フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドに投資なんてするな

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは、その名の通り、米国の投資不適格の債券である、ハイイールド債券に投資できる毎月分配型投資信託です。購入時の手数料は有料であり、ノーロード投資信託ではありません。信託報酬などのコストも、非常に高いです。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド


本ページで示すように、他にも多数の問題点を抱えているにもかかわらず、フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは日本で数多ある、債券に投資できるファンドの中ではベストテンに入るほどの純資産総額を誇るという、一般庶民が吸い寄せられるような投資信託になっています。実に嘆かわしいと言いますか、しょうもない事になっています。


(2019年4月22日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
販売手数料 3.0%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.58%(税抜)
信託財産留保額 なし
ファンド運用方式 ファミリーファンド方式
運用期間 無期限(1998年4月1日)
決算 毎月22日
運用会社 フィデリティ投信株式会社
販売 フィデリティ証券で1.64%、楽天証券で2.0%の他は、3.0%の手数料で全国各地の金融機関で購入できます。フィデリティ証券のみ、キャンペーン利用でノーロードで購入する事もできます。



フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド、管理人の感想と評価

一般人が、投資不適格債券に投資する理由があるのか

まずは、本ファンドの収益源を目論見書から確認していきます。これを読んだ瞬間に、えらい事をさらっと書いているなと思いました。 まず、分散投資と書いてあります。

「何か分からないけど分散投資をしているから安心だな」と思った人は、今後も投資で損をすると思いますので、もっと勉強した方が良いでしょう。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの収益源


そして、BB格やB格の、「経済環境の悪化の場合に債務履行能力が不十分になるリスクにさらされている」、あるいは「債務履行能力が不十分となる可能性が高い」ような、投資不適格の債券の塊に投資をする訳です。そもそもリスクが大きい物を束ねても、基本的にはリスクはそんなに改善しないと考えた方が良いと思います。

このような考え方は、サブプライムローン(通常の住宅ローンの審査には通らないような信用度の低い人向けのローン)というクズ債券を束ねて、リスクを散らしたと見せかけて売っていた、あのリーマンショックの時に起きた事に近いと感じます。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの投資先の債券の格付け


また、9割の債券が、デフォルトの可能性が非常に高い位置付けです。というか、格付けの無いクソ債券もまぜこぜにしているのですから、怖いですね。

本来、投資に詳しい人だけが投資できるようなジャンルなのですが、こんなものが一般人にバンバン売れているというのが、そら恐ろしくなります。知識が無い一般個人投資家にリスクを全て負わせて、金融機関なんて手数料だけ抜き取れれば良いと思っているのでしょう。

歴史は繰り返すと言いますが、リーマンショックであれほど痛い目にあったにも関わらず、同じようなアクドイ商品が出回るのかと思うと、なんだか悲しくなってきますね。

少しはイメージする事が大事です。あなたはリアル社会で、借金を踏み倒しそうな人にお金を貸しますか? このような投資信託は、そういう事なんですよ。当然ながら管理人としては、このような対象には、よほどのことが無い限り本格的に投資するつもりはありません。

なお、ハイイールド債券について、分かった上で投資するのならば構いません。投資とはそのように「自己責任」が徹底的に求められる世界なのですから。あくまでも、金融機関の言われるがままに買ってしまうというのが質(たち)が悪いというだけです。


そもそも、運用目標を超絶に下回るヘボい運用成績

本ファンドは、ベンチマークである「ICE BofAML USハイ・イールド・コンストレインド・インデックス(円換算)」に対して、猛烈に負けています。

ベンチマークなど、金融機関は決して教えてくれないでしょうね。しかしこれは、本来はファンドの運用目標なのです。これを上回る成績なら価値のあるファンドで、下回ったら存在意義が問われると思って良いです。

なかにはベンチマークを設定していない、投資家をバカにしたような投資信託もありますから、今後はこの点を十分にチェックしてください。そしてフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは、ベンチマークに対して以下のような状況です。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの基準価額とベンチマークの差異


なんと設定来で、51%もの大差をつけられています。これほどまでに惨敗する投資信託に、本来は投資価値は全く無いといって良いでしょう。コストも超絶に高い訳で、なぜこのようなファンドに大切な資金を託す人が絶えないのか、ちっとも理解が出来ません 。


 


分配金もタコ足だらけで、著しく不健全

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは毎月分配型投資信託ですから、分配金の出し方も、きちんとチェックしなくてはなりません。

