フィデリティ・USリート・ファンド・・・Bタイプも含めて最低の投資信託

フィデリティ・USリート・ファンドは、安定した家賃収入を期待できる米国不動産投資信託(REIT)に資金を投じる投資信託です。世界のリート市場の62%を米国が占めていますし、市場規模がとても大きく、流動性が高いので、投資対象としては良いと考えます。

不動産は昔から資産運用の王道として取り扱われてきたので、投資対象として何の不満もありません。資産の3割程度は不動産を所有すべしという、資産3分法があるくらいですから。

そして、フィデリティ・USリート・ファンドは、為替ヘッジの有無、分配回数別に、4コースがあります。一番人気のあるフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)を中心に解説しますが、運用の本質はいずれも同じです。コース別の違いは、都度解説します。

項目 内容 純資産残高
毎月分配型 フィデリティ・USリート・ファンド(為替ヘッジあり) 130億円
フィデリティ・USリート・ファンド(為替ヘッジなし) 6568億円
資産成長型(年1回決算型) フィデリティ・USリート・ファンド (資産成長型)(為替ヘッジあり) 10億円
フィデリティ・USリート・ファンド (資産成長型)(為替ヘッジなし) 80億円

フィデリティ・USリート・ファンド


(2019年2月26日追加) ・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


フィデリティ・USリート・ファンドの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入手数料 証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券など主要ネット証券では100円より購入可能。
信託報酬 年率1.4%(税抜)
信託財産留保額 0.3%
運用期間 無期限(2003年12月9日設定)
決算 毎月15日(資産成長型は
運用会社 フィデリティ投信株式会社
為替ヘッジ AタイプとCタイプは為替ヘッジあり


このファンドのポートフォリオ

2018年12月末時点のポートフォリオは以下の通りです。Aタイプ~Dタイプまで、ポートフォリオは基本的に同一です。

フィデリティ・USリート・ファンドのポートフォリオ


フィデリティ・USリート・ファンドのREIT組み入れ比率を確認してみると、オフィス・物流、住宅、小売で半分以上を占めています。

実物不動産の感覚では住居系の家賃収入は不況に強い(安定している)のですが、REITですから商業施設をメインに銘柄を組み入れる事になります。業種別としては適度に分散が効いていて、これは問題ありませんね。



フィデリティ・USリート・ファンド、管理人の感想と評価

とにかく、平均点以下の運用成績しか残せてない点がダメだ

フィデリティ・USリート・ファンドはアクティブ運用であり、ベンチマーク(米国のリート市場の平均値)以上の運用を目指すと明記されています。

ということは、ベンチマークよりも運用成績が良くないと困ります。そのため、運用成績をベンチマークと比較することが重要になります。 ベンチマークは、為替ヘッジの有無のコース別に、以下の米国の代表的なREIT指数となります。

内容 ベンチマーク
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(税引前配当金込/円ベース指数
フィデリティ・USリート・ファンド (資産成長型)D(為替ヘッジなし
フィデリティ・USリート・ファンドA(為替ヘッジあり FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(税引前配当金込/円ヘッジ指数
フィデリティ・USリート・ファンド (資産成長型)C(為替ヘッジあり


フィデリティ・USリート・ファンドに高い信託報酬を支払っているため、ベンチマーク以上の運用成績を上げて頂くのは必須なのですが、実は設定来からどの期間を見てもリターンはベンチマークに大幅に負けているのが実態であり、存在価値が全く無い投資信託です


フィデリティ・USリート・ファンドのベンチマークと基準価額の比較


なお、価格変動リスクと為替変動リスクはきちんと認識しておくべきです。REITは定期的な収益が安定しているイメージがありますが、実は価格の変動が株式と全く同程度に、かなり大きい金融商品だからです。

例えば年間収益率の変動は、かなり大きくなっています。為替ヘッジがない場合では、運用が良い時は+48.3%ですが、最悪の時は、なんとマイナス54%。為替ヘッジを効かせて為替のリスクを排除しても、-42%~+43.95の間で、大きく変動します。

フィデリティ・USリート・ファンドの年間収益率の推移(Aコース・Bコース)


REITの価格変動だけで、相当なリスクがあります。購入のタイミングがかなり重要になり、初心者が銀行や証券会社の営業マン、営業ウーマンに勧められて、気軽にホイホイ買うような代物ではありません。


 


分配金の利回り操作をした形跡があるので、信用ならない

リスク以前に、そもそも管理人が一番、注意喚起を促したいのは、この投資信託は資金を集めるために、利回り操作をした疑いがある点です(分配金の放出量を変えるだけですから、簡単なのです)。

ここでは、いまだに一番人気で7000億円近いの運用資金のある、フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)で確認してみたいと思います。

ファンドBは2003年設定で、2009年辺りからいきなり、尋常ではない速度で純資産が増加しています。最盛期には純資産総額が1.5兆円近くにまでふくれあがっています。5年以上にわたって、かなりのカモ投資家がかき集められたのではないでしょうか?(この点は後述)

フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)の純資産総額の集まり具合


さて、問題となる「利回り操作」にフォーカスしてみます。フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)は、2015年頃から、猛烈な過剰分配に方針を切り替えて、月100円の分配が続いていました。

