積み立て投資のメインをiDeCoに変更する際の問題点はあるか?

運用を始めてから3か月目を迎えた投資初心者の方から、今後は積み立て投資を確定拠出年金にシフトして行きたいとのご相談がありました。


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積み立てをiDeCoにしようと思うのですが・・・

2016年9月:A_Suzuki様(男性・40代)よりのご質問

初めまして、A_Suzukiと申します。よろしくお願いします。私、今年40歳(独身/年収380万)にしてようやく「家計簿」をつけ始め、そのときに「資産運用」なるものが世の中にあることに気付き、ようやくそれを始めるに至りました。(恥ずかしながらそれまでは全額普通預金として所有し、利息収入の少なさにようやく気が付いた次第であります)

FX、個別株と触ってみて「自分には合わない」と感じたため大怪我になる前に撤退し、その後貴サイトをはじめとしたインデックス投資に関する記事に触れ、「この方法は自分に合っているのでは?」と思い、実際に始めて見て3か月ほどが経過しました。

どうやら自分のメンタル的にもやっていけそうな感じ(値下がり=積み立てチャンスと思考していける)がしましたので、これを資産運用に組み入れていきたいと考えております。

ちなみに現在はNISA口座での積み立て(月2万)と個人年金保険(年6万)、財形貯蓄(年5万/退職金へのプラスアルファとして)、ソーシャルレンディングを行っています。さて、今回相談したいと考えているのは次の2点になります。

・NISA積立からiDeCoへの積立方法の移行によるメリット/デメリットの確認
・それに伴うアセットアロケーションの見直し





NISA積立からiDeCoへの積立方法の移行によるメリットは、なんといっても積立金額が全額所得控除となる点でしょうか。移行し月2万積み立てた場合、私の財務状況では、個人年金保険と合わせて年4万程度の節税となります。

この一点だけにおいても「必ず60歳まで長期運用」するという前提条件であるならばNISA/特定口座へ積み立てる場合と比較したときにはiDeCoの全勝となるのでは?などと考えております。

デメリットにつきましては、意外と多いようですね。まず、基本60歳まで拠出できないということ、商品ラインナップの少なさ、口座維持のための各種手数料の発生でしょうか。

60歳まで下せないという点につきましては確かにデメリットですが、「インデックス投資は長期運用が基本、時間を味方に」という考え方からすれば、長期運用の強制化と思考転換すればいいかななどと考えております。

商品ラインナップと各種手数料ですが、これは楽天証券がiDeCoへ参入、ラインナップ(低信託報酬のたわらシリーズなど)や、残高10万で口座維持費割引など魅力的でありますため、クリアできると考えております。(最低限発生し続ける維持手数料は、還付された税金から拠出すると考えればよいでしょうし。)

その他、メリット/デメリットにつきまして、見落としている点がありましたらご指摘、ご教授いただけたらと思います。

次にアセットアロケーションの見直しについてです。現在は2本のバランスファンドと複数の個別ファンドを購入しております。それらを分解し各アセット別に分解すると以下のようになります。

・国内株式    14.58% (*印は表示桁数調整)
・先進国株式   14.58%
・先進国株式H有 *4.17%
・国内債券    29.17%
・先進国債券   10.42%
・先進国債券H有 *8.33%
・新興国債券H有 *8.33%

・外貨建社債H有 *8.33%(インデックスではありませんが、お遊び感覚で保有)
・短期金融資産  *2.08%(三井住友・DC30に含まれている)

信託報酬の加重平均は0.351%となっております。債券比重が高く、またホームカントリーバイアスがある程度出ている構成ですね。自らの年齢からの残り時間を考えたら、リスク比率はこのくらいかなぁなどと考えた結果でした。

しかしこれらは定期預金などの安全資産を含まない数値です。ですから「iDeCoではもう少しリスクをとってみようかな」と考えた次第です。楽天iDeCoで購入できないアセットについてはNISAで積み立てという考えのもと次のように変更を試みようと考えております。

・国内株式    *8.0%
・先進国株式   24.0%
・先進国株式H有 *8.0%
・国内債券    20.0%
・先進国債券   12.0%
・先進国債券H有 12.0%
・新興国債券H有 *8.0%
・外貨建社債H有 *4.0%
・国内リート   *2.0%
・外国リート   *2.0%


iDeCo月2万/NISA月5千/信託報酬加重平均0.268%となります。バランスファンドが入っていないため手動リバランスとなりますが、それも楽しみの一つと前向きに考えたいと考えます。

ホームカントリーバイアスへの考え方を変えようとしたのは、日米の成長率に大きな差を感じたからです。2000年を100として物価指数/株価指数に毎年の成長率/暴騰率を掛けていったら、ものすごく差がついたのを見てびっくりしてしまったからです。

それでもまだまだ国内債券比率が高いように感じますが、そこは「守り神的な何か」という安心感への投資と思っています。長くなってしまいました。以上までのところ、問題点などありましたらご指摘、ご指導いただけたらと思います。


 


ご回答:特に問題は無く、ここまでできれば素晴らしいという見本のようです

ご質問頂き、ありがとうございます。ずいぶん長いご質問だなと思いつつ拝見しましたところ、A_Suzuki様はご自身のご質問に対して、自ら完璧に回答されておられます!