まず「変だな」と直感が走らなくてはならないのが、分配金利回りです。直近で10%超、2年前で17%超です。まず投資で利回りが10%などという商品が、普通に転がっている訳がありません。ここで疑いの目を持つかどうかが、あなたが情弱かどうかの分かれ目です。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの分配金利回り


その上で、月報に記載された、フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの現実の利回りを見てみましょう。最終利回りは7.3%だと表示されています。という事は、7.3%の収入があるのに対して、あなたには10.62%支払うというのですから、辻褄が合いません。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの投資先債券の利回り


これは、分配金の出し方がタコ足分配となっている可能性が強くなります。そこで、運用報告書に記載の、分配原資の内訳を見てみます。ご覧のように、半年間で180円の分配金だったのに対して(青線)、ファンドの収益は84円しかありません(赤枠)。

つまり、分配金の半分以上は元本払戻金である可能性が極めて強い事になります。投資元本を勝手に取り崩されて分配金と称して送金されるのですから、こんなものは全く投資とは言えません。フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは昔からこのような不誠実な分配を繰り返しており、金融庁はこの会社を叱りつけて欲しいくらいです。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの分配原資の内訳


なお、タコ足分配を繰り返すと、実際の基準価額と、分配金を再投資したと仮定した場合の基準価額との間に、著しい差異が生じます。下記、赤枠で囲んだ以降にその差異が拡大しています。そしてそこからドンドンと純資産が増えていくのも分かります。

基準価額の不審な動き


という事は、身の丈を超えた分配をやりだしてから、金融機関は恐らく「分配金をたくさん貰えます」などと庶民に話を持ち掛けて、首尾よく彼らを騙す事に成功したのではないかと邪推する事が出来ますね。

分配金の額を上げるという事が、まさに「情弱ホイホイ」になっていた事が如実に分かる事例になっていて、実に嘆かわしいですね。分配金の出し方の酷さについては、以下のページもご覧頂くと宜しいかと思います。

参考分配金が元本払戻金だらけでゲスの極み!


このような無茶苦茶な分配を避けたい場合でも、毎月分配型投資信託に誠実なファンドは皆無に等しく、探そうと思っても現実問題として無理です。

今の時代は、そんな毎月分配型投資信託を探さなくても、分配金再投資型の投資信託ををSBI証券で購入して、投資信託定期売却サービスを利用すると良いでしょう

このサービスを使えば、自由に設定した金額で投資信託の取り崩しが出来ますから、自作の毎月分配型投資信託が出来てしまいます。ご自身が投資した元本を大きく割らない範囲で設定すれば、ほとんど永久にタコ足ではない分配金を受け取る事が出来ます。

米国のハイイールド債券に投資するのであれば、例えば野村インデックスファンド・米国ハイ・イールド債券(愛称:Funds-i フォーカス 米国ハイ・イールド債券)(購入手数料なし・信託報酬0.8%)を使えば良いのではないかと思います。


再度の確認・ハイイールド債券への投資は株式投資のようなもの

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドを買っている人、あるいは買おうかどうか迷っている人は、いったいこの投資信託はどのような性格のものなのか、どんな判断を下しているのでしょうか?

投資先がハイイールド債券と言って、「債券」と名は付きはするものの、実は安全資産たる債券とは名ばかりであり、現実的には株式投資と同類の投資である事を認識して下さい。下記、本ファンドと値動きを比較しています。

SMT グローバル債券インデックス・オープン(先進国の債券に分散投資)
SMT TOPIXインデックス・オープン(日本株式に投資)
SMT グローバル株式インデックス・オープン(先進国株式に分散投資)

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドとその他の資産クラスの値動きの比較


ご覧のように、グローバル債券とは異なり、ほとんど株式投資並みの値動きをしている事が分かります。日本株と比較してみると、10年のスパンでは何と日本株よりも高いリターンを出しているのが驚きです。

それでいて日本株よりも値動きの大きさを示す標準偏差の値が顕著に低く、過去のデータでは日本株よりもリスクが低くてリターンが同等かやや高めである事になります。

とはいえ、こちらのページで見て頂くと分かる通り、リーマンショックが発生した2008年などは、日本株以上の大暴落のマイナス43%を記録しています。

なおかつ、株と違って緊急事態が発生した時には、投資不適格の債券などは売買が停止される可能性も大で、売るに売れなくてもっと損失が膨らむ可能性もある資産クラスです。

平穏無事の時は何となく美味しそうに見えるものの、いざ有事が発生した場合には想定以上の大損失を被る可能性が高いですから、一般人はやはり、資金を大量に突っ込むのは無謀すぎるので止めておいた方が良いでしょう。


 


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