができます。
運用期間 無期限
決算 いずれのコースも毎年1月、3月、5月、7月、9月、11月の10日、配分変更コースについては毎年1月及び7月の10日
運用会社 野村アセットマネジメント株式会社


ファンドの運用は、以下の通りファミリーファンド方式となっています。

野村世界6資産分散投信のファンド運用方式



野村世界6資産分散投信についての管理人の感想と評価

資産配分比率と値動きの確認

まず、野村世界6資産分散投信の代表的な3つのコースである、安定コース、分配コース、成長コースの資産配分比率をご覧下さい。

安定コースは安全資産である国内債券の比率が高く、逆に成長コースはリスク資産の国内外の株式の比率が高いです。安定コースから成長コースに向かって、順に、ハイリスクハイリターンになります。(国内債券が無リスクという意味ではありません)
野村世界6資産分散投信の安定コース、分配コース、成長コースの資産配分比率


配分変更コースについては、現状(2019年3月末)は以下の円グラフのような資産配分となっており、また、過去の毎月の資産配分比率の変更については棒グラフの通りです。思ったよりも比率の変更度合いが大きく、事実上、アクティファンドと言えそうです。

野村世界6資産分散投信の配分変更コースの資産配分比率


では、実際に野村世界6資産分散投信がどのような値動きを示しているのか、同じくゆうちょ銀行のネット取引で購入できる、株と債券の比率が半々となっているセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(信託報酬0.6%)も含めて、比較してみましょう。

まず最初に目が行くのは、成長コースはセゾンバンガードよりも更に値動きの幅が大きく、まさにリスクを取った分、リターンを得られている事が分かります。

野村世界6資産分散投信の4つのコースの値動きの比較


ただし、価格変動リスクが大きいと、投資をしていて心地良さが無くなる人も多いでしょう。その場合は、安定コースか分配コースを選択すると良いでしょう。

過去の実績から見ると、安定コースに対して為替リスクをより大きく取っている分配コースのリターンが、特段、それに見合うものとなっていない点に注目ですね。

安定コースと分配コースはほとんど同一レベルであり、為替リスクが顕著に少ない分、安定コースのほうが価格変動リスクが相当に抑えられています。投資でドタバタしたくない人は、安定コースがお勧めになるかもしれません。

なお、配分変更コースについても、安定コースや分配コースとほとんど類似した値動きです。高いコストを取って、結局同じような値動きならば、あまり意味が有るとは思えませんね。


分配コース以外も、分配金を受け取るコースになる

各コースの名称だけ見ると、分配コースだけが分配金の受け取りを希望する人向けのコースであって、それ以外のコースは分配金を再投資するタイプであると思ってしまいます。

しかし、安定コースや成長コースも、分配コースと同様に隔月分配となっています。しかも以下の通り、1万口当たり30円の分配を行う点なども同一であり、非常に紛らわしいネーミングになっています。

配分変更コースについても、年に2回の分配金が出るため、分配型投資信託の仲間に入れても良さそうです。いずれにしても、分配金が欲しいという人向けの投資信託となっています。

野村世界6資産分散投信の分配金


分配金の出し方は適正か?

さて、分配型投資信託を買う場合、最も気をつけてチェックしなくてはならない部分を見てみます。以下、それぞれのコースの分配原資の内訳です。それぞれ、青線の毎月の分配金額と、それに対する赤枠の毎月の収益を比べてみて下さい。

野村世界6資産分散投信(安定コース、分配コース、成長コース)の分配金の出し方


分配コースについては、3ヵ月で90円の分配金なのに対して、収益は84円です。分配金に対して利益で93%程度カバーできていますので、ギリギリOKかなと言ったところです。分配金利回りは1.77%であり、無謀な分配はしていないようです。

ただ、安定コースはタコ足分配となっていますね。90円の分配に対して利益の割合は52円で58%にしか過ぎません。これでは残りの分は元本払戻金となってしまいます。元本払戻金ばかりの分配型投資信託ほど意味の無いものはありません。

そもそも安定コースは、全体の60%が国内債券への投資です。マイナス金利の時代ですから、国内債券に投資して金利収入など得られるわけがありませんので、それで今まで通り30円の分配を維持しようとすると、無謀な分配につながってしまう訳ですね。

なお、成長コースについても、ややタコ足分配の雰囲気があります。ここでは図示しなかった配分変更コースについては、適正な分配となっているようです。

金融庁の指導が厳しいからか分かりませんが、ここ最近は分配コースの資金が減少し続ける一方で、安定コースは大きく純資産を伸ばしています。つまり、郵便局員が安定コースを勧めているものと思われ、タコ足分配のファンドを推奨するとは、困った事です。


野村世界6資産分散投信以外の選択肢

野村世界6資産分散投信で分配金を得ようとした場合、安定コースは完全にタコ足分配となり、それ以外のコースでも、市況によってはタコ足分配になる可能性が高そうです。

そもそも、インデックスファンドを買うのに、購入時に1.2%~1.5%の手数料を取られてしまうのは、インデックスファンドを買う意義を大いに薄めさせる行為です。

だったら手数料無料(ノーロード)の投資信託をネット証券で買えば良いだけです。リスクの数値である標準偏差でファンド選びをすれば、細かい資産配分比率は異なりますが、おおよそ、ご自身にしっくりくるファンドが見つかるのではないかと思います。

例えば、過去の標準偏差の数値が非常に近いものとして、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)(信託報酬0.18%)やたわらノーロード バランス(堅実型)(0.22%)などの、低リスクのインデックス運用のバランスファンドがあります。

低リスクのバランスファンドの値動きの比較


どうしても分配金を受け取りたい場合は、SBI証券の投資信託定期売却サービスを使えば、分配型でない低コストファンドでも毎月好きな金額の自動売却設定ができるので、タコ足分配にならない形で、毎月分配型投資信託を「自作」できます。

野村世界6資産分散投信のような、高コストでタコ足分配になる投資信託を買う必要は全くありません。ご自分のリスク許容度に合わせて、好みに近い資産配分比率の低コストバランスファンドを選択するようにしましょう。


 


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