EXE-i シリーズの評価とまとめ・・・良い部分と問題点とが両方顕著

SBI証券の関連会社であるSBIアセットマネジメントが運用する、非常に低コストのパッシブファンド群が、EXE-i シリーズです。いずれも超低コストの海外ETFにファンドオブファンズ方式(あるいはそれに近い形式)で投資する事で、ファンドのコスト低減を果たしています。

2013年から運用が始まったシリーズですが、2018年からのつみたてNISA制度の開始を睨んで、更に低コスト化を進めたファンドを複数設定して、シリーズの増強を図っています。





新規設定された複数のファンドは、楽天バンガードファンドシリーズeMAXIS Slimインデックスシリーズとコスト面で激しく競合する形になっています。

本ページでは、そのEXE-i シリーズのラインナップを、ベンチマーク信託報酬と共に一覧にして分かりやすくご紹介します。また、このシリーズのメリットだけではなく、問題点なども指摘しておきましょう。

インデックス投資を志向する投資家にとって、ファンド選びの参考になれば幸いです。


(2018年3月26日追加)・・・以降、気が付いたら本ページを更新しますが、最新情報を確認したいという人がおられたら、管理人までお知らせください。更新作業を致します。



 


EXE-i シリーズの、全8本のラインナップまとめと、評価できる点

全8本のラインナップはこれだ

下記、 EXE-i シリーズのラインナップと各ファンドのコストやベンチマーク(一部は参考指数)の一覧です。基本的には株式ファンドですが、先進国債券クラスのみ、債券ファンドが設定されています。

投資先 ファンド 信託報酬
(税抜)
連動をめざすベンチマーク
先進国株 EXE-i 先進国株式ファンド 0.3% FTSE Kaigai・インデックス
EXE-i つみたて先進国株式ファンド 0.1095% FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス
全世界株 EXE-i グローバル中小型株式ファンド 0.312% FTSE グローバル スモール・キャップ インデックス(円換算ベース)
EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド 0.142% FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)
先進国債 EXE-i 先進国債券ファンド 0.43% シティ世界BIG債券インデックス
新興国株 EXE-i 新興国株式ファンド 0.361% FTSE・エマージング・インデックス
EXE-i つみたて新興国株式ファンド 0.19% FTSE・エマージング・インデックス
世界REIT EXE-i グローバルREITファンド 0.344% S&Pグローバルリート指数
(いずれのファンドも信託財産留保額はありません)


「つみたて」の名が付くファンドは、業界最低コスト水準

EXE-i シリーズのうち、高く評価できるのは、以下の3つの超低コストのインデックスファンドです。どれも圧倒的な低コストであり、今のところ、これと同等の信託報酬の投資信託が、下記のように存在するのみです

ベンチマークが若干異なるため、正確にはドンピシャで比較できるものではありませんが、以下のようなコストの比較でも、ほぼ問題ないかと思います。

EXE-iのファンド これと同等以下のライバルファンド
名称 信託報酬
(税抜)
EXE-i つみたて先進国株式ファンド 0.1095% eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド 0.142% eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
EXE-i つみたて新興国株式ファンド 0.19% eMAXIS Slim 新興国株式インデックス


いずれも「業界最低水準を目指す」と宣言しているeMAXIS Slimインデックスシリーズが,
信託報酬の値下げによってEXE-i シリーズにコストを合わせてきており、激しいコスト競争を繰り広げている形です。

冒頭では、楽天バンガードファンドシリーズともコスト競争をしているように書いていますが、実際にはそれよりも低コストとなっており、コスト面ではEXE-i シリーズは最強の部類に入ると言って良いでしょう。



一方で、問題点もいくつか散見される

EXE-i シリーズは、ベンチマークとの乖離の問題が大きい

EXE-i シリーズで一番の問題は、ベンチマークあるいは参考指数とファンドの運用成績の間で、乖離が大きい事です。ここでは、ファンドの運用期間が長い、EXE-i 先進国株式ファンドEXE-i 新興国株式ファンドの2つの具体例を挙げます。

まずは、EXE-i 先進国株式ファンドの事例から。なんと、設定来で7.6%もの乖離を発生させています。通常、インデックスファンドはコストの分だけ指数から下に乖離を起こすのが当たり前の事です。

EXE-i 先進国株式ファンドの参考指数と基準価額の乖離


しかしEXE-i シリーズの場合、参考指標は配当分を含めていない指数なのに対し、ファンドの運用成績には配当分をカウントしています。

従って、ファンドが一方的に有利になってベンチマークなどを上回る数字になって当然にもかかわらず、その参考指標にリターンが劣っているのが大問題です。

もう1つ、EXE-i 新興国株式ファンドも見てみます。やはり設定来(約5年)で8.6%もの下方乖離を出しています。

こんなにも乖離を出すのであれば、せっかくの低コストが全く台無しになるという事であり、これだったら多少コストが高くても、他のファンドを買ったほうが儲けが多くなりそうです。


