個人年金保険を解約してインデックス投資をしようとしたものの・・・

個人年金保険を解約して、これからインデックス投資をやっていこうとした矢先に、色々と疑問が出てきた主婦の方からのご質問になります。


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インデックス投資に期待しすぎでしょうか?

2017年4月:bisukoko様(女性・30代)からのご質問

始めまして。私は38歳パート主婦で、主人(43歳会社員)の二人暮らしです。断捨離→家計もミニマル化→積立投信しよう!という流れでこちらへ辿り着きました。「半値になっても儲かるつみたて投資」等、この1カ月で本を8冊読み、ブログも読み漁りました。

インデックス投資と個人年金保険


これまでは節税目的で、主人の企業型DCで定期預金のみしてきました。このままではインフレ負けしてしまうと感じ、こちらのサイトを参考に、これからのアセットアロケーションを決定しました。うんうん唸って考えた主人と私のNISA+確定拠出年金の合算内訳は以下になりました。

・先進国株式→27.2%
・日本株式→18.1%
・新興国株式→1.9%
・先進国債券→15%
・日本債券→21.6%
・先進国リート→8.9%
・日本リート→7.3%

(コスト0.35% リスク10.95% リターン5.17%)  ※「もっとお金の話がしたい」資産配分web使用

私はセゾン投信でNISA、SBI証券でDC、主人はSBI証券でNISA・DCは企業型になります。 SBIと企業型DCではいずれも低コストのものを選びました。積立額は夫婦で12万/月ほどの予定です。目標は主人60歳時に3000万です。

リスクに関しては、2標準偏差まで想定しました。口座も開き、あとは毎月の積立が始まるのみというところまで来て、「ファンドの海」長期投資予想/アセットアロケーション分析に夫が60歳になるまでの積立を入力したところで、以下の結果に固まってしまいました。

・期待リターン3.59% リスク11.42%。 16年間の総投資額は 2373.9万円 です
・いちばん起こりそうな運用結果は2851.5万円 です(最頻値)
・年率にして約 1.2%です

・運用結果が 2662.4万円 以上になる可能性は高く(確率70%)
・もしかしたら3073.1万円 以上になるかもしれません(確率50%)
・しかし、 3547.2万円 以上になる可能性はそれほど高くありません(確率30%)

・期待リターンの複利では 3190.3万円 になります(期待値)
・ただしその確率は 44.6% です
・元本割れする確率は 17.3% です



い、1.2%?!?!最頻値年率1.2%という数字に結構ショックを受けました。この間解約した個人年金のリターン(年利換算で1.5%)より低い・・・。よくよくみてみると、「もっとお金の話がしたい」さんと「ファンドの海」さんではそもそものリスクとリターン設定数値が異なることに気づきました。

積立投資という小さな芽にキラキラしたものを感じ、楽しく学んでいざ実践!というところまできて、勉強すればするほどよくわからなくなってきてます。

大きな目でとらえると世界は毎年少しずつ成長している、それに複利の効果も合わせて資産を増やしたいと思ったのに、期待値1.2%。リスクとリターンと複利の関係に頭がこんがらがってます。私はインデックスファンドに期待し過ぎなんでしょうか?



 


ご回答:あくまでも期待リターンは期待リターン、インデックス投資に期待で良い

もっとシンプルに考えてみましょう

ご質問、ありがとうございます。かなり勉強されて、いざ積み立て投資をしようと言う段になって、何が正しいのか分からなくなってしまった訳ですね。

確かにツールによって期待リターンの数字が異なります。ファンドの海を使って期待リターンとリスクを算出すると、当方がやってみた数字では、以下の通りとなります。国内リートは国内株に、先進国リートは先進国株式に参入して出しています。




これを、毎月12万円の積立で20年間継続した場合、当方が確認した数字では、以下のようになります。確かに年率1.3%の数字を見ると、「???」となりますよね。しかし、ファンドの海がどのような仕組みでこういった数字を算出しているのか、当方には分かりかねます。




20年間の投資総額は、2880万円になります。「一番起こりそうな運用結果」が、このツールが言うように仮に3749万円とすると、複利計算上のリターンは、2.5%になります。下記は、楽天証券の複利計算ツールを使って計算しています。




また、投資額2880万円に対して、運用結果が3749万円になるとしたら、単純計算で130%になります。この130%と言う数字は、個人年金保険でいうところの「返戻率」と、単純には比較できませんが、比べるときの最も近い考え方だと思います。

個人年金保険で、20年間の運用で返戻率が130%と言うものは、私が知る限りでは存在しないと思います。どんなに高くても、120%くらいなのではないでしょうか?

