アセットアロケーションの違いによる投資信託のリスクとリターンの違い

これから長期の国際分散投資をしようと考えている、20代の人からの質問になります。主としてリスクとリターンの話し、それと投資信託の純資産総額の疑問などです。


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リスクのイメージがなかなかできません

2017年1月:侑様(女性・20代)よりのご質問

初めまして。少額で積立投資信託を始めようと思い、色々調べているうちにこちらのサイトにたどり着きました。まだ知識も乏しくこれから勉強しつつやってみようかな…でも不安だな…というところでまだ投資自体は始められていません。

ただ、こちらのサイトにのっていたエクセルのツールにてアセットアロケーションを作成してみました。最初はリスクを低めにと債券を多めに出来たらいいかなと思い、

・日本国債:42.5%
・新興国債:8.8%
・先進国債:13.6%
・日本株:12.5%
・先進国株:13.8%
・新興国株:8.8%

・コスト:0.4%
・リスク:8.98%
・リターン:5.01%

世界経済インデックスファンドを中心に三井住友・インデックス・ファンドと、日本株が少ない気もしたのでニッセイTOPIXインデックスファンドを入れてみました。

ただ、色々調べているうちに株:債券を50:50にしてもいいかなと思い、世界経済インデックスファンド(株式シフト型)に変更してみると、だいたい50:50になりました。その分 コスト:0.44% リスク:10.27% リターン:5.25% に変わりました。

お伺いしたいのは、世界経済インデックスファンド(株式シフト型)は最近始まったばかりで純資産も世界経済インデックスファンドより少ないく、大丈夫なのかということ、そして問題なのはリスクのイメージがなかなか出来ないもので8.98%と10.27%だとどのような差を覚悟しておけばいいのかということをアドバイスいただければと思います

口座はSBI証券です。お忙しいとは思いますが、またお手すきの時にお返事いただけたら幸いです。よろしくお願い致します。



 


ご回答:素晴らしい検討、あとは実行するのみでですね(^^♪

世界経済インデックスファンド(株式シフト型)の純資産は問題無し

ご質問、ありがとうございました。投資というのは複利効果を働かせて年々増やしてやるものなので、とにかく早い段階で投資の凄さに気付いた者が、一番「得」をします。20代の若いうちから投資が出来るのは、最高に素晴らしい投資環境です。

管理人が投資を始めたのは、40代になったばかりの頃でした。実に侑さんとは15年前後も「遅れ」を取ったわけで、遅くなるほど複利で増やしにくくなるわ暴落などのショックの影響も相対的に大きくなるわで、若いうちから積み立て投資が出来るのは、それだけでとんでもなく大きなアドバンテージだと考えて下さい。
投資の複利効果


さて今回のアセットアロケーションの構築、見事ですね。初心者が最初からここまで出来るのも珍しく、もしかしたらインデックス投資の才能があるのかもしれません。

(インデックス投資に才能が必要か?という人もいるかもしれませんが、私はあらゆる投資に向き不向きがあると思うので、インデックス投資を出来るか否かも、多少は才能の部分に左右されるような気がしています。)

懸念されている世界経済インデックスファンド(株式シフト型)の純資産残高の件ですが、何ら心配はありません。世界経済インデックスファンドと世界経済インデックスファンド(株式シフト型)はそれぞれ、以下のマザーファンドファミリーファンド方式で投資しています。

株式シフト型の純資産が35億円程度で気にはなるでしょうが、それぞれの母体となるファンドの純資産は非常に大きく、全く心配はありません。これらのマザーファンドへの投資割合を調整して、世界経済インデックスファンドの各シリーズが組成されています。

(2015年5月時点の数字です)
マザーファンド 純資産総額
国内債券インデックス マザーファンド 3200億円
国内株式インデックス マザーファンド 1574億円
外国債券インデックス マザーファンド 2176億円
外国株式インデックス マザーファンド 2027億円
新興国債券インデックス マザーファンド 163億円
新興国株式インデックス マザーファンド 256億円


リスクについては、このように考えます

次に、リスクとリターンの数字をどのように考えるかです。この部分はインデックス投資の分かりにくいところで、特に初心者はとっつきにくいのですが、なに、慣れると簡単です。

投資のリスクとリターン


まず、リターン5.25%というのは、世界経済インデックスファンド(株式シフト型)をメインに構築したアセットアロケーションの「期待されるリターン」です。毎年必ず5.25%の利益が出るという意味ではなく、長期的に馴らすと5.25%くらいになる、という事です。

一方のリスク、10.27%とは、1年あたりに利益がプラス10.27%~マイナス10.27%の範囲で、68.3%の確率(これを1標準偏差と言います)で収まる事を示します。

