大きくマイナスになってしまった投資信託の売り時について

2015年の、相場の絶好調の大きな天井のところで金融機関に勧められて買ってしまった投資信託が大きなマイナスを出していて、困った状態になっている投資家からのご相談です。


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解約すべきか我慢すべきか悩みます・・・・

2016年10月:UH様(女性・年代不明)よりのご質問

グローバルヘルスケアファンド健次ニッセイJPX日経400アクティブファンド、日経三井住友銀行のファンドラップを、少々のリスクなら可として勧められて1年前に購入。現在、約マイナス200万円(-15%程)と痛い状態です。

解約すべきか我慢すべきか悩みます。あと十数年後には定年をむかえます。解約するならどういうタイミングなのでしょうか・・・。


 


ご回答:投資方針が有るようで全くない、直ちに解約がベター

ご質問頂き、ありがとうございます。投資信託の分配金に騙されるなにお寄せいただいた質問ですが、現在同サイトがリニューアル中に付き、こちらにて回答させていただきます。


典型的な、負け組投資家の行動パターン

今回、保有中の投資信託を見てすぐに思った感想は、「典型的な負け組投資家の行動そのものだ」、という点でしょうか。

投資の負けパターン


どういうおつもりで、ヘルスケア分野や日本株のアクティブファンドに集中投資しているのでしょうか? おそらく銀行員から「今一番おススメです」とか、「設定来、非常に伸びてます」とか、その程度の説明で購入しているのではないでしょうか?

利益を出している投資家は、人の意見で投資などせず、みな自分の頭で考えて投資をします。2つのファンドとも、集中投資をしつつも市場の平均値を上回る投資成績を叩き出すのが目的のファンドです。

という事は、利益が自分の目標より高く出た場合には適切なところで売却して利益確定しなくてはなりませんし、想定外に損失が出た場合は自分の損切りルールに基づいて直ちに損切り&売却をせねばなりません。

そのような判断がつかない時点で、全く投資の勉強もしていないし、言われるがままに右往左往するだけの投資家になってしまっています。アクティブな投資はほぼ大半の人が負けて、一部の勝者の「市場の肥やし」になるのが現状、というか当然の帰結です。

ラップ口座などは、銀行や証券会社が新たに収益源にしようと躍起になっている(=その分、投資家の収益が減るという意味)だけのもので、コストが高いだけで、従来のバランスファンドでも買っていれば良いだけのものですし、ごく一部を除いてほとんど価値がありません。


購入したファンドのリターンをチェックして判断しよう

さて具体的に、今回購入したファンドのリターンを見ていきます。まずグローバルヘルスケアファンド健次(信託報酬2.2%)と、ついでにその兄弟分の、グローバル・ヘルスケア&バイオ・オープン Bコース(為替ヘッジなし)(愛称:健太)(同2.2%)を。

そして集中投資などせずに、先進国株に広く分散投資する低コストインデックスファンドであるニッセイ外国株式インデックスファンド(同0.24%)と比べます。

見ての通り、過去3年間でのリターンでは、グローバルヘルスケアファンドが圧勝している状況です。これだけ見ると、「投資して良かった」と思える状況です。




しかし、本ファンドのようなテーマ型ファンドは、旬の時期を逃すと、途端に儲からなくなります。当サイトでもテーマ型ファンドなど止めようと言ってきました。

事実、あんなに飛ぶ鳥を落とす勢いだったヘルスケアファンドの直近1年間のリターンは、単なるインデックスファンドよりもかなり負けてしまっています。

グローバルヘルスケア&バイオファンドのリターン


ここから言えることは、グローバルヘルスケアファンド健次で利益を上げるには、2014年よりも前にこのファンドに目を付け、分散投資ファンドとのリターンの差が大きく開き、かつ相場が変調をきたしだした2015年内、遅くとも2016年初には売却の判断をすべきでした。

しかしこのようなテーマ型ファンドは、成績がグンと上昇してから販売会社が猛烈に売り出すのが常であり、私も三菱東京UFJ銀行に投資信託の事を聞きに行った時に、「健次」を推奨されましたからね。(下記ページの一番下にパンフレットが載ってます)
http://noload.558110.info/mitsubishiufj-toshinsoudan4.html

