SBI証券に突撃インタビュー2(投資信託の現状など)

SBI証券さんへのインタビュー記事の2ページ目です。ここからが具体的なインタビューの中身となっています。(SBI証券インタビュー・前フリ編はコチラ) 全体で、ワイワイと忌憚の無いご意見をお話しいただく形式としています。


投資信託に対するSBI証券の想い

管理人:投資信託とか海外ETF、その辺りで初心者の方が御社を選ぶメリットと言いますか、そういったところをお聞かせいただければと存じます。

清水さま:投資信託については、グループ企業のSBIファンドバンクに、色々な投信の分析等を依頼しています。

例えば、分配金の出るものであれば、「分配金が高いもの」と言うような切り口で実際に分析をしていまして、純資産で30億円以上のものをある一定の時期で区切って、そこから約400本ぐらいを選んで、その中で運用コストを全部見て、その中から「タコ足」になっていないもので、まぁ、タコ足になっているものも何パーセントかあったりするんですが、ABCD評価なので分かっちゃうんですけど・笑。きちんと分析して分かるようになっています。

分配型投信で健全なもので分配利回りが高いものなどがキチンと分かる。

意外な事に、ネットで売れ筋ランキングを見ていると、後々見ると意外に当たっていたりします。特にランキング上位のファンドなどは、後から振り返って見ると、対面営業で売れるファンドとは違うのですが、後からお客様に業界が追いついてきていると言う面は若干ありますね。そういう意味では、人気ランキングを見ていただくだけで、ちょっと時代の先取りができるのかなと思ったりします。

そういったところで、投資信託については、結構いろんなところで力を入れていまして、一般の方でも、「何を買ったらいいの?」って分からなかった時に利用する機会が多いのがランキングですが、実はSBIファンドバンクにお願いして、同じカテゴリーの中でも、リターンが過去5年とか見て、相対的に良いものを選んでいますし、コストでも選んでいます。

そういう意味ではしっかりと分析して、逆に言うと、ここまで分析しているところは実際にはどこにもなくて、モーニングスターでさえもやっていないようなところまでファンドバンクはやって、もちろん相対評価で出来ない部分もあって、「どの分野がお好きですか?」みたいなことになると、どうしようもないところはあるのですが、でも、「相対的に私はこのリスクならいわね」と言うような方で、その中からもうちょっと細かく、例えば「分配金が高い方いいわ」という方、それなら外債の中で、というようなかたちで出しています。

そういったところは、よくご覧いただくと、意外に他社さんにはないようなかたちで、選びやすくなっています。

管理人SBI証券さんとSBIファンドバンクさんとでは、どのような役割分担が有るんですか?

清水さま:SBI証券はあらゆるものを多様に扱っていますけど、ファンドバンクは投資信託だけを集中的にやっています。深いところまで分析したいニーズに合うでしょう。ただそれをSBI証券にそのまま持ち込むと、「どうやって見たらいいの?」みたいな事になってしまいます。

植村さま:まずファンドバンクは何を目指しているかということをちょっとお話ししますと、もう簡単でして3つです。

コストと、選択と、ポートフォリオです

国内籍投信は、実は3000本を超えているのです。だから東証一部の銘柄より多いのです。それをどうやって、コストで選びたい方はもちろんETFがありますけど、とりあえずETFは投資信託の範疇からは除いて、その中でコストは徹底的に追求しています。

従ってコストは、現在700本で比較していますけど、裏では、そろそろ全ファンドをやろうかと言っています。特にコストは徹底的に

ただし実は、この市場はコストを注目した方がいい、この市場はコストじゃなくて、やはり運用者を見た方がいいということがあるのです。

例えば、期待リターンで言うと、日本の株式市場は将来、年率でどのくらいのリターンを皆さんが考えられているのかと言うと、10%と言う人はいないでしょう。5%あったらいいなと思っているくらいじゃないですか。そういう市場は、もうコストでも良い。極端な方はインデックス投信ですよね。

だけど、ブラジル株とかBRICsなどであれば、期待リターンが高いですから、ひょっとしたらコスト以外で選んだ方がいいということもあります。それは、実はデータ的にちゃんと計算できちゃいます。それが検証できるようなツールまで裏ではもう作りました。

