グローバル3倍3分法ファンド・・・超絶大人気のレバレッジ型ファンド

2019年に入り、人気に火がついてぶっ飛んで純資産総額が右肩上が上がりに増えているバランス型の投資信託が、グローバル3倍3分法ファンドです。

運用開始は2018年10月4日設定で、それから10ヵ月で、以下の通り総額で1900億円を超える資金が集まっています。タイプとしては、分配金を再投資する1年決算型と、奇数月に分配金が出る隔月分配型の2つがあります。

通常、再投資型と分配型の2つがある場合、分配型の人気が出るケースが圧倒的に多い中、グローバル3倍3分法ファンドは1年決算型に人気があるという点でも特徴的です。

グローバル3倍3分法ファンド

タイプ 純資産総額
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) 1280億円
グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型) 626億円


このファンドの人気に火が付いた最大の理由は、レバレッジをかけて値動きを3倍大きくした点にあると思います。その割には値動きが「極端」ではないので、ごく普通の人でも耐えられる可能性が大きいです。

また、レバレッジタイプの投資信託にしては中身が単純明快であり、分かりやすい商品設計も特徴でしょう。そのためなのか、手数料を取らないノーロードでの販売も当初からあり、その点からも人気化しているのではないかと思います。信託報酬も低めに抑えられています。

投資先はインデックスファンドですが、レバレッジをかけるという意味ではアクティブファンドであり、成果の測定のためのベンチマークや参考指数が無く、代替えとなる運用目標も示されていない点は欠陥だと思いますが、それ以外には特段、大きな問題点は見られません。

本ページでは、グローバル3倍3分法ファンドについて、以下の項目に分けて解説していきます。具体的な評価は、以下の目次から読みたい部分だけをクリックしてご覧になる事もできます。

グローバル3倍3分法ファンドの基本的情報
下落がマイルドになって上昇が強く出る点で、非常にユニーク
隔月分配型の分配金は(今のところ)適正
実質コストが思ったよりもかなり低め
グローバル3倍3分法ファンドのデメリットの「減価」について
グローバル3倍3分法ファンドに投資する際の一つのやり方
グローバル3倍3分法ファンドの購入先


(2019年8月10日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


グローバル3倍3分法ファンドの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入単位 証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券等では100円より購入可能。
信託報酬 年率0.44%(税抜)
信託財産留保額 なし
ファンド運用方式 ファンドオブファンズ形式
運用期間 2028年9月21日まで
決算 毎年1、3、5、7、9、11月の各21日(年1回決算型は9月21日)
運用会社 日興アセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ あり


このファンドのポートフォリオなど

2019年6月28日時点で、株式、不動産投資信託(REIT)、債券に対して、以下の比率で投資しています。比率は、レバレッジをかけた状態での比率となります。

グローバル3倍3分法ファンドの運用方法とポートフォリオ


投資する資産クラスとしては、日本株式、先進国株式、新興国株式、日本REIT、先進国REIT、日本債券、先進国債券の7資産クラスになります。

(これに新興国債券が加わっていたら、主要8資産クラス全てに投資する事になっていましたね。一般的には新興国債券クラスなどは特に必要ではありませんが。)

グローバル3倍3分法ファンド、当サイト管理人の感想と評価は?

下落がマイルドになって上昇が強く出る点で、非常にユニーク

グローバル3倍3分法ファンドが登場した時に、当然、当サイト管理人としてはファンドの概要をチェックしていた訳ですが、その時点では「ああ、また香ばしいファンドが登場するんだな」程度の認識でした。

目論見書にも書かれている通り、3倍のレバレッジをかけるという事は3倍のリターンを期待できるだけではなく、当然ながら3倍のリスクを負う事になるのですから、ごく普通に考えて、穏やかな投資生活を送れなくなるタイプのファンドだと思いました。

グローバル3倍3分法ファンドの値動きのイメージ


運用が開始されたら1年程度は様子を見て、その後の運用状況を確認してから、本ファンドの評価をしてみようと思っていたところです。そして実際に運用を見たところ、かなり驚いたというのが実態です。

何が私を驚かせたのかは、以下をご覧下さい。まず、レバレッジを3倍かけているにもかかわらず、下落に非常に強いことが示されています。下記、3つの下落ポイントでの、以下のバランス型投資信託における下落率を比較してみました。

・グローバル3倍3分法(本ファンド)
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)


これらのファンドは、ベンチマーク(本ファンドはベンチマーク無し)が異なるため、どれに投資すれば最も儲かるかの比較ではありません。あくまでも値動きの傾向を見るために、1つのチャートに納めていますので、そこは誤解しないようお願いします。

下落相場でのグローバル3倍3分法ファンド

地点 1地点 2地点 3地点
期間 2018年12月4日~12月25日 2019年4月25日~6月3日 2019年7月30日~8月6日
グローバル3倍3分法ファンド -8.81% -2.96% -3.84%
セゾンバンガード・グローバルバランスファンド -7.31% -5.53% -4.21%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) -15.48% -9.51% -8.7%


