ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは、良さげに見えてダメ投資信託

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは、2005年に設定された、長い運用歴のあるアクティブファンドです。毎月分配型が極めて人気で、リーマンショック前には何と2兆5000億円以上もの恐るべき多額の資産が集まった投資信託です。

当時、本ファンドの保有者はあの金融危機で大打撃を食らったと思われ、何を隠そう、当サイト管理人の妻もリーマンショックで叩き売って、140万円の大きな損切りを経験しています。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド


そして未だに5000億円を超える資産規模を持つ大きなファンドであり、毎月分配型だけでなく、以下の通り1年決算型や為替ヘッジありタイプ、更には機動的に資産配分比率を変更すると謡うタイプも出るなど、かなり幅広い品揃えとなっています。

タイプ ファンド名称 特徴
1年決算型 ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型) 通常タイプ
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス1年) 機動的な資産配分変更
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)円コース(愛称:グロイン・マイ ルド1年) 為替ヘッジありタイプ
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC(愛称:グロインDC) 確定拠出年金専用の通常タイプ
毎月分配型 ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) 通常タイプ
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス) 機動的な資産配分変更
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)円コース(愛称:グロイン・マイルド) 為替ヘッジありタイプ


当サイトでは、これらのピクテ・グローバル・インカム株式ファンドに関して、買って良いものなのかどうかを多方面から検討して、当サイト管理人の見解として記しています。本ファンドを検討している人、あるいは買ってしまった人の参考になればと思います。


(2019年2月22日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入単位 証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券など主要ネット証券では100円より購入可能。
販売手数料 3.5%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.7%(税抜)
信託財産留保額 なし
運用期間 無期限(2005年2月28日)・・・毎月分配型及び1年決算型
決算 8月10日(毎月分配型は毎月10日)
運用会社 ピクテ投信投資顧問株式会社
為替ヘッジ タイプにより為替ヘッジあり(基本は無し)


現在の純資産総額及び運用開始年、信託期間については、以下の通りです。

タイプ ファンド名称 純資産総額 運用
開始年
信託
期間
1年決算型 ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型) 102億円 2008年 無期限
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス1年) 11億円 2014年 10年
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)円コース(愛称:グロイン・マイルド1年) 6億円 2011年 無期限
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC(愛称:グロインDC) 1億円 2014年 無期限
毎月分配型 ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) 5985億円 2008年 無期限
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス) 20億円 2014年 10年
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)円コース(愛称:グロイン・マイルド) 17億円 2011年 無期限


ファンドの運用は、ファンドオブファンズ形式となります。

ファンドの運用方式


このファンドのポートフォリオ

2018年12月28日時点のポートフォリオです。北米や欧州の公益株に投資しています。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドのポートフォリオ



ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド、管理人の感想と評価

運用成績が悪いのが、第一の問題点

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは、以下の通り、グローバルな株式を通じてインカム収益を狙う投資信託です。景気の影響を受けにくい公益株に投資をするという事で、参考指数はMSCI世界公益株価指数となっています。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの投資先


分配金を確保するのを目的とした投資は別に悪いものでもありませんし、高配当利回りの公益株に投資する事自体も、悪いなどと言う事は全くありません。

問題は、その投資を実現するためにピクテ・グローバル・インカム株式ファンドにお金を突っ込んでしまう事の是非だと思います。成績優秀な投資信託ならば良い訳ですが、ほとんどの投資家はそのチェックをしないまま、銀行などに勧められるままに買っているのではないでしょうか。

投資するファンドの良し悪しを決める決定的なポイントは、そのファンドの運用指標であるベンチマーク(あるいは参考指数)に対して、優れているのか劣っているのかの確認をする事が非常に大事です。

以下、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの参考指数と、ファンドの基準価額の差を見てみます。運用報告書によると、過去5年間で、参考指数に対して基準価額が5.3%劣っています。毎年1%ずつ劣るという事で、成績は悪そうだと判断できます。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの参考指数と基準価額のリターン比較