ただ、2017年ぐらいから分配金を減額する方向に切り替えていますので、そろそろファンドとしての賞味期限が切れたと金融機関側が判断したのでしょうか。

フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)の分配金額の推移


2015年当時は基準価額が5000円台まで下がっている中での増額ですから、分配金利回りが余計に高く見えることになります。一時期は、分配金利回りが26%近くまで上昇しており、本当に異常な数字でした。

分配金を減額してからは、利回りは低下を続けています。下がったといっても分配金利回りは11%ですから、まだまだ高い印象です。

フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)の分配金利回り


なお本ファンドは、野村證券の販売ランキング上位に位置することが多く、分配金利回りの意図的な操作によって、カモ投資家を無理やり集めた形跡があります。

その痕跡は分配金の推移にも表れており、2007年11月以降、分配金が短期間で2倍近くになり、2010年8月までに、2.4倍程度まで上昇しています。分配金だけだと水面下で何が起きているか分かりづらいですが、分配金利回りと純資産を見ていれば、面白い傾向が見えてきます。

フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)の分配金履歴


実は下記のように、分配金を増額した時期以降から、徐々に分配金利回りが上昇し始めて、ちょうど1年後には、分配金利回りが17%(1年前は3%台)に到達し、最大で利回り25%まで急上昇しています。分配金の減額をするまではずっと15~25%の分配金利回りで、異常な状態が続いていました。

フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)の分配金利回りの履歴


同時期の純資産の増加傾向をチェックしてみましょう。2008年頃から徐々に分配金利回りが上昇、2009年になると15%を超える利回りが「完成」して、その辺りから純資産が急激に増加しました。カモ投資家が騙されて群がっている様が、良く分かりますね。




このような傾向は、不思議な事に、野村證券のランキング上位で売られている投資信託の多くにに見られます。やはり、高い利回りの裏には必ず理由があると言う事ですね。

毎月分配型タイプのAコース(為替ヘッジあり)は、分配金利回りは8%程度で、こちらもイマイチ資産が集まっていない状況です。やはり大量のカモ集めをするには、20%を超える利回りが最適なのかもしれませんね。


しかも、分配金は安定的な収益でカバーできていない

ところで、毎月分配型投資信託の場合、投資家の利益を無視して過剰な分配金を出す傾向が強く、大いに問題です。下記のように、分配金に対するREITの「配当金」からの安定した収益の比率は、過激な利回りのBコースでたったの1割程度、利回りがソコソコ高いAコースでも5割程度しかカバーできていません。

残りは、特別分配金等で対応した可能性が強いと思います。管理人も数々のファンドを見てきましたが、この数字は圧倒的に酷い部類となっています。

フィデリティ・USリート・ファンド AとBの分配原資の内訳


本ページをご覧いただいている人の中には、分配金利回りが高いのに、どうして配当金や利息がこんなに少ないのかと驚く人もおられるかもしれませんが、もともと投資なんて、以下のような利回りです。フィデリティ・USリート・ファンドのすべてのコースが利用しているマザーファンドの配当利回りの実態は、4%程度ですから。

フィデリティ・USリート・マザーファンドの配当利回り


利回りの面でも、ベンチマークの利回りに負けているところが、アクティブ運用としてダメだなと感じます。リートは株式より利回りが高いと言っても、実際は上記レベルだという認識が重要です。くれぐれも、高い分配金利回りに惑わされないようにしましょう。

それにしても野村證券からこの投資信託を購入した、あるいは購入しようとしているあなた。野村證券は、こういう説明、ちゃんとしてくれましたか??


野村證券グループの「野村インデックスファンド」を利用すれば良い

フィデリティ・USリート・ファンドには問題が山積みですので、代替候補を考えてみたいと思います。フィデリティ・USリート・ファンドと同様に米国一点集中型のREITファンドとしては、以下の2つが候補となります。共に購入手数料は無料で、信託報酬も半分の水準です。

SMT 米国REITインデックス・オープン(信託報酬0.55%)
eMAXIS 米国リートインデックス(信託報酬0.6%)


ただし、これらの2つのファンドはベンチマークをS&P米国リートインデックス(配当込み)としており、フィデリティ・USリート・ファンドと同じ米国向けとはいえ少し異なります。

あるいは、先進国(米国、欧州)に広く分散投資するS&P先進国REIT指数(除く日本)(配当込み)をベンチマークとするインデックスファンド、野村インデックスファンド・外国REIT(信託報酬0.55%)を代替え候補としても良いでしょう。

フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)とインデックスファンドとのリターン比較


ベンチマークが三者三様なので一概には優劣は語れませんが、値動きの傾向としてはほとんど同一と言って良いでしょう。となると、長期的には低コストの投資信託の方が高コストのアクティブファンドよりもリターンが上回る可能性が強く、インデックスファンドを買っておけば宜しいのではないかと思います。

更に言うと、フィデリティ・USリート・ファンドは購入手数料を取る金融機関も多く、その場合はその分、上記のグラフから最大で3.5%もリターンが落ちる事になります。余計に、インデックスファンドで十分という事になります。

なお、この傾向はBタイプ以外のAタイプ、Cタイプ、Dタイプでも同様です。インデックスファンドとほとんど変わらない成果しか上げられない投資信託を高いコストを支払って買うなど、金融機関を一方的に喜ばすだけですから、そんな投資は止めにしましょう。



フィデリティ・USリート・ファンドの購入先

フィデリティ・USリート・ファンドをノーロードで購入できる銀行・証券会社は以下の通りです。

SBI証券楽天証券


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