どの銘柄で積立投資をすれば良いのでしょうか?

これから投資信託で積み立てを行っていきたいとのご希望のある、投資の初心者の方からの問い合わせがありました。最初が肝心なので、少々長々と書きます。


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この2本で良いか?あるいは追加などはあるのか?

2016年7月:銭亀様(男性・40代)よりのご質問

仮に、月1万円積み立てるとして、スゴ6世界経済インデックスファンドの2本にしようと思っているのですが、理由は、スゴ6がREITへ投資していること。世界経済インデックスインデックスファンドは、新興国株式・債券に投資しているためです。

この2本場合投資の割合はいくらにするべきでしょうか。また、この2本に、追加、変更したほうが良い銘柄があればお教えください。


 


ご回答:銘柄選びの前に、実は大切な「やるべき事」があるのです

積み立て投資のデビューをお考えとの事、大変素晴らしいですね。日本はマイナス金利の時代に突入して、もはや貯金だけでは非常に増やしにくい世の中になりましたので、リスクを取ってでも投資で増やしてゆく必要性が増しました

とはいえ、何も考えなくてもできる貯金と違って、投資で何も考えないのは戦車に竹やりで戦いを挑むような無茶な行為です。勉強をしながら、積立投資をやっていきましょう。

投資するには勉強も必要


まずは、ご自身にふさわしいと思われる資産配分を決めるのが先決


今回はまず、どうやってファンド選びをしているのか、どんな経過から2つのバランス型ファンドをセレクトしたのか、逆にお伺いしたい気持ちです。

投資信託を勧めるとき、一番楽なのは適当に銘柄を言っておススメする方法です。銀行などに相談に行くと(行っちゃいけませんよ)、必ず銘柄で勧められます。しかし、本当はそんな事をしてはいけませんので、本ページをじっくりと読んでみて下さい。

積み立て投資の場合は投資期間が長期になると思いますので、その間に、市場の大暴落を何度か体験する事になると思います。そのような逆風が吹いている時をイメージして、投資先の資産クラス(株とか債券とかREITとか)を考えるようにしましょう。

REITや新興国株式、新興国債券はリスク(値動き)が激しい資産になりますので、何となく儲かりそうなイメージで投資すると、市場の暴落が発生した場合はファンドの基準価額が想像以上に下落して、大いに慌てふためく事になりかねません。

長期で国際分散投資をする時に一番大切な事は、どのファンドを買うかを先に決めるのではなくて、ご自身のリスク許容度に応じて、どの資産をどのくらい組み合わせて保有すれば良いのかを決めることです。

とは言え、いきなりは決めかねるので、例えばスゴ6と世界経済インデックスファンドそれぞれにおいて、アセットアロケーションの決め方のページを見て頂いて、それぞれのファンドに投資した時のリスクと、期待リターンを出してみて下さい。

過去の値動きを見ても、ファンドのリスクがおぼろげながら見えてきます。下記はそれぞれのファンドと、プラスして株式比率を75%にまで高めた世界経済インデックスファンド(株式シフト型)と、株式比率を25%(債券比率75%)に抑えた世界経済インデックスファンド(債券シフト型)の合計4つで、過去3年間のリターンを比較したものです。




リスクを抑える運用を目指している世界経済インデックスファンド(債券シフト型)と、高めてリターンも狙いに行く運用の世界経済インデックスファンド(株式シフト型)のリターンが、3年で見るとほとんど同じになっているのが意外に感じるところです。

これに対してスゴ6は値下がりが抑えられていて、世界経済インデックスファンド(株式シフト型)よりも高いリターンとなっているのが不思議です。これは、どうしてだと思いますか?

これを考えて頂くのが、「アセットアロケーション」なのです。計算は銭亀様がやらねばならない事なので私はここではやりませんが、おそらく答えは、スゴ6には約20%もの比率で国内債券へ投資しているからです。

(と同時に、スゴ6以外のバランス型ファンドは、外貨の比率がより高いからです。最近円高が進んで、その影響がもろに出ています。)

国内債券は各資産クラスで最も儲かりにくい(というか儲からない)資産で、その代わり他の資産が暴落しても国内債券だけは値崩れを起こさず、自分の資産トータルの利益の減少を強力に食い止める役割を果たします。

2015年夏以降の強い下落基調の相場で、国内債券の比率がやや高めのファンドだからこそ、リスク(=価格変動)が抑えられて、結果的に一番儲かっている状態になるのです。

投資をすると、多くの人が「いかにたくさん儲けるか」だけに注目して、新興国の株式の比率を高くしたり、株式全体の比率を高くしたり、あるいは必要以上に値動きの大きくなりがちなREITの比率を高めたりと、よく分かっていないにもかかわらず非常に強欲な資産配分を目指すケースが多いです。

しかし上昇相場の時は、資産配分など半ばどうでも良いくらいに、誰が投資しても一定の利益を出すことが出来るのに対して、暴落がやって来ると、資産配分に配慮していない投資家は、資産全体の減少が尋常ではない状態になり、おそらく初心者は「投資なんてもうこりごりだ」となって、一番底値で投資を止めたり、売却したりすることになります。

