キャピタル世界株式ファンド・・・投資家を欺く酷すぎる売り込み

キャピタル世界株式ファンドは、米国を中心に、欧州や日本の株式に投資するアクティブファンドです。2007年から運用される10年以上の運用歴を持つファンドです。

長い期間、純資産が低迷しておりましたが、恐らく野村證券辺りが2016年後半から売りまくったのか、100億円に満たなかった純資産が1年で1000億円を超えると言った、クレイジーな動きを見せました。

キャピタル世界株式ファンド


現在の純資産は以下の通りで、「本体」が売れたのを良い事に、為替ヘッジ付きのものや分配重視のタイプなどを追加で用意してきました。

ファンドのタイプ 純資産総額
キャピタル世界株式ファンド 856億円
キャピタル世界株式ファンド(限定為替ヘッジ) 1億円
キャピタル世界株式ファンド年 2 回決算(分配重視) 1億円
キャピタル世界株式ファンド年 2 回決算(分配重視/限定為替ヘッジ) 1億円
キャピタル世界株式ファンド(DC年金用) 27億円


ただ、キャピタル世界株式ファンドの運用成績は全世界株式の平均的な数字に明確に劣り、このようなものがなぜ猛烈に売れたのか、全く意味が分からない状況です。購入手数料が3%もかかり、恐らく証券会社はこの手数料収入が欲しかっただけだと思われます。

当然、このようなコストの塊で、運用成績もダメなアクティブファンドなど存在価値はありませんから、検討中の人も既に購入してしまった人も、一刻も早く縁を切る事をお勧めします。


(2019年1月27日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


キャピタル世界株式ファンドの基本情報

このファンドの基本的な情報

為替ヘッジの無いタイプが「通常版」ですが、同じ販売条件で、「為替ヘッジあり」タイプや「分配重視タイプ」も存在します。信託報酬などは、全て同一となっています。

購入手数料 3.0%(ノーロード投資信託ではありません)
キャピタル世界株式ファンド(DC年金用)のみ、購入手数料はありません
信託報酬 年率1.547%(税抜き)
信託財産留保額 なし
運用期間 無期限(設定日:2007年10月29日)・・・キャピタル世界株式ファンドの「本体」
決算 年1回(毎年8月20日)
運用会社 キャピタル・インターナショナル株式会社
販売 楽天証券SBI証券、野村證券、みずほ銀行、一部の地方銀行など


ファンドの運営は、以下の通りファンドオブファンズ形式となります。

キャピタル世界株式ファンドのファンド運用方式


このファンドのポートフォリオ

2018年12月末時点のポートフォリオは以下の通りです。

キャピタル世界株式ファンドのポートフォリオ



キャピタル世界株式ファンドに対する管理人の感想と評価

投資先の過去の運用成績が凄いと豪語しているが・・・

キャピタル世界株式ファンドは、「多国籍に事業展開するマルチナショナル企業」 に投資するそうです。マルチナショナル企業などという表現は初めて聞いたのですが、英訳をそのまま販売資料に掲載したのでしょうか・・・。

要は、世界的な大企業とか多国籍企業の事ですよね。分かりやすい言葉を使わずに、なんだか意味の分からない単語で説明する商品が有ったら、それだけで要注意ですね。

もちろん、世界の株式に分散投資する事じたいは大賛成です。世界経済は過去、一貫して成長を続けており、世界の株式に投資する事でその恩恵(株価の上昇)を受ける事が可能だからです。

マルチナショナル企業


このキャピタル世界株式ファンドは、投資資金のほぼ全てをギャピタルグループ・ニューパースペクティブ・ファンドに投資する形になります。そして、そのファンドの過去の運用成績が凄いと豪語しています。

40年を超える実績が掲載されていて、世界株式の一般的なベンチマークであるMSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(配当込み)に、運用成績で勝っていると説明しています。

キャピタル世界株式ファンドのバックデータ


上記の資料は、最新の販売資料では差し替えられて、次のような表現になっています。過去44年間で、全世界株式のインデックスの3倍近いリターンを上げていると言っています。ついでに日本株のリターンも表示して、更に見た目の凄さを強調しています。

キャピタル世界株式ファンドのバックデータ


唐突に出てくる「ニューパースペクティブ運用」などという意味不明の言葉に目が行きがちですが、よくよく資料を見ると、端っこの方に小さい字でこう書かれており、これを見逃してはなりません。

キャピタル・グループ・ニューパースペクティブ・ファンドと同一の運用手法を用いた運用戦略の実績をもとに試算した結果であり、当ファンドの運用成績とは異なります」・・・つまりこれは、単なる計算結果であるわけです。

上記の数字は、ファンドのコストを差し引いて、それでもなおかつそのような好成績を出したと言っている訳で、これが本当だとしたら、信じられないくらいの凄さだという事になります。

ところが、「では運用報告書のほうで、MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(配当込み)との実際の比較データを見ようかな」と思って探したところ、何と、キャピタル世界株式ファンドにはベンチマークが存在しませんでした。

バックデータで、「過去に凄い事になっている」と思わせるような事を見せておきながら、実際に運用するファンドには一切の比較データは「存在しない」というやり方であり、全くもって投資家をバカにしたような姿勢と言わざるを得ません。


実際に自分で比較・・・それがファンドの選び方

バックデータでは凄いと言いつつベンチマークが存在しないキャピタル世界株式ファンド・・・このような誤魔化しをするファンドの運用成績は、ほとんど全てがダメダメです。

という事で、キャピタル世界株式ファンドとMSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(配当込み)を勝手に比較してみたのが下の図です。やはり3年のリターンは配当込みの市場平均(インデックス)を2%ほど下回るのが明白であり、投資価値の無さを証明しています。

キャピタル世界株式ファンドの運用成績


赤枠で示した部分、10年のリターンで見ると、長期ではインデックスに対してボロ負けと言って良い状況であり、バックデータで示した内容など、クソほども役に立っていないのが分かります。

バックデータなど、信用してはなりません。それは、金融機関にとって都合の良いように描かれているアート作品のようなものなのですから。

キャピタル世界株式ファンドのようなアクティブ運用は、運用目標(ベンチマーク等)に勝たないと、全く意味がありません。しかも上記の図では、初年度の3%の購入手数料はカウントされていませんから、それを入れると「ボロ負け」状態になります。話しになりません。

なお、比較データには、参考までに、同じMSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(配当込み)を参考指数とするセゾン資産形成の達人ファンド(購入手数料ゼロ、信託報酬1.3%程度)を入れております。

同指数を運用目標にするアクティブファンドならば、野村證券が勧めるようなボッタクリ商品ではなく、こういった商品をセレクトすべきでしょう。

もしも今、キャピタル世界株式ファンドを保有している人がいたら、セゾンのファンド並びに、同指数を運用目標とするインデックスファンド、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を検討すると良いでしょう。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)については、信託報酬が0.142%と、ほとんどタダみたいな数字です。長期的に運用すればするほど、毎年のコストがリターンに多大な影響を及ぼしますから、基本はインデックスファンドとしたほうが良いでしょう。


 


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