国内債券投信編・純資産が多い投資信託の運用成績を叩く

投資信託の純資産残高ベスト5をピックアップして、それらの運用成績がインデックスファンドに比べて、どんな状況なのかを調べて叩くシリーズの4回目、今回は、国内債券投信です。

国内債券


国内債券クラスは、それ自体で「儲ける」ようなものではなくて、ご自身の資産を安定させる役目を果たします。(そもそも「安全資産」という認識になります)

株式がエンジンだとしたら債券はブレーキであり、国内債券をアセットアロケーションに組み入れることで、期待リターンを大きく落とすことなく、リスクを低減できます。

そんな国内債券クラスの上位銘柄は、果たして「ボッタクリ」のそしりを免れる事ができるのでしょうか? インデックスファンドとの比較を通じて、見て参りたいと思います。

(2015年7月7日追加)


 


純資産残高が多い、外国債券投信のベストファイブはこれ

2015年7月7日時点での、国内債券に投資する投資信託の純資産残高トップファイブは、以下のようなラインナップとなっています

安全資産の位置づけですから、国内債券の期待リターンは非常に低いです。という事は、やっと得られるようなわずかな利益を、高額の購入手数料や信託報酬で持っていかれたら、全く割に合わない投資という事になりますね。

純資産総額の多い国内債券投資信託の上位5銘柄



ランクインした5本の投資信託の基準価額を比較してみる

日本の債券に投資する投資信託と言っても、今回上位にランクインしたファンドの投資対象は、まちまちでした。国債に投資するもの、社債に投資するもの、物価連動国債に投資するものを、さすがにエイヤといっしょくたに比べるのは無理があり間過ぎますね。

したがって、下記のようにまずは一覧表で、ベンチマーク(あるいは参考指数)との勝ち負けを明らかにしておきますね。

・・・見ての通り、全てベンチマークなどに負けています(そもそもベンチマーク無しと言うのもありますし)。これらはみな、アクティブファンドになるのですけれども、全敗ですね。買う価値が有るとは思えない。

ただ、日本の社債に投資できるものや物価連動国債に投資できる投資信託はほとんどありませんから、それらに投資したい人にとっては、選択肢の1つにはなり得ます。

ファンド名 ベンチマークや参考指数 勝ち負け 特記事項
ダイワ日本国債ファンド ダイワ・ボンド・インデックス国債指数 負け -
ニッセイ日本インカムオープン
(Jボンド)
無し そもそもNG ほぼ社債に投資
東京海上・円建て投資適格債券ファンド(円債くん) NOMURA-BPI/Ladder20年 負け 社債をメインに投資
MHAM物価連動国債ファンド
(未来予想)
負け 物価連動国債に投資
ジャパン・ソブリン・オープン NOMURA-BPI/Ladder10年 負け -

※全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)から算出した物価連動国債の適用指数について設定日の前営業日を10,000とし指数化したもの



日本の国債に投資できる2つの投信とインデックスファンドを比較

まず日本の国債に投資できる投資信託、ダイワ日本国債ファンドジャパン・ソブリン・オープンです。ダイワのファンドは、購入手数料を0.5%取られる時点で投資価値なしですが、ま、低コストのインデックスファンドである、SMT国内債券インデックス・オープンと比べてみましょう。

日本の国債に投資するアクティブファンドとインデックスファンドのパフォーマンスの比較
(ベンチマークが微妙に異なりますが、そこは目をつぶって、日本の国債に投資できる投資信託という大きなくくりで比較しています。ご承知ください)


グラフでは相当の大差がついたように見えますが、3年間で3%程度のリターンの差です。だからこそ、コストには目いっぱいの注意を払わねばならないのですね。

そしてここでも、「別に普通のインデックスファンドを選んでおけばいいんじゃないの??」と言うような結論とせざるを得ません。



物価連動国債に投資できるインデックスファンドと比較

MHAM物価連動国債ファンド(愛称:未来予想)は、10年物の利付け物価連動国債に投資します。であるならば同様の国債を投資対象とするインデックスファンド、eMAXIS 国内物価連動国債インデックスと比較できますね。

