最低の評価、JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)は、極めて複雑なファンドの運用をしている商品であり、ほとんどの投資家にとっては理解不能なレベルにあり、うがった見方をすると、これはカモ投資家向けの商品設計になっています。

JPX日経400アクティブ・オープン米ドル投資型(愛称:JPXジャスト)とは双子の姉妹のような関係の投資信託であり、それぞれにスイッチング(切り替え)をする事が可能です。(スイッチングでも購入時に手数料がかかるので、そんな馬鹿な事はやる価値ありません。)

2015年末には両者合わせて3500億円ほどの大量の資金を集めて注目されましたが(悪い意味でも)、現在は証券会社が投資家の目を他の商品に向けさせている事から、以下のような純資産総額となっています。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)

ファンド名称 純資産総額
JPX日経400アクティブ・オープン米ドル投資型(愛称:JPXジャスト) 128億円
JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム) 524億円


本来はこれらを本ページで同一にご紹介したいところですが、あまりにも商品内容が複雑なので、ここではJPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)に特化して評価解説したいと思います。

プレミアムなどとカッコつけたネーミングにしていますが、ベンチマークを上回る成果を出さなくてはならないアクティブファンドの使命を考えると、まるで失格と言えるような運用成績となっています。これで手数料有料とは、呆れるばかりです。

分配金の出しかたも著しく強引であり、完膚なきまでに投資価値の無い、酷い商品だと言わざるを得ません。このような商品を平気で推奨して来る金融機関とは、距離を置くどころか一刻も早く縁切りすべきでしょう。


(2019年4月1日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(JPXプレミアム)の基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
販売手数料 3.0%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.7%(税抜)
信託財産留保額 なし
運用期間 2023年8月10日まで (設定日:2015年2月12日)
決算 毎月10日
運用会社 ニッセイアセットマネジメント株式会社
販売 楽天証券フィデリティ証券SBI証券三菱UFJモルガン・スタンレー証券、光世証券で販売。全て3%の手数料です。恐らく三菱モルスタ証券が売りまくったとしか思えません。


このファンドのポートフォリオ

2019年2月28日時点のポートフォリオです。ベンチマークのJPX日経400インデックス(配当込み)に対して、わずか37銘柄に集中投資しています。いかにもアクティブファンドらしいですが、インデックスに勝利しないと意味が有りません。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)のポートフォリオ



JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン、管理人の感想と評価

ボロカスに酷い運用成績を見るだけで、投資不適との判断

まず最初に、上の項のような集中投資を行っている結果として、ベンチマークに対してどのようなリターンを挙げているのかを見ていきます。ファンドの目論見書にも、このように記されています。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)の運用目標


ところが、実際にはJPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)は複雑すぎる商品内容が災いして、ベンチマークや参考指数が設定されていません。

されていないために、運用報告書にも月報にも、JPX日経400との成績の対比表が掲載されていません。これでは、「目指します」と言っておきながら実際はどうだったのか全く判断不能になります。

仕方がないので、JPX日経400をベンチマークとするインデックスファンド、SMT JPX日経インデックス400・オープン(信託報酬0.37%)と比較してみました。これであれば、JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(愛称:JPXプレミアム)の実力が一発で分かります。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)の運用成績


表には、姉妹ファンドのJPX日経400アクティブ・オープン米ドル投資型(愛称:JPXジャスト)も掲載しました。また、同じくニッセイアセットマネジメントが運用するJPX日経400のアクティブファンドである、ニッセイJPX日経400アクティブファンド(購入手数料3.0%、信託報酬1.44%)も掲載しました。

結果、それらのいずれのアクティブファンドのリターンよりも、直近3年間では、比較にならないほど低コストのインデックスファンドのほうが、成績が良い事が分かります。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)などで投資する場合は、もちろん購入時に手数料が3%かかりますから、実際には上の表の始点が3%分だけ下にズレた状態でリターンの比較をしなくてはなりません。

そうなると、本ファンドとSMTインデックスファンドとは、実態的には3年間で約10%もの差が付く事になり、馬鹿馬鹿しすぎてお話しになりません。


複雑すぎる運用は大問題

本ファンドの投資対象は国内株式ですが、米ドルの為替取引と、米ドル、株式を利用したオプション取引(カバードコール戦略)、つまりデリバティブ取引を利用した投機的な運用を積極的に行っている点も、大いに問題が有ると思います。

