楽天証券IFAからの無茶苦茶な提案とそれに対する当サイトの考え

IFAという金融商品仲介業者を使うと、自分で運用をするよりも高いリターンを得られるという幻想があります。今回は、楽天証券関連のIFAから受けた、私から見ると無茶苦茶だとしか思えないような提案と、それに対する私の考えを書いてみたいと思います。。

投資信託質問コーナーへ
ご質問等は、コチラのお問い合わせフォームをご利用ください


 


少し不安になりましたのでご意見を頂けたらと思います

2019年2月:UH様(女性・40代)よりのご質問

先日、ファイナンシャルスタンダードのセミナーに行き、その後個別相談を受けました。今まで投資信託は本を読んだりして、自力でやってきましたがプロに任せて運用成績をあげたいと思うようになりました。

ファイナンシャルスタンダードに提案を受け、今迷って検索した結果、こちらのサイトに辿り着きました。提案は投資一任運用サービス700万

みのりの投信:70万
日株リサーチマーケットニュートラルファンド:140万
米国株式配当貴族:35万
MFSブルーデントファンド:70万
・楽天グローバル中小型バリュー株式ファンド:35万

などなど、オルタナティブ、ロング、ショート、海外株式を組み込んだもの

・米ドル建て債券:1100万

積み立て

楽天全世界株式インデックス:3.3万
キャピタル世界株式ファンド:3.4万
ジェイリバイブⅡ:4万
GCIエンダウメントファンド:4万


です。ほとんどアクティブファンドで手数料が高いがリターンも大きいからとのことでした。

今は楽天証券でバランス型ファンド2銘柄、ニッセイTOPIXニッセイ外国株式インデックスたわら先進国債券株式国内債券などを一万ずつ約10万積み立て投信しています。

このまま積み立て投信で行くか、ファイナンシャルスタンダードの提案にのるのかを考え中です。ちなみに他の預金は財形や普通貯金に入っております。普通貯金を200万残してあとは投資する、といった提案を受けました。

このホームページを見て少し不安になりましたのでご意見を頂けたらと思います。



楽天証券のIFA


ご回答:アセットアロケーションがしっかりとしていないので他人の芝生が

UH様、ご質問頂きましてありがとうございました。当方の多忙によりお返事が遅れまして申し訳ございません。本ページにて、以下の通りご回答申し上げます。

アセットアロケーションを考えていないから分からなくなる

高額なアクティブファンドを人に言われるがままに投資をして、そして疑問を感じて調べてみたら、ほとんどボッタクリに近いじゃないかと憤りになる人がほとんどであると思いますが、その真逆をやろうという人がいらっしゃるというのは新鮮な驚きでした。

それがどうしてなのか、最初にお便りを読んだ時にはかなり不思議だったのですが、ようやく理由に気が付きました。それは、今現在は超低コストのインデックスファンドを複数保有して投資をしているものの、おそらくそこにアセットアロケーションが存在しないからでしょう。

インデックスファンドだから良いとか悪いとか、そのような話しでは全く無く、インデックスファンドは単に指数に連動して上げ下げするだけの存在です。それに大きな意味を持たせるのがアセットアロケーションの考え方なのです。

アセットアロケーションを作るにはどうしたら良いのか、インデックス投資の始め方を読んで頂き、そこにアセットアロケーションの作り方のリンクもありますから、その後にお読みください。

アセットアロケーションが出来上がると何が良いのかと言えば、ご自身の投資にどの程度の期待リターンがあって、それに見合ってどの程度のリスクを抱えているのが数値的に判断できることです。

今頂いているご質問にはアセットアロケーションが書かれておりませんので、当然ながらリスクが高い投資をしているのか否かは全く分かりません。恐らく、リスクを取って期待リターンが高い状態ならば、「更に運用成績を上げよう」などとは思いにくいはずです。

と言いますか、アセットアロケーションを組む時には、そもそもご自身のリスク許容度に真摯に向き合って決めますので、恐らく今更ながらリスクを上げよう(=リターンを上げよう)とはならない筈です。

従って、今やらなければならないのは、赤の他人にご自身の財産の行方をほぼ100%近く握られる事ではなくて、今の投資をきちんと測定して、改善する部分を改善するという事になると思います。


リターンを上げるのは、訳の分からないファンドではなく資産クラスの見直し

仮にアセットアロケーションをしっかり考えてみたところ、ご自身はもっとリスク許容度が高く、期待リターンを上げても良いと判断されたとします。この場合は、リターンを上げる最善の方法は、期待リターン値の高い資産クラスを増やす事で解決します。

例えば、国内債券比率を落として、先進国株の比率を増やすなどして、リスクを取ってリターンを上げるのです。決して、超高コストファンドを買う事で実現できるようなものではありません。

