日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドなど不要だ

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドは、投資一任口座用のアクティブファンドです。ノーロード投資信託ではありますが、投資一任口座用の手数料を別途支払う必要がありますので、ノーロードとも言い難い側面があります。

ベンチマークのような運用目標を設けず、「絶対収益追求型」なる表現でいかにも常時利益が出るような錯覚に陥りますが、実態としては単なる「著しくリスクが低い」だけの存在であり、高いコストと言う代償を支払ってまで買い付けるようなものではありません

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンド


投資の事を自分で学ばないで、「専門家に聞けばよい、任せればよい」と考えているような人が餌食になり易い投資信託であり、まさに情弱ホイホイと言えるでしょう。

もちろん、当サイトをご覧になっているあなたは、こんな投資信託に引っかかってはいけません。どこがどう問題なのか、しっかりとご確認ください。


(2019年6月14日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入手数料 ノーロードではありますが、投資一任口座用の手数料が別途必要です。
信託報酬 年率0.66%(税抜)
信託財産留保額 なし
運用期間 2028年2月25日
決算 年1回(2月25日)
運用方式 日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルマザーファンドにファミリーファンド方式で投資。

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドのファンド運用方式
運用会社 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ なし(投資対象に為替リスクはありません)


このファンドのポートフォリオなど

2019年5月31日時点のポートフォリオは以下の通りです。組み入れ銘柄数は75銘柄。ベンチマークを設けていないのに、こういう図には「参考」としてTOPIXを掲載しているのは、どうも意味が分かりません。

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドのポートフォリオ



日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンド、管理人の感想と評価

新規設定されたばかりなのにこれを買う奴がいる不思議

本ファンドは、2018年7月27日に新規に設定されたアクティブファンドです。市場の平均値に連動するインデックスファンドと違って、アクティブファンドの運用は優秀な成果を残せるのかどうか、事前には全く判断が付きません。

それにも関わらず、2018年10月から「何のためらいもなく」純資産総額が増え続けています。もちろん5月末時点でも20億円に満たない数字ですので、一般に広く開放された投資信託と異なり、特に人気がある訳でもないのですが、やはり実績ゼロのファンドを買い付ける人がいるというのは不思議なものです。

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドの純資産総額の推移


しかも、日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドは絶対収益追求型と称しており、投資信託の分類としてはヘッジファンドとも表現されるもので、特に中身がよく分かりにくい商品であるにもかかわらずです。

目論見書を読むと、ファンドの特色の説明の第一点目に、価格変動リスクを軽減するために、保有株式の金額に相当する売り建て、つまりショートを行う旨が記されています。

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドの運用目標


月報を確認してみると、確かに株式の現物と同程度のショートを行っている旨が記されています。運用報告書によると、このショートはTOPIXの先物のようです。

ロングとショート


このように記述すると、売りでも買いでもエントリーできるのだから、普段よりもたくさんの収益を得られそうに勘違いしますが、目論見書の第一に書かれている通り、この投資信託は「価格変動リスクの軽減」が目的になります

つまり、株式に投資していながら売りと買いがほぼ同数になるのですから、「ほとんどリスクが無い=リターンも無い」と解釈するのが正しくなります。それを「絶対収益追求型」なる表現で販売するのは、素人投資家騙しのテクニックとしか思えませんね。

そして、巷で売られている絶対収益追求型の投資信託の「儲からなさ度」と言ったら、目も当てられない状況です。下記、本ファンドと共に、シンプルにTOPIXに連動するeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)と、リスクの少なさ(=儲からなさ)では右に出る資産クラスは無い、日本債券に投資するeMAXIS 国内債券インデックスとのリターン比較です。

ご覧の通り、何と、日本の債券に対してリターンが劣っているのは驚きです。要は、国内債券クラス並みにリスクを低くした結果、リターンも低くなるというだけです。

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドと日本債券、TOPIXとのリターン比較


0.66%という信託報酬と、投資一任口座の安くはないであろう手数料を支払って日本の株式に投資しながら、日本の債券と同程度の成果しか得られないのであれば、一体何のためにこのようなファンドを買い付けているのか、実に意味不明な状況と言えます。



絶対収益追求型ファンドの低リターンをよく見ておけ

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドと同じく、当サイトで紹介している別の絶対収益追求型ファンドのリターンも、ついでに見ておきましょうか。

下記、TOPIX連動のインデックスファンドと、国内債券インデックスファンドに加えて、ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)(信託報酬1.23%)も加えての比較チャートです。




ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)は、参考指数をTOPIXとしており、確かに青線のTOPIX連動のインデックスファンドよりも多少は良好な成績とも言えなくもありませんが、絶対収益追求型とは聞いて呆れます。

下記、更に2種類、ユナイテッド・マルチ・マネージャー・ファンド1(愛称:新フルーツ王国)(信託報酬1.7%)とダブル・ブレイン(同1.93%)もついでに付け加えています。

これらを見ていると、価格の安定(=リスク低減)を求めるならば、成功するのか失敗するのか全く分からないようなヘッジファンドなどを利用するのではなく、単純に国内債券インデックスファンドを買えば良いだけだと、何となく分かると思います。

絶対収益追求型ファンドのリターン


価格の変動が怖いというのならば、結局のところ、それは単にリスクの取り過ぎでしかありません。リスクを取り過ぎている人は、日本の債券に投資するインデックスファンドの割合を増やしてやり、株式に投資するファンドの比率を下げれば良いだけです。

絶対収益追求型と言っても、グラフを見て頂ければ分かる通り、絶対に利益になるという事は全くありません。

とにかく安定的に、リスクをなるべく少なくしつつも一定程度のリターンを狙いたい場合は、いわゆる安定型とか堅実型と言われるバランスファンドを保有するのが一番ではないかと思います。(下記はその一例、数値は信託報酬)

DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)(0.18%)
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)(0.22%)
たわらノーロード バランス(堅実型)(0.22%)


ちなみに、運用歴の長いユナイテッド・マルチ・マネージャー・ファンド1(愛称:新フルーツ王国)の話しになりますが、2001年3月に設定されてからの8年間で、「投資元本に対する収益を追求する事」を運用目標の第一に掲げているくせに、何と元本の3割も失う、悲惨な運用成績となっています。

こんな事なら、全く儲からないと思われている日本の債券に投資したほうが、この丸々3割の損失が無くなって数%の利益が加わるのですから、悔やんでも悔やみきれない絶対収益追求型ファンドです・苦笑。

新フルーツ王国の基準価額の推移


ロング(買い)だけでなくショート(売り)も織り交ぜながら、価格変動リスクを低減させつつも利益を追求するなどといった「妄言」に騙されないようにしたいものですね。

なお、本ファンドの日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドについては、投資一任口座用の投資信託です。しかし、こんなファンドを提案してくる資産運用関連の企業などとても信用なりませんし、このファンド以外にも様々な問題商品を抱き合わせで買わせようとしてくるはずです。決して、そんな会社は相手にしてはなりません。



日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドの購入先

日本株式リサーチ・マーケット・ニュートラルファンドはノーロード投資信託ですが、投資一任口座用の手数料が別途必要となります。そのため、実態的にはノーロードとは言い難い状況ではあります。楽天証券の投資一任口座で購入できます。


 


★この記事が参考になりましたら、ブックマークもしくはシェアをお願いいたします

ページトップへ戻る