グローバルAIファンド・・・凄いけど、インデックスファンドで十分だよ

ハッと気が付くと、為替ヘッジが無いタイプと為替ヘッジありのタイプを合わせて、3100億円以上の大金をかき集めているのが、グローバルAIファンドです。世間でのブームに合わせて投資信託を設計すれば、金融機関は大儲けできるという典型的な事例です。

グローバルAIファンド


まさにグローバルAIファンドは、その直球ど真ん中のような投資信託と言えます。何も知らない庶民にしてみれば、世間を賑わすAI関連企業に資金を託せば、大儲けできそうな気になりますから。

このページでは、大人気のグローバルAIファンドの内実をご覧いただきます。そして、確かに悪くはない出来なのですが、「何だ、結局インデックスファンドで十分じゃないか」といった事も知って頂こうかと思います。


(2019年1月19日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


グローバルAIファンドの基本情報

このファンドの基本的な情報

為替ヘッジの無いタイプが「通常版」ですが、同じ販売条件で、「為替ヘッジあり」タイプも存在します。信託報酬や運用期間などは、全て同一となっています。

購入手数料 3.0%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.79%(税抜き)
信託財産留保額 なし
運用期間 2026年9月25日(設定日:2016年9月9日)
決算 年1回(毎年9月25日)
運用会社 三井住友アセットマネジメント株式会社
販売 楽天証券フィデリティ証券では1.6%の手数料で購入可能。フィデリティ証券を使えばキャンペーンで手数料ゼロにて買う事ができます。


このファンドのポートフォリオ

2018年11月末時点のポートフォリオは以下の通りです。62銘柄に集中投資をしています。ほぼアメリカを中心にして、欧州や中国、日本にも一部を投資しています。大型株だけでなく、中小型株にも投資しているのが特徴です。

グローバルAIファンドのポートフォリオ



グローバルAIファンドに対する管理人の感想と評価

AIブーム・個人投資家が大挙して押しかける雰囲気には気をつけよ

グローバルAIファンドは、世界の株式の中から、AI(人工知能)を活用したサービスの提供、またはAIを利用する事で高い成長が期待される企業に投資します。最近は至るところで、「AI」という単語を聞くようになっています。下記に示す通り、第3次AIブームの状態です。

しかし、一般消費者の耳にたくさん入るという事は、ブームの天井だと思った方が良いでしょう。というか、テーマに振り回されて飛びつくのは投資家としては三流の証拠です。

AIに関する説明


具体的な投資先として、下記のようにAIを活用する企業に広く資金を投じる方針です。

・AIテクノロジーの開発企業
・AI開発に必要なコンピューティングの技術提供を行う企業
・AIを活用したサービス、ソフトウェア・アプリケーションの提供を行う企業
・AIを活用したサービスを駆使して自社ビジネスを成長させる企業



それら企業の売上高の成長が、すさまじいですね。年平均成長率が56%です。これを見たら、いかにも大儲けできそうな気になってきます。美しい販売資料の威力は凄いです。一般人はイチコロなのではないでしょうか。

AI関連企業の成長性


しかし本当に大儲けできる投資家は既に資金を投下しており、これから売却して利益を確保するフェーズにあると思うのです。では、利確してその株を誰に売りつけるのかと言えば、何も知らないカモ投資家、つまりグローバルAIファンドを購入するような人になるのでしょう。


 


2019年1月時点では、成績良好なアクティブファンドと判定できる

グローバルAIファンドの運用プロセスは、数百のAI関連企業の中から投資候補となる200銘柄までを絞り込んで、最終的に40~80銘柄で構成されるポートフォリオを構築します。

という事は、ファンドマネージャーの能力で市場の平均的な投資成果を上回るリターンを上げてナンボの世界の、いわゆるアクティブファンドになります。

グローバルAIファンドの銘柄決定プロセス


一応、投資先は世界中の株式と明記されていますが、実際は9割以上が米国企業です。まさしく、ここ数年発生していた、米国のハイテクバブルに乗っかる投資信託と言えます。

企業規模としては中小型株が7割近くを占めており、小型株効果によって高いパフォーマンスが期待できます。この規模構成はアクティブファンドらしいなと思います。

具体的なベンチマークが無いので、完璧に比較することは難しいのではありますが、実質的に米国に投資するファンドだとすると、米国全体の市場平均を表すS&P500とのパフォーマンスを比較するのが妥当でしょう。

あるいは、ハイテク株への投資という観点からすると、NASDAQ総合指数(ナスダック総合指数)と比較する事で、本ファンドへの集中投資が成功だったのかを判断する事ができます。

また、一応は日本を含む先進国株が投資対象ですし、ファンドの月報にはMSCIワールドインデックスのチャートも記されておりますから、これを比較対象としても良いでしょう。

グローバルAIファンドのリターン比較結果を表示すると、以下のようになります。ファンド設定来の2年少々の比較では、S&P500やMSCIワールドインデックスをはるかに上回るリターンであり、大勝利と言って良いでしょう