販売資料を見ると、収益源が5つもあって儲かりそうに見えますが(青枠)、投資は収益の裏返しとして、多額の損失が発生する可能性のある「諸刃の剣」である事を思い出して欲しいです。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)の収益の源泉と損失の可能性


上記を見ると、全ての収益源で損失になる可能性が明記されています(赤枠)。実際に、次の項ではその現実について記述しています。

それに、これでは価格変動の要因が有りすぎて、何がどう影響して基準価額が上がっているのか下がっているのか、投資家は全く判断が付かない事でしょう。


 


デリバティブ取引は、見せかけだけの利益を生む可能性が大

それにしても、JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープンは、オプション取引や為替取引をするが為に、わざわざ外国の投資信託証券を利用するあたりがバカバカしすぎます。日本国内に投資するのに、外国の投資証券に資金を投入するって理解不能すぎです。

これによってファンド運用がファンドオブファンズ形式となりますから、信託報酬が二重にかかる事によってコストが高くなり、コストの分だけ投資家のリターンを削る事になってしまいます。先ほど見たような、インデックスファンドにリターンが負ける要因でもあります。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)のファンド運用方式


こんな事をするのは、投機的な運用でプレミアム収益を確保するためです。なぜ投機的な運用の収益源が欲しいかと言うと、定期収益を嵩上げして分配金利回りを上げて、投資のカモを集めるためです。

2019年2月末時点の月報によると、株式と為替のオプション取引による利回りの底上げは、以下のような数字になるようです。

通貨と株式のカバードコール戦略


資料を読み込むと、米ドルのコール・オプションを売却する、通貨カバードコール戦略による収益(オプションプレミアム)は約4%であり、株価指数のコール・オプションを売却する株式カバードコール戦略による収益(オプションプレミアム)は約10%と、二つ合わせて合計、14%の水準に達します。

月報には記載がありませんが、JPX日経400の配当利回りはおおよそ2.4%程度です。直接の投資先の配当をはるかに上回る投機的な取引によって、合計で16.4%程度の利回りを確保しているという事になります。

毎年、投機的に14%近くの収益を確実に手に入るのであれば誰でも大金持ちですし、本来は我々のような一般的な市民が手を出せるような代物では無いはずです。

実は上記のオプション取引は、28日間(平均行使期間)以内に取引を終える必要があります。実際に2月の価格変動要因を見てみると、オプション取引によるプレミアム収益を上回る評価損失が発生しています

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)の基準価額の変動要因


つまり、毎月の分配金をねん出するための利益にはなるものの、一方で取引上の評価損を発生させる要因にもなりますから、分配金は出るが基準価額は想定以上に下落する方向に働くという事を意味しています。世の中に、打ち出の小槌など無いのです。


妙な設計のせいで、分配金の支払いが適正に見えてしまう

上記のように、売買損失を発生させるリスクを冒してでも、配当収入的なオプションプレミアム収益を確保しているため、毎月の分配金(青線)に対して毎月の収益(赤枠)できっちりとカバーできているように見えています。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)の分配原資の内訳


しかし、これを分配金利回りという表現で眺めてみると、何と33%ほどにもなり、もうこんな制度は「壊れている」としか言いようがない数字になっています。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)の分配金利回り


利回り33%の商品を一般常識的に考えると、ほとんど3年で元本が倍になる数字です。しかし、実際には以下のように、3年経って、たまたま相場の調子が良かったから2割程度の資産が増えただけにとどまっています。設定来では15%ほどの増加に留まります。

JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)(愛称:JPXプレミアム)の基準価額の推移


どれほど、この分配金の出し方とか、分配金利回りが誤魔化しというのか?偽りというのか、とにかくいい加減なものなのかが分かります。

途中で示したJPX日経400のSMTインデックスファンド、あるいは今ならば信託報酬0.195%にも低下した<購入・換金手数料なし>ニッセイJPX日経400インデックスファンドiFree JPX日経400インデックスが登場している時代です。

それらをSBI証券で購入して、投資信託定期売却サービスを利用すれば、毎月一定額を投資信託から換金できるわけで、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のようなところに高い金を払ってキチガイじみたファンドを買わなくても、誰でも低コストで、自由に自作の毎月分配型投資信託を作れる時代になっているのです。


 


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