選択は、これは大変ですよね。だけど、分配金投信は選択の仕方、分配金という目で見た選択の仕方とかいろんな選択の仕方がありますので、色々なノウハウを作りあげて選びやすい方法を模索していきます。

ポートフォリオとは何かと言うと、私はネット(証券会社)って、まだフロー(全体でなく一部分と言う意味)しか狙っていないと思うんですよ。典型的なのは、大手の証券会社とか銀行はもうボーナスキャンペーンなんてやっていないんですよ。野村證券はボーナスキャンペーンなんかやりません。

ボーナスというフローを狙いに行っているからボーナスキャンペーンが欲しくなるんですけど、もう大手はお客様のストック、資産そのものを狙いに行っているんです。

ストック狙いで行くとしたら、「一本、これどうですか?」では通用しないです。やっぱり、きちっとしたポートフォリオをお客様に提案するという作業が必要になってくる。そこをきちんと作りたい。

だから、投資信託における投資に関わるあらゆるところを3000本において、全部やってしまおうと。そこで、完成されてお客様に理解してもらえるレベルにいったものをSBI証券の方に移植していこうと。

管理人:うわ!非常に壮大な計画ですね。

植村さま:裏で一生懸命やっているところを見せても、お客様にとっては余計なお世話であって、「自分のこのニーズに対していったいどうなの?」という結論だけでもいいじゃないですか。

だから裏できちんとやる分析は、やっぱり別会社にして、一般のお客様に理解してもらえるようなものができたら、SBI証券側に移植していくという発想です。ファンドバンクは、徹底して投信の分析に特化しています。



 


投資信託の取り扱いに関する日本の現状

質問:3000本の品揃えを、将来的にはSBI証券さんでも購入できるような方向に持って行ければ画期的な事ですが、いかがでしょうか?

植村さま:それはですね、無理なんですよ。アメリカにはスーパーセンターとか有って、運用会社はノーと言わないのです。

日本はメガバンクが対面で一生懸命売っていますから。その主力で売っているものをネットに供給するのはノーなんです

だけど我々は、例えばこの投信はコストで優秀だからとか、この投信は分配金で優秀だからとか、この投信は運用能力があるからとか、取り扱いしたい投信はすべて運用会社と交渉をしています。ただ、そこに見返ってくるのは今のところはまだ・・・・。

もしもこれが、SBI証券の投信販売が今より5倍になったら、多分変わってくると思います。まだ日本においてのネット経由の投信販売はそんなものなので、この売り上げが変わってきたら全然変わってくると思うので、我々はとりあえず、そういう意味ではバーゲニングパワーをつけないと駄目です。昔のスーパーマーケットと一緒ですよ・笑。

清水さま:投信はやっぱりまだまだ対面が主流で、ネットで売れているシェアって、2%行かないくらいなんです


植村さま:業界で言うと、この1年間は、リーマンショック後は野村證券がガリバーなんですよ。恐らく私のイメージだと、毎月投信を3千億円~4千億円を買って、2千数百億円を売っています。

管理人:去年は通貨選択型投信が大ヒットしましたものね。

植村さま:そうそう。それを除いてしまったら、数字がえらい姿に変わってしまう。後は最近目立ったのは、日興がSMBC(三井住友銀行グループ)と合併して増やしましたね。うち(SBI証券)は多分、中堅の銀行、メガじゃなくて中堅ぐらいにはなっています。

清水さま:まだまだ投資信託は圧倒的に、対面の方が売れています・・・・。

管理人:ネットで投資信託って、やはり売りにくいものなんですか。お客さんの声としては。

清水さま:売りにくいよりも、やはりまだ投資信託を買おうとした場合、自ら買おうって思う人の数が圧倒的に少ないんじゃないかと思うんです

だから、証券会社や銀行の人が来て、わざわざ言ってくれたら、「ああそう、そういうのもあるんだ?」という事で買うんでしょうけど、じゃあ銀行や証券会社に、わざわざ店頭まで訪ねて買いに行く人がどれだけいるのかと言ったら、ほとんどいないのが実態で、ネットでも同じなわけです。

そういう中でもネットは便利なので、まだ実際に行かなくてもよかったり、ハンコなんかいらなかったり。便利さが分かっていらっしゃる方とか、後は「おすすめ」とかって書いているのを、聞かなくてネットの中で探すのが楽しいわ、と思っていただけるような方はいらっしゃいます。

