モーニングスター「いよいよ始まるiDeCoセミナー」の出席体験談

2017年1月20日(金曜日)に開催された、投資信託評価会社のモーニングスターによる、「いよいよ始まるiDeCoセミナー」に参加してきた時のレポートになります。

モーニングスター「いよいよ始まるiDeCoセミナー」


数百人が入場できる会議室が大入り満員で、多くの人が個人型確定拠出年金(iDeCo)に強い関心を抱いているのが分かりました。

内容は基礎的なところをほとんど押さえていましたが、インデックス投資に馴染みのない人にとっては難解だと思いましたので、後日、モーニングスターで公開された動画を聞きながら、本ページをご覧になって頂いて、要点を整理していただければと思います。

動画モーニングスターの動画を視聴する(約1時間の動画です)


 


iDecoが始まった背景とは何か?

人的資本と金融資産

なぜiDecoを始めるのか。人には二つの資産がある。関心が高いのは金融資産だが、もっと大事なことは人的資産。皆さんのキャリアとして、ヒューマン・キャピタルを上げていく、あるいは、一般の生活を生き生きとさせることが、本来であれば金融資産よりも大事。

若い人はヒューマン・キャピタルが非常に高い。これは稼ぐ力があるということ。本来であれば、この人的資産をもっと高めていくのが重要。

人的資本と金融資産


ただ、残念ながら年を取るに従って、人的資産は下がっていく。今は65、70歳まで働いていかねばならない時代だが、その時に、やはり金融資産がある程度貯まっていないと厳しい。

従って、若いときから少しずつ積み立てをしていくことによって、ヒューマン・キャピタルは下がるが、金融資産を積み上げていく事が大事。


社会保障全体の世代間損得勘定

今の年配の世代は得している世代で、年金が結構多くもらえた。そして若い人は厳しくなる。社会保障全体で、支払うお金に対してどれだけ還元されるか。

世代間の社会保障の損か得か


1965年よりも前に生まれた人はプラスで済む。ところが若い人は残念ながらマイナス。ヒューマン・キャピタルが下がっていく中で、今までは金融資産の山が平坦でもある程度、現金収入で賄うことができた。ところが今の若い世代は、預貯金の金利がほぼゼロなので、若いうちから少しずつ積み上げて行く必要がある。


社会保障全体の世代間損得勘定

消費者物価指数は、円安・原油高でジワジワと上がってきている。日本はエネルギー自給率が低いから、原油が上がることは経済的には厳しい。円安は海外に投資をしている場合には好ましいが、世界的なお金の価値ということに関しては、円が下がるのは好ましくない。

見た目の金利が0.01%しかないのに消費者物価がそれ以上がるのは、お金の価値が減価すること。100万円に金利1%で物価が2%上がったら102万円出さなきゃいけないから、金利じゃ追いつかない。物価以上に金利が上がっていかないと、皆さんの実質的な金利はマイナス。

もう一つ、賃金。ベースアップも消費者物価以上に上がらないと意味がない。消費者物価以上に上がったら、物価以上に儲かるが、実質賃金指数がマイナスという事は、やはり賃金は物価以上に上がらない。

こうなると、ある程度は投資で賄っていかざるを得ないのが、iDecoが創設された背景



iDecoやNISAを、どう使ってゆくか

iDecoとNISA、来年始まる積み立てNISAも含めて、長期で資産を増やすにはどの仕組みが最適なのか。長期の運用が出来る制度は、赤い枠を付けている。積み立てNISAは年間40万円を20年間運用できる。(積み立てNISAは従来のNISAとは、おそらく併用はできない。)

長期投資にはiDeCoか積み立てNISA


iDeCoやNISA、その他の口座の使い分け


資産運用で大事なことは、時間軸。10年間に、今持ってるお金をどれぐらいにしたいのか考える事が大事。100万円を200万円にしたいとか300万円にしたいとか、それによってポートフォリオの形状が変わる。

100万円が150万円で良いならばば比較的リスクが低くて良い。100万円を1年間で200万にしようとすると、投資ではなくて投機になる。長い期間で自分の目標を決めることが大事。


 


資産運用の基本的な考え方

世界経済や、どの資産クラスが有望かを見通す事は出来ない

世界経済は、アメリカ以外は不安定。ダボス会議での有識者の見方も、「不確かだ」という声が圧倒的に多い。イギリスは、ドイツ、フランス、イタリア、日本、中国、インド、ブラジル、ロシア、メキシコなどなど、世界経済全体はそんなに良くなってはいない。

