ダイワFEグローバル・バリュー・・・言う事とやる事がまるで真逆だ

投資信託の販売用資料を見て、久しぶりに「極めて信用できない」と感じたファンドが、ダイワFEグローバル・バリューです。バックデータ(過去の運用のシミュレーション)が、あまりにも良く出来過ぎていて、胡散臭いとしか思えませんでした。

大和証券をはじめとして地方銀行などが売りまくったのか、為替ヘッジありと為替ヘッジなしの2つのタイプを合計すると、1100億円を超える資金を集めています。

・為替ヘッジなし:633億円
・為替ヘッジあり:524億円

ダイワFEグローバル・バリュー


しかし詳細をチェックしてみると、自信満々に見せているにもかかわらず運用目標を掲げていない点、運用が自滅するとしか思えないほどの高コストなど、ダメなファンド特有の香りが漂ってきます。というか、予想通り、とんでもなくヘタレな運用成績です


(2019年2月7日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


ダイワFEグローバル・バリューの基本情報

このファンドの基本的な情報

手数料と信託報酬で、5%以上ものコストがかかるのは、猛烈に高コストです。10年保有したら、元本の20%以上をコストで持っていかれます。投資家にとって、非常に不利な状況で運用しなくてはなりません。典型的に、金融機関を喜ばすファンドと言えます。

購入手数料 3.0%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.915%程度(税抜)
信託財産留保額 なし
運用期間 2026年5月19日(2016年7月1日)
決算 毎年5月と11月の19日
運用会社 大和証券投資信託委託株式会社
販売 大和証券、三菱UFJ銀行、SBI証券、全国の地方銀行など幅広く販売

運用は、ケイマン籍のマザーファンドを通じてファンドオブファンズ形式で投資します。そのため、信託報酬が二重にかかり、上記のような超高コスト投資信託となっています。

ダイワFEグローバル・バリューのファンド運用形式


このファンドのポートフォリオ

2018年12月末時点のポートフォリオは以下の通りです。株式だけでなく、金への投資も行っているのが特徴です(後述)。わずかに債券にも資金を振り向けています。

ダイワFEグローバル・バリューのポートフォリオ



ダイワFEグローバル・バリューに対する管理人の感想と評価

分かりやすいようで分かりにくい部分があるファンド

ダイワFEグローバル・バリューの投資対象は、世界の株式です。ただし株式だけでなく、金、債券、転換社債などの資産に投資する場合もあり、その上、現地通貨売り/米ドル買いの為替取引も行う可能性があると明記されており、なんでも有りのファンドです。

この時点で、嫌な予感がするとしか思えません。個人投資家にとって極めて大切な資産配分(あるいはアセットアロケーション)をほぼ完全に金融機関に一任してしまうようなもので、資産配分が適切に管理されているのかいないのか、それを判断できる投資家以外は、手出し無用と言えます。

ファースト・イーグル・グローバル・バリュー・マスター・ファンドのポートフォリオ


国別の保有割合を見てみると、先進国を中心としたファンドです。現金として保有している部分を除くと、株式銘柄が多くを占めている状況です。後述しますが、販売資料にはMSCIワールド指数とパフォーマンスを比較しています。

しかしながらMSCIワールド指数と運用成績を比較するくせに、ベンチマークや参考指数を設定しないファンドです。意味がまったく分かりません。

とりあえずアクティブ運用で、長期的に利益を追求する運用姿勢との事。積極的に利益を追求する訳ですから、バリュー投資の手法で銘柄を選定する方針のようです。

下記、本ファンドの販売資料から抜き出したものですが、資産の保全の部分を見ると笑ってしまいました。分からないものには決して手を出さない事が投資方針のようで、だとしたら本ファンドのように非常に分かりにくいファンドは、決して買ってはならない事になります。

ダイワFEグローバル・バリューの運用理念


世界中の企業を対象にしており、その「本源的価値」よりも著しく割安な水準で投資を行って、株価が本源的価値に近づいた段階で売却するとの事。どうやって銘柄を選ぶのか、超絶に分かりにくいですね。 分からないものに手を出すファンドは、決して買ってはなりません。

