セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの売却の悩み

既に一定期間の長期投資をされている方から、大きな含み益が出ている投資信託を売却して、その代わりさらに低コストのファンドに乗り換えようかとの相談を頂きました。


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セゾンをVTに移し替えようか、迷っています

2016年10月:mogi様(男性・50代)からのご質問

いつも大変お世話になります。当方52歳、投資歴約8年の男性です。

さて、質問ですが。私、セゾンVGBFを約400万(内益100万円)ほど保有しています。この400万を信託料の低いSBI証券米国バンガードETFのVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)に移し替えようか迷っています。

セゾン投信解約料、解約に伴う20%の税金、為替手数料、買い付け手数料等で20万円以上の損失?をしてまでする意味があるでしょうか?移してしまえばバイ&ホールドで最低10年は保有するつもりです。

大雑把な質問で申し訳ありませんがご意見をお願いします。なお今後もセゾンVGBFの積み立ては少額ながら続けていきます。


 


ご回答:投資スタイルによって回答が異なりますが、売却するよりホールドか

ご質問頂き、ありがとうございます。今回のご質問は、mogi様の投資スタイルが分かりかねますので、回答も非常に難しいです。投資スタイルは人それぞれなので、おそらく正解は無いと思いますが、とにかくも以下の通り回答してみましょう。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの売却


「本来の」インデックス投資ならば、答えは簡単

もしもmogi様がインデックス投資をしているのであれば、所定のアセットアロケーション(資産配分)に沿って投資をしていくのみですから、仮にセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドがmogi様の理想のアセットアロケーションだったとするならば、VTを買うと同時に、国内債券、外国債券なども同時に買わねばなりません。

VT以外の資産クラスについては、低コストインデックスファンド完全比較のページをご覧いただいて、最もコストの低いファンドの買い付けをしましょう。

VTをメインに、低コストファンドを活用する場合、元々保有していたファンドを売却するかどうかは、悩ましいところです。できればノーセルリバランスのように、売らずにポートフォリオの切り替えをしてゆくのが望ましいと思います。

しかし今回のように、セゾンのファンドに25%もの含み益が出ているとしたら、それを売却して利益確定したいというのも人情でしょう。

基本、取り崩し開始まで極力無駄な売買をしないのがインデックス投資の神髄ではありますが、例えば全体の半分を売却して利益確定して、残りは2割もの納税をするのは明らかに非合理的ですから、基準価額が上がろうが下げようがひたすらホールドして、新規に買い付ける部分から低コストファンドに切り替えてゆくのがベターだと思います。


 


インデックス投資以外の長期投資として考えてみると

ご質問内容を拝見すると、前項でお答えしたような、アセットアロケーションの考え方を持って投資されているとは思いにくいです。「良さそうだな」と思ったファンドを単に買っているだけなのかもしれませんね。

ただしmogi様の場合、さすが投資歴8年も有るだけあって、良さそうだなと思うファンドはボッタクリ投資信託などではなくて、真に良質なファンドですよね。

アセットアロケーションの考え方で、資産を年に1度微調整しながら長期投資をするのではなくて、良質のファンドを決めて投資をするのも十分な長期投資だと思います。セレクトしているファンドはいずれも長期の国際分散投資に非常に向いていますし。

もしも私がmogi様的な投資をするとしたら、やはり25%もの利益が乗っているというのは非常に幸運な出来事だと思いますので、利益の2割を税金に持っていかれるのを承知で、売却して一度利益確定をするかもしれません。

現金化した400万円は、今後VTに切り替えてゆくための種銭としてストックして、円高に振れるたびに少しずつ米ドルに切り替えて、同時に米国の株式市場が大きく調整したなと感じたら、都度VTを仕込むというスタンスで投資をすると思います。

ただ、私はそのような「ちょこちょこ売買」するのは、短期トレードなら苦ではありませんが、長期投資では極力やりたくないので、米ドルをとりあえず買うとかいうひと手間を排除するために、信託報酬的にはほぼ互角の水準のたわらノーロード 先進国株式(信託報酬0.225%)か、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)をベンチマークとする三井住友・DC全海外株式インデックスファンド(信託報酬0.25%)あたりを買い付けると思います。

なお、十分承知だとは思いますが、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドをVTに変えると、安全資産である債券への投資がゼロになりますので、当然、リスクがかなり大きくなります。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
1年の騰落率 -6.77% -4.94%
5年の騰落率 11.29% 17.48%
5年の標準偏差 12.32 12.13


