債券クラスを使用しないアセットアロケーションの実例

今後、積み立て投資を長期に行う上で、債券クラスへの投資は不要なのではないかというご質問になります。


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債券のインデックスを買う必要性は、そこまでないのかなと思います

2017年2月:アルタ様(男性・20代)よりのご質問

アセットアロケーションを考えました。とりあえずの案は以下のとおりです。よろしければアドバイスを頂けると幸いです。

・現在年齢 27歳
・毎年の貯蓄予定額(全体)…100万円(最低でも70万~80万は貯蓄する予定)
・内預金(含む財形貯蓄)…74万円
・内積立投信額…24万円(2万円×12ヶ月)

積立投信内訳(月毎)

株式系
iFree TOPIXインデックス 6000円(30%)
iFree 外国株式インデックス 4000円(20%)
eMAXIS新興国株式インデックス 2000円(10%)

REIT系
iFree J-REITインデックス 4000円(20%)
iFree 外国REITインデックス 4000円(20%)

外国と国内を1:1、株式とREITを6:4で持つように組んでいます。(株式分は、後々確定拠出年金枠で買う予定です。その場合も国内:先進国:新興国=3:2:1で持つ予定です)

上記の組み合わせで野村アセットマネジメントの診断に掛けたところ、リターンが8.6%、リスクが13%と出ました。

リスクが13%ということは、26%は下落する可能性が結構あるということだと思いますが、上記の通り積立投信の倍以上貯金をしているので、貯蓄全体から見るとそこまで目減りするわけではありません (計算した所、100万円を貯金した場合で約6.3%でした)

そこを考えると、投信の中で債券のインデックスを買う必要性はそこまでないのかなと思うのですが、このような判断でアセットアロケーションを組んで大丈夫でしょうか?

いろいろなサイトを見ましたが、「株式と債券を適度に組み合わせましょう」と書かれているサイトが多く、このように思い切った組み方をして良いのかどうかわかりません。長々とした質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。



 


ご回答:リスク許容度をシッカリと把握しているならば、債券は無くても良い

ご質問いただきまして、ありがとうございました。20代の若さでここまできちんと投資を考えて、それを実行しようという姿勢、本当に素晴らしいですね。しかも積み立てするファンドはどれも超低コストの素晴らしいもので、全く問題ありません。多くの人は、アルタさまを見習っていただきたいなと思います。

今回のお話しの結論から書きますと、必ずしも債券を保有しなくても大丈夫です。そもそもなぜ多くの書籍などで債券クラスを保有するように書かれているかと言うと、

・株が暴落しても債券は反対に値上がりすることが多く、逆相関である
・となると債券は資産全体の目減りを緩和させる役割が期待できる


債券が不要のアセットアロケーション


この2つにつきると思います。したがって、これらの2点について十分認識が出来ている人に関しては、あえて債券を保有しなくても問題は無いと言えます

今回のケースで、アルタさまはご自身のアセットアロケーションのリスクとリターンをきちんと算出しています。(野村アセットマネジメントの診断はどこで利用できるのでしょうか? 弊サイトでおススメしているツールを使うと、期待リターンは6.6%で、リスクは15%になります。)

アルタさまの出した数字が正しいとすると、確率約9割の2標準偏差の世界においては、1年間で17.4%の下落が十分ありうることになります。(リスクからリターンを引いてください)

リスクとリターンに関しては投資信託のリスクとリターンを具体的にチェックのページを再度ご覧いただいて、念のためにもう一度、頭に入れておいてください。

そして、1年間に17%の下落がありうるとしたら、ご自身が例えば1000万円持っていて、それがいきなり830万円まで「暴落」することがありうる、という事です。

この暴落を、果たして現実のアルタ様は耐えられるのかどうかを考えるのが、リスク許容度の考え方です。別に数年たてば回復するよねと思えるのならば大丈夫でしょうし、一時的だとしても170万円もの元本割れは耐えられそうもないと思えば、リターンを減らしてでもリスクを和らげる事が必要になります。

多くの人は相場が順調な時にイケイケドンドンのアセットアロケーションを組みがちで、もしもの時のことを考えようとしません。ですから書籍などでは株と債券を組み合わせてリスクを減らせと推奨している訳です。

細かくは他にも理由があり、リスク資産に安全資産を組み入れることで、アセットアロケーションのリスクとリターンの関係がより効率的になるからでもあります。

これは「有効フロンティア」の上にアセットアロケーションが来るようにする、という事なのですが、こういう事を気にしだすとだんだんとめんどくさくなりますので、投資のマニア以外はそんなに気にする事はないです。

⇒参考:アセットアロケーションが有効フロンティア上に来ない


アルタ様のケースでは、安全資産の債券の代わりに無リスク資産の現金を沢山保有する事になりますから、メールで書いておられるとおり、仮に株が暴落したとしても、価値の変わらない現金までトータルで考えた場合の資産の目減りは約6%と、大きく抑えられていますので、特段の問題がある訳ではないでしょう、となります。

先日出席したモーニングスターのセミナー記事をを見て頂くと、株だけに投資している人でも、15年スパンの長期投資をした場合には損失を出す人はゼロになる事が示されています。

株が下がって右往左往するのは、短期目線で売買する人だけです。端から20年30年と長期投資を志向している場合は、一時的に大暴落が来たとしてもそこはむしろ絶好の買い場となります。

積み立て投資を淡々と継続しながらも、大チャンスが来た場合は貯めておいた現金を使って多少の買い増しをして、より積極的に資金を増やす算段をしても良いかもしれませんね。





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