ダイワFEグローバル・バリューの投資のイメージ


イメージとしては、投資対象の企業価値よりも株価が安いと思った時に資金を投じて、株価が上昇してきたら、売り払うという事です。これは、言うのは簡単でも実行するのは難しいという典型的な事例であり、こんな事が簡単にできたら、世の中全員が大金持ちです。

企業価値の算出は、PER分析、PBR分析、貸借対照表分析、フリーキャッシュフロー分析などを駆使して、企業の収益力を調査する事で導き出すとの事。

こんなもん、世の中のあらゆるファンドマネージャーが同じようにやっている事であって、本ファンドが改まって表現するようなものでは、全くありません。しかも本当に正確に算出できてきちんと儲かるのか、極めて疑問な点です。

ちなみに、算出した価値(価格)から30~50%以上割安な銘柄に投資するようです。と言ってますが、相場が大暴落した時以外、そんな銘柄は存在しませんよね? どうイメージしてもダメダメな感じしかしないのは、管理人の性格があまりにもネガティブだからでしょうか。


 


バックデータの結果を見て「嘘くさい」と思わなければいけない

販売資料を読み続けると、1978年から2011年の33年間(396か月間)で、一度もバリュー株ファンドの運用成績がマイナスになった事が無いと明記されています。

市場全体が下落した58回のときも、毎月その全てでプラスを維持するのは、あり得ないどころか嘘くさいとしか思えません。

仮にそんな事が本当にあったとしても、こんな美味しい話が一般庶民のところにまで降りてくることは絶対にありませんので、何か大きな誤魔化しが有ると判断すべきでしょう。

ただし、この資料については2016年時点の販売資料に掲載されていたもので、2019年2月時点では載っておりませんので、運用成績に変化があったのかもしれません。




極め付けが、下記の比較チャートです。過去のリターンが、市場平均の2倍の成績だと豪語しています。米ドル建てだけでなく、円建てでも2倍になると説明しています。

ダイワFEグローバル・バリューの過去の運用成績のデータ


実はこのデータはもっと凄くて、2016年の販売資料では、なんと1978年から4倍になったと掲載していました。管理人は今まで投資信託を大量に見てきましたけれども、実際にこんなに大勝ちしているファンドに出会ったことは一度もありません。




金融機関が、このようなファンドを「お宝銘柄」のように装って、何も知らない個人投資家に売りつけている姿を連想すると、無性に腹が立ってきます。

お宝銘柄なのではなくて、このようなよく分からんファンドを猛烈な高コストでホイホイ買ってくれるあなたの方が、金融機関から見るとお宝そのものなのだと、気が付くべきでしょう。

「いやいや、だって現実に上記のような結果が出たんでしょ?」と思うかもしれませんが、こういった結果になるような過去の成績が出ている銘柄を「後出しじゃんけん」で集めてくれば、こんなグラフはいくらでも作り出せます。

学校で算数が得意だった人の手にかかると、いとも簡単にこのようなデータの遊びはできてしまいますから、今後投資信託を検討する時には、「バックデータではこうでした」系の話しは、決して信用しないようにしましょう。

信用するとしたら、バーチャルではなくてリアルに運用した過去の結果と(それでもある程度の参考になるくらいです)、コストです。特にコストは重要です。そしてそんなに自信があるなら、どうしてMSCIワールドインデックスをベンチマークにしないのかという疑問を持つことです。

もしもどうしてもダイワFEグローバル・バリューを購入したい欲望にかられた場合は、配当込みのMSCIワールドインデックスと運用成績を比べた上で、それに勝利していたら多少は考えても良いでしょう。


思った通り、実際の運用成績はボロカスだった

それでは実際に、MSCIワールドインデックス(配当込み)と、ダイワFEグローバル・バリュー(為替ヘッジなし)の運用リターンを比較してみましょう。3年弱の運用期間に、どの程度の差があるのか確認できます。

ダイワFEグローバル・バリューと参考指標とのリターン比較


なんと、販売資料とは真逆で、ダイワFEグローバル・バリューはダブルスコアでインデックスに大敗北を喫しているのが分かります。全く投資価値ゼロの投資信託です。あの資料は、いったい何だったのでしょうか。完全に投資家を欺くものとしか言えません。

