ネット証券専用 AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)

ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)は、2011年11月30日に設定された日本株式ファンドです。

ネット証券4社(SBI証券楽天証券マネックス証券カブドットコム証券)の、資産倍増プロジェクト専用ファンドとして運用されています。(・・・このプロジェクトは妙なファンドばかりで、少々困ったもんですな。)

日本の株式を投資対象としてロング(買い)しつつも、同時に株価指数先物取引をショート(売り)する事により、株式市場の価格変動リスクを低減しようと試みです。これにより、絶対収益の獲得を目指すヘッジファンドです。TOPIX参考指数としています。




ヘッジファンドは評価が難しく、TOPIXを参考指数にする事も、意味があるのかないのか、よく分かりません(というか、ヘッジファンドの目的からすると意味はないような。)

信託報酬も年1.23%(税抜)と高く、よほどの好成績を残していただかない限りは、投資価値は薄いと言えます。

(2016年7月9日)


 


AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)の基本的情報

・購入単位:積立では最低1000円より積立購入可能。
・信託報酬:年1.23%(税抜)
信託財産留保額:0.05%
・決算:年1回(7月22日)
・資産配分比率:日本株式計99銘柄に投資しつつ、先物ではショートを打っています(2016年5月31日時点)。常にトータルでは0%~20%の間でロングする形になります。




組入上位のトップ10の業種の比率は以下の通りです。




・償還日:無期限
・運用:アセットマネジメントONE
・為替ヘッジ:なし(投資対象に為替リスクはありません)


AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)の感想と評価

絶対収益とはいったい何を指すのか、不明瞭すぎる

ヘッジファンドは、絶対収益を目指すファンドの事を言います。一般に投資信託は、ベンチマークを判断基準にして、それを上回れば優秀で下回ればダメファンドとされます。(アクティブファンドの場合です。)

ベンチマークがマイナス30%の暴落をしたとして、それに対してマイナス28%の暴落にとどまったら、それはそれで優秀なファンドとして評価されます。

しかし投資家からすると、暴落を食らうこと自体がトンデモナイ事、暴落するならショートしてでも利益に変えろと要求する人もいます。そんなニーズに合わせて作られるのが、どんな相場でも一定の利益が出ることを目標としたヘッジファンドなのです。

ただ、本ファンドの参考指数はTOPIXとなっています。どんな時も一定収益が出る、ほとんど元本割れを起こさない運用を目指すのであれば、運用目標を年率10%とか20%とか、具体的に数字にしていただかないと困る、と言うのが率直な感想です

(富裕層向けのヘッジファンドは、そういう目標を掲げることが多いと聞きます。でも庶民相手のヘッジファンドでそんな事を言っているのは聞いたことがありません。金を持ってないと、扱いなどこんなもんなんだなと思わされる事例です。)

さて、TOPIXのように、比較対象として実態にそぐわないものを参考指数にされても、大変に困ります。どれだけ困るのか、次の項をご覧いただくと分かると思います。


株価の暴落時にだけ、保有していて嬉しくなるファンド

では参考指数のTOPIX(青線)と、本ファンド(オレンジ線)を見比べてみて下さい。過去3年のチャートです。値動きの傾向があまりにも異なるので、比べても良いものなのかどうか、全く判断が付きません。

特にアベノミクスで株価が大相場となって上昇しつくした2015年の夏時点では、TOPIXに比べておおよそ35%ほども下回っていて、何のための参考指数なのか意味が分かりません。

なお、念のため、同じく中小型株に強く、参考指数を常に上回るパフォーマンスの2つのファンド、インベスコ店頭・成長株オープンひふみ投信も載せています。共に信託報酬がほぼ1%のファンドになります。

ご覧の通り、ネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)に比べると極めて良好な運用成績です。ショートなどしていないにもかかわらず、インベスコなどは最近の暴落時にむしろ上昇していたりします。

下手に絶対収益を目指されて低空飛行をされるよりも、アクティブな運用を求めるのであれば、ヘッジファンドなどよりもおススメできるアクティブファンドを選ぶ方がはるかに報われる可能性があります。




ネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)の値動きの特徴は、とにかくも相場(TOPIX)が上昇しようが下落しようがそれと連動せずに少しずつジワジワと基準価額が右肩上がりで上がっていくことです。

今年に入っての日本株の大幅な下落に直面しても、基準価額は今までのようにほんの少しずつ上昇傾向にあります。ロングだけでなくショートもしているファンドの強みが出ているのだと考えられます。

ヘッジファンドと言うととても儲かる気分になりますが、本ファンドは大きく儲けるのではなくて、市場の暴落があってもそれとはあまり関係なく、自分の資産が減る事を極力避けることができるファンド、ただし上昇相場でも儲かる訳ではないよ、と言うファンドです。

上昇相場では普通の投資信託を買って、下落相場ではただちにそれを売却してAR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)に乗り換える、というサーカスのような芸当のできる投資家がいるとすれば、非常に強力な武器になるでしょう。


待てよ、鎌倉投信の結い2101あたりで良いのではないか?

