企業型以外に個人型確定拠出年金に加入したくてもできない「規約」

会社の企業型確定拠出年金の中身が酷いのが分かったので、それを何とかしたいという相談者様です。自分一人で決められない問題が多く、悪戦苦闘になります。


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企業型確定拠出年金以外に、個人型確定拠出年金に加入したい

2017年2月:NINA様(女性・30代)よりのご質問

詳しいご説明とご提案、ありがとうございます。
(⇒前回のご質問ボッタクリのスミセイDC総合型プランを極力回避してNISAを活用

早速、会社の担当者に少し話をしてみましたが、DCに関してはあまり詳しくないため、まずは運営機関であるジャパンペンションナビゲーター(J- PEC)に自ら電話し、以下の二点について要望をお伝えしまた。

1、スミセイDC総合型プランの商品は手数料が高すぎる
2、インデックスファンドも扱ってほしい。





問い合わせ先の対応としては、 商品ラインアップの要望を受けることはできない。なぜなら、その商品プランを選んでいるのは会社なのだから、いやなら会社にまず言ってほしいとのこと。このように返答があったので、 スミセイ以外の他の商品を聞いたところ、企業型DCだと、 以下の4つがあるとの返答をもらいました。

1、住友生命のDC総合型プラン
2、三井住友銀行
3、三井住友海上
4、1,2,3の商品からJ-PECが選んだ商品


確かにこのぼったくり商品を選んだのは会社ですが、仮にスミセイを選ばなくても、その他のDC商品はどうなのでしょうか?何となくですが、他も手数料が高く、アクティブファンドばかりではないかと思いました。

そして、J-PECは、三井住友銀行の子会社なのでは?であれば、好き放題ですよね、きっと。堀田様には今後の対応についてご相談したいのですが、堀田様がいうように、金融庁にスミセイDC総合型プランに問題があると報告したほうがよいものでしょうか?

それから、確定拠出年金のマッチングについては、現在、私の入っている企業型DCは不可だそうです。会社に要望して、可にしていただいたほうがよいでしょうか?

あるいは、個人型DCをしたいと会社に伝え、企業型とは別に個人型DCでやっていったほうがよいでしょうか?

個人的には、J- PECの対応があまり気持ちよいものではなかったので、自分で別会社で個人型DCをしたい気持ちも あるのですが、ここは冷静にならないといけませんよね。。。。

堀田様のアドバイスをベースに、資産配分を検討したいと思います。確定拠出年金はスイッチングが可能なので問題はないと思いますが、NISAの場合はどうしたらよいでしょうか?

資産を売却してしまうとその金額だけ非課税枠から外れますが、それを覚悟で売却し銘柄の入れ替えやスイッチングをし、資産配分を調整したほうがよいのか?あるいは、購入した資産はとりあえずそのままにしたほうがよいでしょうか?

堀田様ならどうされるか、ご意見をお聞かせいただけませんか。宜しくお願いします。


 


ご回答:現状、会社の確定拠出年金を変更するのは難しい

前回に引き続き、ご質問いただきましてありがとうございました。凄いスピードで色々と動かれていて、脱帽です。いくつかのご質問を頂きましたので、順を追って回答を致しますね。




J- PEC、あるいは企業型確定拠出年金に関して

J- PECにお電話されたとの事、確かにこの会社は、三井住友グループの一員で、法人相手に同グループの確定拠出年金を販売したり、退職金の給付などに関してコンサルティングをする会社のようです。

住友生命のiDeCo以外にも、三井住友銀行などの同グループの確定拠出年金を取り扱ってはいますが、どの会社の確定拠出年金を使うかどうか等の話しも含めて、NINA様から質問や要望を受けても、話しの持って行き先としては見当違いになってしまうので、先方も困惑するばかりだと思います。

ただし、個人投資家として低コストのインデックスファンドが必要だとか、そのような要望を耳にする機会自体が少ないでしょうから、一定の意義はあると思います。

(同じ三井住友グループの他の会社の企業型確定拠出年金の商品ラインナップは、その年金を導入している企業の社員でないと、具体的には分かりません。どなたかお勤めの人、情報のご提供をお願いいたします。⇒情報提供の連絡先はコチラ

ポイントになるのは、あくまでも勤務先の会社になります。会社の担当者が「DCに関してはあまり詳しくない」のはいかにもありがちな話しで、そんな担当だからこそ、住友生命のボッタクリ確定拠出年金をそのまま受け入れてしまうのでしょうね。J- PECからしたらまさに「好き放題」という事になります。

したがって今後、会社の確定拠出年金のラインナップに、低コストのインデックスファンドを揃えてもらえるように働きかけるしかありません。会社がその必要性を認めて、会社からJ- PECに要望を伝える。世の中の仕組み上、これしかないと思います。

会社の担当者だからと言っても金融には全く疎いケースが多分にあると思いますので、シンドイ作業にはなりますが、アクティブファンドの大半がインデックスファンドには勝てない事実や、わずかなコストも30年積もり重なると、元本を大きく蝕む元凶である事などなど、粘り強く説得するしかないでしょう。

もしも会社に労働組合が有ったら、そこに改善の要望を伝えるというのも一つの手です。同じような不満を抱えた人がいるとしたら、その人と協力して会社に働きかけるというのも手でしょう。いずれにしても企業とか世の中はなかなか変わらないので、少しずつ慌てないで地道に、それこそ投資をコツコツとやるのと同じような気持ちで対応すると良いですよ。

