信託報酬以外の投資信託の「コスト」を調べよう!

投資信託を選ぶ際に欠かせないポイントが、コストです。ノーロード(購入手数料無料)であることはもちろん、1年間保有するだけで引かれる信託報酬が低いことが重要です。

ただ、年間にかかるコストは信託報酬以外に売買手数料、有価証券取引税、保管手数料などのその他費用もかかります。そのため、投資信託のコストは、(信託報酬+その他費用を合わせた)実質コストも気にする必要があります。

投資信託の実質コスト


実質コストは毎年変化するため明示されていませんが、ファンドの運用報告書から簡単に調べることができます。運用報告書記載の費用明細から実質コスト(信託報酬+その他費用)を計算する方法を、ここに記します。

(2016年10月1日更新)


 


実質コストとは??

実質コストとは、投資信託の信託報酬に加え、信託報酬以外にかかる「その他費用」を加えたトータルのコストをさします。運用状況によって変化するため、信託報酬と異なり、固定の値ではありません。

実質コスト信託報酬以外にかかる「その他費用」としては、主に売買手数料、有価証券取引税、保管手数料があります。

株式や債券の売買手数料も全て、投資家が信託報酬以外に余分に負担しています。

その他費用は、信託報酬よりも大きくなることもあり、ファンドを選ぶ際には、信託報酬+その他費用を合わせた実質コストも気にする必要があります。

実質コストは、売買頻度が高いほど売買手数料が増えるために、インデックスファンドよりもアクティブファンドの方が高くなる事が多いです。

また、債券ファンドよりも株式ファンドやREITファンド、国内よりも海外資産に投資するファンドの方が、実質コストが高くなる傾向があります。

実質コストは運用側からは明示されないので、投資家自らが、各ファンドの運用報告書に記載された費用明細から計算する必要があります。

投資信託をご存じない方からすると、「そんな些細な事を」と思うれるかもしれませんが、意外とバカにならないくらい高かったりするうえ、投資信託購入時の販売資料には一切記載されていませんから、困ったものです。というか、しっかり示して頂けるよう、販売側に工夫を求めたいですね。


SMTグローバル株式インデックス・オープンの実質コストを調べてみよう

それでは具体的な、実質コストの調べ方です。まず先進国株式インデックスファンドの中で、比較的信託報酬が低いファンドである、SMTグローバル株式インデックス・オープン(信託報酬0.50%(税抜))の実質コストを計算します。

計算には、最新の「運用報告書」を見て頂き、費用明細の部分をご覧ください。本ファンドでは以下の通りとなっています。

SMTグローバル株式インデックス・オープン 運用報告書記載の費用明細


1万口当たりの費用明細として、信託報酬が34円、有価証券取引税や保管費用等が4円の、合計38円となっています。これよりSMTグローバル株式インデックス・オープン の信託報酬0.50%相当分が、1万口当たり34円、信託報酬以外の「その他費用」は1万口当たり4円かかっています。

よってトータルの実質コストは、信託報酬0.50%×((34+4)円/34円)= 約0.56%(税抜) と計算できます。

SMTグローバル株式インデックス・オープンと同じ、MSCI KOKUSAIインデックスベンチマークとするPRU海外株式マーケット・パフォーマー(信託報酬0.80%)の場合は、保管費用が大きくかかり、実質コストの計算結果は1.17%にもなり、信託報酬の差は0.3%しかなかったのに、実質コストの差は0.61%にも達し、大きな値となっています。

SMTグローバル株式インデックス・オープン
の実質コスト0.56%がいかに低コストか、よくわかる例と言えます。


アセアン成長国株ファンドの実質コストはどうだろうか?

次にアクティブファンドであるアセアン成長国株ファンド(信託報酬1.73%)の実質コストを、運用報告書の費用明細より計算します。

アセアン成長国株ファンド 運用報告書記載の費用明細


1万口あたりの費用は、信託報酬分94円の他、その他費用として50円(売買委託手数料30円、有価証券取引税5円、保管費用等15円)がかかっています。

実質コストは1.73%×(144円/94円)=約2.65%と計算できます。

ただでさえ信託報酬1.73%と高コストのファンドにも関わらず、実際はさらに0.92%もその他コストがかかっています。投資対象として全く不向きであることがよくわかります。

2.65%とは、見逃せないほどの猛烈な高コストです。仮にこのファンドで10年間運用したとしたら、あなたは何もしていないのに元本の26.5%もの大金を、コストで失う事になるのです。

この失ったコスト以上に運用成績が上がらないと投資で報われない訳で、無理ゲ―とは言わないまでも、異様に不利な戦いになるなと感じると思います。信託報酬以外に、トータルの実質コストをチェックするのは必須と言えます。


信託報酬以外のその他費用についてまとめると

信託報酬以外にかかる「その他費用」には、売買手数料や有価証券取引税、保管手数料があり、おおむね、以下の傾向があります。



・売買手数料やその他費用はインデックスファンドよりアクティブファンドの方が高い
・有価証券取引税は、ブラジルなどの新興国に投資する場合に高くなる。
・海外に投資する場合に、保管手数料が国内投資より高くなる。
・株式ファンドの方が、債券ファンドより保管手数料が高くなる。
REITには株式と異なり先物が存在しないため、REITを投資対象とするファンドは売買手数料が高くなる。


実質コストは固定値でなく毎回変動しますが、マザーファンドの純資産残高が増えると少なくなる傾向があります。運用報告書を確認して、トータルの実質コストを確認するようにしたいですね。


 


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