スミセイDC総合型プランがボッタクリなのでNISA口座を活用

会社で確定拠出年金の制度を利用している人からのご相談です。中身が酷いのではないかと。確かに酷いのですが、使わざるを得ないので、NISA口座の両方を上手に使う事を考えます。


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会社で入っている企業型DCが、あまり魅力的ではないと思います

2017年1月:NINA様(女性・30代)よりのご質問

こんにちは。初めてメール差し上げます。こちらのサイトで、ノーロード投資を知り、勉強させていただいております。初心者にもわかりやすく説明が書かれており、いつも楽しく拝読させていただいております。

今回、会社で入っている企業型DCについて、魅力的な商品なのかどうか気になりまして、 堀田様のご意見を伺いたいと思い、メールさせていただきました。

スミセイDC総合型プランになり、以下の商品となります。元本確保型と投資信託とありますが、私は投資信託のみを選択しているので、こちらのみ明記させていただきます。

国内株式型
三井住友・日経225オープン
三井住友・DC日本株式リサーチファンド
フィデリティ・日本成長株・ファンド

国内債券型
三井住友・日本債券年金ファンド

外国株式型
三井住友・グローバル株式年金ファンドAコース( 為替ヘッジあり)
三井住友・グローバル株式年金ファンドBコース( 為替ヘッジなし)
インデックスファンド海外新興国(エマージング)

外国債券型
三井住友・DC外国債券アクティブ

バランス型
三井住友・年金プラン30
三井住友・年金プラン50
三井住友・年金プラン70
SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分)
外国債券型:三井住友・DC外国債券アクティブ


商品ラインアップは、信託報酬が高いものが多く、またほとんどがアクティブファンドであるため、会社で入っている企業DCはあまり魅力的ではないのかなと思っていますが、如何でしょうか。魅力的であれば、会社で掛け金を増やせそうであれば、増やしてもよいかなと考えています。

月間の拠出額は21,573円です。企業型確定拠出年金については、会社を退職するまで続けようと思います。やめずに続けていれば、これから25年です。

それから、今、私が選択しているのは以下の4つです。基本的にはそれぞれ25%の配分で行っていますが、今後は配分を変えていきたいと考えています。(それぞれ5384円くらいずつ毎月拠出

国内株式型:三井住友・日経225オープン
国内債券型:三井住友・日本債券年金ファンド
外国株式型:インデックスファンド海外新興国(エマージング)
外国債券型:三井住友・DC外国債券アクティブ



できるだけ、①手数料が低いもの② 初心者なのでおおきな冒険はせず、国内株&債と海外株&債とバランスよく選択しています。③ 海外株式に関しては新興国株を選択しておりますが、こちらは手数料が低いので選択しました。選択肢としてはどうでしょうか?

それ以外に、現在、NISAを使って、以下の三本の積立をしています。(基本、月計10万円で頑張っています)

ニッセイTOPIXインデックスファンド 30%(3万円)
ニッセイ国内債券ファンド 30%(3万円)
三井住友・DC全海外株式インデックスファンド 40%(4万円)


こちらも基本的には長期での運用を考えているのですが、NISA口座を作ってしまったので、とりあえずNISAでやってみるか!?という軽い気持ちでスタートしました。

ですが、長期での運用を考えると、別にNISAでやらなくてもよいのでは。。。。と考えている次第です。2016年の秋からスタートし、17年に突入です。

今回、積立投資を始めたのは学資保険がきっかけでした。調べていくうちに、学資保険に魅力がなく、それで色々とネットで検索をかけていましたら、堀田様のサイトを見つけた次第です。

積立投信の目的は、老後の貯蓄そして子供の学資です。ですので、今すぐお金がほしいわけではなく、長期運用を考えています。となると、世間が騒ぐのでNISA口座を作りましたが、あまり必要なかったかも?というのが、今の正直な気持ちです。

堀田様のご意見をぜひお聞かせください。宜しくお願いします。


 


ご回答:スミセイDC総合型プランと、NISAのトータルとして最適化を!

