50代からの資産形成はどうしたら良いのか?

投資はできるだけ若いうちから、時間を味方にしてコツコツと資産を積み上げるのがベストに近いですが、例えば50代になってから資産運用に目覚めたとしても、一定程度は何とかなります。今回は50代半ばの方からのご質問です。


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50代半ばになり、積み立てを始めようと検討しています

2017年4月:まめのき様(女性・50代)からのご質問

こんにちは。50代半ばの会社員です。この年になり、ようやくイデコ(楽天証券)に加入し、同時にセゾン投信で積立を始めようと検討しております。




そこで、毎月の積立額についての質問です。現在定期預金に預けているものを少しずつセゾン投信の積立に置き換えて行こうと計画しております。

NISA口座で積立を考えているのですが、120万円の枠を有効利用するには月10万円の積立が必要ですが、ドルコスト平均の事を考えると毎月の積立額はもう少し減額した方が良いでしょうか? 年齢的にもそう若くはないので、まずは10年間積立をしたいと思っております。



 


ご回答:あまり不安に感じない範囲で、投資に回していきましょう

きちんとした貯蓄ができている場合

まめのき様、こんにちは。50代半ばとはいえ、個人型確定拠出年金(iDeCo)に興味を持ち、そこから投資全般に少しづつ関心が向いてきたようですね。

小難しいことを書くと、資本主義の世界に生きている住人は、投資をすることでお金に余裕が出てきます。世の中のお金持ちは一様に、貯金ではなくて投資で財産を築いています。

資本主義の制度の下では、労働者階級ではなく、資本家になることが大事です。資産家は皆全て、資本家であるといっても過言ではありません。

・・・と書くと、「私には起業して資本家になることなんて無理」と思うかもしれませんが、ITの発達で、私たちはいつでも資本家と労働者階級を好きなように行ったり来たりできるような、自由な時代に生きているのです。




そう、ネット証券を通じて、手軽に企業の株を買うことができる時代なのです。ほんの1株を保有するだけで、それはあなたが資本家の仲間入りを果たしたことを意味します。

個別銘柄を買うのではなくて、まめのき様のように投資信託を買っても、複数の企業に投資する資本家になったことを意味します。

より強力な資本家になろうと思ったら、とにかくたくさんの資産を買う事です。いや、現金を、株や不動産に交換すること、と言っても良いかもしれません。

余ったお金で資産を「買える」という感覚ではなくて、常に現金を資産に「変える」というイメージになると、投資が全く苦にならなくなります。

株や不動産は景気が悪くなると大きく元本割れしますが、逆に景気が良くなると驚くくらいの利益をもたらします。また、景気が悪くても良くても、一定程度の配当が積み重なりますので、長期に保有すればするほどメリットが大きいです。

というような事を書かせていただいて、結論めいたことを申し上げることになります。もしもまめのき様が投資に回せるお金が余裕資金であるとしたら、はじめは個人型確定拠出年金の限度額の上限程度を投資してみて、特に不安やある種のプレッシャーを感じることが少ないのであれば、NISA口座も活用して、投資金額を増やすと良いでしょう

NISAでは月に10万円を投資することになりますが、ドルコスト平均法による積み立ては特段、有利でも不利でもありませんので、その点は気にすることはありません。

参考ドルコスト平均法は気休めか詐欺か?
参考一括投資の方がドルコスト平均法の積立投資より良いのでは?


ただしリスク許容度をしっかり考えよう

投資の未経験者にとって大事なのは、この10万円が不安の種にならないかどうかに尽きると思います。不安でなければ、いくら大きな資金を積み立てても、何ら問題はありません。

肝心なのは、相場が大きく下落する方向に動いたときに、資産の減少を極力抑えるような資産配分をあらかじめ考えておいたかどうかです。

下落相場では株や不動産の価格が下がる一方で、安全資産と言われる債券にお金が流れます。したがって、株だけでなくて債券にも分散投資をしていれば、下落時の元本割れのダメージを緩和させることができます。

今お考えのセゾン投信であれば、株への集中投資で期待リターンは高いものの、相場の低迷i時には非常に大きな下落があるのが、セゾン資産形成の達人ファンドです。

一方セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドでは、株だけでなくて半分は債券に投資しているため、下落相場での基準価額の下げは、資産形成の達人ファンドよりもマイルドになっているのが分かると思います。




説明したようなことをチャートで表すと、上記のように一目瞭然です。2015年夏場に、資産形成の達人ファンドに例えば1000万円投資していたならば、2016年の年明けにかけて基準価額は約3割も下落しました。つまり300万円の元本割れをしていたはずです。

