日系企業海外債券オープン(愛称:日本びより)・・・何がしたいか不明

日系企業海外債券オープン(愛称:日本びより)は、主に日系企業が海外で発行する外貨建ての債券等に投資する、外貨建て債券アクティブファンドです。2015年11月12日より運用されています。

為替ヘッジの有無により以下の2ファンドがあり、両ファンドとも同一のマザーファンドに投資していますので、ここではその2つとも紹介します。

日系企業海外債券オープン(愛称:日本びより)

名称 純資産総額
日系企業海外債券オープン(為替ヘッジなし)(愛称:日本びより) 19億円
日系企業海外債券オープン(為替ヘッジあり)(愛称:日本びより) 48億円


運用方針としては、

「BBB格相当以上の格付けの投資適格債券に投資」
「日経企業には、日本の民間企業以外に日本の政府関係機関も含む」
「普通社債のほか劣後債等にも投資」
「市況動向等によっては、円建ての普通社債および劣後債等にも投資」
・「ポートフォリオ構築にあたっては各国金利見通しおよび個別企業調査に基づく銘柄選定を行い、業種配分、デュレーション、流動性などを勘案する


と書かれています。日系企業が海外で発行する外貨建ての投資適格債券に投資することで信用リスクを抑え、状況によっては社債だけでなく劣後債にも投資することで高い金利収益を得ることを目的としています。

しかし、アクティブファンドにも関わらず、ベンチマークも参考指数もないという、仕組み自体に欠陥があることが残念です。信託報酬も高く、特に投資する価値はありません。


(2019年5月18日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


日系企業海外債券オープンの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入単位 証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券などでは100円より購入可能。
信託報酬 年率0.935%(税抜)
信託財産留保額 なし
運用期間 2025年10月30日
決算 年2回(4月10日、10月30日)
運用会社 三井住友DSアセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ ありなしの2タイプがあります。

「日系企業外貨建て債券マザーファンド」にファミリーファンド方式で投資しています。

日系企業海外債券オープン(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)(愛称:日本びより) ファミリーファンド方式構造


このファンドのポートフォリオなど

日系企業が発行する米ドル建て社債計31銘柄に投資(2019年3月29日時点)。通貨構成は米ドル建てのみです。ファンド全体の最終利回りは3.5%、デュレーションは4.9年です。債券種別構成比率は以下の通りです。劣後債に約40%投資していることがわかります。

債券種別構成比率
債券種類 組入比率
普通社債  54.1%
 劣後債  40.1%


格付構成比率と業種別構成比率はそれぞれ以下の通りです。平均格付けはAです。

日系企業海外債券オープン(愛称:日本びより) 格付構成比率と業種別構成比率


組入上位10銘柄の構成比率は以下の通りです。

日系企業海外債券オープン(愛称:日本びより) 組入上位10銘柄の構成比率



日系企業海外債券オープン、管理人の感想と評価

外貨建ての日本債券アクティブファンドという不思議なコンセプト

日系企業が海外で発行する外貨建ての投資適格債券(社債や劣後債)に投資するという、日本債券なのか外国債券なのかはっきりしないコンセプトのファンドです

債券発行元は全て日本企業でありながら、わざわざ為替リスクを負う米ドル建て債券に投資し、その投資対象銘柄もわずか31銘柄と分散投資が出来ていないため、何が目的か全くわかりません。

無理やり考えると、長期のマイナス金利政策により、日本債券が金利収益をほぼ望めない中、まだ表面上は金利が乗っている外賀建て債券に期待したいというファンドだと思います。

ただ、なぜ発行元が日系企業に限定にしているのかは、疑問が残ります。為替リスクをどうせとるのなら、日系企業の発行する外貨建て債券だけでなく、世界中の企業が発行する債券にも投資すれば良いですし、為替リスクは負いたくなければ、金利はほぼゼロに近いですが、為替リスクのない円建ての純粋な日本債券ファンドにすれば良さそうです。

さらに、投資対象に普通社債だけでなく、劣後債も組み入れています。もちろん普通社債より金利収益が望めることは分かるのですが、劣後債は発行体のデフォルト(倒産による債務不履行)の際には、普通社債よりも弁済順位が低く、まず元本は戻りません。その不利さを引き受ける代償での金利の上乗せです。

社債や劣後債は、リーマンショックの時にはデフォルトが相次ぎ、株式同様に不景気時には価格下落がおきました。株式と逆の値動きをするという債券としての働きは期待はできず、不景気の時にはコツコツドカンの典型になりがちなことには注意が必要です。

さらに為替リスクがあるため、円高株安時には外貨建て債券の価格も下がります。どうも、全体として、どのような投資をイメージしているのか分かりかねますね。

恐らく、日本債券に投資したところでリターンなど無く(以下、<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド)、為替リスクを負うならば外国債券(<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド)よりもリターンを高くしたいと、そんな意図なのでしょう。

日系企業海外債券オープン(為替ヘッジなし)(愛称:日本びより)とインデックスファンドとのリターン比較


日系企業海外債券オープンは、不思議な事に、為替ヘッジなしタイプよりも為替ヘッジありのほうが人気があります。そこで、為替ヘッジのある外国債券ファンドとも比べてみました。

SMT グローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)とはほとんど同程度のリターンでしかありませんが、外国債券アクティブファンドのひとくふう世界国債ファンド(為替ヘッジあり)には完全に引き離されていますね。

日系企業海外債券オープン(為替ヘッジあり)(愛称:日本びより)と為替ヘッジ付きインデックスファンドやアクティブファンドとのリターン比較


日系企業海外債券オープン(為替ヘッジあり)(愛称:日本びより)のように民間企業の債券に投資するのではなく、先進国の国債に投資してこれほどまでにリターン差が付くのですから、本ファンドはアクティブファンドとしての価値は無さそうです

上記のように色々と比較してはおりますが、本ファンドにはベンチマークも参考指数もなく、ファンドマネージャーの手腕がどうなのか確認することができない欠陥アクティブファンドです。そのくせ、信託報酬も年0.935%(税抜)と高く、投資価値はありません。


「為替ヘッジあり」について

日系企業海外債券オープン(為替ヘッジあり)(愛称:日本びより)については、上記の図をよく見て頂くと気が付くように、値動きはマイルドになります。

為替ヘッジ


しかし、円と外貨の金利差分に加え、需給要因に影響するプラスアルファのヘッジコストがかかる事もあり(コスト分は指数に織り込み)、その分だけ期待リターンは低下します。

ただでさえ株式クラスより期待リターンの低い債券ファンドに為替ヘッジコストをかけると、ほぼ期待リターンはゼロ近くになるため、使い方が見つからない妙なコンセプトのファンドです。

期待リターンが低いとしても、ファンドマネージャーの才能によってインデックスファンドよりも著しく高いリターンを叩き出してほしいものですが、既にご覧頂いたような運用成績に甘んじています。

期待リターンが株式より低い債券クラスだからこそ、コストはより重要です。ベンチマークもないのに信託報酬の高いファンドは選ばないようにしたいものです。

アセットアロケーション決定後に、その中に債券ファンドを入れたい場合、お勧めの外国債券インデックスファンドお勧めの日本債券インデックスファンドにあるような、十分に分散された低コストのインデックスファンドを選択するのが基本です。



日系企業海外債券オープン(日本びより)の購入先

日系企業海外債券オープン(愛称:日本びより)は販売先に無関係にノーロードです。購入できる証券会社、銀行は下記の通りです。

SBI証券楽天証券マネックス証券、藍澤証券、高木証券、三井住友銀行


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