MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)・長期投資に超不向き

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)は、2018年9月26日に設定されたまだ新しい投資信託です。楽天証券のIFA向けのラップ口座においてのみ、買い付ける事ができます。(一般の証券口座では買う事は出来ません)

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)


目論見書だけ見ると、資産配分比率を適宜見直すタイプのバランス型投資信託だと思ってしまいます。しかし、当サイト管理人が見る限りでは、絶対収益追求型と言っても良いような中身であり、実態的には超低リスク超低リターンの、投資している意味が分からない商品です。

単にコストが高いだけの、魅力度の著しく低い商品ですから、賢明な投資家諸氏におかれては、間違ってもこのようなファンドに手を出さないようにすべきです。

(2019年6月18日追加)


 


MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の基本的な情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入時手数料 なし(投資一任口座の手数料は別途必要になります)
信託報酬 年率0.831%(税抜)
信託財産留保額 なし
運用期間 無期限
ファンド運用方式 ファンドオブファンズ形式
決算 年1回(6月15日)
運用会社 MFSインベスト・マネジメント株式会社
為替ヘッジ なし。ただし米ドルのショートを行うので、事実上、為替ヘッジをかけているのに等しい状態です。



MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)のポートフォリオ




MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)、管理人の感想と評価

普通の人は理解が難しい、複雑な投資信託

ごく普通の人にとって、投資はシンプルイズベストです。仕組みが複雑で難解な投資信託などは、よほど投資がマニアな人だけに任せておけばOKです。

しかし、楽天証券のIFA(独立系のファイナンシャルアドバイザー)だけが利用できる楽ラップ口座において、本ファンドのような複雑怪奇な投資信託が顧客に強く推奨され、投資の素人に売りつけられている現実があるようです。

このファンドは、株と債券への投資比率が市況に応じて大きく変動するという点が、問題の第一です。現金比率を機動的に変更するといえば聞こえが良いでしょうが、こういったタイミング投資を長期で成功させることは難しく、だからこそ、このようなアクティブファンドの成績は、長期でインデックスファンドに負ける事が大半になります。

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の資産配分比率


次に、債券への投資が社債に限定されている意味が、よく分かりません。社債は債券と言えども、安全資産の国債と違って、企業の倒産リスクを引き受けます。

このリスクは株式と同等であり、その社債に常に10%、市況によっては30%まで比率を高めるという意味が分からず、だったら、株式と現金の比率を調整するだけで良さそうなものです。

そして、これら株や社債への投資先を決める方法が、また笑えます。これを見ると、要は、「みんなでアイデアを出し合って決めています!」と言っているに等しいです。

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)のポートフォリオ決定プロセス


2019年5月末のポートフォリオによると、株式に31銘柄、社債に13銘柄を投資しているようですが、それぞれどんな「アイデア」を持って投資したのか月報には記されておらず、なんだかバカにされたような気分になってきます。



為替ヘッジありの絶対収益追求型ファンドというのが実態

理解が困難な点は、まだあります。目論見書によると、MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の主要な投資対象である「ZH1円シェア・クラス」というファンドについては、実質的にほぼ全額、米ドルのショートを行う事とされています。

米ドル円の売り(ショート)


月報で通貨配分の確認をしてみると、確かに株や社債を各通貨を通じて買う事になるのですが、その通貨の持ち分と同程度の分量を「売り」建てる事によって、事実上、為替ヘッジをしていると解釈して良いでしょう。

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の通貨別構成比


ドルを売って円を買う場合は、金利相当分を支払うという代償があるにも関わらず、このような面倒なことをするのは、ひとえに為替リスクをほぼ無くすことによって、ファンド全体のリスクを大幅に低減させる目的だと思われます。(目論見書に、そのような記述が全く無いのも不親切であり、リスク低減などは私がそうだと考えているにすぎません。)

リスクという面では、保有資産の構成比も特徴的です。株式の保有割合は基本構成比率で50%が下限であると目論見書には図示されていたのに、それよりも更に低い、46.2%となっています。社債は、下限値の10%です。そして現金は逆に、最大の40%を超して、43.8%もの保有です。著しくリスク回避的なポートフォリオになっています。

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の資産別構成比


このような状況であるにもかかわらず、目論見書の目的や特色の部分には、「信託財産の長期的な成長を目指して運用を行います」などと記されています。こんなにもリスク回避的な投資信託を使って、信託財産の長期的な成長など、期待できるのでしょうか?

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の目的と特色


本ファンドにはベンチマークも参考指数も無く、投資家はMFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の運用でお金を増やせるのかどうか、全く指針が無い点でも不案内です。

「だったら当サイト管理人が確認してみるまでの事だな」という観点で、いくつかのベンチマークに連動するインデックスファンドと比べてみた結果が、以下となります。

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)(信託報酬0.14%)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(信託報酬0.0999%)
eMAXIS Slim 国内債券インデックス(信託報酬0.12%)

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の値動きの傾向


2018年10月から2019年初にかけては株価が大幅に下落して、その後はかなり戻すような相場展開ですが、全体的には2019年6月までの期間においては、上昇というよりはやや下落相場となっています。

このような相場において、最も下落した時でもMFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の下落はマイナス5%に抑えられており、マイナス20%前後も下がった国内株や先進国株に比べて、著しくリスクが少ないことが実績として分かります。

というか、これほどまでにリスク回避的な投資信託だというのは、目論見書を見ても全く分からない事であり、実に説明不足だと思います。

そして、驚くべきことにそのリスクの少なさは、安全資産である国内債券に匹敵します。値動きの傾向も、日本債券のインデックスファンドとほとんど同等並みと言って良いでしょう。

という事は、MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の実態は、絶対収益追求型とも表現される、超低リスク超低リターンのヘッジファンドのようなものと考えて良いでしょう。

絶対収益追求型などと言うと凄そうに聞こえますが、リスクを極めて低くすれば、単純にリターンもほとんど無くなるというだけであって、それらの運用で長期にリターンを期待する事など、かなり困難だといわざるを得ません。

低リスク低リターンの投資信託に、信託報酬を0.831%と投資一任口座用の手数料を取られてるのでは、全く割に合いません。信託報酬がわずか0.12%で手数料無料のeMAXIS Slim 国内債券インデックスを持っておけば、完全にOKだと言えましょう。

国内債券インデックスファンドで十分なところを、わざわざ超高コストのMFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)を推奨してくるあたり、本ファンドはIFAの体の良い手数料稼ぎになっているとしか思えません。

ポートフォリオを決定するのに「皆でアイデアを出し合う」ような事をしたところで、国内債券のような値動きをしているだけですから、実に意味の無い行動です。このようなファンドに金を出して、金融業者を一方的に儲けさせるのは止めましょう。



MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)の購入先

MFSプルーデント・ファンド(米ドル売り円買い)をノーロードで取り扱っているのは楽天証券のみとなります。IFA専用の投資一任口座での買い付けとなります。

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管理人的には、ポイント利用でコストを徹底的に削減する効果のある、SBI証券楽天証券の利用がベストだと思います。(どちらでもお好みのところを利用ください。)


 


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