アセットアロケーションが有効フロンティア上に来ないという悩み

これから長期にわたって国際分散投資をなさる予定の方からのご相談です。しっかりと組んだアセットアロケーションにもかかわらず、それが有効フロンティア曲線上に来ないとの事。


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アセットアロケーションが有効フロンティア上に来なくて困っています

2015年9月:ポン子様(女性・30代)よりのご質問

はじめまして。お忙しいところ失礼いたします。今年に入り、資産形成の勉強をしたところインデックス投資がよさそうだと思い、いろいろサイトを回った結果こちらにたどり着きました。

有効フロンティア


今まで定期積立をしてた一部を投資信託にしようと思い、現在ポートフォリオを検討中です。アセットアロケーションは大まかに、債券:株式=50:50、国内株式は世界時価総額の1割程度に留める予定です。

最初は世界経済インデックスにしようと思ったのですが、何冊か本を読んだところ新興国債券に投資する必要性をあまり感じませんでした。そこでニッセイインデックスシリーズのバランスファンドを核にし、ポートフォリオを組むことを検討しています。具体的には

 ・ニッセイバランス  1万
 ・ニッセイ外国株式  5千
 ・Funds-i新興国株式  3千


を積立設定し、更に国内債券として個人向け国債変動10を毎月1万円分購入することにしました。こちらもニッセイのインデックスシリーズと検討しましたが、低コストの三井住友日本債券インデックスSBI証券で発売されるのを期待して、それまでの繋ぎとして変動10を選択しました。(近い将来発売された場合余計なコストをかけない為です)

ファンドの海でアセットアロケーション分析をしましたが、なかなかフロンティア曲線に近いところにいきません。

新興国株式の割合が高くリスクだけが膨らんでいる状態なのでしょうか? また、更なる分散としてリートなどを組み入れた方がいいのでしょうか? 変動10は国債へ集中投資になるので、ニッセイインデックスシリーズの方がよいでしょうか?

似たような質問はあるとは思いますが、ぜひご教示宜しくお願いいたします。



 


ご回答:特に問題点は感じられません、しっかり考えていらっしゃると思います

有効フロンティア上に有るか無いかについて

ポン子さま、ご質問いただきまして、ありがとうございます。拝見したところ、特段の問題点は無いように見受けられます。全て低コストのインデックスファンドで資産を組み立てており、投資家がコントロール可能な肝の部分をしっかり押さえておられます。

最も気にされている部分は、リスク・リターンの関係を有効フロンティア上に何とか持って行きたいという点でしょうか。現状は、下記のようになりますよね。

by 長期投資予想/アセットアロケーション分析


まあ確かに、リスク・リターンの関係も投資家のコントロール可能な数少ない部分なので、気にはなりますよね。

ただ、ここは必要以上に気にしてしまうと、完全に数の遊びになってしまいます。有効フロンティアに位置するのを一番の目標にすると、例えば日本国債と新興国株式を75:25の割合で保有したほうが有意義だ、という事になりかねなかったりします。

by 長期投資予想/アセットアロケーション分析

有効フロンティアは過去の蓄積をプロットしたものであって、必ずしもその線上に位置するからと言って今後もリスクとリターンの効率性が最大値に位置し続けるというものでもないため、あくまでも参考程度に考えるのがよろしいかと思います。

参考までに、インデックス投資で1億4000万円を築き上げた藤村昌之さんなどは、下記のようにけっこう非効率なアセットアロケーションになっています。この例以外、インデックス投資ブロガーの皆々様のアセットアロケーションも、皆さんバシッと有効フロンティアに張り付いている人は、おられないのではないかと思います。

by 長期投資予想/アセットアロケーション分析


さらに、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の、過去のアセットアロケーションのリスク・リターンの関係も下記の通りになります。やはり有効フロンティア上にはありません。

by 長期投資予想/アセットアロケーション分析


アセットアロケーションを構築する上で重要なのは、まずはご自身である程度納得できる範囲で資産の分散を行えるかどうか。日本国債と新興国株式だけでは納得いかないと思います。

そして資産を分散した時に、その状態で市場が暴落した場合、踏みとどまって投資から撤収することなく荒波を乗り越えられるかどうか、つまり最悪の事態でのリスク許容度だと思います。

それらを考えながらも、あくまで参考程度に、有効フロンティア曲線を気にするくらいでちょうど良いです。資産を適度にばらけさせた数字にすればするほど、曲線状に上手く来ませんので、そんなものだと思って・笑、気にしすぎないようにしましょう。



その他の点に関して

個人向け国債変動10年に投資する点については、これに投資しても<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドに投資しても、日本国債に投資している点では全く同じですから、集中投資とか、そういう事はありません。

どちらが良いかと言うのはちょっと難しくて、具体的には過去のご質問、個人向け国債VS国内債券ファンド・違いと安全性は?のページをご覧頂ければと思います。(おすすめしている商品は今はさらに低コストのものが出てきて異なっていますが)

リートを組み入れるかどうかは、管理が面倒でなければ入れても構わない、程度のスタンスです。バランス型ファンド以外で個別のファンドを多数保有すればするほど、確かに分散効果は高まりますが、投資が大好きな人以外は、年に一度のリバランスさえも面倒に感じられると思います。

であれば、リートの組み入れ比率はわずかでしょうから、別に強いて入れなくても構わない、という事ができます。

以上、今回のご回答でございました。ちょうど今は市場が暴落、と言っていいのかは今後の動向次第ですが、相当大きく株価が下げてきたタイミングです。

資産価格の下落


今後も株価が下がり続ける場合は、積立投資を行っても毎月のように少しずつ含み損失が積みあがる状態になり、ガッカリすることもあるかもしれません。

しかし、長期投資とはそういう事も受け入れるタイプの投資であり、だからこそリスク許容度をしっかり考えて、相場がどんなに下がろうと狼狽えないようにしてやるのが肝心なのです。

積立投資は本当に利益になるのか?とのご質問も最近頂いておりますので、そのページもご覧いただいて、今後の投資に役立てて頂ければと思います。



追記:ポン子さまからお返事のメールをいただきました(^_-)-☆

ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。

企業型DCにてリーマンショックを経験しているので、下落時の心構えはあります。これから長期に渡り投資をするので、焦らずコツコツ続けていこうと思います。

また、夫に相談したところ夫の友人から勧められたのが毎月分配型・・・それも元大手証券会社勤務の20代の友人です。退職してからでさえこんな考えなのですから、証券会社の窓口に行ったらどうなるかは推して知るべしですね。

また質問がある時にはどうぞよろしくお願いいたします。





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