リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の評価

みずほ銀行にてノーロードで販売が開始された新しいバランスファンド、リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)について評価解説します。

日本、先進国、新興国の株式と債券の6資産と、日本及び先進国のREITの合計8資産に分散投資をするものですが、各資産クラス共にインデックスファンドに投資しながらも、市況に応じて投資比率を変化させて、リスクを年率2%程度に抑えると言った、いかにも「今風」の運用手法を採用している、ほとんどアクティブファンドのような投資信託です。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)


しかし、そんな事をやらなくても、コストが十二分に低く、リスクも同様に2%前後に抑えられるファンドが世の中にはあります。

本ページでは、初心者から魅力的に見えてしまうリスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の問題点を指摘しつつ、その代替え案を提示したいと思います。みずほ銀行のいいなりにならないように、注意しましょう。

しかし既に130億円の資金が集まっており、何の運用実績も無い、たったの3か月未満の本ファンドを疑問もなく買ってしまうのですから、完全に銀行のカモになっていますね。


(2018年8月17日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


リスクコントロール世界資産分散ファンド(マイスタート)の特徴や基本情報

このファンドの基本情報

購入単位:1口単位で購入できます。
信託報酬年率0.99%(税抜)
信託財産留保額:なし
決算:年1回(11月11日)
償還日:2028年5月11日まで(2018年5月25日設定)
運用会社:アセットマネジメントone株式会社
為替ヘッジ:先進国債券に為替ヘッジがかけられています。


このファンドのポートフォリオなど

下記の8資産のマザーファンドファミリーファンド方式で、以下の表の基本組み入れ比率にて運用。2018年7月31日時点での実際の組み入れ比率は表の右枠に記載。

ご覧の通り、為替ヘッジ付きの先進国債券への組み入れ比率が6割超となっており、極めて安全性の高いファンドである事が分かります。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の資産配分比率


安定資産とリスク資産の推移、あるいは通貨配分の推移は以下の通りです。円と為替ヘッジ付きの円貨で資産全体の9割を占め、ほとんど為替リスクが無い状態です。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の安全資産の割合



リスクコントロール世界資産分散ファンド(マイスタート)、管理人の感想と評価

年率リスクが2%・・・単純に安定タイプのバランスファンドを買えば良いだけ

「リスクコントロール世界資産分散ファンド」などと、さもカッコつけたネーミングにしているところが、このファンドの味噌です。目論見書にも、以下のような事が書かれています。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の価格変動リスク


価格の変動が年率2%程度しか動かないという事は、ほとんど変動が無いという意味になります。そしてそのために、このファンドのターゲットとなる投資の初心者が読んでも、分かったようで分からない仕組みで、ファンド内の資産をこねくり回す事になります。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の資産配分比率の決定方法


これによって、「過去検証」においては、リーマンショックの直前から現在までのちょうど10年間に、暴落を完全に回避して46%も資産が増えたと主張しています。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)のバックデータ


この通り、2008年のリーマンショックにおいては、国内外の株価が半値になった時でさえも、3.5%のマイナスにしかならなかったと主張しています。これが本当だとしたら、大した事のように思えてきますね。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の過去の下落率


しかしながら、よく見て下さい。リーマンショックやチャイナショックの際に、同じように全く暴落しなかった資産クラスがあります。それが、国内債券と為替ヘッジ付きの先進国債券です。

本ファンドは、これら2つへの投資比率が合計で70%もあります。という事は、このファンドのリスクコントロール能力が高いのではなくて、単に安全資産の組み入れ比率が高いだけという事になります。

もちろん、一時的に現金の比率を半分以上に高めたりする事で、ファンド全体のリスクをコントロールする訳ですが、そんな事はする必要がありません。

ごく普通の「安定型」のバランスファンドを利用していれば、極力暴落を回避して安定的に利益を確保する事など、出来てしまうのです。

まだ本ファンドの運用が開始されたばかりで比較する事が出来ないのですが、例えば以下をご覧ください。4つのバランスファンドを比較しています。(カッコ内は税引き信託報酬)

三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)(0.22%)
三井住友・DC年金バランス50(標準型)(マイパッケージ)(0.22%)
三井住友・DC年金バランス70(株式重点型)(マイパッケージ)(0.23%)
三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)(0.22%)

リスク許容度が低い人向けのバランスファンド


ご覧のように、ひたすら安定を求めるならば、債券だけに投資するファンドを選べば、リスクコントロール世界資産分散ファンド(マイスタート)と似たような安定性を確保する事が出来ます。

ただしそれでは成長性が心もとないので、若干、株式やリートなどに投資をして、わずかに成長性を持たせてやれば良い訳ですね。

その回答となるのが、上記のグラフでオレンジ色に色づけした三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)です。

グラフの直下に貼り付けた表を見て頂くと、標準偏差(=リスク)が年に2.76%の実績となっており、リスクコントロール世界資産分散ファンド(マイスタート)とほとんど同程度だと言って良いでしょう。