となると期待リターンが5.25%ですから、1年あたりでは68.3%の確率で、相場が良い時はプラス15.52%(10.27+5.25)、悪い時はマイナス5.02%(10.27-5.25)の範囲に収まるという意味になります。

という事は、例えば累計投資金額がとある年に1000万円あったとすると、1年内にそのお金は15万円増える1155万円を上限として、下限は50万円減少して950万円になる可能性があるという事で、心理的にこの50万円の減少に一時的に耐えられるかが、リスク許容度になります。

ただ、1標準偏差程度のブレは投資ではよくあることで、本当にリスク許容度と向き合うには、2標準偏差(確率95.4%)で起こりうるブレを知っておくことが必要です。

2標準偏差の数字を出すには、10.27%のリスクを2倍にしてやればOKで、リスク20.54%になります。期待リターンは5.25%のままにしておきます。

この場合1年あたりで、上限プラス25.79%~下限マイナス15.29%の範囲でぶれるという事になり、金額で言うと1000万円が上限1258万円~下限847万円の範囲に収まる事になります。

ここで想像力を働かせて、1000万円が1年で約150万も減って847万円になるのは到底耐えられないと思うならば、リスク許容度が高すぎなので、リスクを落としてやる必要があります。

もしも当初プランの期待リターン5.01%、リスク8.98%を2標準偏差で考えると、1000万円は上限1228万円~下限872万円になります。下限金額が847万から872万に増えました。ややこしいので表にまとめると、こんな感じですね。

リスク・リターン 1標準偏差(確率約70%) 2標準偏差(確率約95%)
上限金額 下限金額 上限金額 下限金額
期待リターン5.25%、リスク10.27% 1155万円 950万円 1258万円 872万円
期待リターン5.01%、リスク8.98% 1139万円 962万円 1228万円 847万円


ちなみにこれは1年あたりのブレなので、2標準偏差の大きな下落が2年連続で発生することもあり得ます。リーマンショックの時などは2標準偏差も突破して3標準偏差の世界に入りましたので、凄まじいブレでした。

そのような事も考えつつ、上の表を見て自分にはどちらが合っているのか想像力を働かせることが大事になります。ここで「1ミリも想像できない」となると、インデックス投資自体が合っていない可能性もあります。

なお、ずっと投資をし続けて行って、将来取り崩しが始まったとたんに2標準偏差とか3標準偏差の大暴落が発生したら怖いと思うかもしれませんが、これについてはいざ現金化が必要になった時に基準価額がマイナスだったらや、積立投資は本当に利益になるのか?あたりをご覧いただければと思います。

あわせて、よっぽどのことがあっても積み立て投資は利益が出るという、私も目から鱗が落ちた思いの一冊を読んでいただいて、不安を解消してください。


半値になっても儲かる「つみたて投資」 (講談社+α新書)


それでも投資に踏ん切りが付かないのであれば、今なら毎月500円から投資できる時代なので(SBI証券も対応)、少額から試してみて、まずは感覚的に投資がどのようなものなのかやってみるのが一番だと思います。


確定拠出年金も、併せて検討しましょう

最後に、会社に確定拠出年金の制度が無いかどうかも、確認してみてください。確定拠出年金の制度があるとしたら、これは要チェックです。

すでに企業型の確定拠出年金の制度を使っているならば、会社のお金で積み立て投資できるようなものですので、確定拠出年金の部分も含めてアセットアロケーションを組み立てると良いでしょう。

NISAと違って侑さんの場合はそれこそ丸々30年以上も投資できるので、世界経済が成長すればほぼ間違いなく利益が出るものと期待できます。であれば確定拠出年金は運用益が無税という最強の仕組みを使わない手はありません。

また、退職金や年金として受け取る場合にも、多大な節税が可能です。詳しくはiDeCoでインデックス投資のページをご覧いただいて、確定拠出年金の利用の検討(すでに利用している場合は中身の再チェック)をしましょう。



追伸:侑様からお礼のお便りをいただきました(^^♪

先日の質問にご回答いただきありがとうございました。初心者ですので返信をいただくまで不安でいっぱいでしたが、アセットアロケーション、ポートフォリオについても組み方はとくに問題なさそうで安心しました。

リスクについて、大変分かりやすい表にしていただき、リスク範囲についてイメージがつきやすくなりました。

確定拠出年金については個人型を将来できればと思っているのですがそちらについても知識が乏しく、まずは少額の投資信託で投資がどのようなものかやってみつつ、確定拠出年金も検討していければと思っています。

そのときにはまたアセットアロケーション、ポートフォリオの再検討などしなければならないと思いますので、アドバイスいたいだけると幸いです。今回は本当にありがとうございました。






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