JPMベスト・インカム・・・高い金出して買う必要は皆無な投資信託

JPMベスト・インカムは、三菱UFJ銀行や全国各地の金融機関や証券会社などで盛んに売られる投資信託です。高いインカム収入を確保できるという触れ込みで、日本を除く全世界の株式や債券、それ以外の資産クラスにまで投資する手数料有料のアクティブファンドです。

2014年に設定されてから1年以上は全く売れませんでしたが、何故か2016年かっら急速に純資産が増加し、未だに金融機関での人気も高く、毎月決算型の人気だけでなく年1回決算型の人気も想像以上にあって、トータルで、3000億円を超える資金を集めるに至っています

JPMベスト・インカム

ファンド名称 純資産総額
JPMベスト・インカム(毎月決算型) 2239億円
JPMベスト・インカム(年1回決算型) 888億円


当サイト管理人としては、この投資信託の何が良いのか、ちっとも訳が分からないというのが率直な感想です。JPMベスト・インカム(毎月決算型)などは、世の中に蔓延している悪辣な毎月分配型投資信託に比べると良心的とも言えます。

しかし、購入時に2%~3%もの無意味な高額のお金を支払ってまで買うような商品でもなく、これの代わりになるようなものは色々とあります。JPMベスト・インカムは、単に商品を複雑にして、利用者に高コストを負担させるためだけに作られたとさえ思える中身です。


(2019年3月28日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


JPMベスト・インカムの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
販売手数料 3.0%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.53%(税抜)
信託財産留保額 なし
運用期間 2024年9月13日(設定日:2014年9月17日)
決算 毎月15日(毎月決算型の場合)
運用会社 JPモルガンアセットマネジメント株式会社
販売 全国の主要銀行や証券会社で販売。楽天証券フィデリティ証券SBI証券で2.0%、他では3%の販売手数料がかかります。


ファンド運用は複雑で、マザーファンドに投資するのでファミリーファンド方式かと思いきや、更にマザーファンドが2つのファンドに投資をするファンドオブファンズ形式となっています。

JPMベスト・インカムのファンド運用形式



JPMベスト・インカム、管理人の感想と評価

資産配分比率を頻繁に変更する商品を買ってはいけない

当サイト管理人は、以前、三菱UFJ銀行に投資信託の相談に行った時に、「一応すごく下がったときにはキャッシュのように動かないものにするとか、債券にするので負けない運用をする」などと説明されて推奨されたのが、JPMベスト・インカムです。

何を言っているのかというと、以下のように、景気が好調で株価が伸びると思われる時期には株式への投資比率を上げ、逆に株価の下落局面は安全資産の債券の比率を高めて、要は調子の良い時にはお金が増えて不景気でもお金が減りにくいと言っている訳ですね。

資産配分比率の変更


しかし、このような事が簡単にできるのであれば、世の中にはどこもかしこも億万長者だらけになってしまいます。こんな事は自力で株や債券を買って投資している人ならば、「実際にはほとんど不可能」だとすぐに理解できるはずです。

当サイト管理人は数多くの投資信託をチェックしてまいりましたが、機動的に資産配分比率を変更すると言っているファンドで、それが上手く機能している実例に出会った事がありません。

本ファンドのポートフォリオは以下の通りです。これらの13もの資産クラスの配分比率を都度変更していくのなど、ファンドマネージャーだって上手く出来る訳がありません。

JPMベスト・インカムのポートフォリオ


過去1年間のポートフォリオの推移を見てみると、確かに相場に合わせて、機動的に資産配分比率を変更しているのかもしれないなという動きにはなっています。

JPMベスト・インカムの投資先の変更履歴


しかし、このファンドを購入した、あるいは購入を検討しているあなたは、これを見て「上手く行っている」とか「そうではない」とか、判断できるのでしょうか。そこが、ポイントです。月報を見たところで、これは何ら判断がつかない部分なのです。このような投資信託は、まず避けておいた方が長期的に見て賢明な判断となる可能性が高いです。


