外国債券投信編・純資産が多い投資信託の運用成績を叩く

投資信託の純資産残高ベスト5をピックアップして、それらの運用成績がインデックスファンドに比べて、どんな状況なのかを調べて叩くシリーズの3回目、今回は、外国債券投信です。

日本株投信編でも書きましたが、叩くというのは目的ではなくて文言的にキャッチーだからであり、本当の目的は「出来の悪い投信を選んで変な投資生活を送らないようにするための道しるべの一つになる事」、でございます。

特に外国債券は、資産運用とは程遠い内容の毎月分配型投資信託が多く、叩き甲斐があるのではないかと密かに期待しておりまして、さてどうなる事でありましょうか?

(2015年6月28日追加)


 


純資産残高が多い、外国債券投信のベストファイブはこれ

2015年6月27日時点での、外国債券に投資する投資信託の純資産残高トップファイブは、以下のようなラインナップとなっています

本来、債券投資は株式投資のようにアグレッシブに利益を取りに行くような性格ではなくて、株式投資で暴走するのを防ぐような、資産全体の安全性・安定性を高めるためのものです。

あるいは、利益は求めるものの、株式などよりもはるかにマイルドに、まったりとした感じで少しずつ利益を得てゆくような投資スタイルになるかと思います。




そういう基本を考えた時、上記の銘柄を選択する投資家は、一体どういう見通しを持って、米国のハイイールド債券だとかオセアニアだとかカナダなどに集中して債券投資をしているのか、全く理解不能です。

また、株のように価格が大きく上下しないという事は、リターンが少ないという事ですから、投資の際は株式以上にコストのコントロールが必要になります。

が、信託報酬が1%を平気で超えるような代物ばかりがランクインして、とてもこれはマトモな投資とはいい難い状況です。これで運用成績がインデックスファンドよりも劣っているとしたら、アホとしか言いようのない状態になります。



ランクインした5本の投資信託の基準価額を比較してみる

さて今回上位にランクインしているファンドはあまりにも様々な様相を見せているため、一挙に成績を比較することができません。それぞれ順繰りに見てまいりますので、以下、ご覧になっていただければと思います。


フィデリティ・US・ハイイールドファンド

まず1兆円規模を誇る、第一位の投信です。このファンドはベンチマークを設けているのですけれども、呆れたことにそれに惨敗しています。詳細はフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドのページをご覧になってください。

一般の投資家がアメリカのハイイールド債券に投資する意味を問いたい気分ですが、それはさておき、代替えとなる投資信託(もちろん低コストのインデックスファンド)が皆無なので、どうしたもんかなと思っていた時に思い出したのが下記。

iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF(iBoxxドル建てLHYC)で、東京証券取引所に上場しているETFになります。信託報酬が0.5%に抑えられるので、コストだけで考えてもすぐにどちらが良いのか決まってしまいます。

実際に基準価額の比較をしてみると、青い色のフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは、赤線のiシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF(iBoxxドル建てLHYC)にずいぶん劣る運用成績なのが分かりますね。

国内ナンバーワンを誇る投信と言っても、しょせんこんな成績です。好景気の時は「なんだか投資して儲かった気分」になるのかもしれませんね。

でも運用目標(ベンチマーク)や、他の同じような投信とちょっと比較するだけで、実は儲け損なっているというのが、すぐに分かります。



グローバル・ソブリン・オープン

有名な投資信託ですが、これよりも分配金利回りが高い、(ボッタクリ)投資信託が増えたおかげで、ずいぶん人気が落ちました。でもいまだに1兆円弱の資産残高を誇るのですね・・・。

ですがグローバル・ソブリン・オープン、これまたベンチマークを一方的に下回る、全くロクデナシの運用成績であり、買う価値などありません。

こんなもん、同じベンチマークのインデックスファンドと簡単に比較できるので、実際にSMTグローバル債券インデックス・オープンと比べてみましょうか。

(注:同じベンチマークでもSMTは日本を除く、グローバル・ソブリン・オープンは日本を含むという違いはあり、この点はお含みおきください)




ご覧の通りで、グローバル・ソブリン・オープンに投資する意味など皆無です。コストだってSMTの2倍以上しますし、高いお金を出してヘボい投信を買うのは、ただのアホです。

どうしても分配金が欲しいなら、SMTをSBI証券で購入して、投資信託定期売却サービスを利用すれば、分配金のように資金を手元に取り崩すことが可能です。



ダイワ高格付けカナダドル債

ダイワ高格付けカナダドル債については、ベンチマークも何もなく、ご自身の投資先ファンドがイケているのかそうでないのか、全く判断できない点でよろしくありません。

じゃあ他の投資信託と比べようとしても、カナダの債券に投資する適当な低コストファンドが無いために、何もできません。

だいたい、どうしてあなたはカナダの債券に投資しようと思ったんですかね? という問いかけをさせていただいて、ダイワ高格付けカナダドル債についてはオシマイにします。

(あー、基準価額の下落が酷いですね~~。相当にタコ足分配でしょうね~~と、捨て台詞を残してオシマイにします)



ハイグレードオセアニアボンド、短期豪ドル債オープン

残りの2つです。ハイグレード・オセアニア・ボンド(愛称:杏の実)と、短期豪ドル債オープンです。これらはオーストラリアの債券に投資するインデックスファンド、i-mizuho オーストラリア債券インデックスとでも比べてみれば、十分でしょうね。(信託報酬0.57%)

結果はこの通りで、やはり異様に高コストのアクティブファンドなどを選ぶ理由は、全く無いという事になります。何がハイグレードだ!と言いたい雰囲気ですし、短期豪ドル債オープンは筆舌に尽くしがたいほど悪いです。(おまけにこのファンドは購入手数料有料)



債券投資をする毎月分配型投資信託に気を付けよう

以上、見てきたとおり、「人気のある投資信託の運用成績は大した事ない法則」が、外国債券投信の世界においても、厳格に適用できるようです。

特に外国債券投信の場合は、各金融機関が血眼になって、カモとなる投資家を猛烈に勧誘しています。「今人気ですよ」などという言葉に、決して踊らされないようにしてください。

というか、分配金利回りなどは完全にまやかしで、定期預金の金利などとは全く異なる数字であり、ほとんど好きなように操作されたものであるという事を、まず最初に知っておいたほうが良いでしょう。

実際に投資をするのは、その後にしたほうが身のためです。紳士並びに淑女方が、これ以上金融機関からいいように扱われないように切に願い、外国債券編を終わる事にします。



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