多分、サイトにいらっしゃるような方だったら、親和性がすごくあると思うんですけど。どちらかというと証券会社とか銀行から言われて買われる方が、まだまだ数としては圧倒的に多いです。



引き続き、ニッポンの投資信託の現状

植村さま:年齢層が高いんですよ。世の中の投信の7割は分配金投信なんですね。多分、大半は団塊の世代よりも更に上の人が持っています

今、やっとそういう方から団塊世代の方が相続し始めたばかり。パソコンなんて団塊の世代の方はやっとWindows2000で、ちょっと企業におられた方々が使ったことがあるぐらいで、その上の人は、例えばSBI証券では分配型投信のコンテンツがありますけど、よく電話が掛かってくるのが、「パソコン無しでどこかでできないの?」と。

結局、そういう事なんですよ。要は営業部隊が「おばあちゃ~ん!、分配金出ましたよ」って営業しているでしょう。そういう人はパソコンを見ようにも見れないから。

そういった意味でいうと、あと10年経てばだいぶ変わってきて、運用会社に聞いてみると、10年後に対しては危機感を持っている方がチラホラいらっしゃることはいらっしゃるんです。

我々は毎日ビジネスをしている中で、それを坐して待つわけにはいかないので、何とかしようと思っているんですけど、そういう側面もありますよ。

以前、日本株で2000年頃に最大ファンドになったとあるファンドに関わっていたんですけど、支店で講演会を開くと、老人ホームみたいなものですよ・笑。今、日本で最大の運用金額のグロソブなんかも同じ状態だと思いますね。

管理人:しかし、恐ろしく強力な営業ですね、それは。

植村さま:だから分配金投信が世の中の投信の7割になっちゃうんですね。だけどそうは言っても、若い人は、多分ネットのシェアが高い。それが将来においての我々の重要な役目だと思いますけどね。

清水さまただ、若い人はあまりお金を持っていないんで・・・・(一同笑い)。それと、私の周りでも、大学の同期とかで、たまに会うと、「お前、SBI証券なのか」と言われてですね。「何を買えばいいのか分かんないんだよな」って、10人集まって7人くらいはそう言いますからね。

良くて3人位です、「何かやってるよ」とか、「株を買ってるよ」と聞くのは。ただしその多くも、「とりあえず、自社株を買ってる」とかですね、現実は。

植村さま:それでも月間の買い越し金額はリーマンショックのピーク時に比べて、弊社ではかなり高い数字で買い越しに転じている

ところが業界全体で言うと、月間での買い越しのピークは1兆7千億円ぐらいで、去年のピークは5千億円台なんですよ。だから、まだ買い越し金額はピーク時の3分の1ぐらい。それを考えると徐々に徐々に、やはりネットにシフトはしているんだろうなとは思います。

清水さま:ですので、買いやすいようなヒント等、色々とコンテンツを作って行きたいですね。別に変なものを回転売買させるつもりは毛頭ありませんし。長く持っても、困らないようなものをきちんと提供したい。

利食いしたいというニーズには、例えば今、「これがちょっと売れ筋」とか、「これは利回りが高い」とか、それこそ先ほど言ったように「タコ足じゃない(健全性が高い)」だとか、「こういうものもちょっと入れてみたらいかがですか」みたいなものを色々と工夫しながら提供していきたいです。

ただ、あまり難しいのはやはり無理なんです。難しいと途中で閲覧を中止されてしまいますし、できるだけ簡潔にとは思っています。

植村さま:対面の証券会社は、昔は株の営業をやっていたじゃないですか。今は手数料が下がっちゃって、シェアも無くなっちゃったから、人材も営業時間も大部分を投信に掛けているわけですよ。投信で食わないとしょうがない訳です。

だからそういった意味で言うと、我々が以前、対面型証券会社にいた10年前と比べて、投信の売り上げ上昇に掛ける時間と費用というものは、もう何倍にもなっているわけです。

以前は「株のコミッションなんぼや!」と言ってやっていたわけですが、今は、「投信なんぼや!」ですからね。だからそういった意味でも対面はもう、一生懸命投信販売にエネルギーをシフトする。利益率を考えたらそうならざるを得ない。



⇒次:SBI証券さんにインタビュー!その3に続く



 


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