海外REIT投信編・純資産が多い投資信託の運用成績を叩く

投資信託の純資産残高ベスト5をピックアップして、それらの運用成績がインデックスファンドに比べて、どんな状況なのかを調べて叩くシリーズの5回目、今回は外国債券ものと並んで、毎月分配型投資信託で大人気の資産クラス、海外REITになります。

海外REIT投資信託の純資産残高ベストファイブ


1兆円クラスの投資信託が並んでいますね。余りにも人気が出過ぎて、一時期販売を休止していたファンドなどもあるくらいです。ですが、人気があるのと実力があるのは全く別問題。

あなたが選んだ、もしくは選ぼうとした純資産の多い人気投信の運用成績がどれほどのものか、しっかと見つめて参りましょうか。

(2015年7月14日追加)


 


そもそも、コスト面を見るだけで、買うか買わないか分かりそうなものだが

今回は、真っ先にコストの話からしましょうか。純資産残高の多い5本の毎月分配型投資信託は、いずれも猛烈に高いコストが「誇り」のようです。どれだけ信託報酬が高いのか見てみましょう。

投資信託の名称 信託報酬 購入手数料
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス) 1.5% 3.0%
ラサール・グローバルREITファンド 1.5% マネックス証券等ならノーロード
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジ無し) 1.4% スルガ銀行でノーロード
ダイワ米国リート・ファンド 1.5% 3.0%
ワールド・リート・オープン 1.55% 主要ネット証券でノーロード



で、このような高コストが一消費者として納得できるのは、市場の平均値よりも運用成績が良かったときのみです。もしもコストだけ取って運用成績が劣っているのなら、それは世の中では「ボッタクリ」と言います。

本ページで取り上げた超絶人気の海外REIT投信が、ボッタクリ投資信託ではない事を願いつつ、運用成績をチェックしてみましょう。



5本の海外REIT投信とインデックスファンドを単純比較するだけで、本質が見える

比較は、上記の表で現した5本の投信に対して、世界のリートに分散投資するインデックスファンド、SMTグローバルREITインデックス・オープンに登場してもらいます。

信託報酬は驚きの低コスト、たったの0.55%です。今ではもっとコストの低い新設ファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイ グローバルリートインデックスファンドが有りますが、5本の高コスト投信との運用成績を長期で比較するために、今回はSMTで見てみます。



海外REITに投資できる2つの投信とインデックスファンドを比較

さて、肝心の運用成績の比較と参りましょうか。まずは本当に単純比較できる、ラサール・グローバルREITファンドワールド・リート・オープンの2本との比較です。

それぞれS&P先進国REIT指数を運用目標にしています。SMTインデックスファンドが「除く日本」となっているので、正確には比較できません。

ですが世界のREIT市場に投資しようという大多数の人は、そんなところは見ないと思いますので、ほぼほぼこの比較でまあ大きな間違いはないだろうと考えての比較となります。

海外REIT投信の基準価額の比較


3年チャートで見ると、結果的には相当の差がついて、大人気ファンドの大負けです。多額のコストをあなた方から徴収しているので、運用成績も素晴らしいんじゃないかと期待するかもしれませんが、実際は超ローコストの投資信託に全く及びません。

ワールド・リート・オープンなんぞ、SMTグローバルREITインデックス・オープンよりも、恐るべき15%もの大差で大敗しています。

3倍の値段(信託報酬)を出して投資信託を購入して、15%もの大差で負けられたのでは、目を覆うばかりの惨状と言えるでしょう。



米国REIT単独に投資できるインデックスファンドは無いので、無理矢理・・・

悩ましいのは、米国REITに単独に投資が可能なインデックスファンドが存在しないこと。これでは比較のしようが有りません。しかし今や、国内ETF(上場投信)を利用すれば、ほとんどと言ってよいほど、高コストのボッタクリ投信を代替えできる凄い世の中になっています。

今回登場願うETFは、iシェアーズ米国不動産ETF(証券コード:1590、信託報酬0.46%)です。通常の株と同様、購入するときに購入手数料がかかりますが、それでもここで比較する投資信託を買うのに比べると、非常に安い水準です。

(なお、ETFとはいったい何?と言う方は、当サイトの姉妹サイトである、ETFの森~国内&海外ETF購入ガイドをご覧ください。証券会社ごとの、売買手数料なども比較しています)

では、iシェアーズ米国不動産ETF(運用目標はダウ・ジョーンズ米国不動産指数)と、下記3本の米国不動産投信(それぞれ運用目標はFTSE NAREIT Equity REITs インデックス)を、比較する指標は異なりますが、米国の不動産に投資という事でエイヤと比べてみます。

iシェアーズ米国不動産ETFと、米国不動産に集中投資するアクティブファンドとの基準価額の比較


比較する指数が異なるからここまでの大差がつくんだろうなと想像はしますけれども、それにしても単純に皆さんは「米国不動産」に投資しようと思ったのでしょうから、わざわざ異様に高いコストをかけて運用成績が振るわないファンドを買う必要などない訳です。

しかし、日本のネット証券から気軽に買えるようになったからと言って、上場された投資信託を買うのは気分が滅入るという人もおられるでしょう。

その場合は、やはりベンチマークが相当異なってしまいますが、米国REITの割合が65%を超えていて、まあまあこれでもいいかなと言う指数である、S&P先進国REIT指数(除く日本)を運用目標にしている、SMTグローバルREITインデックス・オープンに再登場願いましょう。

米国不動産に集中投資するアクティブファンドと世界のREIT市場に分散投資するインデックスファンドの比較


いかがでしょうか?米国を中心とした世界のREIT市場に広く分散投資しておくだけで、やはり純資産が多いだけの高コスト投信よりもマトモそうなリターンを残しているのが分かります。

なんだか儲かりそうだという理由だけで、(あるいは金融機関に勧められるままに)、米国不動産に集中投資する行為は、報われるとは限らないのです。



どうしても分配金が欲しい人は、投資信託・定期売却サービスを使いなさい

しかし、ここまで説明しても、毎月の分配金がもらえないから嫌だという、「毎月分配型投資信託中毒症」に罹患している患者さんもおられると思います。

この病気の怖いところは、分配金利回りと配当利回りは全く違うにもかかわらず、それを頑なに認めない脳内構造に陥る事です。別名を、「投信認知症」とも言います。

もしもどうしても毎月、一定の金額を手元に取り崩したいという欲求が強い場合は、唯一ご自身でタコ足分配を回避して、気分よく「毎月分配」することの可能な、SBI証券の「投資信託・定期売却サービス」を使ってください。

投資信託・定期売却サービスの詳細はこちらのページをご覧ください



純資産が多いだけが取り柄の海外REIT投信に、買う価値は無し

以上、見てきたとおり、「人気のある投資信託の運用成績は大した事ない法則」が当てはまる事が分かると思います。あなたが多大なるコストを支払って人気のあるファンドを購入したとしても、それはほとんど何の得にもなっていないという事です。

(今は上げ相場だから、買値よりも十分値上がりして得になっていると言うかもしれませんが、低コストのインデックスファンドを買っておいた人のほうが、はるかに得になっているという意味になります)

肉と卵と野菜と投資信託は、とにかく安いものがいいのだと覚えておいてください。とりわけインデックスファンドは、古くなっても腐りません。インデックスファンドを毎日食べていれば、将来あなたの血となり肉となる事を実感できると思います。




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