実は、本ファンドと全く同じファンド「ファースト・イーグル・グローバル・バリュー・マスター・ファンド」に投資する、やはり本ファンドと同じファンドオブファンズ形式の投資信託があります。名称は、日興レジェンド・イーグル・ファンドです。

(ダイワFEグローバル・バリューは、日興レジェンド・イーグル・ファンドが売れまくったのを見て、上手に使い回ししたようなものと言えますね・苦笑。)

当然、ファースト・イーグル・グローバル・バリュー・マスター・ファンドに投資する事で、とんでもない運用成績をあげられるものだと思ってしまいますよね。でも、日興レジェンド・イーグル・ファンドの月報に、とんどもない事実が掲載されていました。下記をご覧下さい。

ファースト・イーグル・グローバル・バリュー・マスター・ファンドと参考指数とのリターン比較


なんと、過去10年ほどのやや長期でのリアルな運用成績も、MSCIワールドインデックスをはるかに下回る、酷い成績しか出せていません。レジェンド「=伝説のファンドに投資します!」と言ってみたところで、しょせんこんなもんだという事です。

ダイワFEグローバル・バリューの将来も、上記同様の運用成績に落ちぶれることが、容易に想像できます。金融機関から言われるまま、何も調べないでダイワFEグローバル・バリューを買うのが、そもそもの間違いだったという事です。

それにしても、あれほど販売資料では「豪語」していたにも関わらず、リアルな運用成績の酷さは、言葉も出ないほどの?つきファンドと言えますね。こんなことが許されるのですから、金融機関はいい商売をしています。


代替えとなる投資信託の検討

最初からMSCIワールド指数に連動するインデックスファンドに投資した方が、コストも劇的に下がって、確実に好成績を出せます。UBS ETF 先進国株(MSCIワールド)というETFがありますので、これを買うのが良いでしょう。

ただし、ETFは上場された投資信託であり、相場が開いている時に買い付けする必要があって、多くの人はそれに対して抵抗感があると思います。やはり仕事が終わって帰宅している時間帯に売り買いの注文が出せる、一般の投資信託の方が好まれるはずです。

しかしながら、MSCIワールド指数に連動するインデックスファンドが今のところはあいにく存在しませんから、ここでは新興国も含むMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するファンドを買っておけば宜しいかと思います。

比較的運用歴がある、eMAXIS 全世界株式インデックス(信託報酬0.6%)とリターンを比較したのが、以下の図です。

ダイワFEグローバル・バリューの代替えとなる投資信託


今では、超低コストの以下の2つのファンドを買い付ける事ができます。これらを買っておく方が、長期的にははるかに有意義な事になるでしょう。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)(信託報酬0.142%)
野村つみたて外国株投信(信託報酬0.19%・当サイト管理人も積み立て中)


ダイワFEグローバル・バリューの金への投資について

なお、ダイワFEグローバル・バリューの肩を持つ点を挙げるとすれば、ファンドの運用方針として、常に一定の金の保有を行うという点でしょう。金を保有する事で金融危機が発生した時に、基準価額の下落を一定程度防ぐことができるというものです。

ダイワFEグローバル・バリューの金への投資


従って、ここ数年のような株式市場が絶好調の相場では、どうしてもMSCIワールドインデックスには劣る成績になってしまいがちなのはやむを得ない事でしょう。

ただ、金への投資を過度に期待するのはいけません。上の図にもあるように、ドル建ての金価格が掲載されている点に、要注意です。

金融危機が発生すると猛烈な円高が襲ってきます。金の価格が上昇しても、円高によってすべて打ち消される方向に働きますので、金に投資する事による分散効果はほとんど期待できません。おまけに利息も付かない資産ですから、普段は何の役にも立たないのです。

こういう部分も考えると、やはり結論としては、ダイワFEグローバル・バリューなど全く不要な投資信託であると言わざるを得なません。

どうしても危機発生時の価格の下落が怖い人は、リーマンショックでも唯一のプラスリターンであった、国内債券をポートフォリオに持つバランスファンドを検討すべきでしょう。


 


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