安全な運用に見えて、実はリスクは大きい

しかも、個人投資家が投資対象にしても良いような伝統的な資産クラスである、国内外の株式、先進国と日本の債券、国内外のREIT(不動産)以外に、ハイイールド債券、優先株式、転換社債などなど、特に必要とも思えないものにまで投資をしています。(以下赤枠

資産配分比率を見ると、一見すると債券が半分以上を占め、安全な運用だと錯覚します。しかしながら欧米のハイイールド債券や新興国債券などは株式クラス並みに価格変動が大きく、こんなものは債券のくくりで考えるべき内容ではありません。




唯一、外貨建て資産には為替ヘッジを付けますので、その意味では純粋に先進国株式やリートなどに投資するよりも為替リスクの分だけリスクは減るのが救いかと思います。

しかし、赤枠の部分を株式同等のハイリスク資産だと認識すると、実際に安全資産と言えそうな部分は全体の24%ほどにしかならず、もちろん相場の急変時にはその比率を向上させると言うのでしょうが、実態的には思った以上のリスクを取っていると考えておくべきでしょう。


ボロカスに酷い運用成績を見るだけで、投資不適との判断

そして、このような投資信託が本当に上手な運用なのか、年に1回発行される、恐らくほとんどの投資家が資料を開封する事すら無いだろうと思われる無味乾燥とした運用報告書に、重要な記述がなされていますので、下記、その部分をご覧下さい。

JPMベスト・インカムとベンチマークとのリターン比較


これは、JPMベスト・インカム(年1回決算型)の運用開始後の基準価額の推移と、この投資信託の投資先であるグローバル・インカムファンドのベンチマークである、「円ヘッジベース合成インデックス」とのリターン比較です。

JPMベスト・インカムはアクティブファンドなのですから、ベンチマークに運用成績が勝利してこそ、本当に価値が有ると判断できます。しかし、ベンチマークが設定来で120%伸びているのに対して、本ファンドは109%にしか過ぎません。

わずか4年間でこれだけの差がつくのですから、基本的にJPMベスト・インカムには全く投資価値は無いと言って良いでしょう。

「円ヘッジベース合成インデックスは投資先のグローバル・インカムファンドのベンチマークであり、JPMベスト・インカムにはベンチマークは存在しない」などと運用側は言い訳しそうな感じもします。でも、ベンチマークも参考指数も設定していないアクティブファンドなど、ほとんど欠陥商品だと言っても良いですから、そのような言い訳は通用しません。


 


リスクが低めのバランス型ファンドで必要十分すぎる

銀行や証券会社の店頭で説明する人は、例えばトレンド・アロケーション・オープンのように、資産配分比率を変更するタイプのバランス型投資信託を「良い商品」だと推奨しがちです。

しかし、何度も言うようですが、そんな事は全く無く、本当に良い商品とは伝統的な資産クラスに極めてシンプルに投資をするタイプの投資信託です。

バランス型ファンドどうしの比較は、実際には投資する資産クラスの違いや配分比率の違いなどによって、厳密に比べる事は不可能です。そのような中、当サイト管理人がかなりラフに代替え商品を2つほど取り上げてみましたので、以下をご覧下さい

まず、JPMベスト・インカムは債券比率が高く、海外資産に為替ヘッジをかけているという事ならば、世界経済インデックスファンド(債券シフト型)あたりが順当かと思いました。通常版の世界経済インデックスファンドも含めて比較チャートにしたのが、以下の図です。




3年で見ても同等の成績ですし、5年でも同等以上の成果を挙げられています。値動きの傾向としては、ややJPMベスト・インカムのほうがマイルドですが、債券シフト型でも、特に大きな問題になるようなものではないのではないかと思います。

次に、たわらノーロード バランス(堅実型)(標準型)(積極型)の3つのタイプを比較表示させてみました。たわらノーロードバランスの運用が直近1年しかありませんが、これを見ると、たわらノーロードバランス(堅実型)あたりで良いのではないかと思えますね。