恐らくですが、マイパッケージを利用すれば、マイスタートよりもごくわずかにリスクが高い分、わずかにリターンも高くなるような結果になる事が予想されます。

それと、本ファンドと同じ運用会社の、たわらノーロード バランス(堅実型)という選択肢もあります。リンク先で堅実型の資産配分比率をご覧いただくと、リスクコントロール世界資産分散ファンド(マイスタート)を極めて似ている事が分かります。

特に、リターンのほとんど変わらない国内債券と為替ヘッジ付きの先進国債券の合計の数字が、両者ともに約7割となっている事から、運用成績などもほとんど変わらないものと推測できます。

資産クラス リスクコントロール世界資産分散ファンド(マイスタート) たわらノーロード バランス(堅実型)
国内債券 9% 36%
為替ヘッジつき先進国債券 62% 33%
先進国債券 0% 3%
新興国債券 9% 8%
国内株式 2% 4%
為替ヘッジつき先進国株式 0% 12%
先進国株式 3% 0%
新興国株式 3% 1%
国内リート 3% 2%
先進国リート 4% 1%
現金等 5% 0%


三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)たわらノーロード バランス(堅実型)のリターン比較です。ここ1年ほどしかグラフ化できませんが、これを見るとたわらノーロードバランスのほうがよりマイルドな値動きに見えますから、年率リスクは2%以内に納まるくらいの数値になるのではないかと思います。

今後、リスクコントロール世界資産分散ファンド(マイスタート)の運用期間が一定以上になった場合には、下記に追加して同時に値動きを見る事の出来るようにしたいと思います。

それにしてもみずほ銀行め、たわらノーロード バランス(堅実型)もみずほ銀行のインターネット専用投信として取り扱いがあるのに、コストが4.5倍もするマイスタートなるファンドを勧めてくるのですから、嫌な会社です。

年率リスクが2%程度のバランスファンド


初心者殺しの「下値目安値」の設定

さて、上の項で説明した「リスクが年率2%」を目指す事で、馬鹿みたいにリスク許容度の低い投資ができてしまい、これ以上の「安心感」などは不要とも思えるわけですが、みずほ銀行側ではこれに加えて「下値目安値」なるものを設定して、初心者に対応しています。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の下値目安値


パッと見が分かりにくいですが、要は、毎年の一番の高値から10%以上の下落はさせませんよ、という機能ですね。高値から基準価額が下がってきたら現金比率を高めて、それ以上に極端に価格が下がらないようにするわけです。

しかし、このような事は完全に、初心者の目くらましみたいなものであり、実に馬鹿馬鹿しいとしか言いようがありません。

先述したたわらノーロード バランス(堅実型)についても、恐らく年率リスクは2%くらいの筈です。2%だという事は、まずほとんどのケースにおいて高値から10%以上も落ちる事は無いと思われます。

ただし、リーマンショックの時にだけは、15%程度の価格下落が想定されます。しかしそれでも、いくらリスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)であったとしても10%の価格下落は免れないと思いますので、結局は一緒になるでしょう。

過去の検証ではリーマンショック時には3.5%のマイナスに抑えられたとの事ですが、こんなものはリーマンショックが発生した事を既に知っている訳ですから、バックテストなどいくらでも都合の良いように行う事が出来てしまい、全く信用なりません。

(検証結果が非常に素晴らしくて実際の運用がヘボかったファンドなど、今までにたくさん見てきましたので、当サイト管理人は全く信用していません。)

今回のように、ほとんど不必要だと思えるような「下値目安値」などを設定すると、余計にコストがかかる事になります。せっかくインデックスファンドを使っていながら、余計な事をやって0.99%もの高コストファンドになってしまっては、実に勿体ない事です。


結論をまとめます

以上のように、本ファンドのダメなところを長々と説明してまいりましたが、結論をまとめます。年率リスクが2%しか許容できないような初心者、あるいは強烈に怖がりな人までを投資に引っ張り込もうとしているのが、リスクコントロール世界資産分散ファンドです。

そして、みずほ銀行の店頭の説明で変に納得するのではなくて、もっとシンプルで低コストで自然体の、「無理が無い」ファンドにすることが肝要です。

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)のように「余計な事」をしまくりのファンドではなくて、リスク許容度が低い人向けには、以下の2つのファンドが良いと思いますので、検討してみて下さい。

たわらノーロード バランス(堅実型)・・・みずほ銀行やネット証券で購入可能。
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)・・・ネット証券にて。


もしもそれでも投資が怖いという人がいたら、三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)くらいしか投資可能なバランスファンドはありません。あるいはもう、投資を諦めて頂いて、金利の高い定期預金で資産形成をするようにして下さい。

参考驚愕!みずほ銀行にNISAの相談に行ってきた体験談



リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)の購入先

リスクコントロール世界資産分散ファンド(愛称:マイスタート)をノーロードで購入できるのは、今のところみずほ銀行のみとなります。

これとは別に、証券口座選びに迷った場合は、 管理人神推しの証券口座のページ を参考にして下さい。管理人的には、ポイント利用でコストを徹底的に削減する効果のある、SBI証券楽天証券の利用がベストだと思います。(どちらでもお好みのところを利用ください。)


 


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