ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)・何と分配金利回り56%!

本ページでご紹介する、2014年12月19日に運用が開始されたブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)には、以下の2つのコースが用意されています。

・ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコース
・ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)シングルα・米ドルコース


ここでは、純資産総額が圧倒的に多い「ツインαコース」(純資産155億円)を中心に記しますが、本質的には同じなので、そのつもりでお読みください。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)


さて、ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)は、ブラジル株式に単純に投資するのではなく、ブラジル株式を用いたオプション取引、あるいは通貨(米ドル)を用いたオプション取引を織り交ぜる、複雑極まりないアクティブファンドです。

このような投資信託には数々のツッコミどころがあり、どう見ても投資する価値など皆無に等しいファンドです。一時期はこの手の複雑なファンドが一世を風靡していましたが、金融庁が問題視して鳴りを潜めていました。

金融庁が文句を言うくらいですから、普通の投資家にとっては全く不要な商品です。このような投資信託を買うくらいなら、まずご自身のファイナンシャルリテラシーの向上を図りましょう。


(2018年5月23日)・・・以降、気が付いたら本ページを更新しますが、最新情報を確認したいという人がおられたら、管理人までお知らせください。更新作業を致します。



 


ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)の基本的情報

コストなどの基本情報

購入単位:証券会社により異なりますがSBI証券楽天証券では最低100円より購入可能。
信託報酬年率1.68%(税抜)
信託財産留保額:0.3%
決算:年12回(毎月25日)
償還日:2022年12月26日
運用:T&Dアセットマネジメント
為替ヘッジ:なし


このファンドの運営方式

以下の通り、ケイマン籍の外国投資信託にファンドオブファンズ形式で投資します。外国投資信託では、海外ETFであるiシェアーズMSCIブラジル・キャップトETFを利用します。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)のファンド運用形式


ご覧の通り、これを見ても、いったい何がどうなっているのか、一般の人はまず理解が不能だと思います。私でもよく分からない部分が沢山あるので、理解できる部分のみ、次の項から記していきます。



ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)、管理人の感想と評価

オプション取引が複雑難解すぎて、投資する意欲など失うはずだ

最初に、オプション取引の事を書かねばなりません。このファンドは、以下の2つのオプション取引を取り入れた投資信託です。

・ブラジル株式とオプション取引を組み合わせた「ブラジル株式カバードコール戦略」
・米ドルの為替変動とオプション取引を組み合わせた「通貨カバード コール戦略」



ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースには上記の2つが組み込まれていて、その仕組みは以下の図の通りです。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースの仕組み


ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)シングルα・米ドルコースについては、シングルの名の通りブラジル株カバードコール戦略のみで、通貨のオプション取引は行いません。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)シングルα・米ドルコース


オプション取引は理解が非常に難解なので、ここでは詳しく記しません。詳細を知りたい人はオプション取引とは何か?をご覧ください。

今回の株式カバードコール戦略では、ブラジル株(ETF)のコール・オプションの「売り」を行う旨が目論見書に書かれていますから、これは利益限定の損失無限大となる可能性を内包している訳で、投資ではなくて完全にギャンブルの世界です。

以下のシミュレーションの通り、オプション取引でショートを行っているため、相場が下げた時にはその分のオプションプレミアム収入分の利益に限定されますが、上げ相場では値上がり益の半分程度が損失になります。上昇相場が続くと、多大な損失が発生します。

オプション取引を含んだ投資信託の値動きのイメージ


米ドルの対円レートにおけるカバードコール戦略も行っていますから、上記と同じ「効果」が、為替変動でもたらされるわけです。通貨はそれ自体が投資ではなくて投機的側面が強く、それに対してオプション取引を行う事は、よりギャンブル的な色合いを濃くする行為です。

つまり、ブラジルの株式に投資をするのではなくて、完全に余計な取引をする事によって、本ファンドの性質は著しくギャンブルまがいになるという事であり、更に、このように値動きの異なる複数の取引が重なる事で、基準価額の変動が一体何によって発生したのか、その理由を探ることが著しく困難になります。


 


なぜ、こんな複雑なオプション取引を行うのか?

では、どうしてこのような複雑なオプション取引を行うのか、疑問に感じると思います。私はこの理由は、毎月の分配金を「四の五の言ってないでとにかく沢山出せ!」と要望する強欲なお茶の間の投資家の声が強いからだと思います。

そこに付け込んだ金融機関が、ついでに多額のコストをむしり取ってやろうと画策して、「両者の利益が一致した」というのが実態でしょう。つまり、こんな投資信託を買っている投資家と金融機関は一蓮托生のようなものであり、同じ穴の狢です。

見て下さい、この「前人未到」の分配金利回り56%という数字を! このファンドは、とにかく分配金利回りを無茶苦茶に上げて、これを配当金とか利息のようなものと勘違いしている投資家(投資家とは言わないよね、そんな奴は)に報いるのが使命なのです。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースの分配金利回り


そして、どうにかして強引に利回りをあげようとした場合に手を付けたのが、先述のオプション取引なのです。株価の値上がり益の半分を放棄してでも、利回りの向上を狙っています。