特に、2018年末~2019年初にかけての株価の急落局面において、JPMベスト・インカムが機動的に資産配分比率を変更して資産を守れる訳ではない事が分かります。

むしろ、きっちりと安全資産の国内債券や為替ヘッジ付き先進国債券の投資比率を多く取っているだけの、たわらノーロードバランス(堅実型)のリターンのほうが高く出ている事は、何か示唆に富むのではないかと思いますね。

上記2つのチャート図で挙げた2通りのバランスファンドは、購入時に手数料が一切かからないノーロード投資信託だという点も、実は重要です。

JPMベスト・インカムは、購入の際に2%~3%の手数料を取られますから、チャートの始点はその分下にずれて始まるという事を忘れてはなりません。金融機関に支払った手数料分だけ、暴落相場に匹敵する痛手を負って、資産運用に入る事になります。

ところで、代替えとして提示した投資信託は全て分配金を再投資するタイプであり、毎月分配型はありません。この場合、それらををSBI証券で買って、投資信託定期売却サービスを利用すれば、自分で毎月の「分配額」を決めての、自作の毎月分配型投資信託ができあがります。

ご自身で解約の量を設定する事が出来ますので、配当利回りの範囲内で定期売却をすれば、安定的に毎月の収益を得られることになります。

なお、実際に当サイト管理人が投資をしている、分配金目当ての投資の部分に関しては、上記で挙げたような投資信託ではなくて、ETFを買い付けしています。これについては、管理人の投資しているもののページをご覧ください。


JPMベスト・インカム(毎月決算型)の分配金の出し方は珍しく適正

この投資信託で、唯一、褒めて差し上げたい点が、分配金の出し方です。世の中の毎月分配型投資信託のほとんどはタコ足分配が酷く、分配金を出していると言いながら、その実態は元本払戻金であり、投資家の元本から信託報酬を掠め取った残りを返しているだけの詐欺です。

しかし、JPMベスト・インカム(毎月決算型)は適正な分配を続けており、タコ足分配の形跡も見られず、適切な毎月分配型投資信託だと言えましょう。

以下、運用報告書に記載された分配原資の内訳です。赤枠の当期の収益、つまりこれが投資先からの配当収益で、これで青線部分の分配金をほぼカバーできている事が分かります。

JPMベスト・インカム(毎月決算型)の分配原資の内訳


念のために分配金利回りも確認してみると、3.94%という数字であり、投資を不勉強な人は「低い数字だ」と思わるかもしれませんが、こういう数字こそが適正だと考えてください。

JPMベスト・インカム(毎月決算型)の分配金利回り


月報に記載されている投資先の平均利回りも4.4%となっており、辻褄が合います。JPMベスト・インカム(毎月決算型)は、分配金の出し方は誠実だと言って良いでしょう

JPMベスト・インカム(毎月決算型)の投資先の配当利回り


と、上記のように書いたばかりではございますが、2018年終わりから2019年3月直近まで、一転して当サイト管理人が試験的に保有している本ファンドの分配金が、全額、元本払戻金になっています。

やはり、このような投資信託は信用してはいけないという証拠になりますので、以下のページもじっくりと目を通して頂いて、このような商品は買わないようにしましょう。

参考分配金が元本払戻金だらけでゲスの極み!


庶民が騙されやすい分配金のやり口

JPMベスト・インカム(毎月決算型)の目論見書を見てみると、以下のような説明が載っていました。毎月決算型では3ヵ月に1回のボーナス分配が支払われると書いてあります。

JPMベスト・インカム(毎月決算型)のボーナス分配


このようなボーナス分配は、一般庶民にとっては最高に魅力的に感じるのではないでしょうか。私もこれを見て、実に上手い売り方をするなと、変な関心をしました。

しかし、目論見書には、ボーナス分配は出るとは限らない旨が記載されています。実際にも、過去に一度もボーナス分配など支払われておらず、嘘はついてはいないにしても、だったら上記のような説明をするんじゃないよと思いますね。


 


★この記事が参考になりましたら、ブックマークもしくはシェアをお願いいたします

ページトップへ戻る