グローバルAIファンドと主要指数とのリターン比較


なお、2016年にグローバルAIファンドが設定された当初は、以下のように、パッとしない運用成績でした。そのため、当時は「こんなものは使い物にならない」と事を書いた覚えが有りますし、今もそのように記述しているウェブサイトも散見されます。

しかし、現状は米国等の配当込みの主要指数を上回るリターンを上げる事が出来ていますので、それがいつまで続くのかは誰も分かりませんが、今の時点では優秀だと言えます。




ただし、当サイト管理人ならば別の投資信託を買います

ただし、ナスダック総合指数との対比ではほぼ同等の成績と言って良く、小型株効果が効いていない可能性が否定できません。もしもナスダックに連動するインデックスファンドが存在していたら、どちらを選ぶかはかなり微妙な判断になって来ると思われます。

当サイト管理人であれば、アクティブファンドの成績は長期的には信用できないので、NASDAQ100指数(ナスダック100指数)をベンチマークとするインデックスファンド、iFreeNEXT NASDAQ100 インデックスをセレクトしますね。

グローバルAIファンドとiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスとのリターン比較


信託報酬が0.45%と圧倒的に低コストで、しかもノーロード投資信託なので、コストの分だけ、リターンが上振れする事になり、有利だと考えられます。実際にリターンを見ると両者に変わりはなく、私だったら確実にインデックスファンドを選びます。

巷では「グローバルAIファンドが凄い」などと言われておりますが、当サイト管理人から見ると、「インデックスファンドで十分じゃないか」となりますね。


基準価額の下落と今後の対処

さて、再び以下のチャートを見てみます。このファンドを保有している人は、幸いにも儲かる投資信託を(恐らく偶然にも)手にした訳ですが、2018年末~2019年初にかけての大きな株価の下落によって、保有するか手放すかの悩みを抱えている事と思います。

矢印の部分では、直近の高値から安値まで、およそ30%もの下落を記録しており、暴落と言っても良いくらいの状況となりました。

グローバルAIファンドの価格の大幅な下落


ポイントは、利益確定や損切りのルールを明確にするという事に尽きると思います。ハイテク株の高騰はバブルと呼ばれる事も多いですが、本当にバブルなのかは実は誰にも分かりません。バブルと言うのは弾けた後になって初めて「バブルだった」と分かるものなのです。

もしかしたら直近の下落は一時的な株価の調整に過ぎないかもしれませんし、やはり今後は景気の後退と共に再度下落していく可能性も否定できません。

そもそも、グローバルAIファンドはアクティブファンドであり、アクティブファンドは長期的にインデックスに勝つことは極めて難しいです。と言う事は、短中期的に利用する道具と割り切る事が大事です。

長期投資と違って、短中期投資であればルールの策定は必須です。例えば、最高値から10%下落したら半分売って、更に10%落ちたらすべて売り切って利確、あるいは損切りするといったルールになります。

テクニカルの細かい指標を使ってルールを決める人もいらっしゃれば、10%ルールで「エイヤ」とやったり、結局は何でも良いので、数年とか十年単位で塩漬けする事になるような愚かな事を避ける事ができれば良いでしょう。

冒頭に記したように、テーマ型ファンドは投資信託が設定されて運用されだした辺りが既に天井圏である事も非常に多いですから、「何か変な感じがする」と思ったら、直ちに撤退して逃げてしまうくらいでも良いかもしれません。


グローバルAIファンド(為替ヘッジあり)という選択肢もアリ

ところで、グローバルAIファンドには為替ヘッジコストをかけてでも為替リスクを無くしてやって、純粋に投資先株式の価格変動リスクだけを引き受けるタイプもあります。純資産総額は現在、423億円です。

人気度では通常バージョンの為替ヘッジが無いタイプの方が人気が有り、純資産総額は2694億円にもなります。ただし、人気があるものが優れているという事ではないので、ご自身のリスク許容度と相談して、どちらかを決めると良いでしょう。

グローバルAIファンド為替ヘッジありタイプ


今後、円高が進むような事が有れば、為替ヘッジありタイプが有利になりますが、今のところは両者ともに、特に価格変動の傾向には差が無いようです。・・・というか、為替ヘッジありタイプのほうがわずかにリターンが高くなっています。


テーマ型ファンドに全財産を突っ込むような馬鹿げた投資は避けましょう

グローバルAIファンドのように、決めたテーマが「当たる」事も、当然あります。しかし、それはほとんどのケースにおいて偶然の要素が強いはずですから、どのテーマに投資するのかを決めたとしても、そこに全財産を突っ込むような事は避けましょう。

歴史を見ると、その時々で様々なテーマが流行しては廃れていきました。最近では、あんなに加熱していた仮想通貨バブルが盛大に崩壊したのは記憶に新しいところです。

何か特定のテーマに投資する時は、保有する金額のごく一部を振り向けるにとどめておいて、人一倍逃げ足が速いというような資金管理が重要になります。

投資のメインはインデックスファンドをを用いた、長期の国際分散投資が基本になるでしょう。米国のナスダック関連株に集中するのではなく、全世界の株や債券に分散投資をしておく事をお勧めします。


【併せてご覧ください・似たような投資信託を評価】

グローバルAIファンドの今後・価格下落も成績は優秀だが


 


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