日本株式・Jリートバランスファンド・・・需要があるのかかなり疑問

日本株式・Jリートバランスファンドは、日本の株式とリート(不動産)に50%(半分)ずつ均等に投資する、バランスファンドです。2017年9月22日に設定されています。
日本株式・Jリートバランスファンド


バランスファンドと銘打っていますが、投資する国は日本だけですし、しかも日本の株と不動産に均等投資するだけですから、バランスファンドとは言いたくないですね。

日本の株と不動産にだけ投資するのは、意外と有るようで無いタイプのファンドではあるものの、使いこなすのは意外に難しいのではないかという印象です。投資のコアにもサテライトにもなりにくい、どうも中途半端な存在のような気がします。


(2018年11月2日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


日本株式・Jリートバランスファンドの基本情報

このファンドの基本情報

購入単位:証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券では100円より購入可能。
信託報酬年率0.19%(税抜)・・・意外とかなりの低コストなのは高評価です。
信託財産留保額:なし
決算:年1回(9月8日)
償還日:無期限
運用会社:岡三アセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ:なし(日本向けの投資なので為替リスクはありません)


このファンドのポートフォリオなど

「日本インデックスオープン225・マザーファンド」と「J-REITインデックス・ マザーファンド」にファミリーファンド方式で50%ずつの投資割合で投資しています。各マザーファンドへの実際の投資比率は以下の通りです。

組入資産(マザーファンド) マザーファンドのベンチマーク  投資比率  基本投資割合
 国内株式 日経平均株価(日経225) 49.8%  50%
国内リート 東証REIT指数(配当込み) 49.9%  50%


2018年9月28日時点のポートフォリオは以下の通りです。

日本株式・Jリートバランスファンドのポートフォリオ



日本株式・Jリートバランスファンド、管理人の感想と評価は?

ありそうでなかった資産配分比率だが、不人気すぎて純資産が極小

日本の株式とリート(不動産)に均等配分するバランスファンドは他に記憶がなく、物珍しいファンドと言えます。「物珍しい=一般的ではない」と言う事です。

そもそも分散投資を志向する人は、大概の人は徹底して国際分散投資をするため、日本株式・Jリートバランスファンドを購入するとは思えません。

例えば、株式ならば全世界の株を1つにまとめたeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などを買いますし、株だけでなく債券や不動産まで含める場合は、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)世界経済インデックスファンドなどが有力な候補となります。

それらを買う中で、ご自身の理想とするアセットアロケーションを実現するのに不足する資産クラスについて、別途、個別のファンドを買う事で付け足してやり、理想に近い状態にすることになります

(もちろん、ごちゃごちゃと付け加えるような事は、普通の人にはあまり必要でも無いので、リスクの取りすぎにさえ注意すれば、バランスファンド1本でも十分です。)

その意味から、日本の株式とリートに50%ずつの資産配分をしたファンドを、別途買い付けるとは到底思えません。また、そのような比率のファンドを敢えてそれだけ買うような人も沢山いらっしゃるとも思えません。

結果、次の項の図を見て頂くと分かる通り、著しく不人気の状態です。既に1年が経過したにもかかわらず、純資産総額はわずか3000万円しかなく、このままの状態で行くとご自身の資産運用云々の前に、繰り上げ償還の恐れすらあります。

日本株式・Jリートバランスファンドにいくら興味を示す人であっても、もう少々様子見をするか、あるいは個別にeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、及びSmart-i Jリートインデックスを買い付けたほうが良いでしょう。


ベンチマークに勝っているが、日本株は配当抜きの指数

本ファンドのベンチマークは、「日経平均株価および東証REIT指数(配当込み)を50:50とした合成指数」です。以下、そのベンチマークに対して、日本株式・Jリートバランスファンドのリターンがどうなっているのかを示します。

日本株式・Jリートバランスファンドのベンチマークとリターンの対比、及び純資産総額


一見するとベンチマークを上回って「素晴らしいインデックスファンドだ」と考えてしまうかもしれませんが、日経平均株価の部分には配当が含まれていない一方で、ファンドの成績にはそれが含まれています。