これが40年になると、個人年金保険でも130%近い返戻率になるでしょう。しかしこの場合、積み立て投資の場合は更に複利効果が高まりますので、170%超になります。これだけ見ても、明らかに積み立て投資のほうが魅力的に思えます。

今回記したような事をネット上で分かりやすく記事にしたものはないかなと検索してみたところ、下記の記事が似たような事を書いてあるのを見つけました。

比べてみよう自分年金【個人年金保険VS投信積立】


書いているのはアブラハムグループで、この会社はいつかはゆかしという商品で詐欺を働いたとんでもない会社ですが、ここで書いている事は普通にマトモです・笑。

それだけではありません。積み立て投資の場合、相場に波が有ります。今のように、数年間にわたって順調に相場が右肩上がりの時だけでなく、必ずリーマンショックなどの大嵐に見舞われます。

この時、ドルコスト平均法で積み立てしていれば、相場の低迷期には口数を多量に仕込むことが出来るので、相場が戻った時の資産の増加は、想像以上になるはずです。

もちろん、ドルコスト平均法でやろうが一括投資しようが、投資対象の期待リターンは変わりませんから、その意味で有利不利は無いけれども、相場低迷期に多量に買えるのが積み立て投資の良いところで、それがあるからこそ、「半値になっても儲かる」という現象が生じたり、普通に相場が戻ってさらに上昇すれば、「想定外の利益」も得る事ができるはずです。

それと、期待リターンと言う数字は、それぞれのアセットクラスに要求できる、平均的なリターンになります。従って、投資をする上では明らかにその数字だけを考えていればよいのであって、そこから更に最頻値とか元本割れの確率とか、来てみないと分からない未来の話しを考え出すのは、明らかに混乱してしまいます

ある意味、そのような未来の不確実な計算は、絵に描いた餅状態でもあります。不確実性については、やはりリスクの数字を見ているだけでよろしいかと思います。

bisukoko様のやられたように、2標準偏差まで想定してリスク管理をする、というようなシンプルな考え方でOKです。リーマンショック時は3標準偏差まで行きましたので、場合によってはそのような事もあるかもしれないと、頭に入れておいてください。

さらに、例えば2標準偏差のマイナスは単年度のものなので、場合によっては2年連続で2標準偏差の下ぶれも、可能性としては無いとは言えません。その辺りも想定して、一時的にはかなり大きな元本割れもありうると想定しておけば良いと思います。

もっと単純化して、イメージすることもできます。期待リターンを、

・日本株:5%
・先進国株:5%
・新興国株:9%
・日本国債:0.5%
・先進国債券:1%


くらいに、まあこんな程度だろうなとざっくりと決めてしまいます。ツールよりも明らかに低い数字になりますが、自分が納得できる感覚値で全く構いません。(上記は私の肌感覚ですが、過度に期待しすぎないという意味ではこの程度でも良いと思います。)

そしてそれを資産配分比率に沿って加重平均してやると、3.504%の期待リターンとなります。とてもじゃないですが、個人年金保険などやっていられません。先ほどの楽天証券の複利計算のツールを使うと以下の通りで、余裕で3000万円などを超過すると分かります。




リスクについては数字を正確に把握するのは難しいので、ザックリ11%で良いでしょう。2標準偏差だとマイナス18.5%くらいはあり得て、3標準偏差では29.5%のマイナスがあり得るという事です。

最悪に近い事態が発生したら、一時的にまあ3割程度、世界の終りのような状況を感じたら半分程度落ちることがあり得る、と認識しておけば、まず問題無いのではないかと思います。

仮に積み立て途中の10年後に、1700万円程度の資産が貯まった時に3標準偏差の大暴落が有ったとしたら、一時的に資産が500万円強減って、1190万円程度になるという事です。半分では850万円になります。

しかし、こんな事は投資の世界では当たり前でもあります。このようなリスクもあり得るから積み立て投資が非常に生きてきます。また、保険などに比べてはるかに高いリターンも期待できるのです。だからこそ皆、比較的豊かな暮らしをする層は、一様に投資をする訳です。

このような富裕、あるいは準富裕層の人達は、2標準偏差以上の大暴落が来たら「待ってました」とばかりに徹底的に追加で資金を投入して、投資信託の口数を増やすような行動に出ます。

リスクとリターンはそこが大事で、リスク=不確実性が高まったタイミングで積極的になる事で、よりリターンを高める事ができるのです。これも保険とは全く別次元の世界です。

(ちなみに、世界の終わりと思えるような想定外に近い事態が起きたら、個人年金保険の運用をする会社が破たんするかもしれませんねよ。そうなれば、個人年金保険は砂上の楼閣です。投資に想定外があるのだとしたら、個人年金保険保険にも想定外はあると、イメージしておきましょう。)