これがセゾン・バンガードファンドであれば15%程度の下落ですから、半分に抑えられたことになります。この基準価額のバラツキが投資でいうところのリスクであり、それを受け入れられるかどうか具体的にイメージするのが、リスク許容度になります。

このような視点で考えて、資産配分を決定しましょう。どの資産にどの程度投資するかを、アセットアロケーションと言います。

アセットアロケーションを決めることは、ドライブでいうところの「ナビをセットする」ことに等しいでしょう。そして株や不動産は車のエンジン、債券は車のブレーキになります。

エンジンが強力すぎると事故を起こす「リスク」が高まります。そんなにスピードを出して大丈夫かどうか、それが不安ならば「リスク許容度」が高すぎることになりますから、エンジンの「出力」を下げて、ブレーキの効果を高めることが必要です。

まめのき様の場合、年齢が既に50代半ばですから、投資でお金を大きくする場合は、もちろんリスク許容度を高めて期待リターンを高めることも1つの手ですが、失敗すると元本割れが大きくなりかねないので、その後のリカバリーが難しくなります。

であれば残された手は、リスクが低めのアセットアロケーションを組んで、金額を大きくするという事になるでしょう。したがって私ならば、十分に株や債券に分散投資を行うようなアセットアロケーションを組み、月の積立金額を増やしますね。

もちろんその場合でも、もしもの備えという意味での現金にまで手を付けてはいけません。日常生活で必要な資金を半年~1年分程度確保したうえで、残りを投資に回すスタンスで宜しいかと思います。

それでも「金額が大きいと不安だな」と感じた場合は、リスクが高すぎる証拠ですから、再度立ち止まってご自身のリスク許容度と向き合って、資産配分の変更や、投資金額の削減をしてみると良いでしょう。

ただその場合においても、冒頭に記したように「資本家」の仲間入りを果たしますので、貯金とは性質の異なる資産の増え方を体感することになります。まめのき様の視野も、貯金オンリーの時とは違った広がりを見せることになると思いますよ。


貯蓄がほとんど無いケースでは

今までは貯蓄がある程度ある場合について、資産形成をどうしたら良いのか、回答してきました。が、本ページをご覧になった人の中には、ほとんど貯金が無い人もおられると思います。

その場合はどうしたら良いかというと、投資で資産を増やすのは無理だ、と考えてください。もちろん投資はギャンブルの側面も強いので、手持ちの資産をごく限られた株の購入に回して、それが二倍三倍になるような期待をするのも、ありと言えばありです。

しかし株式投資でギャンブル的な取引をするには、「才能」がものを言います。一定の博才が無い人には、そんな芸当は100%無理でしょう。なけなしの金まで失って、それで住む所がなくなったらまさにホームレスですから、そんな使い方をしてはなりません。

もしも50代になって全くお金がなかったとしたら、まず最初にすることは、十分な反省です。キリギリスのような生活をしてきた人生を、悔い改めることから始めましょう。




あとは、ひたすらに節約をして、プラスアルファの副業をして収入を増やす。この両輪が必須です。1年程度の生活資金が貯まったら、その後はようやくにして投資に回せます。半分を貯金にして残り半分を投資に回します。

翌年は半分の貯金のうち、さらに半分を追加で投資に回していって、少しでも貧困寸前の身を、資本家階級に昇格すべく、努力すると良いでしょう。

人生に「一発逆転」なんて、ほぼほぼありません。そんな考え方こそギャンブルでありますので、地道に一歩ずつ、自分の庭を広げるかのごとく、投資でジワジワとお金を増やしていきましょう。

努力を重ねていけば、10年経ったら、自分でも思ってもいなかったような資産が積みあがるはずです。それが投資であり、資産運用なのです。

積みあがった投資資産を取り崩して、あるいは配当金で生活することができれば、正真正銘の資本家階級です。資産運用を行うのであれば、そのあたりをゴールにするのも現実的かもしれませんね。



追記:お返事をいただきました(^^♪

ご丁寧な回答ありがとうございました。今まで、投資はギャンブルだという先入観しかなく、 先日楽天証券のイデコのセミナーに参加し、目から鱗が落ちるようでした

堀田さまのお言葉で、私もようやく投資家としての覚悟を持ち、一歩を踏み出す事ができそうです。子供たちも独立し、働けるもころまでしっかりと働き、無理せず少しずつ楽しんで初めてみようと思います。どうもありがとうございました!




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