設計としては、以下の3つの合計が利回りとなります。ETFの配当利回りなど、わずか1.64%です。それに対して株式カバードコール戦略で16.2%、通過カバードコール戦略で8.0%、合計で25.84%もの「利回り」をひねり出す算段です。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースの利回りやオプションプレミアム


でも、分配金利回りはその2倍の数字になっています。今は月額110円の分配ですが、2016年まで倍の金額を支払っていましたので、その名残が数字に反映されていると思われます。

また、基準価額がこれまたひどく下落して4000円台ですから、ここが下がれば下がるほど見かけの分配金利回りは高まる訳で、そういった理由から56%の数値になっているようです。

参考までに、ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースの分配原資の内訳を見ると、分配金110円レベルであれば、なんとかタコ足分配をギリギリ回避できるくらいの数字にはなっています。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースの分配原資の内訳


その代わり、本ファンドの損益を見てみると、分配金と配当等の収益はほぼ一致しますが、売買損失が出ているのが分かります。分配金を再投資したと仮定した場合の価格は穏やかに上昇していましたから、「上昇相場=損失」となるオプション取引の影響でしょう。

となると、期(月)を追うごとに基準価額は更に落ちてゆく事になる訳で、もしも手元の分配金を使うだけ使ってしまったら、後に残るのは基準価額4000程度の「出涸らし」になった元本のみと言う事になります。

約3年半程度で1万円台の基準価額が4000円になるのですから、ご自身の財産を使いまくって食い潰したいという要望がある人に最適な投資信託と言えます。


ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースの損益


なお、上記の損益計算書から、重要な項目を抜き出して半年分を合計した数字が以下です。配当は貰えるけれども、上げ相場で財産が増えない仕組みとなっていて、こんなものに投資をして一体何が嬉しいのか、不思議でなりません。

配当金の合計1426百万円(上記の青線部分)
売買損益合計-635百万円(上記の緑枠の部分)
分配金合計1462百万円(上記の赤線部分)
信託報酬合計48百万円(上記では色付けはしていません)


ブラジル株式に投資できるインデックスファンドと比較してみる

ところで、このような妙なファンドに投資しないで、他に良い手は無いのでしょうか? ブラジル1国に投資できる低コストのインデックスファンドが無いのですが、信託報酬が0.88%のピクテ・インデックスファンドシリーズ-ブラジル株(愛称:ピクテIFブラジル株)ならば、まあ良しとしましょうか。ベンチマークはMSCIブラジル株価指数(税引後配当込み)です。

これに対して、ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)のツインαコースとシングルα・米ドルコースの投資先ETFであるiシェアーズMSCIブラジル・キャップトETFのベンチマークはMSCIブラジル 25/50 インデックスで、少し異なります。

ただ、ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)自体にはベンチマークも参考指数も設定していない欠陥アクティブファンドですから、これら2つをあくまで値動きの傾向を見るという意味では意義はある筈ですので、下記の通り比較してみます。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインαコースとシングルα米ドルコースと、インデックスファンドとのリターン比較


こうして見ると、シンプルにブラジルの株式の値動きに連動するインデックスファンドのほうが、1年で見ても3年で見ても、ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)よりも圧倒的にリターンが良い事が分かります。

オプション取引をちりばめて余計な事をやりまくってしまうと、その分、リターンに対して多大な影響があるように感じます。

一方で、リスクを示す指標の標準偏差はインデックスファンドよりもブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)のほうが明確に低く、リスク低減の効果はありそうです。

ただしこれについては、リスクを嫌う人は債券に投資するのが基本中の基本であり、iFree 新興国債券インデックスのような、新興国全体に分散された債券インデックスファンドを保有して、リスクとリターンをコントロールするのが基本になります。

「新興国全体に分散」という視点で、新興国株式に分散投資する株式インデックスファンドも追加して、比較してみるとどうなるでしょうか。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)と新興国株式インデックスファンドとのリターン比較


ふつう、分散投資するとリターンは下がる傾向になるのですが、ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)のように、上昇相場で損失が拡大するオプション取引を含んでいないインデックスファンドのほうが、やはりリターンが高くなっています。

そして、分散する事で、ピクテ・インデックスファンドシリーズ-ブラジル株(愛称:ピクテIFブラジル株)やブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)よりも、明確に標準偏差の数字が下がっています。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)よりもリスクが低減されてリターンが増えるのですから、いかにブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)が無用の長物なのかが分かります。

なお、どうしてもブラジルの株式や新興国株式に投資して分配金を受け取りたいと希望するならば、それらのインデックスファンドをSBI証券の投資信託定期売却サービスを利用して買うと良いでしょう。

自ら基準価額を猛烈に下落させることなく、投資元本を常に一定のレベルに保ちつつ、投資先株式の配当利回りの範囲内で分配金を受け取り続けることが可能になります。



ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)の購入先

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)をノーロードで購入できる証券会社は以下の通りです。ノーロードで買わない場合は、なんと手数料の上限が4.0%という、まさしくボッタクリの商品となっています。

SBI証券楽天証券 カブドットコム証券マネックス証券

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