相談したのは2015年でしたが、その時の「健次」のチャートを見て判断しました。「こんなにぶっ飛んで上昇したファンドをこれから買うのは、典型的な高み掴みになりかねない」と。こんな危険なものを推奨するとは、銀行もゲスの極みだなと思いました。

したがって当時、「健次」の上昇度合いを見て「凄いものを発見した!」などと思って深く考えずに買った人は、一様に多大な損失を被っているはずです。

次に、ニッセイJPX日経400アクティブファンドです。これは同じJPX日経400をベンチマークとするインデックスファンド、ニッセイJPX日経400インデックスファンド(0.31%)もありますから、比較しやすいです。(ついでに全銘柄の値動きを示すTOPIXも載せておきます)

ニッセイJPX日経400アクティブファンドのリターン


結果からすると、ニッセイJPX日経400アクティブファンドは今のところ、優秀なアクティブファンドと言えます。下落相場なので基準価額は下がりますが、同じ運用目標に沿って運用しているニッセイJPX日経400インデックスファンドよりも、明らかにリターンは良好です。

ただし、アクティブファンドの大半は、長期に運用するとほとんどインデックスファンドに負ける運命にあります。ちょうどインデックスファンドに大きく勝っている今、利益確定(あるいは損切り)しておくのが良いと思えます。

ラップ口座についても、全く同様の事が言えます。具体的な内容が分からないので記述しませんが、コストばかりが高くて、投資家に長期的に利益をもたらすものとはとても思えません。


コストを考えれば、ダメな投資などはすぐわかる

今後、投資信託を買う場合は、必ず「コスト」というフィルターを通して、判断をするようにして下さい。そうすれば世の中の99%くらいのファンドは、買うに値しないのが一瞬で分かります。

高コストのダメ投信


まず、グローバルヘルスケアファンド健次です。信託報酬は2.2%ですよね。当サイトで評価解説しているファンドの中でも、ダントツで高コストです。ありえません。

テーマ型ファンドは短期勝負だと言えども、多くの負け組投資家はこういうのをダラダラと長期間保有してしまいます。仮にこれを10年間保有したら、トータルコストは22%にもなります。銀行で買った場合は泣きっ面に蜂的な購入手数料3%が上乗せされて、25%です。

これは、運用など何もしなくても、放っておいたらあなたの元本の25%が消えてなくなることを意味しています。こんなバカな投資はありません。

もしもニッセイ外国株式インデックスファンドならばコストは0.24%ですから、10年保有での元本の傷はたったの2.4%にしかすぎません。どちらがマトモか、一目瞭然です。金融機関は負け組投資家に高コスト投信を買わせることで、大いに利益を出しているのです。

ニッセイJPX日経400アクティブファンドも同じです。10年間保有で、購入手数料と信託報酬の合計で17%ほどの元本が消失します。こんなものは投資とは言えません。金融機関への寄付行為と言えます。

しかもそんな多大なコストを投じて、長期的にはアクティブファンド(テーマ型ファンドを含む)はインデックスファンドに勝てないというのが事実として判明しているのですから、やってられません。(コストが高すぎて自滅するのです。)

コストという意識を持てば、長期的にアクティブファンドが「勝利」するのは「無理ゲ―」だというのが分かり、以降はそんな無謀なファンド選びはしなくなります。

このような事は金融業界では常識なんですが、なぜか決して、銀行の店頭にやって来る人には教えてくれません。


損切り、どうしても投資を続けたければ、超低コストファンドに乗り換え

さて、以上の「間違った投資信託選び」をしてしまった場合の解決策は、2つしかありません。1つは売却です。保有すればするほどドンドンとコストで元本を削っていくようなものが、資産形成に不適切なのは明らかなので、売却以外の選択肢はありません。

そもそも損切りできないというのは、テーマ型ファンドを購入して儲けようという投資家には相応しくありません。ご自身の投資家としての至らなさが勉強代になったと思って、苦痛を味わってでも損切りしましょう。ラップ口座も同様です。

投資信託の売り時


もう1つは、全売却が伴う事は同じなのですが、ファンドの乗り換えです。ご存知のように、銀行の預金金利が腰を抜かすほど低くなってしまったので、ごく一部の金融機関を除いて、定期預金で資産形成など、ほとんど無理な世界になってしまいました。

