国内債券クラスはマイナス金利時代には不要か?

既にインデックスファンドを活用した国際分散投資を実施している方から、マイナス金利政策発動後の、国内債券ファンドの取り扱いについて、質問がありました。


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国内債券ファンドを解約して個人向け国債10年変動を買ったほうが良いでしょうか?

2016年4月:ST様(男性・年代不明)よりのご質問

以前は「セゾン投信をアセットアロケーションのコアにすることの是非(2015年6月)」についてご回答いただきましてありがとうございました。お陰様で市場から撤退することなく、コツコツ投資を続けることができております。

さて、今回は国内債券ファンドの見通しについてお尋ねしたく。 以前はその安定性から、ポートフォリオの守り神として利用してきましたが、ここ最近はマイナス金利の影響か、暴騰とも言える状態になっているように思います。

今のような粗い値動きでは守り神としての信頼性に欠けるように思いますし、今の状況で積み増していった場合、将来的に金利が上がった際に暴落するリスクが高いように思えます。

そのようなことを考えると、国内債券ファンドへの投資はやめて、あるいは解約さえして、個人向け国債10年変動型を買った方が良いのでは…と感じている今日この頃です。堀田様はどのようにお考えでしょうか。



 


ご回答:正直、どちらでも良いと思います

こんにちは、その後も順調にインデックス投資を実行されておられるようで、何よりです。非常に多くの人が、この2,3年の相場の高値付近で投資に参戦されておられるでしょうし、特に去年投資を始めた人は、含み損のある人が大半かもしれませんね。

日本国債


ただ、長期的にはいつ開始しようとも、一定の水準で右肩上がりになる事を信じて実行するのがインデックス投資ですし、投資直後から相場が急落するようなことは、今後安値でたっぷりと口数を増やすことができるという点で、こんなに美味しい事はありませんから、暴落相場にしっかりと付き合ってやる事もとても大事です。


純粋にインデックス投資ならば、相場を見通す事には違和感がある

さて、国内債券クラスを今後どうするかです。債券は金利が下がると価格が上昇します。マイナス金利政策によって金利が下がってほとんどゼロに張り付きましたので、その分、価格が上昇しているわけですね。

この件に関しては、多くのインデックス投資家も非常に悩ましい思いを持っておられるはずです。しかし、正解はありません。

例えば、マイナス金利政策のせいで債券価格が上昇したという見方は確かにできますが、株価が急落したから株と逆相関の関係にある債券の価格が上昇したという事も出来ます。

日本債券、日本株、外国株ファンドの基準価額の推移


日本国債というと、なんだか常に必ずプラスの運用成績を維持するものだという常識のようなものが有りますけれども、別にそういう訳ではありません。

上記のグラフを見て頂いても、13年はマイナス圏に沈んでいます。今、価格が上昇しているに不安を感じて、13年は価格が下落しているのに全く不安を表明する人がいなかったので、なんだかおかしな事になっています。

もしも今後、金利が上昇してしまったら、せっかくプラス幅が大きくなった国内債券クラスの利益を取り逃がしてしまうかもしれない、あるいはマイ転してしまうと考えるのであれば、これは完全に「相場を読んでトレード」している事に他なりません。

ちなみに債券クラスの相場を読んで、それを見事に外したのが、山崎元先生です。ETFを使った個人の資産運用の具体的事例で書いた通り、これ以上金利は下がらないから国内債券クラスは個人向け国債が良いとおっしゃっていましたが、結果はさらに金利が下がって価格が上がりました。とにかく、相場を見通すのは難しいのです。

国内債券クラスでこれがOKだとすれば、株式クラスでも先を読んで「トレード」しても良い事になります。今後、日本企業は円高で収益が悪化するのは目に見えているので株価は下がるに違いない、だったら日本株は一度売っておこう、そうなるのではないでしょうか?

したがって、インデックス投資の基本に立ち返ると、株と債券の逆相関の関係が一応継続するのであれば、別に国内債券クラスを売却しなくても良いのではないか、というのが一つの答えになります。

付け加えると、もしも政府が「マイナス金利を撤回します」と宣言でもした場合は、個人向け国債から大慌てで国内債券ファンドに資金を戻すことになるのでしょうか?

そんなドタバタ劇を演じなくて済むのがインデックス投資の利点でもあるので、国内債券クラスのみ相場動向に合わせるのはどうなのかな、というのが正直な感想です。



ただし、気になって仕方がないのであれば、個人向け国債で問題無し

しかしながら、マイナス金利政策が継続して、あるいは強化されて、いよいよ国内債券ファンドが運用を継続できないとなった場合、要は繰り上げ償還されるような事態が発生した場合は、残る選択肢は個人向け国債のみになります。

(このような状況になると、もしかしたら個人向け国債も発行中止になる可能性も無くはないですかね。が、そんな事になると大混乱して、一般庶民の景況感が冷え込みかねないので、どうなるか分かりませんが。)

個人的には、現状に特に何か不都合が生じるわけではないので、そういうところまで引っ張っても良いとは思いますが、それはなんだか気持ちが悪いとお感じならば、今、個人向け国債に切り替えてしまっても問題はありません。

株と債券は逆相関だという世界から、無相関の世界になるだけです。・・・でもそうなると、個人向け国債なんかよりも、高金利の定期預金を都度乗り換えるほうが断然有利なような気がします。

個人的には個人向け国債を選ぶくらいならば、少しでも個人向け国債よりも金利の良い定期預金に資金をシフトさせますね。(その方が純粋に、受け取る利息がはるかに多額だから)

・・・となると、資産配分においては国内債券クラスはゼロで良いのかという、これまた非常に悩ましい問題が出てきます。

私は個人的には、資産運用におけるインデックス投資部分には国内債券クラスを組み入れることはありませんが、もしも組み入れていたとしたら、やはり個人向け国債ではなくて国内債券ファンドを継続していると思います。

金利が上がって債券価格が暴落するのが怖いとしたら、日本国債よりもはるかにリスクの高い株式クラスを持っている事が矛盾すると考えます。

国内債券価格が暴落するとはつまり、ハイパーインフレのような事態がやって来ることを意味します。マイナス金利の話し以前に、この手のお話はしょっちゅう語られるおとぎ話のようなものですし、それに付き合う必要はないかな、という思いです。



国債の暴落という時代がやってきたときにはどうするか?

なお、本当に国債の暴落という時代がやってきたら、日本債券ベアファンド(5倍型)を買えば、利益につなげることができます。そんな時代は株も債券もすっ飛んで下がるでしょうから、こういった商品でヘッジするのも一つの手でしょう。
http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/prospectus/2013041001_P1_20160107.pdf

現在は金利が低下しているので、凄い勢いで基準価額がマイナス圏に沈んでいますね。それでもジワリと純資産が増えているのは、将来が怖い人がたくさんいるからでしょうか。

日本債券ベアファンド(5倍型)の基準価額と純資産の推移


あるいは、eMAXIS国内物価連動国債インデックスで対応できる可能性もあります。今は同じ債券ファンドどうしでも、きれいに逆の動きになっていますね。ハイパーインフレになって金利が上がって、物価も上がる事が有れば、利益に結び付けることができます。

国内債券ファンドと、物価連動ファンドの基準価額の推移


でもまあ、これらのファンドの購入を真剣に考えだしたら、完全に相場を読む投資になってしまいます。相場を読むのは非常に難しいです。これらの投資信託が有るからと言って、必ずしも利益に結び付ける事が出来るとは限りませんから、どんな相場が到来しても、やはり淡々と投資をこなしてゆくのがベターだと思います。






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