大変ケシカラン事に、設定来では基準価額と参考指数とのリターン比較ができません。こういった投資信託は、成績を隠そうとしている可能性が極めて強いです。(優秀な投資信託は、ベンチマークに勝っている事を誇らしげに書いてくるので、その逆だという事です。)

そこで、設定来の基準価額をまず見てみます。2008年に比べて、現在はおよそ1.65倍に価格が上昇しています(分配金を再投資と仮定)。「お金を増やしてくれるんだから良いでしょ」と考える人は、たいがいは思考停止であり、金融機関のカモになります。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの参考指数と基準価額のリターン比較


上記、参考指数のMSCI世界公益株価指数は、同じ期間に何と1.9倍になっています。となると、参考指数に対して著しく劣るリターンしか上げる事ができていない事を意味している訳で、この事から、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドなど買うに値しない投資信託だと言えます。

なお、上記の比較データは、毎月分配型でも1年決算型でも同様になります。両方のタイプは等しく投資に値しないというのが、最初の結論です。


 


代替品が存在しないのも問題

運用成績が悪かった場合、「では他に何に投資すれば良いのか」という悩みが出てきます。一般的な指数(日経平均とかダウ平均株価とか)を運用目標とする投資信託であれば、悪いものを切り捨てて良いものに変えてゆけば良いのですが、今回のようにMSCI世界公益株価指数といったマイナーな指数を目標に出されると、完全にお手上げになります

長期で投資をする場合、このように代替品が無い商品を買ってはいけません。投資信託だけでなく、身の回りのあらゆる商品に同じことが言えるのは、投資を知らない皆さんでも分かって頂けるのではないかと思います。

単純に配当利回りが高いものであれば何でも良いという事であれば、SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドを買うくらいで良いかもしれませんね。

ただし、公益株のように値動きがマイルドではないので、その点でストレスを感じる人がいるかもしれません。

また、それらは定期分配型の投資信託ではないので、毎月一定の換金・取り崩し(要は分配金)が欲しければ、SBI証券の投資信託定期売却サービスを利用して、毎月分配型投資信託を「自作」するしかありません。

最近は世の中に多数の低コストのインデックスファンドが出回るようになりましたが、毎月分配型の低コストインデックスファンドは存在しませんので、恐らく需要はかなり有ると思いますから、そういったファンドが登場してくれても良いなと思いますね。もちろん、次の項に書くように、タコ足分配ではないものでないと意味はありません。


分配金の出し方が不明瞭

7つのタイプがある中で、ほとんど全てと言って良いほどの人が買っているのが、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)です。世の中で売られている毎月分配型投資信託のほとんどは、身の丈を超えた分配金を放出する「タコ足分配」となっています。

タコ足分配の投資信託は、「分配金再投資後の基準価額」と実際の「基準価額」の差が年々著しく開いてくるのが特徴で、以下の赤い矢印のような開きが大きいものは、まず間違いなくタコ足を疑って良いかと思います。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの基準価額と純資産総額の推移


それにしても、基準価額が1万円から始まって現在は約3000円。100万円で投資した人がこの投資信託を売り払って戻って来るお金は30万円という意味ですから、いくら分配金を貰っていたとしても、ここまで元本が減っていたら悲しすぎます。

しかし、運用報告書を見て驚くのは、タコ足分配ではないと掲載されている点です。以下、分配原資の内訳をご覧ください。

毎期の分配金(青線)が1万口当たり50円で、毎月のファンドの収益(赤枠)も50円となっています。つまり毎月この数字がピッタリと一致しており、収益から分配金を出している、すなわちタコ足分配ではないと書いてある訳です。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの分配原資の内訳


一方で、実際のピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)の分配金利回りは19%以上となっています。本ファンドの投資先からの配当利回りは月報によると4.1%なので、配当の5倍近い分配金を出している事になります。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)の分配金利回り


