おらが町投信なんて、どこがいいの??

おらが町投信とは、さわかみファンドの澤上社長が提唱していた地域活性化のひとつで、「地方で運用会社を立ち上げ、地方の投資家のために運用するファンド」のことです。

2008年4月より、さわかみ投信が支援していた東京、大阪、島根・鳥取にて以下3本の独立系投信会社(当時)が、おらが町投信として運用を開始しました。

おらが町投信

ファンド名  信託報酬(税抜) 独立系投信会社 
かいたくファンド  1.60%±0.2%  かいたく投信 (現クローバー・アセットマネジメント)
らくちんファンド  1.60%±0.3%  楽知ん投信 (現クローバー・アセットマネジメント)
浪花おふくろファンド  1.65%±0.25%  浪花おふくろ投信 (現クローバー・アセットマネジメント)


2008年当時の澤上氏いわく、

誰でも心から安心して参加できる投資信託(投信)が日本各地にあればいいと思います。地域社会にそうした投信会社をつくろうとしている、志ある仲間を応援しているところです。

・・・・これらの投信を立ち上げている人たちは、株式投資によって自分だけ利益を上げようとは思っていません。ゆったりと豊かな財産づくりをして、経済的に自立した不安のない美しい人生を送りたい、みんなが暮らしやすい世の中にしたい、という意志を持ってそれぞれ投信会社を立ち上げたのです。

ゆったりと長期投資をしようとする風は、こうして全国で吹き始めています。年金の不安や、雇用がなくなる不安を抱えながら暮らすのでは窮屈です。「おらが町の投信」づくりは、社会を楽しくし、ゆったりと面白く生きていくための1つの試みなのです。


と、表明しています。心地よい言葉で飾っていますが、いくつかの点で突っ込みどころがあります。

その後、いずれのファンドも純資産の低迷が続き、2010年に浪花おふくろ投信楽知ん投信かいたく投信と合併する形で、商号がクローバー・アセットマネジメントに変更されました。

ファンドマネージャーが去り、社長も交替し、当初の理念も何もなくなってしまい、3つのファンドの月報も、各ファンドの資産配分比率や騰落率の図以外は、完全に同一の文章の使いまわしで済ませる手抜きぶりです。

長期投資という文句は名ばかりで、信託報酬のバカ高いだけの投資価値のないファンドばかりとなっています。以下におらが町投信の問題点をまとめます。

(2015年5月16日更新)

 


似たようなファンドに適当な比率で投資しているだけ

おらが町」と言う名称から、てっきり地域ごとに奮闘している企業を組み入れたファンドでも作るのかと思っていました。

実際は、以下のように3ファンドとも(投資比率が違うだけで)TMA長期投資ファンドを中心、ニッポンコムジェストのファンドやさわかみファンドにファンドオブファンズ形式で投資しているだけのファンドです。(2015年4月30日時点)

組入ファンド かいたくファンド らくちんファンド 浪花おふくろファンド
さわかみファンド  -  29.02%  27.20%
ひふみ投信  -  -  20.20%
ALAMCO ハリス グローバル バリュー株ファンド2007  -  -  7.81%
TMA長期投資ファンド  42.58%  44.05%  31.90%
ニッポンコムジェスト・グロース・アメリカ  25.19%  -  5.07%
ニッポンコムジェスト・ヨーロッパ・ファンドSA  14.93%  13.43%  -
ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA  3.31%  2.96%  1.70%
短期金融資産など  13.99%  10.36%  9.94%


なんとなく日本、先進国、新興国株式に投資しているだけです。なぜその投資比率なのかという説明も全くありません。(月報もコピペなのでそんなのがあるわけもなく)

アクティブファンドとして運用手腕を判定するためのベンチマーク参考指標もない、単なる欠陥ファンドです。


コストが高すぎる

3ファンドとも信託報酬が年1.60%~1.70%の超高コストファンドであることが大問題です。

ファンドオブファンズ形式のため、各ファンドとも自分の信託報酬と投資先ファンドの信託報酬が二重にかかるためですが、庶民相手のファンドで、これほどの高コストでは話になりません。

澤上社長は言います。「家計から毎月工面できる少額のお金で、本格的な長期運用をしてもらえるような、家計に身近なファンドでありたい、という思いで作られた投信会社」と。

だとすると、信託報酬が非常に高いことはどのように説明を付けるつもりなのだろうか?
家計から毎月工面」してやっと購入したファンドに、毎年資産の2%弱を持っていかれたら、たまったものではありません。

仮にファンドの期待リターンを5%としたら、何と儲けの30%ほどを、ファンドに吸い取られる事になります。

コストはその分、確実にリターンを削ります。チョクハンだからといって全てが良質の投資信託だという事はないので、まずは一番重要なコストを、冷静に見極めるべきです。

現在は1ファンドで世界中の株式、債券に投資できる以下のような低コストのバランスファンドがあります。

・セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
世界経済インデックスファンド
SMT インデックスバランス・オープン
eMAXIS バランス(8資産均等型)


どれがベストというわけではなく、個人のアセットアロケーションに応じて、コアとなるバランスファンドを選ぶようにしましょう。



結局一番得するのは誰か?

え~と、これは言ってはいけないのかもしれませんが、まあ、当サイトはさわかみファンドと利害関係など全くないので、言っちゃいます。

おらが町投信、おらが町ファンドの理念は、表面上は崇高ですが、3つの運用会社がクローバー・アセットマネジメントに統合し、手抜き月報を書いている段階で実態が伴っていないことがわかります。

一方、さわかみファンドを高い比率で組み入れている、つまり、購入している事になります。
(かいたくファンドは今は組入れていません)

と言う事は上記のファンドを買うと、一番得するのは誰か? ・・・・言うまでも無く、さわかみファンドですね。つまり、おらが町ファンドの純資産が増加するほどさわかみファンドへの資金流入の量が増える、と言うわけです。

庶民全体ががもう少々投資に資金を回せば、日本経済が活気づく、と言う澤上社長の考え方には同意します。

が、それと同時に、自社にしっかり利益をもたらす仕組みを作ろうとしているところが、さすが外資系企業を渡り歩いてきた澤上氏ならではの、今までにない独自のやり方ですね。

「新しいビジネスモデルを作り上げる」と言う点では、凄い事です。が、我々はそのようなビジネスモデルの醸し出す耳触りのよい言葉に惑わされることなく、低コストと分散を考慮したアセットアロケーションに沿って、冷静に資産運用をしていく必要があります。



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