ワールド・リート・オープン・・・著しく評価の低い、ダメな投資信託

ワールド・リート・オープンは、日本を含む世界のリート(不動産投資信託)に投資する世界リートアクティブファンドです。

参考指数はS&P先進国REIT指数 (配当込み)であり、先進国リートの一般的なベンチマークであるS&P先進国REIT指数(除く日本)に、日本も含んだ指数となっています。

ワールド・リート・オープン


現在は5種類のラインナップであり、一番人気の毎月決算型が相変わらず売れているようです。以下、5種類の純資産総額やファンド設定日などを記します。毎月決算型と1年決算型の成功に気を良くした三菱UFJ国際投信が、ラインナップの拡充を図っていますね。

タイプ 設定日 信託期間 純資産総額
毎月決算型 2004年7月2日 無期限 2930億円
1年決算型 2004年7月2日 無期限 86億円
資産成長型(愛称:ワールド・リートN) 2013年12月11日 無期限 16億円
資産成長型・為替ヘッジあり(愛称:ワールド・リートヘッジN) 2017年9月12日 2027年12月10日 約1億円
毎月決算型・為替ヘッジあり 2017年1月20日 2027年1月8日 約1億円


信託報酬が年1.55%と高く、人気の毎月分配型は分配金の出し方が酷すぎて、更にはリターンが参考指数にかなり劣っているという、全く良いところが見つからなくて買う気が失せるファンドです。

何故か、野村證券などの対面式の大手の金融機関だけでなく、ネット証券会社においても継続的に人気のあるファンドであり、どうして皆さん、このようなクズファンドを買いたくなるのか、実に不思議な投資信託と言えます。

(2019年2月14日更新)



 


ワールド・リート・オープンの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入単位 証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券など主要ネット証券では100円より購入可能。
購入手数料 資産成長型・為替ヘッジあり(愛称:ワールド・リートヘッジN)については三菱UFJ信託銀行のみの取り扱いで、2.5%(税込み)の手数料がかかります。
信託報酬 年率1.55%(税抜)
信託財産留保額 なし
運用会社 三菱UFJ国際投信株式会社
為替ヘッジ ありタイプとなしタイプの両方が存在


このファンドのポートフォリオ

2018年12月末時点のポートフォリオは以下の通りです。毎月決算型、1年決算型、資産成長型の中身は同一となっています。

為替ヘッジありの2種類については、若干の違いがありますが、大きく変わるものではないので、ここでは省略します。ファンド全体での予想配当利回りは年5.6%となっています。(為替ヘッジありは5.4%程度)

ワールド・リート・オープンのポートフォリオ



ワールド・リート・オープン、管理人の感想と評価

コストが高くて運用成績が悪いダメファンド

まず、世界のリートに投資するアクティブファンドとして、信託報酬1.55%(税抜)は高すぎます。コスト高が許容できるのは、運用目標とも言って良い、ベンチマークや参考指数に対してリターンが上回っている時のみです。

ワールド・リート・オープンは運用報告書に(目立たないように)参考指数はS&P先進国REIT指数(配当込み)と書いており、直近5年の成績だけ対比できるようになっています。

ワールド・リート・オープンと参考指数とのリターン比較


ご覧のように、参考指数に対して極めて劣る運用成績になっており、アクティブファンドとして存在価値はありません。設定来のファンドと参考指数との比較のグラフもなく、どうしてこのような悪い成績が続くのかの釈明なども一切なく、投資家を舐めたファンドです。

毎月決算型、1年決算型、資産成長型(愛称:ワールド・リートN)、毎月決算型・為替ヘッジありのいずれも同様の傾向となっており、利用価値はありません。

産成長型・為替ヘッジあり(愛称:ワールド・リートヘッジN)だけは参考指数よりはリターンが良いですが、わずか1年の期間では何とも言えず、15年間も運用されている毎月決算型と1年決算型での体たらくを見ると、全く期待は出来ません。


 


毎月決算型の分配金の出し方が酷すぎる

圧倒的に人気の高い、毎月決算型を見ていきます。まず呆れるのが、現在の基準価額です。とんでもない下落となっていて、前人未到の2000円台となっています。ここまで価格が落ちた投資信託は、なかなかお目にかかれません。

ワールド・リート・オープン(毎月決算型)の基準価額の下落


分配金も含めたトータルリターンでは、設定来で約2倍になっているから良しとする投資家もいるでしょうが、解約すると投資した元本の2割しか戻ってこないという事になります。

もう間もなく死期が近づいており、財産を持ってあの世に行く訳にはいかないという人にとっては、体よくお金を消失させることができる最適な投資信託と言えるでしょう。

なぜ、トータルリターンと基準価額の差がここまで開いているのかというと、猛烈なタコ足分配を繰り返し行っているからです。投資元本を傷つけない程度の分配であれば健全だと思いますが、投資元本という自分の肉体を食ってまで分配金を支払っているという事になります。

タコ足分配の状況は、運用報告書で確認できます。毎月の50円の分配金(青線)に対して、投資先の収益で支払われる金額は赤枠の通り、大変少ない金額です。

収益が少ないのに盛大な分配金を支払うのですから、その差額は天から降って来る訳でもなく、投資家の元本を勝手に分配しているだけなのです。半年で、分配金のわずか16%しか収益でカバーできておらず、こんな酷い分配は金融庁にチクっても良いくらいです。

ワールド・リート・オープン(毎月分配型)の分配原資の内訳


流石にこれはヤバいと思ったのか、三菱UFJ国際投信は2018年から分配金の減額を始めており、直近では20円となっています。

それでも分配金利回りは18%の水準であり、ファンドの投資先の配当利回りが5.6%である事を考えると、単純に、その差額分はタコ足分配になると考える事ができて、投資しているのか金を失っているのか、まるで意味の分からない事になっています。

