ウォーターファンドの評価・問題点

2008年ごろに特に水資源に関連した株式に投資する「ウォーターファンド」が注目を集めました。野村アセットマネジメントが運用し、野村證券で取り扱われている「ワールドウォーターファンド」などは、一時期(2007年5月から2008年1月まで)新規募集を中止したほど人気が集まりました。

 ウォーターファンド


似通ったウォーターファンドも他の運用会社から次々に設定・販売されましたが、今はどの金融機関も全く「ウォーターファンド」を宣伝していません。果たして問題点は無いのか考察します。

(2014年10月30日更新)

現在販売されているウォーターファンド

主なウォータファンドは以下6ファンドがあります。
全て日本を含む世界の水関連銘柄に投資する世界株式アクティブファンドです。

ファンド  最低購入手数料(税抜) 信託報酬(税抜) 参考指数、他 償還期限 
ワールド・ウォーター・ファンド Aコース  3.0% 1.70% 参考指数は、MSCI ワールド インデックス フリー(円ヘッジ)
 2019年4月
ワールド・ウォーター・ファンド Bコース  3.0% 1.70% 参考指数は、MSCI ワールド インデックス フリー
 2019年4月
野村アクア投資 Aコース  3.0% 1.60% 参考指数は、MSCI ワールド インデックス(円ヘッジ)  2017年9月
野村アクア投資 Bコース  3.0% 1.60% 参考指数は、MSCI ワールド インデックス  2017年9月
グローバル ウォーター ファンド  1.0%  1.616% なし  2017年6月
三菱UFJ グローバル・エコ・ウォーター・ファンド(愛称:ブルーゴールド)  3.0%  1.70% 参考指数は、MSCI ワールド インデックス  2019年7月

これ以外にも、水や太陽発電などを複合したファンドもありますが、ここでは除外します。


ウォーターファンドの問題点

上の一覧表を見ていただくと、ノーロードのファンドは一つもなく、信託報酬もバカ高いものばかりです。投資分散も効いておらず、いずれのファンドも60銘柄前後にしか投資していません。

ウォータファンドなどテーマ型ファンドにも共通する問題点は以下の通りです。

参考テーマ型投信はやめといた方が無難



①ファンドが設定された時はブームの頂点が近い

投資信託の設定側(運用会社)は、常にどうしたら売れるかを考えています。特定の業種の伸びが著しいと気づいたならば、そこからファンドを設計する事になります。

とすると、ファンドの設計が終わり、実際に販売が開始される時点では既に、ファンドの中身である投資先の株式が、相当の高値圏にまで上昇している可能性があります。

ですが、この時点ではそれら特定の業種(ここでは水関連)が有望らしいとの情報が個人投資家などに知れ渡って、まさに旬の時期を迎えていますので、ファンドが売り出された瞬間にワッと人が群れる事になります。

しかしながら、既に高値圏にありますから、儲かる時期はそんなに長続きしません。特に、野村のウォーターファンドを真似て売り出された後発組は、高値から下落に転じた時点で販売開始ですから、非常に不利な条件です。

その意味で、野村のウォーターファンドは目の付け所が良かったと思います。が、これで成功を収めたため、あわよくばもう一儲けしてやろうと言う魂胆なのか、どこがどう違うのかあまり良く分からない二番目のファンド、野村アクア投資なるものを販売しています。

販売後、一瞬にして200億円もの資金を集めるあたり、さすが野村だなと思わせますが、カモにされたのは完全に投資家でした。(野村證券は高額の手数料と信託報酬を手にしてますので、野村だけがオイシイ状態です)

実際、ワールド・ウォーター・ファンド Bコースを例にとっても、過去の純資産増額は250億円近くまでありましたが、現在はわずか17億円です。

他のウォーターファンドも同様に純資産総額は激減しており、繰上償還すら懸念されるレベルです。



②償還日が設定されている

本来投資信託は20年、30年と保有して複利の効果を最大限享受するのが理にかなっています。が、ウォーターファンドはいずれも設定から約10年前後での償還日となっています。

という事は、ファンドを作った側もウォーターファンドのようなテーマ型投信は長続きしないと考えていることになります。ウォーターファンドなどテーマ型のファンドに飛びついてはいけないことがよくわかります。

投資の基本である低コストと分散を重視し、 低コストの海外株式ファンドを中心に投資するべきです。


 

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