私の好きな言葉に、「アンタが売ったそこが底」というのがあります。もうこれ以上の相場の混乱は我慢の限界だと感じるところこそが本当の暴落の底値であって、皆がそこで慌てふためいて逃げ出している時に買える事のできる投資家だけが、高い投資成果を手にできます。

肝心なのは、底に至るまでの間に、あなたが逃げ出したりしないようなアセットアロケーションにしてやることなのです。逃げ出さないで踏みとどまれば、積立投資で負けることなど、ほとんど考えにくいと思います。


 


具体的に、リスク許容度をイメージする方法


以上を頭に入れて頂いた上で、リスク許容度について考えてみましょう。2015年夏、銭亀さんの積み立てた資産が1000万円に達していたとします。下記のAの地点です。含み益は2013年末から約30%にも達し、投資して良かったと「ウハウハ状態」になっています。

ところがそこにチャイナショックが襲い掛かり市場が急落します。踏みとどまるかと思われた2016年初に再び悪夢のような暴落が襲い、銭亀さんの利益がみるみる減っていきます。

下落相場は繰り返し急落が市場を襲うもので、息つく暇もなくイギリスのEU離脱ショックが世界を襲い、もしも世界経済インデックスファンドを保有していたら、銭亀さんの資産は高値からほぼ1年近くで25%も下落して、250万円相当の資金を失う事になります(C地点)。

ところがもしもスゴ6を保有していたならば、減少幅はB地点で15%ほどです。金額にして150万ほど失う事になりますが、世界経済インデックスファンドよりは減少幅が明らかに少ないですよね。




アセットアロケーションをきちんと計算すると、それぞれのファンドを保有した場合に、1年間に約7割の確率でどの程度の下落が起こりうるのかが分かります。

期待リターンの数字からリスクの数字を引いてやると、年間に起こりうる下落幅が出ます。(それを倍にすると95%の確率で起こりうる最大の下落幅になる)

その下落に対して、例えば上記のように1000万円投資していたと仮定して、資金の減少に自分が耐えられるのかをイメージする事こそが、投資で最も大切な事なのです。

カギとなるのは、安全資産の国内債券の比率です。これが5%とか10%程度だと、ブレーキの利きが非常に悪くなりますので、3割とか4割、投資家の性格によっては6割とか7割にしていただいても構いません。

1つのファンドの中に望ましい比率で入っていない場合は、自分で個人向け国債10年変動型や、金利が低いので今は高金利の定期預金に代替しても良いと思いますが、そういったものを自分がふさわしいと思う比率で持ってやる事が大変重要です。

要は、「どのファンドがお勧めなのですか?」という事では全くなくて、「自分にとってどんな資産配分がふさわしいかを見つける」のが、投資の第一歩なのです。

もちろん資産配分は各人各様なので、私が「これがおススメです」などとは言えません。もしも他人に気軽に「お勧めですよ」などと言う人がいたら、そのファンドを売りつけて利益を上げたいという動機が存在する人になりますから、十分気を付けましょう。

と、ここまで長ったらしく書いてきましたが、これはどんな投資でも「長く相場にとどまっていられない=大負けして退場」になるのを、避けて頂きたいからです。「長く相場にとどまる=ちゃんと勝利して利益が出る」ですから、うるさがらずにお願いします。


とりあえずは、少額からやってみましょう


でもまあ、いきなり「リスク許容度をイメージせよ!」と申し上げても、積み立て投資が初めてだとしたら、それもなかなか難しいと思います。

だったらアセットアロケーションを決めるまでの間、適当にファンドを1つか2つ(3つでもいい)選んでいただいて、ごく少額で1年間くらい積み立ててみて下さい。

まずはやってみる


そうすると、同じ日に同じ金額を引き落としているにもかかわらず、1年後の投資成績がかなり異なっている事に驚くはずです。

その驚きと気づきが、銭亀さんを投資の初心者から中級者に引き上げるチカラになります。その時点で再度じっくり考えて頂いて、銭亀さんならではのアセットアロケーションを構築して、長期投資を淡々とやっていきましょう。

なお、投資歴が数年に及び、もうそのアセットアロケーションで大丈夫だと思っていても、リーマンショックのような想定外の大暴落がやって来ると、持ちこたえられない可能性は残ります。しかしその時にも、長く相場にとどまり続けるために、さらに安全性を高めた資産配分に見直すことをしても良いのではないかと個人的に思います。

投資の成功


ま、とにかくとりあえずはやってみましょう。「あなたが売ったそこが底」で逃げ出さない限り、あるいは高コスト&複雑怪奇&毎月分配型投資信託のようなボッタクリ投資信託にさえ手を出さなければ、勝ったも同然だと思います。

【参考:同時に必ずお読みください】⇒インデックス投資の始め方

その他の参考:⇒有名人のアセットアロケーション





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