今回私が回答差し上げるのは、ほとんど重箱の隅をつつくようなことになってしまいます。既にA_Suzuki様が「いいところ」まで到達しているからでございます。




NISA積立からiDeCoへの積立方法の移行によるメリット/デメリットの確認

基本的にiDeCo利用は圧倒的にメリット大です。私は自営業者になってから初めて身を持って体験したのが、節税ほど金銭的にメリットのあるものは無い、という事です。

例えば1000万円を3年間投資して、そこから年率10%の利益(30万円)を確実に出すとなると、けっこうハードルが高くなります。しかしながら同じ金額の30万円を節税でねん出するとなると話は別で、比較にならないほど簡単にできるし、そして「確実」です。

これが節税の凄いところで、私がNISA口座で積み立てをする気は全く無かったのに、iDeCoならばと積み立てをし始めたのは、投資リターンよりもむしろ、節税に使えるからです。

自営業者はやりようによって、まるで「好き放題」と言えるくらい、税金のコントロールができます。しかしサラリーマンをやっていたら、ほとんど全く不可能です。それほど給与をもらう立場は不利な中、珍しく大きく税金を減らせる仕組みがiDeCoなのですから、利用しないなんてもったいなさすぎます。

ただし、唯一の違和感は、所定の年齢が来るまで引き出しが不可能だという点です。いくら所得控除が出来て大きく納税額を減らせるのが分かっていても、投資に絶対必要だと思う「流動性」が全く無いというのはどうなんだろうと、いつも自問自答します。

私がやっているような不動産投資は「流動性が低くて問題だ」と言われる事が多いのですが、iDeCoは流動性が皆無に等しい訳で、この点で私は、非常に困惑しています。20代の人ならば40年間は、国家にお金を縛られてしまうようなものす。

例えば月5万円を30年間積み立てると、総額は1800万円になります。こんな多額の自分のお金が自由にならないなんて、それはそれで変な話しです。人生には「まさか」が潜んでいるもので、その時にお金が有れば解決する「まさか」も、iDeCoにお金が有るせいでどうにもならなくなることも考えられます。(生活防衛資金を超過してのまさか、という意味です)

途中で引き出したら2割減でお金が戻ってくるなどなら良いのですが、とにかく途中で換金できる仕組みがあれば、私は大のiDeCoファンになるでしょう。

ま、私のボヤキと捉えて頂きつつ、基本的にはiDeCoのほうがはるかにメリット大だと思いますので、利用を具体的に検討されると良いと思います

ただ、A_Suzuki様は会社員ですので、楽天証券の個人型確定拠出年金は利用できません。楽天証券やSBI証券の個人型確定拠出年金では、手数料など考える必要も無いほど安いものですが、企業型401Kの場合は、ボッタクリ401Kが非常に多いので、要注意です。(会社に企業年金が無い場合は、加入できます。)

例えば以前質問のあった東京海上日動の企業型401Kなどは、基本的には全てアクティブファンドがラインナップされていて、インデックスファンドはほとんどありません。口座手数料よりも、とんでもなく高コストの信託報酬に驚愕します。

もしも勤務先の401Kが「ボッタクリ」だった場合、確定拠出年金部分では定期預金を積み立てて、リスク資産の場合はNISAや特定口座を利用するほうがマシかもしれません。

この場合、人生の「まさか」があったとしたら、損益に関係なく直ちにリスク資産を売却するような心構えを持っておきましょう。

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アセットアロケーションの見直し

これについては、全く問題なさそうです。投資家によっては、ヘッジ付きのファンドは信託報酬以外に、時として多額のヘッジコストがかかるのでやめた方が良いとアドバイスする人もおられると思います。

リターンを削ってでも、一定程度、為替リスクを排除したいとお考えであれば、海外資産のすべてにヘッジを付けている訳でもありませんし、問題ないのではないでしょうか。

⇒参考:アセットアロケーションと為替ヘッジの是非について


今回、iDeCo加入に合わせてアセットアロケーションの見直しをされるとの事ですが、今後はあまり頻繁に見直すとアセットアロケーションなど意味が無いという事になりかねませんので、当面はこれで固定して、少なくとも1回の大不況でも経験されて、損益を見たりしながらご自身に本当に合っているのか、判断されると良いと思います。





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