積み立て投資をする上で感じる「不安」は、リスク許容度の根源

今後、投資信託の積立をしていこうと考えていらっしゃる方からのご相談です。2つの案を考えてみた中で、少し不安を感じておられるようです。漠然としていますが、結構大事な事です。


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債券が少なくて不安を感じます

2017年4月:MR様(女性・30代)よりのご質問

はじめまして、投資信託初心者です。積み立て投資を始めるにあたり、本を読んだりネットで情報収集をして、自分なりにアセットアロケーションを考えてみましたが、悩んでしまいました。周囲に詳しい人もおらず、是非ともご意見・ご感想を頂戴したくご連絡差し上げました。

アロケーションは以下の2パターンで考えております。個人的には、まだ30代前半ということもあり、少し攻めの姿勢でAで行きたいと考えているのですが、全体的に債券が少なすぎる印象があり、不安があります。

運用は20年?30年、月々の積立額は30000円前後を考えております。 お忙しい中大変恐縮ではございますが、どうぞ宜しくお願い致します。

A) アセットアロケーション分析結果:期待リターン4.36%、リスク14.01%

・日本株式:40%
・日本債券:17%
・先進国株式:27%
・先進国債券:4%
・新興国株式:5%
・国内外リート:7%


B) アセットアロケーション分析結果:期待リターン3.87%、リスク11.21%

・日本株式:36%
・日本債券:20%
・先進国株式:17%
・先進国債券:17%
・新興国株式:2%
・国内外リート:8%



 


ご回答:「不安感」の直感のほうを、基本的には信じましょう

投資と不安感について・・・リスク許容度の根源的な部分

ご質問、ありがとうございました。アセットアロケーションなどと言うものは最初は非常にとっつきにくい言葉ですから、かなり頭を悩ませたのではないかと思います。その中で2つの案をご提示いただき、そして相談されるのですから、だいぶ頑張りましたね。

まず最初に、今感じていらっしゃる「不安感」についてです。投資と言うのは未来を信じて自分の資産を今一時的に投げ出す行為です。当然元本保証なども無く、投げたものが返ってこないのではないかと言う不安を強く感じます。

投資で感じる不安


これはどんなに経験を積んだ投資家でも、必ず感じるものです。老若男女問わず、投資に不安を抱かない人は、皆無に等しいです。そしてそこが、リスク許容度を考えるにあたって、最も大切な部分になります。

リスク許容度は不安感だけでなく、今現在の預貯金の状況、仕事が安定的かどうか、子供の有無や数、両親の経済的状況などによってかなり左右されます。しかし根源的な部分は、投資家が感じる不安感にあると思います。つまり、性格が色濃く反映されると言って良いでしょう。

専業投資家であれば、この不安感を強引にねじ伏せて、つまり一定程度「性格改造」を行ってでも、不安感を何とか退治しなくては生活できません。

しかしごく普通の人にとっては、投資で感じる不安感などは余計なものだとしか言いようが無く、こんな不安を高めたままではQOL(クオリティオブライフ・生活の質)が低くなってしまいます。

したがって、不安を感じるとしたらリスクの取り過ぎの恐れがありますので、より不安の少ないアセットアロケーションを選んだ方が良いと思います。

ただし漠然としたままで判断するのもいけないので、数字として出てきたリスクとリターンのうち、リスクの部分をもう一度見て頂いて、仮にMR様に投資で出来た1000万円の資産があったとして、それが一時的なリスクでどの程度減る可能性が有るのか、その部分を確認していただき、感じている不安感が数字でも説明が付くのかどうかをチェックしてみて下さい。

参考投資信託のリスクとリターンを具体的にチェック(必読です)


個人的な意見ですが、「不安」に関する直感は、当たる事が多いような気がします。お付き合いする男女でイメージすると、分かりやすいかもしれません。

「ああ、この人と付き合っていると何か不安を感じる」という事が多いと、たいていはそのお付き合いがダメになるケースが多いような、そんな気がします。そしてそれと、投資に感じる不安は、何か似ているような気がするのですが、、、考えすぎかもしれませんが。


リスクリターンの数字を、再チェックしてください

案Aについては、確かにリスク許容度の高い人向けです。ブレーキの効きにくい車を操縦するようなもので、一度も投資をしたことが無い人だと、より不安感が増幅されると思います。MR様は案Bの方が不安感が少ないとの事でしたので、Bの数字をチェックしてみました。

リスクとリターンの数字を見ていて、株式(+リート)への投資比率が6割を超えているのにリターンが4%に満たないのは低すぎるなと感じたので、当方でも中身を再確認してみました。

その結果が、以下の通りになります。もしかしたら当方のツールとは別の何かでリスクリターン特性を確認されたのかもしれませんが、当サイト的には以下の通りです。

案Bのアセットアロケーションの再確認


リスクについてはあまり変わりませんが、リターンが5.2%になります。仮にこの期待リターンで30年間3万円を積み立てると、2470万円の資産が出来上がるシミュレーションになります。

これでもリスクを取りすぎているなと感じたら、さらに安全資産である国内債券の比率を高めて、リスクを少なくする方向にすると良いでしょう。具体的には国内外のリートをゼロにして、日本の債券の比率をその分上昇させると、丁度良い塩梅になるかもしれません。

ただし、投資も人生も思ったようにいかないのが常です(だからこそ、リスク許容度を考えることが大事)。30年も投資すると、目の前が真っ暗になるくらいの大暴落を必ず体験しますので、その事だけは「そういうものだ」と思って、覚悟はしておいてください。

そして、そういう嵐が過ぎ去るのをいつもと変わらぬ暮らしで凌ぐことができた人だけが、将来大きな資産を形成できることになるのです。投資におけるQOLが高い人は、それが出来てしまいます。MR様の投資の成功と、生活の安泰をお祈りしております!





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