したがって、日経平均株価の年間の配当(約2%程度)をカウントすると、ベンチマークは17.3%程度になって、リターンは上回ります。ファンドとの差異は0.28%となって、恐らくこれが信託報酬を含む実質コストの差となるのではないかと思います。

インデックスファンドですから、常に合成指数に連動する成績となり、実質コストの分だけ、ベンチマークを実質的に下回る事になります。ただし、コストの分だけ下回るのは当然の事であり、ダメな成績だという事ではありません。


日本株と日本のリートで分散投資する事について

ところで、日本株と日本のリートに同時に投資する事については、どうなのでしょうか。当サイト管理人の何となくのイメージだと、株もリートも極めて連動性が高く、市場が高騰する場合は両資産も同時に高騰して、暴落する時も同時に一気に落ちるイメージがあります。

そのイメージどおりなら、これら2つに同時に投資するのはあまり意味の無いことになります。バランスファンドとは名ばかりで、全くバランスが取れていない事になります。

そこで、10年以上の運用歴のあるSMTインデックスファンドのうち、日本株はSMT TOPIXインデックス・オープン、JリートはSMT J-REITインデックス・オープンを用いて、どの程度これらが連動しているのか確認してみました。

赤線がJリート、青線が日本株です)
日本の株式とリートの過去10年の値動き


何と、この10年では日本株よりもリートの方がはるかにリターンが良いのですね。データを取る「起点」次第でどうにでもなるのではありますが、この結果はかなり驚きました。

そして、意外と両者の線が相関しないように見える点にも驚きました。正反対の値動きをしている時期も散見され、一定の分散効果はあるのだなと感じます。

もう少々詳しく見てみます。下記、eMAXISインデックスシリーズのウェブサイトに掲載されている、各資産クラスの相関関係です。プラスの数字が大きくなると相関性があり、マイナスの数字が大きくなると逆相関となります。

資産クラスごとの相関関係(相関係数)


赤枠のところを見ると分かる通り、日本株と日本リートの相関係数は0.554であり、意外と相関性が低い事が分かります。日本株と全世界や先進国の株とのほうが相関性は高く、国内リートは先進国債券あたりと同程度です。

また、国内債券の部分の青枠を見て頂くと、リスク資産と逆相関の関係にある事で知られている国内債券で唯一、日本のリートとは相関性が顕著に高いことも分かります。国内債券に似ている性格を持った資産クラスであると言えます。

以上より、意味が無いような気がしていた日本株と日本のリートを半分ずつ分散して保有するのは、かなり意味がある事だと判断できます。

ただし、上記のデータは2010年10月~2015年7月の月末時点における月次騰落率をもとに作られています。わずか5年間のデータである点には注意が必要です。

リート市場は株式市場に比べると著しく市場規模が小さいため、平常時は上記のような傾向があるものの、リーマンショックのような大暴落では相関性など完全無視で両者ともにぶっ飛んで大きく下落します。

投資信託とは何か?のページの中段に掲載した図の、2008年のリーマンショックの年の各資産クラスの騰落率を見て頂くと分かる通り、あの大暴落で日本株は年間41.8%の下落だったのに対して、日本のリートは51.8%も下落しました。

従って、日本株と日本のリートにはかなり相関性は低いものの、10年単位の長期投資を実行する際において必ず発生する大暴落の相場においては、安全資産の国内債券のような働きは全く期待できない事は頭に入れておきましょう

更には、ここではあくまでも日本の株と不動産で話を進めてまいりましたが、分散を意識するならば結局は国際分散投資に行きつきます。もっと世界全体で徹底的に分散にこだわる事のほうが重要になります。

日本株式・Jリートバランスファンドは、あくまでも日本にしか投資する気はないという人にとって、一定程度有効な投資信託なのではないかと思います。



日本株式・Jリートバランスファンドの購入先

日本株式・Jリートバランスファンドをノーロードで購入できるのは、下記の証券会社です。

SBI証券楽天証券カブドットコム証券マネックス証券岡三オンライン証券


証券口座選びに迷った場合は、 管理人神推しの証券口座のページ を参考にして下さい。
管理人的には、ポイント利用でコストを徹底的に削減する効果のある、SBI証券楽天証券の利用がベストだと思います。(どちらでもお好みのところを利用ください。)


 


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