新興国公社債オープン(通貨選択型)の評価・問題点

新興国公社債オープン(通貨選択型)は、新興国のソブリン債券と社債に投資する通貨選択型の新興国債券アクティブファンドです。

米ドル建ての新興国ソブリン債券70%、新興国債券30%程度の比率にて運用されています。


また、下記、7つの通貨コースを選択することができます。各コースのスイッチングも可能です。
※マネープールファンドとは、マネー・プールマザーファンドを通じて、日本公社債を中心に投資します。

・円コース(毎月決算型)
・米ドルコース(毎月決算型)
・豪ドルコース(毎月決算型)
・南アフリカランドコース(毎月決算型)
・ブラジル・レアルコース(毎月決算型)
・中国元コース(毎月決算型)
・マネープールファンド(年2回決算型)


ケイマン籍のわけのわからないファンドにファンドオブファンズ形式で投資するため、信託報酬も二重にかかり、年1.60%(程度)の超高コストファンドとなっています。    


それにしても、皆さん、通貨選択型投資信託って、中身をよく理解しています? リスクに見合ったリターンなのでしょうか? 新興国公社債オープン(通貨選択型)の評価(評判)や問題点等を記してみます。

(2014年12月13日更新)

新興国公社債オープン(通貨選択型)の概要

・購入単位:証券会社により異なりますがSBI証券では最低500円より積立購入可能。
・販売手数料:3.0%(税抜) (ノーロードではありません)
信託報酬:各ファンドとも約1.60%(=年0.98%(税抜)+投資対象ファンド年0.62%程度)
信託財産留保額:0.1%
・決算:毎月14日。
・資産配分比率:上述の通り
・償還日:2019年9月26日
・運用:国際投信投資顧問株式会社
・為替ヘッジ:通貨を選ぶ事で本来の為替ヘッジではなく、違う通貨建てでヘッジ


 


新興国公社債オープン(通貨選択型)・管理人の感想

信託報酬が年1.60%もかかるといった高コストであることはもちろん、極めて複雑な仕組みの投資信託である事が、最大の問題点です。このファンドの収益機会は、次の3つのケースが有ると謳われています。

●メリット1

他の資産と比較して、相対的に高利回りの米ドル建新興国ソブリン債券・社債からの収益

●メリット2

米ドルと各ファンドの選択通貨の短期金利差から生じる「為替ヘッジプレミアム」

●メリット3

対象通貨の為替変動

為替ヘッジプレミアムって何?と思いましたでしょう。これは、外貨預金の金利に相当すると言えば、分かりやすいと思います。

この外貨預金金利に、さらに米ドルと各通貨の間の為替差益が加わります。

つまり、本来のメリット1に有るように、新興国ソブリン債券等からの収益だけでなく、為替変動で利益が出る、2階建て構造になっている、と言う訳です。

でも良く分かりませんよね。何でわざわざ通貨を変える必要が有るのか?

米ドルは今、低金利です。米ドル建ての債券をさらに(恐らく先物取引の買いポジションを行って)ブラジルレアルの通貨で取引すれば、ドル安レアル高の分だけ、金利収入が得られる、と言う訳です。

かつて、サブプライムショックまで大流行した、「円キャリートレード」を思い出しませんか? そう、これは、ドルキャリートレードを利用した金融商品なのです。円キャリートレードはその後、どうなったでしょうか?

円キャリートレードの巻き直し」って、聞いたことありませんか?

為替市場は、株式などと異なり、一方的に上昇し続けることは有りません。例え今、ブラジルレアルなどが高くても、資金が集まり過ぎるとバブルが弾けるかのごとく、必ず修正が入ります。

それがいつになるのか予測する事は、不可能です。

米ドル建ての債券に高金利の通貨でヘッジしても、為替リスクが大きくなるだけで期待リターン向上にはつながりません。

このファンド、新興国公社債オープン(通貨選択型)は、毎月の分配金を多くするために、敢えて変動の非常に大きい新興国の為替リスクまでを、非常に積極的に取りに行っている投資信託なのです。

運用が続けば続くほど、将来の為替変動のマグマが蓄積されていく(そしてある時から大暴落する)と頭に入れておいた方が良いです。

それより、このファンドはそもそも「新興国の債券」に投資する投資信託ではありませんか? なんで、それと関係の無い、「為替取引」をしなくてはならないんでしょうか?

投資信託を買ったのに、知らないうちに外貨FXまがいの取引の加担をしている、と言う事になるのです。(加担するのが悪と言う意味ではないですが)

為替取引とは、厳密には「投資」ではなくて「投機」です。この投資信託は、極めて投機の色合いが強い、「投機信託」だと考えて下さい。

本来は、新興国の債券から来る金利収入を得て、分配するものです。分配を受ければ、基準価額は徐々に下がっていくのが、毎月分配型投信の本来の姿。

でも、それが下がらないとしたら、為替リスクを取りに行った結果として、下がらないと理解しましょう。

と、言いますかこの投資信託、いくら説明を受けても良く分からないと思いますよ。よく分からないものに投資してはいけない、と言う投資の大前提を考えて行動したほうが、長い目で見て賢明です。

あ、そうそう、各通貨の間でスイッチングが可能だと有りますが、どこの誰が、そんなに都合良く切り替えなどが出来るのでしょうか? どういう判断で、いつスイッチングするのか?

毎月定期的に、自動的に分配を受け取ることを良しとするようなレベルの人が、機動的にスイッチングが出来るとは思えません

そのあたりも、セールストークと言いますか、目くらましのようなファンドの仕組みに、惑わされないようにしたいものです。

参考毎月分配型投信の正しい選び方





新興国公社債オープン(通貨選択型)の購入先

新興国公社債オープン(通貨選択型)を購入できる金融機関は次の通りですが、手を出してはいけない代表的なファンドの1つです。購入する必要はありません。

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