参考(管理人姉妹サイト):地方銀行も含めた超高金利定期預金ランキング


しかし、資産形成しないと、老後の不安はなくなりません。いずれにしても、皆なんらかの投資はしなくてはならない時代になってしまいました。

そこで、あらゆる投資家にとって、ベストとは限らないものの、明らかにベターな選択肢である「インデックス投資」を取り入れてやる事をおススメします。

インデックス投資は、世界一有名なアクティブ投資家であるウォーレン・バフェットも「フツーの人はインデックス投資が一番だ」と言っているほど有効な投資手法です。(注・そんなダラッとした言い方はしてませんが・笑)

手法とか、そういう難しいものではなくて、分かりやすい日本語で言うと、低コストのインデックスファンドを使って長期に国際分散投資をする事、それだけです。

インデックス投資は、相場を一切読みません。そもそも相場を読むというのは、ウォーレン・バフェットや一部の億トレーダー以外には、絶対に無理です。少なくとも1年前の、相場の一番の天井で数百万を一括で投資してしまうような相談者様には、全く不向きです。

インデックス投資は年率数十%というような過激な成果は全く取れない代わりに、世界経済の成長の分だけ、着実に利益を狙うやり方で、リーマンショック前という最悪の時期に積み立て投資をした人であっても、今現在は大きく利益が出ている状況です。(おそらく年率4%前後は、今後も取っていけると思われます。複利効果で増えます。)

具体的な方法については、インデックス投資の始め方のページはぜひ読んでいただきたいと思います。インデックス投資のキモになるのは、自分のリスク許容度をイメージしたうえで、アセットアロケーション(資産配分)を決める事です。

アセットアロケーションの部分は難解に感じるかもしれませんが、乗り越えましょう。類似する質問、アセットアロケーションの決め方の具体例も参考にして頂きながら、ご自身にふさわしいと思われる資産配分を、探してみて下さい。

(特にUH様は「少々のリスクなら可」との事ですが、保有ファンドを見ると多大なリスクを取っている状況ですので、是非ともアセットアロケーションの考え方は身に付けましょう。)

現在投資しているファンドを一度全解約して現金に換えて、アセットアロケーションが決定したのちに、その資産配分にふさわしい超低コストファンドをネット証券で買うだけです。

低コストで元本を棄損しないので、仮に今後もしばらく相場が落ちるとしても、長期に渡って回復を待つことができます。

一度現金にしたものは、一括で再びファンドに変えても良いですし、毎月一定額を積み立てるように買い付けしても良いでしょう。資金が無くなったら、その次は本当に定期的な積立投資をされると良いと思います。

今後、経験したことのない市場の大暴落も、必ずやってきます。その時は積立投資家にとっては最大のチャンス到来なので、決して慌てず、市場から退場せずにいて下さい。(最悪の事態でも退場しなくて済むようなアセットアロケーションを組むのです)

相場の世界では、「相場から退場しない=勝ち組投資家になる」と決まっています。インデックス投資は相場から退場しないで済む、個人投資家の唯一の道だと思って良いでしょう。

なお、ラップ口座をやっているくらいですから、分配金が欲しいというタイプの投資ではないと思いますが、もしも分配金狙いの投資を志向されるのであれば、別途ご相談ください。

また、株主優待が欲しいとか、そのような事も別の投資手法になります。株主優待狙いの投資はインデックス投資とも並行して実行できます。

あとは、ボッタクリではない投資信託を買いたいのだけど、やはり誰かと相談したいとお考えならば、有料ですがカン・チュンドさんのコンサルティングを受けるか、あるいは比較的低コストなバランスファンドで大人気の、セゾン投信のセミナーに行くと良いでしょう。

(セゾン投信は、銀行でも証券会社でもなく、「運用」会社です。運用者が直接、投資信託を販売する「直販」という手法を取っていますから、銀行などに利益を抜かれず、銀行などの都合の良い商品をごり押しされることもありませんから、初心者におススメです。)

あとは、一切の勉強が皆無でも誰でも出来てしまう貯金と違って、投資には一定の知識が必要です。投資信託おすすめの本ベストセレクトから、簡単な本を2,3冊は読んでおくようにして下さい。じゃないと金融機関に、いいようにカモにされるだけです。

以上、だいぶ辛口になってしまいましたが、回答とさせていただきます。今成功している投資家も、昔は皆、同じような失敗をしている人が大半です。特に恥ずかしい事でも何でもありませんから、今後の投資はシッカリとやっていきましょうね!





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