EXE-i 新興国株式ファンドと参考指数とのリターン比較


この問題は、新規設定された「つみたて」の文字が付く3つのファンドについても同様の状況となるのかどうか、1年以上は様子を見るくらいで良いと思います。

複数の海外ETFに投資する形のファンドについては、今人気の楽天バンガードシリーズも同様の問題を抱えているかもしれず、困った問題と言えます。

「コストが超絶に安いから」とか「人気があるから」などの理由だけでファンドに飛びつかず、冷静に見極めてから、納得して買い付けるスタンスが望ましいでしょう。


同一カテゴリーのファンドが複数存在する問題

ところで、「つみたて」と名の付く超低コストのファンドを登場させたせいで、EXE-iシリーズには同一カテゴリーに、2つのインデックスファンドが存在する状況になっています。

まずは、先進国株式から。運用目標(ベンチマークや参考指数)が同じという訳ではなく、別々の指数を用いていますから、余計にややこしくて困ります。

EXE-i つみたて先進国株式ファンド EXE-i 先進国株式ファンド
運用目標 FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックスがベンチマーク FTSE Kaigai・インデックスが参考指数
信託報酬 0.1095% 0.3%
つみたてNISA口座 SBI証券のみ可能 取り扱いなし
一般の証券口座(積み立て投資) SBI証券のみ可能 複数のネット証券で可能
一般の証券口座(積立以外での投資) SBI証券のみ可能 複数のネット証券で可能
iDeCo口座 取り扱いなし SBI証券のみ可能
ファンドの仕組み(次の項参照) ファミリーファンド方式 ファンドオブファンズ方式


つづいて、新興国株式クラス。こちらは運用目標が同じ指数です。これなら分かりやすい、というものではなくて、「だったら1つに統一してくれよ」と思ってしまいますね。

EXE-i つみたて新興国株式ファンド EXE-i 新興国株式ファンド
運用目標 FTSE・エマージング・インデックスがベンチマーク FTSE・エマージング・インデックスが参考指数
信託報酬 0.19% 0.361%
つみたてNISA口座 SBI証券のみ可能 取り扱いなし
一般の証券口座(積み立て投資) SBI証券のみ可能 複数のネット証券で可能
一般の証券口座(積立以外での投資) SBI証券のみ可能 複数のネット証券で可能
iDeCo口座 取り扱いなし SBI証券のみ可能
ファンドの仕組み(次の項参照) ファミリーファンド方式 ファンドオブファンズ方式


他にも、EXE-i グローバル中小型株式ファンドEXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドの間で同様の問題があり、投資家を悩ませます。

基本的には旧来のEXE-i ファンドは使う必要は無く、今後は「つみたて」の名が付いたファンドを選択するだけで良いと思います。

ただし、iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する場合には、EXE-iの「つみたて」ファンドが存在しておらず、実に困った状況になっています。


運用目標がマイナーな指数である事もイマイチ

また、上記の2本ともに、ベンチマークや参考指数がマイナーな指数である事も、問題とまでは言いませんが、ちょっと残念ですよね。

普通の投資家にとって、例えば先進国株式指数でメジャーなものは、日本を除く先進各国をカバーするMSCI コクサイインデックスです。これをベンチマークに設定しているインデックスファンドが大半になります。

これに対して、FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックスやFTSE Kaigai・インデックスなどを運用目標にされると、正確な比較検討ができないという問題が生じます

先進国株式クラスでは、他の一般的なインデックスファンドでは日本が組み入れられていないのに対し、EXE-i つみたて先進国株式ファンドなどは日本株を含んでしまっていますから、他のファンドに乗り換えをしようとする際には、保有中の別のファンドまで一気に変更しなくてはならない状況にならないとも限りません。

更に、ファンド内での投資対象国の割合が分かりにくく、例えばファンド全体で日本への投資割合が一体どの程度になるのか、見て一瞬で分からないのも問題です。これでは、アセットアロケーションを考えて投資する際に、面倒な事になります。


「つみたて」ファンドの純資産が非常に少ないのも懸念事項

以上のような問題点があるからか、新規設定された「つみたて」と名が付いている3つのファンドは、いまいち人気が出ておらず、純資産総額も以下の通り低迷しています。

EXE-iのファンド 純資産総額
EXE-i つみたて先進国株式ファンド 1億2800万円
EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド 5億7600万円
EXE-i つみたて新興国株式ファンド 3億200万円


マザーファンドが旧来のeMAXISインデックスシリーズと共通であり、トータルの純資産総額が巨大なeMAXIS Slimインデックスシリーズであれば安心して見ていられます。

しかし、EXE-i シリーズの場合はそういう仕組みではなく、このまま推移すれば繰り上げ償還になりかねず、余計に手が出にくいなと思います。

ファンド選びの際には、とにかくシンプルなもので行くのがベストだと言えます。したがって、個人的にはEXE-i シリーズよりも、eMAXIS Slimインデックスシリーズのほうが圧倒的にメリットが大きいと思います。

様々なしがらみが有る場合にのみ、一部、EXE-i シリーズを利用するケースはあり、当サイト管理人もSBI証券のiDeCo口座では、他に超低コストのファンドが無いので、やむを得ずEXE-i 新興国株式ファンドを利用させてもらっています・苦笑。



EXE-i シリーズの販売会社

EXE-i シリーズを全て取り扱っている証券会社は、以下の通りです。ノーロードで購入できます。「つみたて」以外のファンドならば、主要なネット証券で購入可能です。

SBI証券(今のところ、SBI証券のみでの販売となります)


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