まだ視点が「貯金」にあるのだとしたら、投資に慣れることが大事

今回の悩みの種はどこにあるのかなと考えてみましたが、おそらく、将来に戻ってくる金額が確定している金融商品に対して、投資と言うのは一切それが分からないから、かなりモヤモヤしてしまうのだと思います。

しかし、それは「捕らぬ狸の皮算用」です。絶対に3000万円貯まる見込みが無ければ投資などできないと言うのだとしたら、全く「投資脳」になっていない可能性が有ります。

投資に慣れる必要性


インデックス投資は期待リターンがかなり想像しやすくなるので(それに対しするリスクも)、結果が分からない投資の中でも、明らかに「分かりやすい商品」だと思います。

これがごく普通の株式投資だったら、期待リターンも何も、全く不明な状態になって投資をする事になります。その部分に真の投資の醍醐味があるのだとは思いますが、堅実な将来設計をする時には不向きとも言えます。

私がインデックス投資に期待するところは、そんな部分です。投資成果がこれほど想像しやすい投資は、これ以外では不動産投資しかありません。(債券投資も分かりやすいが、リターンが小さすぎて話にならない。)

なお、インデックス投資をする時はGPIFが長期の国際分散投資の王様ですので、常に参考にすると良いです。ブロガーのとよぴーさんが、最近のGPIFの運用成果をまとめて下さっているので、ご覧ください。

GPIF運用状況はインデックス投資の学べるユーチューバー!


GPIFの過去15年間の収益率は、年率換算で2.9%です。大半の期間において、現在よりもはるかに期待リターンの低いアセットアロケーションでしたが、この数字です。

GPIFを始めとして、世界中の機関投資家は、インデックス運用が投資の基本です。個人年金保険のような商品は、一見、そこそこ魅力があるように見えても、かなり低いところに利幅を設定するしかなく、加えてコストが極めて多大です。

機関投資家が保険など見向きもしないで、なぜインデックス運用を中心に「投資」をしているのかを考えてみれば、答えはおのずと決まってきます。

怒られるのを承知で書くと、個人年金保険でお金持ちになった人など、聞いたことがありません。個人年金保険は投資する意欲も努力もない人たちが金融機関の言いなりになって買わされる、ボッタクリ金融商品の1つと言えます。

保険会社が損したらやっていけなくなるので、ふつうは個人年金保険は投資に比較すると期待できる返戻率はかなり低くなります(ほぼ確定的ではあるが)。

それに対して、余計なコストを自分の意志で極限まで削減できて、期待リターンの調整もできるインデックス投資に期待する事は、私は全く問題ないと思えます。

なお、保険は元本保証だと考えている人がおられたら、それは全く違うと申し上げておきます。中途解約すると、かなり多くのケースで、元本を大幅に割る金額しか戻ってきません。私も法人用のがん保険を解約して、20%も元本割れしたことが有ります・笑。

人生、リーマンショックのような相場の嵐が来るよりも、リアルな生活で思ってもいない事態がやってくる可能性の方が、個人的な経験上、大きいような気がします。

この時に自由に解約しにくい個人年金保険よりも、(確定拠出年金は別として)好きな時に瞬時に解約して現金化する事の出来る投資の方が、やはりメリットが大きいと思います。

また、ここも重要なのですが、個人年金保険はインフレを全く想定しない金融商品です。デフレに慣れ切った日本人はインフレによる通貨の価値の減少を全く想定していませんが、インフレの可能性も考えるのであれば、株式や不動産への投資は王道になります。

この点においても、株やリートにも投資することで、定期預金や保険などよりも超過したリターンを期待できるインデックス投資のほうが、明らかに「期待」出来ると思うのですが。



追記:bisukoko様からお返事をいただきました!

質問への回答を頂きましたbisukokoです! 出張中にご丁寧にメールを下さり、戻ってからの素早いご回答にとても驚き感謝しています。

おっしゃる通り、私の解約した個人年金の返戻率は117%でした。入った当時は「お金が17%も増えて戻ってくるなんて、なんて良い仕組みなんだ」と思い、60歳までに解約すると元本割れする点すら逆にお金に手を付けないでいられて安心!なんて思っていました。投資とか複利とか今まで考えたこともありませんでした。

堀田様の回答にあった「未来の不確実な計算は、絵に描いた餅状態」というお言葉にもハッとなりました。せっかくインデックス投資という分かりやすい資産運用に出会えたのに、確率の話で自分で混乱を招いていたようです。これで自信をもって一歩を踏み出せます!

周りに話せる人がおらず本とネットによる知識のみだったので、正直「誰かに背中を押してほしい」という気持ちもありました。これからもこちらを参考にさせて頂き、主人との明るい未来のために資産形成を続けていきたく思っております。

具体的な数字や例を挙げつつ回答して下さって非常に分かりやすかったです。 本当にありがとうございました!





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