当期の収益に、配当金以外のものも入れているのかもしれないと思って、更に運用報告書の損益の状況を確認しても、収益分配金(赤線)は受取配当金(青線)の範囲内に完全に収まる事が示されています。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)の損益の状況


となると、このように運用報告書ではタコ足分配ではないと書かれているにもかかわらず、どうして基準価額が凄まじい右肩下がりになるのか理由が全く分からず、実にモヤモヤとした気持ちになりますね。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)の分配金の出し方は「よく分からない」というのが実態であり、このからくりを知っている人はご教示いただきたいです。


フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス)について

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドには、相場に応じて機動的に現金比率を上げ下げする事で、下げ相場では下がりにくく、そして上げ相場ではより上昇する事を目標にした「フレックス・コース」なるものが新しく設定されています。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド・フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス)


しかし、こんなものが上手に機能するほど、相場の世界は甘くありません。プロでも素人でも、このような事ができる人はほとんどいないのが現実です。それを知らない素人投資家は「これは素晴らしい」と騙されてしまうのでしょう。

以下は、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス1年)の過去の資産配分比の推移です。確かに現金比率を少々変え、時には為替ヘッジも付けたりしているのは分かります。

フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス)の試算構成比の推移


ところが、その結果としての直近3年間の値動きを見て下さい。赤線のピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス1年)は、オレンジ線の通常タイプの1年決算型とほとんど同一のリターンです。

フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス)と1年決算型とのリターン比較


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス1年)など、いちいち選ぶ必要もないという事が明らかです。耳ざわりの良い説明に騙されないように、注意しましょう。

何度も同じような事を書いて恐縮ですが、銀行などの店頭ではこのような機動的に資産配分比率を変更するファンドを盛んに勧めてきたりしますので、このようなものには決して惑わされないようにして下さい。


円コース(愛称:グロイン・マイ ルド)について

円コース(愛称:グロイン・マイ ルド)は、本ファンドの為替ヘッジ付きのタイプとなります。為替コストをかけてでも為替変動リスクを無くすというものであり、純粋に投資対象株式の値動きだけを(おおよそ)追いかける事になります。

前項で、フレックス・コース(愛称:グロイン・フレックス)は意味が無い旨書かせていただいたのに対して、円コース(愛称:グロイン・マイ ルド)は以下の通りの値動きとなっており、為替ヘッジをつけた意味は有ると思います。

円コース(愛称:グロイン・マイ ルド)の値動き


ただし、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド自体がイマイチな投資信託である事を考えると、為替ヘッジを付けようが、同じく買う価値は無いと言えるでしょう。




どうしても為替ヘッジ付きで比較的高配当の外国株に投資したい場合は、野村インデックスファンド・米国株式配当貴族・為替ヘッジ型を検討すれば良いでしょう。


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC(グロインDC)について

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC(愛称:グロインDC)は、名称の通りDC・確定拠出年金専用のファンドです。と言っても中身は通常タイプと同一であり、決算が年2回である点と信託報酬が1.579%(税抜き)とわずかに低くなっている点だけが異なります。

DC専用ファンドは20年30年と積み立てする事になるため、一にも二にも、高コストファンドを選ぶ事は厳禁です。1.579%の信託報酬も、30年累計すると47.37%となり、実にあなたの投資元本の半分ものお金を金融機関に吸い取られる事になります。

こんな馬鹿げた話しは有り得ない訳で、先に記したように運用目標に対しても長期的に劣るようなアクティファンドを、このような長期間買い付けしてはいけません。

確定拠出年金の場合は、長期で資産を着実に増やす事が大前提であり、定期預金を選ぶのでなければ、低廉なインデックスファンドをセレクトするのが鉄板です。



ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの購入先

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドを購入できる銀行・証券会社は以下の通りです。いずれも購入手数料を3%以上支払っての購入となります。ネット証券では3%の手数料に設定しているところがほとんどです。

SBI証券カブドットコム証券楽天証券、その他全国の地方銀行など


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