テーマ型投信はやめといた方が無難

相変わらず、いわゆるテーマ型投信の人気が続いているようです。最近流行のテーマと言えば、「資源」、「エコ」、「水」、「SRI(企業の社会的責任)」などのテーマでしょうか。

話題になっているくらいだからこれからも期待できる、証券会社が熱心にオススメするのだし間違い無さそう。このような曖昧な動機でテーマ型投信に手を出すと、跡で手痛いしっぺ返しを食らう可能性が高いですから、よほど理由(もしくは自信)のある人意外は購入をやめておいたほうが無難です。

もちろん、管理人も一切手を出していません。ではなぜ、テーマ型投信は評価が低いのでしょうか? まずは下記ファンドの基準価額及び純資産の推移をご覧になって下さい。


①JF ジャパン・テクノロジー・ファンド(JPモルガン)


②ワールド・ゲノムテクノロジーBコース (野村)



①はITファンドと呼ばれるものです。ITバブル崩壊によりジェットコースターのごとく基準価額が急降下しましたが、06年になぜか再度高騰、その後またしても急降下しています。

青く丸をつけた時期には日本株式も順調に上昇していた時期です。それにもかかわらず、全く基準価額は上がっていません。

②は今も話題性のあるゲノム関連ファンドです。実はレーティングが現段階(08年2月)で最高レベルの星5つで、サブプライムローン問題以降は基準価額も下落はしていますが、ベンチマークよりはかなり良好な成績を納めています。

が、青く丸をつけた部分、基準価額が13000円前後のあたりで、純資産が他のファンドではありえないくらい急激に低下しています。結果的に基準価額はその後も上がり続けましたが、投資家は13000円当たりで売り時と判断し、一斉にファンドから手を引いたのではないかと推測できます。

現在はピーク時の3分の1の資産です。まだこのレベルでは繰り上げ償還のリスクは低いですが、野村と異なり元々それほど純資産学の多くないファンドの場合は、純資産の動向も気にせねばならず、落ち着きません。


 


テーマ型投信がなぜ問題なのか?

なぜ問題なのか、と言う以前に、「なぜはやるのか?」を考えると納得できると思います。

日本では投資信託は長期投資の道具と言うより、話題性に乗っかると言う側面が非常に強く、世界的には非主流である毎月分配型投信が大変売れたりする、かなり変則的な市場です。

長期でじっくり運用して着実に資産を貯めるファンドよりも、「話題先行」のテーマ型投信の方が売り手にとってはるかに売りやすそうだ、と言うのが想像つきませんでしょうか?

また、このような話題性のあるファンドに共通しているのが、購入手数料が3%、信託報酬も2%程度と、業界最高値レベルであるという点です。つまり、手を変え品を変え商品を設定しては売りつける、と言うのが極めて売り手にとって美味しいのです。

もう一点、見逃せない問題が、テーマは長続きしない、と言う点です。

IT関連ファンドが多数出た時も喧伝されました。「ITは世界を大きく転換させる。そして21世紀はITの時代で、長くその主役となるだろう」と。その当時は誰もがそう錯覚しました。

しかしその後の状況は皆さんが良くご存知の通り、ITバブルの崩壊で幕を閉じました。確かにIT企業は多数残りましたが、株価は急落し、現在では全て適正価格に収斂されています。

問題なのは、ファンドが設定された時点では株価が相当の高値帯に突入している可能性が強い、と言う点です。逆に言うと特定の業種の株価が上昇し、それを見た運用会社がすぐに飛びつきファンドを作成、バラ色の売り文句で販売する、と言う事が起こります。

購入した投資家は、やがて訪れる株価の収斂(何もバブル崩壊という形を取るとは限らない)により、高値掴みしたファンドの基準価額の下落に泣く事になります。



テーマ型投信の上手な買い方は有るのか?

オススメできませんが、唯一あるとしたら「短期勝負に挑む」事だと思えます。本来投資信託は10年単位の長期投資が原則です。

が、テーマ型投信の場合、ITバブル崩壊の教訓が教えてくれる通り、長期に保有するとリスクが非常に高まる事が分かります

ファンドが設定された時点で、相当高値帯である事が予測は付くものの、さらにもう一段買値が上がる可能性はあります。(上記の野村のゲノムファンドはその様な展開になっている)

という事は、テーマ型投信は短期に手仕舞いにするのが最も良い運用方法でしょう。

もちろんどこが一番高値となるのかは誰にも分かりません。ですので、20%上昇したら機械的に売却したり、急下降が始まったと思えた瞬間に全て売り払ったり、あるいは保有の不安を感じて売りたくなった時が売り時かもしれません。

それにしても投資信託を短期で売買するのを推奨せざるを得ないとなると、誰が一番得をするのか・・・・、明らかに売る側ですよね

もし野村のファンドを購入して1年以内に売った場合、なんと5%もの手数料が野村に落ちるんですから、「とっかえひっかえ話題を作り出して」は投資家に売ろうとする魂胆が理解できます。


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