なお、監督官庁に対して「投資家の不利益になる品ぞろえしか存在しない」と申し立てるのも、一つの手です。だからと言ってすぐには変わるとは思えませんが、色んな方面からジワジワと変化を促すことになりますね。

確定拠出年金の場合は厚生労働省が管轄になりますので、そこに苦情を申し立てると良いでしょう。(金融庁はNISAを管轄していて、確定拠出年金は管轄外です。)


 


マッチング拠出や個人型確定拠出年金に関して

マッチング拠出や、個人型確定拠出年金に加入できるようになるかも、完全に勤務先の会社の対応がカギになります。

まず最初に、会社としてマッチング拠出を今後も行うつもりが無いのか、確認する必要が有ります。「おそらく無いよ」、という事ならば、2017年1月以降は個人型確定拠出年金に加入する資格がある事になります。

この場合、会社の企業年金が企業型確定拠出年金しか存在しない場合は月額2万円を、企業型確定拠出年金も含めて、確定給付型年金なども存在する場合は月額1万2000円を、個人型として拠出できることになります。

ただし、肝心なのはここからです。企業型と個人型を併用することができるのは、次の2点がきちんと確認できた場合のみになります。ここがあやふやなまま、個人型確定拠出年金に加入する事は出来ません。

・会社にマッチング拠出が無い
・会社の規約に個人型確定拠出年金に加入できると定めがある事



したがって、個人型確定拠出年金に加入するには、やはり会社のDCの担当者とのコミュニケーションが、まず必要になるという事ですね。もしかしたら、既に規約に定めが有って個人型にも加入できる制度になっている可能性はあるので、一応、確認しておいた方が良いでしょう。

その時に「規約無し」とはっきりしたら、その場で「個人型にも加入したいので、規約を変更してください」と言っておきたいところですね。もちろん会社の規約を変えるにはかなりの稟議が必要になるでしょうから、これも地道に要請していくしかありません。

参考に、日本生命の企業型確定拠出年金の「規約のページ」をリンクしておきます。企業年金に関する規約は「事業主は労使合意に基づき企業型年金規約を作成し、厚生労働大臣の承認を受ける必要があります」とありますので、簡単にできるものではなさそうです。

https://www.nissay.co.jp/hojin/shohin/fukuri/taishoku/401k/kaishi.html


規約の作成には、冒頭に出てきたJ- PECがコンサルティングとして1枚絡んでくると思いますので、やはり勤務先の担当者の理解が必要になるでしょう。


資産配分の変更は徐々にやれば良い、長期投資をするのですから

最後に、現在NISA口座に積み立てているファンドの件です。アセットアロケーションを最適化するのに伴い、既に保有している下記ファンドを売却すべきかどうかですよね。これは、個人投資家の性格にもよると思います。

ニッセイTOPIXインデックスファンド
ニッセイ国内債券ファンド
三井住友・DC全海外株式インデックスファンド


個人的には2016年の秋から積み立てているのであって、金額的にはまだ大したことがありませんし、上記のファンドは十分低コストで、長期間保有しても全く問題ないものばかりですから、ここで売却して資産配分を調整するのではなく、今後積み立てるファンドの金額のさじ加減を変えて、少しずつ希望する資産配分に修正していけば良いだけではないでしょうか。

けれどもそれがなんとなく心地よくないと感じるならば、既に積み立てた分の枠が無駄になりますが、売却を伴った資産配分の調整を行えば良いだけです。どちらの方式を取ったとしても、正解や間違いがある訳ではありません。

目指すべきゴールは、10年単位の時間が経過した「向こう側」にあります。今この瞬間にフォーカスしすぎると、デイトレーダーのような短い時間軸でトレードする人以外の投資家は疲労がたまるだけですから、あくまでも長期目線で対応していきましょう。



追記!お返事を頂きました(^^♪

こんにちは。 本当に毎回、丁寧なお返事に感動しております。確定拠出年金、マッチング拠出、個人型確定拠出云々に関しては簡単には解決できそうにもありませんね。

時間はかかるかもしれませんが、まずは会社の担当者の心を動かせるよう、戦略を練って挑みたいと思います。

それから、資産配分についてもアドバイス、ありがとうございます。私もあれから考えた結果、ファンドを追加することにしました。全資産の見直しをした際に、余裕資産が結構あったので、この機会にファンドを追加することで すっきりさせてみました。

後は、自分がこれだと思ったアセットアローケション通りに毎月積み立てをして、また半年後、一年後に見直し作業を行って資産運用していきたいと思います。

最後に、NISAについてですが、考えれば考えるほど私にとってはあまりメリットを感じなくなりました。長期運用を考えているので、私にはNISAの恩恵はあまり関係ないと思うようになりました。

堀田様のブログに何度か登場されるカンさんもおっしゃっているように、NISA口座で管理していくのはたしかに面倒かなと感じました。ただ、今後また考えがかわるかもしれません。その時期が来たらまた考えて実践していこうと思います。

最後になりますが、堀田様のサイトに出会えたらこと、本当に感謝しております。今後も応援しております!!!頑張ってください!




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