結果、いずれの下落地点においても、グローバル3倍3分法ファンドはセゾンバンガードと同等か、場合によってはそれよりもやや、下落がマイルドである事が分かります。

何故このような事になるのか、目論見書に記載がありませんので色々と調べたところ、どうやら国債に対して行っているレバレッジに理由があるようです。

本ファンドは米国債、ドイツ債、イギリス債、豪州債に対して157.6%分の投資を行っています。これらは外国債券なので、当然、為替リスクが生じます。為替変動の分だけ基準価額の変動が大きくなるのが通例ですが、

先物取引で外国債券に投資すると、為替変動リスクが極めて限定される特性があり、為替ヘッジ付き外国債券に投資しているのと同等の効果が期待できます。

との事で、為替ヘッジ付き外国債券は日本国債に似たの値動きをしますし、更には日本国債そのものにも投資していますので、それらに対する投資比率がポートフォリオの7割近くに達する事で、下落相場での基準価額の低下がマイルドになるという事です。

さて、一方で私を驚かせたのは、上昇相場での勢いが強い事です。上記のチャートと全く同一の期間における、上昇局面での値動きを見てみます。

上昇相場でのグローバル3倍3分法ファンド

地点 1地点 2地点
期間 2018年12月25日~2019年4月3日 2019年6月4日~7月30日
グローバル3倍3分法ファンド +19.43% +9.6%
セゾンバンガード・グローバルバランスファンド +9.26% +5.33%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) +18.06% +8.77%


上昇局面では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のように、株式のみに投資しているファンドと同等かそれ以上の価格上昇がありました。債券を含んだバランスファンドが株式ファンドと同程度の上昇なのは、実に面白い事です。

上昇相場においては、株式やREITに投資している部分が活きてきます。債券に投資した部分はレバレッジをかけても特段大きく伸びる訳ではないものの、レバレッジをかけた株式とREITのおかげで、株式ファンド並みの上昇につながっています。

要は、下落相場ではレバレッジをかけた債券のおかげで踏みとどまり、次に上昇する時は株式100%のファンド並みに基準価額が伸びるのですから、結果として、下げにくくて上昇しやすいといった特性が現れています。

強欲な投資家が、このような投資信託を見逃すわけが無く、個人投資家が本ファンドに殺到している状況の様です。(ちなみに、SMBC日興証券が社をあげて売りまくっているようです)

販売資料を見ると、2003年からのバックデータが掲載されていたので、載せておきます。私は今まで多数の投資信託を見てきて、こういった「最高過ぎる」バックデータを提示した投資信託が、その後も同様の成績を上げている例を見た事がありません。

そのため、こんなデータを見ると鼻で笑ってしまいます。実際に注意書きを見ると、このデータにはコストが反映されていないとの事ですし、後述する「減価」の影響を反映したものなのかどうかも全く分かりませんので、話し半分程度に見ておきましょう。

グローバル3倍3分法ファンドの運用成績の過去のデータ


本ファンドは、月報だけでなく、日興アセットマネジメントの公式サイトからときおり出されるレポートなどが充実しているのは、好感が持てます。

下記は、隔月分配型の基準価額の騰落の要因分析です。実際にはさらに細かい数値なども掲載されており、ごくごく一部の投資マニア的な投資家しか見ないようなデータもしっかりと公表されているのは実に良い事ですね。

グローバル3倍3分法ファンドの基準価額の騰落要因の分析


ちなみに上記の図は、当サイト管理人が本ファンドの隔月分配型を買い付けしようかどうか検討している際に確認したものです。次の項では、隔月分配型の分配金の出し方を評価します。


 


隔月分配型の分配金は(今のところ)適正

グローバル3倍3分法ファンドは1年決算型が人気があるといっても、隔月分配型も600億円もの資金が集まり、これ単体でも相当の人気です。ただ、いくら1年決算型がマトモそうに見えても、分配タイプの分配金の出し方は不誠実なファンドが多いです。

例えば、日本最大級のJ-REIT投資信託であるJ-REIT・リサーチ・オープンなどは、アクティブファンドとしての成績は優秀なのに、年2回決算型の分配金を出すタイプは、元本の7割を取り崩す勢いの、猛烈なタコ足分配のクズ中のクズファンドです。

グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型)についても、同様の事をされる恐れが十分にあるため、実際の分配金がタコ足分配かどうかをしっかりと見て、それから投資の判断をするのでも遅くはありません。

下記、第1回目の分配金が記載された、隔月分配型の第3期の運用報告書です。これによると、1万口当たりの分配金は、該当期間の2か月間に上げた利益で完全にカバーされている事が分かります。1期のみですが、タコ足分配ではないという判定を下せます。

グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型)の分配原資の内訳


その後、5月の2回目も110円、3回目の7月にはやや増額されて115円の分配金を出しています。これらがタコ足分配ではないとすると、普通分配金が大変多いファンドになり、もしかしたら分配型投資信託としての人気は、これから更に加速する可能性もあります。

グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型)の分配金


当サイト管理人は1回目の分配金の状況を見て、妻のNISA口座で行っている分配金(配当金)目当ての投資のために、グローバル3倍3分法ファンドを買い付ける事にしました。今後、本当にタコ足分配にならないか、しっかりと監視していきたいと思います。