比較できる期間はまだ半年強と短いですが、インデックスファンドのほうがやや有利な状況です。信託報酬は同じなので、この差異は、MHAM物価連動国債ファンド(愛称:未来予想)が年に2回の分配金を出すことによるものなのかどうか、・・ちょっとハッキリしません。

物価連動国債ファンド同市のパフォーマンス比較


この比較結果も、「別に普通のインデックスファンドを選んでおけばいいんじゃないの??」と言う感じになります。

ただ、コストを支払って物価連動国債ファンドを買うのではなくて、無リスク資産として個人向け国債の10年物を買う事で代替えしても、十分だと思います。

⇒参考:個人向け国債VS国内債券ファンド・違いと安全性は?



社債に投資できるインデックスファンドは存在しない

さて残るは、ニッセイ日本インカムオープン(Jボンド)東京海上・円建て投資適格債券ファンド(円債くん)です。これらは社債にメインに投資する投資信託です。

しかしながら残念なことに、日本の社債に投資できるインデックスファンドは存在しません。ですので、「インデックスファンドが存在しない分野をカバーするアクティブファンド」と言う意味では、それらは多少の存在価値が有るかもしれませんね。

比較が無意味ですが、運用成績に分かりやすさを与えるために、SMT国内債券インデックス・オープン(日本国債に投資)と合わせて、チャートに表示してみます。(すみません、ジャパン・ソブリン・オープンまで載ってますが、無視してください)

日本の社債に投資する投資信託のパフォーマンスの比較


東京海上・円建て投資適格債券ファンド(円債くん)はSMTインデックスファンドよりもかなり良いです。それに対してニッセイ日本インカムオープン(Jボンド)は異様にヘボい運用成績となっています。

日本の国債よりもリスクの高い「社債」に投資してこの成績ですから、「アクティブファンドってのは、買って何年も置いてみないと良いのか悪いのかが分からない」という重大な問題がありそうなことを予感させる結果となっています。

そういう事を考えると、結局は無難にSMTインデックスファンドを買えばよろしいという事になります。おまけにSBI証券で買えば、ただでさえ低コストの0.37%の信託報酬がさらに低くなって、実質0.27%で保有できますから、非常にメリット大です。



国内債券クラスには、ETFも存在しないので、投資信託が唯一の選択肢

国内債券クラスでも、どうやら「人気のある投資信託の運用成績は大した事ない法則」が当てはまるようです。

今回、本ページを作っていてふと思いました。「一般の投資信託以外に、ETFを使えば、もっとはるかに低コストで債券投資ができるのではないか?」と。

他の債券クラスよりも断然低コストであることが武器になるのですから、当然ですよね。でも東京証券取引所のホームページを見ても、日本の債券に投資できるETFはありませんでした。

「なんで???」と思ってググってみたら、その理由を記してあるブログ記事がありましたので、リンクをしておきます。

債券はお守り日本債券ETFが上場していない理由を日興アセット今井さんにお聞きしました


要は、日本の債券クラスは恐ろしく値動きが少なすぎて、価格差を取って利益にするようなトレードの「技」が有効に機能しないからなんですね。

という事は逆に言うと、日本の債券クラスは非常に「安定した」資産クラスだという事で、やはり資産全体の「守り神」として、疎かにせずにアセットアロケーションに組み入れるべきだなと感じました。

何度も書きますけど、安定・安全な資産のリターンは低いです。だからこそ今までにも増して、コストには十分注意を払い、余計な分配による資金の非効率も徹底して避け、合理的な運用を心掛けるべきでしょう。



アクティブファンドのおすすめ(存在価値のあるアクティブファンド)
インデックスファンドのおすすめ(当サイトが推薦する投資信託たち)


 


★この記事が参考になりましたら、ブックマークもしくはシェアをお願いいたします

ページトップへ戻る