ほとんどの人は、コストが高いと成績も良いと勘違いされますが、コスト高と運用成績には何の相関性もありません。むしろ金融商品の場合は、長期的に見るとほとんど必ず、コストは投資家のリターンを削るだけにしかなりませんから最大限の注意が必要です。

しかも投資一任運用サービスに700万円もつぎ込むなどして、仮に信託報酬が平均で1.5%ほど取られるとしたら、10年一任するだけであなたの元本の15%もがコストで削られるわけです。

信託報酬が0.3%のインデックスファンドならばこの数字が3%にしかならない訳で、差し引き12%のマイナスを埋めて、更にそこからインデックスファンド以上の成果を出すなど、そもそも無理ゲーをやろうとするのがアクティブファンドの世界なのです。

だからこそ、アクティブファンドの大半はインデックスファンドに勝てないという不都合な真実があって、金融機関はそれを絶対に投資家には説明をしないようにしています。

今回提案された商品群も、私から見ると著しく疑問なものばかりです。アクティファンドだとリターンが高いなどと説明されていますが、みのりの投信やキャピタル世界株式ファンドなどは明確にインデックスファンド以下のリターンしか出しておらず、投資価値皆無です。

また、長期的にインデックスファンドを上回るリターンを継続して出しているアクティファンドを推奨するならまだ納得できますが、2018年に登場したばかりの、運用報告書も1回も出ていないような実績皆無のファンドも複数入っており、それを平気で推奨する姿勢にはかなり批判的に見ても良いと思います。バックマージンでも貰っているのでしょうか。

日株リサーチマーケットニュートラルファンドやMFSプルーデントファンドについては、リターン狙いではなくてリスクを超低くするようなファンドです。このようなものを買っても、リターンは上がりません。

リターンを下げるという事ならば、アセットアロケーションの考え方で一発解決であり、このような高コストファンドを買わなくても、超低コストの国内債券ファンドの比率を多少上げるだけで、実に簡単に実現できてしまいます。


持てる資産全体でアセットアロケーションを考えてみよう

アセットアロケーションという視点で見た場合、現金も重要な資産です。債券ファンドなどは安全資産ではありますが、多少でも価格変動はしますので、リスク資産になります。それに対して現金は価格変動リスクがゼロなので、無リスク資産になります。

この現金の比率とリスク資産の比率もあらかじめ決めておく事で、しっかりと、そして常に簡単にご自身の資金管理ができてしまいます。

仮にリスク資産と無リスク資産の比率を半々にしたとします。合計で2000万円の資産が有るとしましょう。この時、リーマンショックが発生してリスク資産が半値になったとします。

このような一大事であっても、無リスク資産の数字は今まで通り1000万円ですから、持てる資産全体での一時的なマイナスは500万円で済む事になります。

これを、現金を200万円にして残り1800万円をリスク資産に向けていたとしたら、資産全体のマイナス額は900万円と、2倍近くも「やられ」ます。ほとんど全員が耐えられなくなって、相場の底の底、一番の最安値近辺でリスク資産を投げ売りしてしまうかもしれませんね。


ご自身のアセットアロケーションと、今回の提案を比較して下さい

ここまで書けば、アセットアロケーションの重大さを少しは理解できると思います。今回の当サイトからの回答を受けて、真っ先にやらなくてはならないのはアセットアロケーションの構築です。

楽天証券IFAの提案よりもアセットアロケーションを優先


そして、提案を受けたファンドでもアセットアロケーションを作ってみて下さい。いかに無茶苦茶な提案なのかが理解できます。米ドル建て債券に1100万とか(しかも一括投資させるのかよ)、普通貯金を200万残してあとは投資とか、クレイジーだとさえ感じます。

昨今は、数年にわたる相場の絶好調な時期が続きましたので、まぐれ当たりしてお金を増やした人の話しが耳に入ってくるケースが非常に多くなりました。

しかし、私たちはまぐれ当たりを狙いに行くギャンブルをやっているのではなく、計画された行動で投資をしています。ここ最近ほど他人の芝生が青く見える危険な時期はなかなかありません。邪な心を、アセットアロケーションで鎮めて下さい。

なお、今回提案された投資信託は、順次当サイトでも分析をしてみますので、定期的に当サイトをご覧頂ければと思います。以上、ご回答でございました。UH様が長期で相場の世界で生き残れるように祈っております。


【以下、その他の楽天証券IFA関連のその他のQ&A】

60代の3000万円の75%をリスクに晒すファイナンシャルスタンダード(2019年6月)
ファイナンシャルスタンダードが2019年に紹介する商品(2019年2月)
フィナンシャルスタンダードの評価を落とすような提案(2018年9月)
IFAは自分の手数料の事しか考えていないのか(2017年7月)





★この記事が参考になりましたら、ブックマークもしくはシェアをお願いいたします

ページトップへ戻る