ご質問いただきまして、ありがとうございました。企業型確定拠出年金の情報が少ないので、今回のご質問は非常に貴重です。感謝申し上げます。

今回、スミセイDC総合型プランの情報を受けまして、住友生命のiDeCoのページを別途作成しておりますので、あわせてそちらをご覧いただきつつ、本回答をお読みください。

スミセイDC総合型プラン


さて今回、NINAさまのお便りの中でもっとも感心したのは、「おおきな冒険はせず、国内株&債と海外株&債とバランスよく選択しています」の一文です。これは初心者に限らず、上級者についても全く同じです。投資に冒険など、全く必要ありません

インデックス投資は、リスクとリターンが数字で分かりますので、将来どんなペースでどのくらいの資産形成が可能か、おおよそ計算することができます。そこに「冒険」の要素など不要で、そのようなものが入ると、途端に無茶苦茶になる事でしょう。


同一の資産配分で、商品や購入量の変更を行います

で、結論から申し上げますと、企業型確定拠出年金とNISA口座の両方を合わせたうえで、まずはアセットアロケーションを決めるのが先決です。それぞれの口座と、一般的な証券口座なども含めまして、アセットアロケーションは1つになります。

もしも企業型確定拠出年金とNISAで資産配分が違うとしたら、そもそもアセットアロケーションの意味をなしていない、適当に配置したのと変わりなくなってしまいますので、まずはその部分の考えをまとめて下さい。

下記の3つのページを参考にして頂きながら、アセットアロケーションの検討をして下さいね。そこが決まると、今回のご質問の解も、非常に分かりやすくなります。

アセットアロケーションの決め方
アセットアロケーションの決め方の具体例
投資信託のリスクとリターンを具体的にチェック




今回は、現状積み立てている商品の購入量が、NINAさまの最適なアセットアロケーションだと仮定した上で、話しを進めてまいります。まずは現状の月間の積立金額の確認です。

(種別:AはアクティブファンドでIはインデックスファンド、信託報酬は税抜きです)
資産 ファンド名 口座 種別 信託報酬 金額 比率
日本
株式
三井住友・日経225オープン DC I 0.60% 5384円 29%
ニッセイTOPIXインデックスファンド NISA I 0.18% 30000円
先進
国株
三井住友・DC全海外株式インデックスファンド NISA I 0.25% 40000円 29%
新興
国株
インデックスファンド海外新興国 DC I 0.55% 5384円 8%
日本
債券
三井住友・日本債券年金ファンド DC A 0.55% 5384円 29%
ニッセイ国内債券ファンド NISA I 0.145% 30000円
外国
債券
三井住友・DC外国債券アクティブ DC A 0.75% 5384円 4%
合計 121573円 100%
新興国への投資が約1割含まれていますが、便宜上、先進国株扱いにしています。ただし比率の部分は、先進国株と新興国株に分けて計算しています。


ここから、各ファンドの最適配置を考えていきます。まず第一に、スミセイDC総合型プランの三井住友・日本債券年金ファンドと、三井住友・DC外国債券アクティブについては、債券にしてはあまりにもコストが高く、ベンチマークにも継続して負け続けているダメアクティブファンドなので、これを積み立て中止とします。

国内債券についてはニッセイ国内債券ファンドに一本化、外国債券については、新たにNISA口座でニッセイ外国債券インデックスファンドに積み立てを行います。

そしてスミセイDC総合型プランで使えるのは日本株と新興国株しかありませんので、DC口座内ではこの2つのみ、積み立て購入を考えます。

さらに、現状、NISAで買っている三井住友・DC全海外株式インデックスファンドに新興国株が1割、金額にして4000円分が含まれる事に着目して、ここに手を加えます。これの積立を止め、ニッセイ外国株式インデックスファンドに変更します。

以上を踏まえて、トータルの資産配分比率と各口座の積み立て限度額を勘案して導いた答えが、下記の通りになります。我ながら、上手い具合にピッタリ収まった感じです。

資産 ファンド名 口座 種別 信託報酬 金額 比率
日本株式 三井住友・日経225オープン DC I 0.60% 10786円 29%
ニッセイTOPIXインデックスファンド NISA I 0.18% 24500円
先進国株 ニッセイ外国株式インデックスファンド NISA I 0.20% 36000円 30%
新興国株 インデックスファンド海外新興国 DC I 0.55% 10786円 9%
日本債券 ニッセイ国内債券ファンド NISA I 0.145% 34000円 28%
外国債券 ニッセイ外国債券インデックスファンド NISA A 0.17% 5500円 5%
合計 121572円 100%