と、申し上げようとしたのですが、5年目線で見た場合、標準偏差はセゾンのファンドと同等かやや低いくらいです。安全資産と言えども、セゾンは外国債券の比率が非常に高いので、為替変動の影響をもろに受けることから、標準偏差の数値が低くならないのかもしれませんね。

あくまで過去の数字ではありますが、リスクがセゾンよりも低くて、リターンがセゾンよりも顕著に良いので、経験豊富な投資家であれば、全てVTに切り替えてしまっても良いかもしれませんね。

一般的には、株式100%で資産運用をする方がリスクは高くなるというのが教科書的な言い方になりますので、過去はともかくとして将来には株価が大きく調整して、一時的に想像を超えるような損失を抱えることも十分あり得ますので、その点はご自身は耐えられるのだろうかと再確認していただく方が良いかと思います

厳に、たわらノーロード 先進国株式と同じくMSCI KOKUSAIインデックスをベンチマークとするSMTグローバル株式インデックスの5年の標準偏差は18.43で、明らかにセゾンよりハイリスクであることを物語っています。

(なお標準偏差の数値ですが、モーニングスターのサイトにて確認しています。ベンチマークは異なりますが、同じように世界の株式に投資するファンドなのに、なぜVTの標準偏差が小さい数字になっているのか、ハッキリしませんでした。)


しかし納税の負担は非常に重く、合理的な選択肢は売らずにホールド

と、ここまで売却を選択肢に入れた回答をしておりますが、売却に伴う納税などで20万円を持っていかれるのを損失だと感じるのであれば、売るよりホールドで良いと思います。

mogi様の資産運用の目的が、今この瞬間の利益の受け取りではなくて、退職後の資産形成であるならば、より低コストのファンドに乗り換えたとしても、税金で持っていかれるほうがはるかに大きなダメージが有ります。(納税金額は20.3万円)

セゾンをVTに変えると、信託報酬の差額として約0.5%程度が浮きます。400万円の資金であれば、年間に浮いてくる金額は2万円です。10年間の合計でちょうど20万円になります。(保有金額の増減で変化するので、あくまでざっくりとした計算です)

これに対して、納税金額20.3万円に、セゾン売却の信託財産留保額として4万円、新規にVTを買い付ける際のコストも1.5万円かかるとしたら、26万円近くなります。

となると売却の場合は、切り替え先ファンドの低コストで浮いた分よりも多くのお金が出てゆくことになり、明らかに売却よりホールドが良いと考えられます。

念のため、それぞれのファンドがどの程度のリターンを出してきたのかも考慮して、本当にホールドが合理的なのか見てみます。なおこの時、VTの運用開始時にはセゾン売却とVT買い付けによって26万円少なくなった、374万円での投資スタートになります。

売却にかかる税金を考える


仮にVTが過去5年のリターンである3.4%が継続するとしたら(3%として計算)、10年後は374万円は502万円になります。一方でセゾンは2%のリターンで10年後は487万円です。その差は10年間でちょうど15万円です。

ここ数年、相場の暴落が起こっていませんので、今後一時的な暴落もありうると考えて、それぞれのファンドのリターンを1%下げて資産してみると、その差は14万になります。

となると、いくらVTが低コストで魅力的だと感じたとしても、売却で持っていかれる税金のダメージは、想像をはるかに超えるという事になります

したがって、今後VTなどの低コストのファンドを新規に購入してゆくならば良いですが、売却するよりもホールドしておいた方が断然メリットがあると言えます。

少なくとも15年程度のバイ&ホールドが出来るのであれば、その差異は44万円となり、VTに切り替えも大きな問題は無さそうです。(それでも不確実な44万円よりは、確実な26万円という数字を重視して、20年くらいホールドしないとダメなような気がします。)

という事で、細かい金額的に見ていくと売却よりホールドが合理的だと思いますし、そうはいっても一定金額を利確したいならば一部売却を検討したり、20年の長期投資ならば全売却を選択肢に入れるのも悪くありません。

結局、売るのが良いのか悪いのかという問題は、最後は人それぞれの判断にかかってきますので、一概には上手いこと申し上げるのは非常に難しいです。本回答をご覧いただきながら、最終判断を下していただければと思います。


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