ただし、だからといって新興国の株価が下がっているということではない。少し前に、アメリカは金融緩和が終わると金利が上がり、新興国に行っていたお金がアメリカに流れてきて新興国は厳しいという声が多かった。

原油がこれだけ下がり、コモディティも下がると、資源国であるブラジル、ロシアは相当厳しいと言われた。しかし昨年、1年間で見た場合、ロシア株が52%上がり、最も上昇した。そのあとブラジル。

為替についても、ブラジルが円安レアル高、ロシアは円安ルーブル高。従って為替を含めるとロシアに投資をした人は、7割ぐらい儲かった。ブラジルに投資をしたら5割儲かった。

2016年の株式市場別のリターン


でも、ブラジルやロシアに投資できたかと言うと、下がってるから投資してみようとはならないし、なかなか難しい。従って、やはり分散投資で新興国に投資するのが良い。

新興国はこれから、先進国をはるかに凌駕する成長率となる。10年20年、若い人は30年投資をしていくわけで、30年後の新興国と先進国の比率は、世界経済の中では半々ぐらいになる。短期的に見ないで、長い目で見ることが大事。

iDecoに投資する場合は、投資の王道である長期分散投資をすべき。長期で資産を分散して、そして積み立てる。積み立てというのは時間の分散。この場合、投資に絶対はないが、5年、10年経てばどこかで儲かるタイミングが9分9厘ある。

資産の分散がなぜ大事かは、過去のデータを見れば分かる。2005年から2015年の10年間で、八つの資産のリターンの順位を見ると、毎年順位が違う。

資産クラスごとの年次リターン


2007年新興国株式トップです。ところが2008年リーマン・ショックのときは新興国株式最下位です。2009年新興国株式またトップです。2010年国内リートトップです。2011年国内リート最下位です。2012年また国内リートトップです。」・・・こんな状況。

だいたい個人が投資をしようとすると、新興国株式でも国内債券でも、いろいろ銘柄を入れ替えて、だいたい高いところへ投資するから、多くの方がババを引いてしまう。

ロシアやブラジル以外でも、例えばイランやウクライナ、ミャンマーがすさまじい成長をしているのだが、そういったところに投資をしようとしても、やはりできない。

でも、新興国全体に投資をすれば、そういったところも含まれている。分からないから、全ての資産を組み合わせて投資をしたい。こういった意味で分散投資が極めて大事で、リターンは真ん中でいい。


長期投資をすれば、まず損失を出すことが無くなる

もう一つ、長期投資が大事。国内株式20%、先進国株50%、新興国株30%の比率で投資したケースで試算。1993年12月から2016年9月まで、5年、10年、15年の各投資期間に投資するとした場合、投資を始めた月から各投資期間において、どの程度のリターンが出たか。

長期投資は損をしにくい

(上の図の、四角い枠の中が見にくいので、以下の通り拡大して貼り付けます。)

5年、10年、15年投資とリターン


月次で見ていくと、93年12月に投資をして、5年間投資をした場合、約6パーセント投資が回った。これは積み立てではなく、214カ月(214回)投資をして、儲かった人もいれば損している人もいて、タイミングが非常に重要ということ。

平均リターンが6%でも、マイナスの人もいる。それが59カ月あった。2000年のインターネットバブル崩壊、2007年のサブプライムショック、そして忘れもしない2008年9月のリーマン・ショック。それらを挟んでいて、マイナスになっている。

でも、10年間投資をした場合は、タイミングの問題はだいぶ無くなってきた。154カ月のうちわずか3カ月。マイナスは0.5%に過ぎない。

ところが15年間、投資をした場合(94カ月投資)、マイナスは無かった。もちろんリターンが1.59%と低かった人もいたが、10年国債に投資しているよりマシ。10年間投資をして、平均はだいたい4~6%のリターン。

だから、長期投資は大事。今回は長期投資でも、ワンタイムで一括投資をしたタイミングでの話しで、これが積み立てならば、もっと有効な投資ができる。


積み立て投資は、量を買う事によってほとんどの人に利益をもたらす

積立て投資は、量が多く買える。リーマンショックの時には普通の人は買えないし、上がってる時は多くの人が高いところで買ってしまう。でも、タイミング気をにしない投資が大事。

皆さんは投資の時に、価格ばかりを気にする。一括投資は確かにそうで、上がるか下がるかだけ。ところが毎月積み立てで買う場合は、値段が下がると多く買えて、量が増えてくる。積み立て投資は、量を増やす行為

具体的に、2007年9月のサブプライム問題発生の直前、最悪の高いところで買ったとと仮定する。実際、多くの人がこういう時に買っている。マーケットの見方は難しいし、分からない。分からないのに、いちばん高いところで買ってしまった。