ワールド・リート・オープン(毎月決算型)の分配金利回り


なお、基準価額が2000円台まで落ちると、「価格が割安だから将来的に上昇が期待できる」などと解釈する人が出てきますが、投資信託の基準価額は株価のようなイメージとは全く異なり、単に運用方針がダメすぎるだけであり、タコ足分配を止めなければ、基本的には期待したような上昇はありません。

金融機関の窓口でもそのような説明をして投資家を結果的に騙す事がありますから、十二分に注意して下さい。


資産成長型(愛称:ワールド・リートN)の意味が分からない

さて、毎月決算型や1年決算型の「大成功(=投資家をカモに出来たという意味)」に気を良くしたのか、三菱UFJ国際投信は新たに、資産成長型(愛称:ワールド・リートN)なるタイプを登場させました。(その後さらに為替ヘッジありタイプまで投入)

しかし、この資産成長型(愛称:ワールド・リートN)の存在の意味が、全く分かりません。ポートフォリオは資産成長型と毎月決算型(或いは1年決算型)で全く同一ですから、リターンもまた同一になる筈です。

過去3年で調べてみると、毎月決算型のオレンジ色の線と資産成長型の赤線が完全に重なっており、どちらを選んでもリターンは完全に同一と言って良いでしょう。(1年決算型とも全く同一です)

ワールド・リート・オープンの1年決算型、毎月決算型、資産成長型のリターン比較


となると、毎月決算型は文字通り毎月の分配があるから別物だと判断できるとして、1年決算型と資産成長型にはどんな違いがあるのか全く理解できず、頭の中が混乱しました。

そしてようやく理解できたのは、1年決算型が毎年1回、必ず分配金を出しているのに対して、資産成長型はそれを出さないという違いだけがある事に気が付きました

要は、1年決算型は年1回分配タイプであり、資産成長型は無分配タイプという事ですね。とは言っても1年決算型の分配金などわずか10円ですから、単にこれを「今後は無分配」とするだけで良かったのではないかと思います。

この辺りは、運用する側の様々な都合や関連する官庁などとの絡みが有ると思うので、仕方がないとは思いますが、投資家から見ると実に不思議な事になっています。


インデックスファンドで必要十分です

以上のように、様々な問題点の指摘できるワールド・リート・オープンなど利用せずとも、超低コストのインデックスファンドを利用するだけで必要十分である事も示しておきましょう。細かい点が少々異なるのですが、以下のいずれかの代替えファンドで宜しいかと思います。

ファンド名称 信託報酬 指数 投資先
ワールド・リート・オープン 1.55% S&P先進国REIT指数 日本を含む先進国
EXE-i グローバルREITファンド 0.344% S&Pグローバルリートインデックス   日本を含む先進国及び新興国
<購入・換金手数料なし>ニッセイ グローバルリートインデックスファンド 0.27% S&Pグローバルリートインデックス(除く日本、配当込み) 先進国(日本を除く)及び新興国
Smart-i先進国リートインデックス 0.2% S&P先進国REIT指数(除く日本) 先進国(日本除く)
たわらノーロード 先進国リート 0.27%


以下の通り、どのインデックスファンドを採用しても、ワールド・リート・オープンよりも確実に高いリターンを上げる事が出来ていました。

(Smart-i先進国リートインデックスは運用実績が短いので、代わりに同じ指数をベンチマークとするSMT グローバルREITインデックス・オープンを使って比較しています。)

ワールド・リート・オープンと類似するインデックスファンドとのリターン比較


ワールド・リート・オープンのように、多大な信託報酬を支払って上記のような低いリターンしか期待できないのであれば、このようなアクティブファンドなどは全く利用する価値が無いことはお分かりいただけたと思います。

ネット証券を利用しない場合は、購入時に手数料を最大で2.5%も支払って買い付けるケースもある訳で、投資家よりも金融機関が喜ぶ投資信託と言えそうですね。


どうしても「毎月分配型」が良いという人には・・・

元本に手を付けない、つまりタコ足分配ではない毎月分配型投資信託を利用したいというニーズが、非常に強いことは承知しています。その場合は、3つの選択肢があります。

ワールドリートオープンの代替え案


1つ目は、上の項で上げたインデックスファンドを買って、分配金に相当するお金が欲しい時に、必要な分だけ解約するという方法です。分配金は運用側が自動的に解約をしているだけですから、それを自分の手で行うという事になります。

それが面倒だという人は、これらのインデックスファンドをSBI証券で買い付け、「投資信託定期売却サービス」を利用すると良いでしょう。これは毎月、任意の金額での解約が可能になるサービスであり、自作の毎月分配型投資信託を作る事ができます

3つ目は、上場投資信託(ETF)を買い付ける手があります。定期的にタコ足ではない分配金を出す、リートに投資するETFとしては以下の4つが候補になりますので、これらをご自身の納得する資産配分比率で買い付けると良いでしょう。

・上場インデックスファンド豪州リート(隔月分配型)
・上場インデックスファンドJリート(隔月分配型)
・上場インデックスファンドアジアリート(年4回分配型)
・iシェアーズ米国不動産ETF(年4回分配型)




ワールド・リート・オープンの購入先

ワールド・リート・オープンをノーロードで購入できる銀行・証券会社は以下の通りです。ワールド・リート・オープンなど買う必要ありませんから、先ほど挙げたインデックスファンドを買う時に使って下さい。

フィデリティ証券SBI証券カブドットコム証券楽天証券マネックス証券


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