本当ならば日本株式をニッセイ1本にまとめたいところですが、それをやると口座の枠の問題が出てきますから、やむを得ません。

ただ、もっと猛烈に高コストのボッタクリアクティブファンドだらけのスミセイDC総合型プランの中においては、インデックスファンドで信託報酬0.6%ならば、DCの優遇措置なども考え合わせると、特に問題は無いと考えます。


 


確定拠出年金のマッチング拠出の制度がある場合

NINAさま「会社で掛け金を増やせそうであれば増やしてもよいかな」との事であり、もしも確定拠出年金のマッチング拠出の制度などがあれば、利用を検討すべきでしょう。マッチング拠出の場合は掛け金が所得控除になって、明確な節税効果を発揮します。

マッチング拠出を行う場合も、スミセイDC総合型プランの中では日本株と新興国株の部分を増やしてやり、残りはNISA口座で調整しましょう。

ただし確定拠出年金の金額を増やすと、本来ならばNISAでの積立金額を増やさないと、全体の資産配分比率が乱れます。NISAでこれ以上の資金を出せない場合は、日本債券と外国債券の部分も、スミセイDC総合型プランを使わざるを得ません。

所得税住民税の節税効果が高いので、ここは多少のコスト高を無視しても問題はありません。


学資目的で積み立てる部分は、ちょっと悩ましい問題が

今回の投資の目的が老後資金のみならば、特段の問題はありません。しかし学資目的も有りますよね。という事は、10年強の時間が経過したのち、大学の学費などで、数百万円を投資部分から引き出す事になろうかと思います。

NISAで貯めた学費を引き出し


当然、確定拠出年金は60歳まで引き出し不可能ですから、NISA口座から資金を引きします。その時は一般の口座に自動的に移行して、通常の積立投資になっていると思います。(NISA期間が終わって投資がおしまいになる訳ではありませんので、NISA口座の利用が無意味になる訳ではないのです。)

となると、確定拠出年金とNISAで合算してアセットアロケーションを組んでいましたから、資産配分比率が一時的に大きくゆがむことになります。これは、非常に困った問題です。

この時、インデックスファンドが豊富な企業型確定拠出年金であれば、迷うことなくDC口座内でただちにスイッチングを行い、所定の資産配分比率に戻してやることができます。

が、スミセイDC総合型プランのファンドはボッタクリですから、そこをどうするか。私ならば涙を呑んで、やはり所定の資産配分比率に戻します。同時に厚生労働省などに、クレームを入れると思います、酷い金融機関があると言って・笑。

それと、実際に学資が必要になるのは10年以上も先ですよね。企業型確定拠出年金の商品ラインナップが今のようにボッタクリのまま放置されるとも思えないので、15年とかそのような未来にはインデックスファンドもラインナップされて、満足できる状態になっていると期待したいですね。

また、学資で取り崩しをしたとしても、仮に15年間積み立てをすると投資額は1800万円にもなり、これがぜんぶ学資に消えるわけではないでしょうから、実際は一時的にボッタクリファンドのお世話になるとしても、全体の一部にとどまる可能性も高いでしょう。

なお、スイッチングを行う際、利益が出ているファンドを利益確定することになると思いますが、DC口座内は運用席が非課税なので、一切税金を差し引かれる事無く、別のファンドにリレー投資ができます。

と、やや悩ましい問題について言及しましたが、世の中、学費をねん出できなくて奨学金などのローンを使わざるを得ない家庭が非常に多い中、贅沢な悩みかもしれませんね。

15年以上も投資を続けると、過去の例では、まず損する人はいない世界に到達します。この点は、モーニングスターのiDeCoセミナーの取材記事を併せてご覧下さい。

今回のその後の質問企業型確定拠出年金の規約の悩ましい問題





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