それにしても、こんなにマイルドな値動きを狙っているのなら、一般の投資信託で比較するとしたら、鎌倉投信の出番だなとピンと来て比較してみたのが下記。

鎌倉投信のアクティブファンド「結い2101」は、現金比率を非常に高く取って(直近で約5割も現金なので、ビックリです)、値動きをマイルドに抑える運用をしています。配当込みのTOPIXも含めて比べてみると、本ファンドも結い2101も、非常に似通ってマイルドな値動きとなっていますね。

ただ、2015年の夏と2016年の年初の下落相場では、結い2101でさえも基準価額が下落しているのに対し、本ファンドはむしろ上昇しています。この結果から、やはり本ファンドは下落相場に強い可能性が高いことを示しています。




ただ、下落相場は相場全体のほんのわずかな期間しかありません。世界経済が右肩上がりで成長していれば、上昇している時期のほうがはるかに長いので、だとすると上昇についていけないヘッジファンドは10年単位の長期で見ると、報われない投資になる可能性が強いです。

日本株の場合、今後もグイグイと上昇するのは考えにくいとお考えならば、日本株に限ってはこのようなヘッジファンドに投資するのも「戦略」としてはアリかもしれません。(あくまで戦略を立案できる人に限っての話しです。)


これは、元本割れを極度に嫌う人向けのファンド

下の図は2016年5月末時点の基準価額の推移です。日本市場がアベノミクス相場で絶好調の時も全く追随せず、また2015年夏からの急落相場にも影響されず、非常にマイルドな値動きでほぼ右肩上がりに基準価額が伸びている事に、安心感を覚える投資家もおられる事でしょう。

相場の動向にあまり振り回されずほぼ年率換算で10%程度のリターンを獲得できているので、まあ安定感はあると言えるでしょうね。




この安定感は、標準偏差の値が極端に小さく、シャープレシオの値が顕著に大きいことからも、過去、非常に低リスクで効率の良い運用がなされた事を示しています。

という事で、結局は本ファンドは「投資してみたくてたまらないのだけど、怖いし元本割れは極力避けたいし、あんまり儲からなくてもいいから、とにかく何か無いですか??」というタイプの人に最適なファンドととしか言いようがありませんね。

ファンドの名称 標準偏差(3年) シャープレシオ(3年)
AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー) 5.37 1.35
SMT TOPIXインデックス・オープン 22.23 0.28
結い2101 11.08 0.60


ただ、絶対収益を目指すという割には、運用の初年度にはマイナスの運用成績だったので、時には期待外れの成績になる可能性もある事は肝に銘じておきましょう。必ず収益を上げられるわけではないと、逃げ口上を用意していますし。

ヘッジファンドの責任逃れの言葉


また、元本割れが怖いならば、三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)のような、非常に元本割れしにくいファンドをセレクトするという選択肢もあります。標準偏差も3年で5.15で、サムライバリューと同等です。

(・・・それにしても、まさか三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)の出番が来るとは、思いもしませんでした。)

あるいは、SMT TOPIXインデックス・オープンや、より低コストの<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドを比率にして1割か2割程度購入して、残り8割9割を国内債券ファンドや個人向け国債の購入に割り当てれば、全体としてより低コストで、同じようにマイルドな値動きを期待することができます。

あたしはそんなめんどくさい事は嫌なんだ!!激おこプンプン!!!」という人のみ、本ファンドを購入すれば良いでしょう。信託報酬は日本株ファンドとしてかなり高いですが、激おこプンプン代だと思って、しっかりと金融機関に支払うようにしたいですね。




でも、激おこプンプンでヘッジファンドにばかり投資するのも考えものです。だいいちこれからも安定的に運用できるか全くわかりません。

同じ「ネット証券専用ファンドシリーズ」で先進国株式に投資するヘッジファンドがあるのですが、それなんて「安定的に元本割れ」している状況で、目も当てられません。(このファンドは後日、ご紹介します。)

ま、投資信託ってのは普通に国際分散投資をしているのが最も合理的な活用方法なので、ヘッジファンドなど「余計な事」を考えていては、普通はあまり上手くいかない事が多いと思っておいて間違いはないでしょう。


AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)の購入先

ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)をノーロードで購入できる銀行・証券会社は下記の通りです。

マネックス証券楽天証券カブドットコム証券SBI証券

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管理人的には、 SBI証券 の利用がコストを徹底的に抑えられるのでベストだと思います。


 


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