この人は1,775円で115万円投資をした。そして今2016年12月末、トピックスはまだ1,519ポイント。従って、サブプライムローン前に買われた人は、まだ14.4%下がっている。115万円を今売ったら98万円。


積み立て投資の高価


ところが、毎月コツコツと1万円ずつ買った場合、下がっている時は、多く買える。下がったら喜べるのが、積み立て投資のメリット。一括で買った人は、最大下落率6割で、こうなったら仕事も手に付かない。

積み立てで投資をしてコツコツ積んでいくと簿価が1,052円になった(緑色のライン)。一括投資の人の簿価はあくまで1,775円なのに対して、積み立て投資の人は1,052円なので、もうすでに利益は出ている。2013年のタイミングで、利益が出た。

長期積み立て分散投資をしていれば、3年、5年ないし10年の間に、利益の出せるタイミングは、9分9厘ある可能性が非常に高いという事。

iDecoというのは、まさに長期積み立て分散投資のメリットが生かせる制度。税のメリットはよく言われるが、長期積み立て分散投資ができるのがiDecoのもっと大きいメリット。タイミングを気にせずに投資をすることが極めて重要。

参考積み立て投資は本当に利益になるのか?



「iDeCoを始める」時の基礎の基礎

iDeCo口座は、コストと品揃えで選びたい

NISAと違って、iDeCoは口座管理手数料がかかる。従ってそのコストは低いほうが良い。iDecoの金融機関を選ぶのが非常に大事だということ。

商品の品揃えは、いろんな意見があるが、数は多いほうが良いと思う。皆さん最初は、バランスファンドや市場平均のインデックスファンドを買うが、慣れてくると、新興国の銘柄だったり、あるいはリートや金のファンドを入れたりしたくなる。そんな時にラインナップがなかったら投資できないので、多くあっていい。

モーニングスターでは、iDeCo口座のランキングを出している。総合的に見ると、SBI証券がトップである。

モーニングスターのiDeCo口座ランキング

管理人注釈

モーニングスター社はSBI証券の子会社ですから、上記のランキングは、SBI証券に有利にできていると考えるくらいで良いです。ネット証券ではSBI証券のiDeCo楽天証券のiDeCoが同時に首位というくらいの認識がちょうど良いでしょう。


具体的なポートフォリオ(インデックスファンドを中心にアクティブも検討)

若い人はこれから20年、30年投資をしていくので、リスクを取れる。色々考えがはあるが、100%株式でもいい。ただ、日本株一本とかではなくて、海外も含めて分散を考える。50歳を超えてくると残り10年なので、安定運用していくことが大事。債券の比率を高めていくこと。

ポートフォリオには、インデックスファンドが非常に分かりやすい。コストも低い。アクティブを探す手間も省ける。初心者に限らず、世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(JPIF)も基本的に8割方インデックスファンドで運用している。

iDeCoでの最適運用ポートフォリオ事例


そして、いちばん低い信託報酬の低いファンドを選ぶ。上のポートフォリオで日本株20、先進国株50、新興国株30%の比率で見ても、SBI証券は年間信託報酬0.27%と最低コスト。高いところは0.82%にもなり、0.55%も違う。10年運用したら5%、20年で10%となり、大きい。

インデックスファンドにアクティブファンドを加えて投資をしたい場合は、インデックス10%、アクティブ10%だとしたら、そのアクティブ10%の保有銘柄がインデックスに入っていない銘柄のファンドを選ぶと分散できる

アクティブファンドの選び方


似通ったポートフォリオになると、同じような運用になってしまう。中小型の銘柄や、マザーズとかジャスダックに投資をしている銘柄で分散化をはかっていくと、パフォーマンスも非常に良い。


アセットアロケーションについてその他補足

リタイアする年に向けてポートフォリオを入れ替えて、債券比率が高くなっていくターゲットイヤーファンドも良い。自分で資産配分比率を決められない、あるいは運用が大変だと感じる人は、ターゲットイヤーファンドがお勧め。ただし中身も色々あってそれぞれ違う。

自分で資産配分を決められる人も、例えば1年に1回のリバランスが必要。ただし、よほど比率が変わった場合で良い。10%が12%になったくらいは、気にしなくていい。

長期、積み立て、分散、これが極めて大事。そして5年、10年では必ずといっていいほど利益の出せるタイミングが出てくる。それを分かっていれば穏やかに投資ができる。


動画第2部・パネルディスカッション動画
(第二部につきましては、動画をご覧いただいて、内容をご確認ください。)

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