実質コストが思ったよりもかなり低め

本ファンドは、レバレッジをかけているにもかかわらず、そしてファンドオブファンズ形式であるにもかかわらず、信託報酬が0.44%程度と低廉に抑えられているのも特徴です。

もしかしたら実質コストが非常に高い可能性もあると思い、運用報告書を確認したところ、2018年10月4日~2019年3月22日の約5ヵ月の数字から判断すると、年率でおよそ0.5%程度(税抜き)となり、決して高コストとは言えない事が分かりました。

グローバル3倍3分法ファンドの実質コスト


なお、先物にレバレッジをかけると、その金利分に相当するコストがかかるはずです。その分のコストがどの程度になるのかは、よく分かりません。実質コストに含まれているのかどうか、あるいは日々の基準価額に反映されるのか、どちらなのか分かりません。

コストについては、1つ上の項に記載した、基準価額の騰落分析の部分にも掲載されますから、気になるようでしたら月報を見て頂いて、「信託報酬等その他」のコストが基準価額に対してどの程度発生しているのか、確認されると良いでしょう。



グローバル3倍3分法ファンドのデメリットの「減価」について

当サイト管理人が、最初からこの手のファンドに投資する気が起きないのは、レバレッジをかけるタイプの投資信託には、致命的と言っても良い、時間と共に価値が下がってゆく「減価」という「宿命」が内在されているところにあります。

レバレッジ型の投資信託の基準価額の動き


特に、長期投資を志向する投資家からすると、時と共に価値が高まるからこそ投資する意味があるのであって、その逆を行く商品には嫌悪感さえ覚える事かと思います。

この点は、初心者は理解していないケースが大半だと思いますし、非常に分かりにくい点でもあります。ちょうど、当サイトでもご紹介した事があるインデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんが、レバレッジタイプの商品の最大の欠点について解説した動画がありますので、以下をご覧下さい。6分22秒過ぎのところから、その欠点に言及します。




要するに、基本的な投資スタンスとしては、グローバル3倍3分法ファンドは長期で保有するものではないという認識を持つことが大切です。信託期間も2028年9月21日までの10年間になっています(大人気なので、延長される可能性も大ですが)。

長期で保有してゆく中で、一方的な上げ相場であれば大きなリターンを手にする可能性があるものの、相場が上げ下げを繰り返した時には、想定外の基準価額の下落があり得ます。

また、一時的な相場の下落については既におおよその価格変動に対する「耐性」がある事は分かりましたが、継続して相場が下がってゆく場合に、どのような基準価額の変動があるのか、実際の運用成績が出ていないので、はっきりと分かりません。

今のところ、株価が下落するような局面では債券価格が上昇するため、バランスファンド特有の分散効果が発揮されて、減価する分を上回る基準価額の上昇が期待できるように見えます。



グローバル3倍3分法ファンドに投資する際の一つのやり方

ただし、相場に絶対はありません。株式とREITに、更に債券安まで加わったトリプル安が起こる事も時折ありますので、こういった局面では基準価額の大きな下落も考えられます。

直近の1年程度が「安泰」だからと言って、将来も継続して同様の値動きになるとは限りませんので、過度な期待を寄せて、それこそ今まで行ってきた投資を止めて、全てをグローバル3倍3分法ファンドにつぎ込むような事は、決してやってはいけません

グローバル3倍3分法ファンドへの集中投資


1つのやり方として、制度としての期限が決まっている、NISA口座で買い付けるというやり方があると思います。実際に、当サイト管理人は、NISA口座で買い付けるつもりです。

NISAの期間が終了したら、それまでの数年間の運用状況を見た上で、その後も継続して運用を任せるのか、或いは解約するのかを決めれば良いですね。NISA口座ですから投資の上限も年間120万円までと決まっており、全財産をつぎ込むような事も無いはずです。

なお、グローバル3倍3分法ファンドを積み立て投資で購入する事については、賛成しかねます。積み立て投資はそれこそ10年単位で資産を積み上げる投資手法ですから、そもそも長期投資に適さない可能性のあるものに対して積み立てるのはナンセンスです。

グローバル3倍3分法ファンドを買うとしたら、一定程度の金額を(もちろんご自身の資産のごく一部を)一度に買い付けるようなやり方が適しているのではないかと思います。

当サイト管理人が実際に買い付けた後は、グローバル3倍3分法ファンドの運用成績は管理人の投資しているもののページで、ときおり掲載いたします。

もしも隔月分配型が激しくタコ足分配を開始したら、分配金が元本払戻金だらけでゲスの極み!のページで徹底的にこき下ろしたいと思います。絶対にそんな事するなよ!日興アセットマネジメント!!



グローバル3倍3分法ファンドの購入先

グローバル3倍3分法ファンドは、以下の金融機関にてノーロードで購入できます。購入できる証券会社、銀行は下記の通りです。

フィデリティ証券SBI証券楽天証券マネックス証券カブドットコム証券松井証券岡三オンライン証券、他・地方銀行など


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