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さわかみファンドの澤上社長が提唱しているおらが町投信。さわかみ投信が支援して、東京、大阪、島根・鳥取に各3本のおらが町投信が、いよいよ運用を開始した。
当サイトでもそれぞれのおらが町投信、おらが町ファンドを紹介しているので、詳細を確認されたい方は、下記のページを参照いただければと思う。
澤上氏いわく、
「誰でも心から安心して参加できる投資信託(投信)が日本各地にあればいいと思います。地域社会にそうした投信会社をつくろうとしている、志ある仲間を応援しているところです。
・・・・これらの投信を立ち上げている人たちは、株式投資によって自分だけ利益を上げようとは思っていません。ゆったりと豊かな財産づくりをして、経済的に自立した不安のない美しい人生を送りたい、みんなが暮らしやすい世の中にしたい、という意志を持ってそれぞれ投信会社を立ち上げたのです。
ゆったりと長期投資をしようとする風は、こうして全国で吹き始めています。年金の不安や、雇用がなくなる不安を抱えながら暮らすのでは窮屈です。「おらが町の投信」づくりは、社会を楽しくし、ゆったりと面白く生きていくための1つの試みなのです。」
と、表明している。それ自体はとても良い事で、私も応援したくなるが、ちょっと冷静に考えてみると、いくつかの点で問題点と言うか、突っ込みどころが出てくる。
●その1:わざわざ「町」を出す事でもない
管理人は、「おらが町」と言う事なので、てっきり地域ごとに奮闘している企業を組み入れたファンドでも作るのかと思っていた。
しかしいざ蓋を開けてみると、3つのおらが町ファンドも、ほとんど似たり寄ったりのファンドオブファンズである。
さわかみファンドを中心に、ニッポンコムジェストのファンドやTMA長期投資ファンドなどを組み入れており、違いはそれぞれの配分比率のみ、と言うのが実態だ。
今やインターネットの時代なので、「おらが町」と言ったって、各地域の特色が反映されていなければ、あまり意味が無いような気がする。浪花おふくろ投信を応援したい人も、結局大阪に投資する訳でもなく、日本全国が同じように購入できるファンドを、同じように購入するにすぎない。
まあ、本社がおらが町にある、と言うだけの事か。
●その2:コストがあまりに高すぎる
澤上社長は言う。
「家計から毎月工面できる少額のお金で、本格的な長期運用をしてもらえるような、家計に身近なファンドでありたい、という思いで作られた投信会社」と。
だとすると、信託報酬が1.6%〜1.7%と、非常に高額なのはどのように説明を付けるつもりなのだろうか?
この信託報酬の高さはファンドオブファンズと言う形式をとるが故の泣き所であるが、庶民相手のファンドで、これほどの高額のコストがかかるのは、正直いただけないと思う。
「家計から毎月工面」してやっと購入したファンドに、毎年資産の2%弱を持っていかれたら、たまったものではない。仮にファンドの期待リターンを5%としたら、何と儲けの30%ほどを、ファンドに吸い取られる事になるのだから。
この金額は、新興国株式向けの投資信託の信託報酬と、同じくらいの高さで、おらが町投信の性格と、合致しないと思うのですが・・・・。
ちなみに、おらが町ファンドと非常に似たファンドは、セゾン投信のセゾン資産形成の達人ファンドがあります。信託報酬1.3%程度ですから、コストが20%安く、こちらの方がよほど良い。(セゾン投信だって、東京池袋のおらが町ファンドと言えますね)
こういったファンドと、差別化が出来ていないと言えるでしょう。
参考までに、投資金額が1000万円の時、信託報酬が1.7%とすると、年間17万円もファンドに支払う必要があります。上記のセゾンのファンドだと13万円。信託報酬が仮に0.7%のファンド(例えばセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドや、ジョインベスト・グローバルバランスファンドなど)をきちんと自分でチェックして運用すれば、7万円に削減できます。
これで5年間保有したとすると、おらが町ファンドのコスト:85万円、安いファンド:35万円となり、その差は50万円にもなる!! この差はおらが町ファンドの理念だけでは埋められないほど、大きなものです。
●その3:結局一番得するのは誰か?
え〜と、これは言ってはいけないのかもしれませんが、まあ、当サイトはさわかみファンドと利害関係など全くないので、言っちゃいます。
おらが町投信、おらが町ファンドの理念は、とても崇高なものがあって、それ自体には私も大いに共鳴します。また、管理人自身、さわかみファンドを保有している訳ではありませんが、毎月さわかみファンドのホームページで澤上社長のメッセージを拝読し、勇気づけられてもいます。
が、今回のおらが町投信。どのファンドも一様にさわかみファンドを高い比率で組み入れている、つまり、購入している事になります。
と言う事は、おらが町ファンドを買うと、一番得するのは誰か? ・・・・言うまでも無く、さわかみファンドですね。
つまり、おらが町ファンドが全国各地に立ちあがって、一定の資産に成長すればするほど、さわかみファンドへの資金流入の量が増える、と言うわけです。
庶民全体ががもう少々投資に資金を回せば、日本経済が活気づく、と言う澤上社長の考え方には、同意します。が、それと同時に、自社にしっかり利益をもたらす仕組みを作ろうとしているところが、さすが外資系企業を渡り歩いてきた澤上氏ならではの、今までにない独自のやり方ですね。
新しいビジネスモデルを作り上げる、と言う点では、凄い事です。
(⇒コラム・投資信託一刀両断!に戻る)
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