変額個人年金保険をやめて投資信託にしようか迷っています

ソニー生命の変額個人年金保険に3本加入しているという主婦の方から、以下のようなご質問が有りました。保険の見直しの一環として、保険を解約後にもうちょっと投資に向き合っていきたいとのご意向です。

ソニー生命の変額個人年金保険


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多岐にわたる質問になりますが、ご教示ください

2017年5月:Aoi Yuz様(女性・30代)からのご質問

はじめまして。ご相談させていただきたくお願い申し上げます。アッセトアロケーションがとても大切とのことで、悩んでしまい、スタートラインに立てません。

保険の見直しをきっかけに投資信託にたどり着きました。現在加入中の変額保険を解約して自分で投資信託で運用すべきでしょうか? また401Kではどのようなファンドを選ぶべきでしょうか?




現在、投資信託で資産運用しようと勉強中です。主に老後資金です。家族構成は夫(39)妻(39)子(1)です。

・変額個人年金 100万円×2本(2007年 一時払い 現在の解約返戻金150万、120万)
・変額有期型 200万(2014年 一時払い 現在の解約返戻金230万)


に入っています。全てソニー生命のものです。その他、企業型確定拠出年金(401K)に現在までで250万拠出しています(評価額380万)。

401Kは野村のマイストーリー株75というファンドで国内株式45%外国株式30%債券25%というバランスファンドに15年積立てています。。。というかほったらかしていました。よく調べてみると信託報酬が1.30%とお高めで。。。 (管理会社は野村証券)

我が家のおかねを

A何かあった時用 生活費2年分(普通預金?) 残りを
Bリスク資産60~70%
C無リスク資産30~40% (定期預金、10年国債、MMFなどを検討中)



の3つに分け、Bのリスク資産分を投資信託で運用しようと考えています。リスク資産をインデックスファンドもしくは信託報酬の安いファンドで先進国株式60%、日本株式20%、新興国株式20%で運用したいと考えています。 そこで、

、変額保険を解約して自分で投資信託で運用すべきか?(8つの特別勘定があり、自分で選択して運用できるようです)手数料的に解約した方が良いのでしょうが、そこそこ利益が出ているので、本当に解約していいのか迷ってしまいます。

解約しない場合 3本あるわけですが、それぞれ同じポートフォリオにするべきか、1つは先進国、1つは先進国株式と新興国株式、もう一つは日本株式というように全リスク資産で考えて、それぞれのクラスのファンド(特別勘定)を当てはめていくべきでしょうか?

、1の質問と内容は同じようですが、401Kは先進国株式だけなど1つのクラスを当てはめるべきでしょうか? 401Kの中だけで先進国株式60%、日本株式20%、新興国株式20%運用という同じポートフォリオで運用すべきでしょうか?

、無リスク資産からリスク資産へ移行する場合、その間の積立て額を増やして移行していくべきですか?一括購入のほうが良いのでしょうか?

前者には時間分散のメッリトよりも機会損失のデメリットの方が大きいという見解を目にしますが、現在 株高という理由で一括投資に踏み切れそうにありません(それならばリスク許容度が間違っているということになるようですが、安い時にスポット購入すべきという意見もあり・・・)。

1~3の質問は1つの括り(401KとかNISAとか変額保険とか・・ ・)のなかでそれぞれ同じポートフォリオを持つべきか、全リスク資産の中で最適と思われる資産クラスのファンドを当てはめていくべきかということですが、堀田様のブログでは後者を薦めていらっしゃるようにお見受けします。

山崎元さんの本にもそのように書いてありました。私も後者の方がシンプルで良いと思っているのですが、リバランスが難しそうだという考えに行きつきまして。それぞれメリット・デメリットがありましたら教えて頂きたく思います。

、無リスク資産を確保しておくことでリスクを軽減させるので、債券クラスは必要ないと考えたのですが、どうでしょうか?無リスク資産の割合を減らして債券クラスを持つのとどちらが良いのでしょうか?利率が下がれば債券価格が上がる ⇒国内債券は上がる余地があるのでしょうか?

、ベンチマークと基準価額について。 ベンチマークが日経225なら日経平均株価TOPIXならTOPIXを参考にすれば良いんですよね?MSCIコクサイなるものやMSCIエマージングマーケットなるものは何を見るとわかるのでしょうか?

また購入時の基準価額は高い低いは気にする必要がないと聞きますが、購入時と現在の基準価額の高低差はそのままイコール損益ですか?

、そもそもこのアセットアロケーションでよいでしょうか?教育費は別に用意しています。 スタートラインにも立っていない初心者以前の基本的な質問でお恥ずかしいのですが、お時間ございます時にご教示いた だけますと、飛びあがって喜びます。



 


ご回答:シンプルに考えて判断すると、おのずと結果は見えてきます

まず、変額年金に資金を投入している目的を考える

Aoi Yuz様、お便りいただきまして、ありがとうございました。今回はご質問が非常に多いので、かなり簡便にお答えします。悩めば悩むほど、シンプルに考えることが必要だと思いますので、順番に以下の通り、当方の考えを記しますね。

まず変額年金保険ですが、中身は「投資信託を使った投資」そのものです。アセットアロケーションを勝手に保険会社が決めるのと、コストがいくらかかっているのかが知らされないだけだけの商品と言えます。

投資なのに「保険」とか「年金」などというネーミングで上手に胡麻化して、投資は怖いという人をまんまと取り込むことに成功している商品ですね。

自分で投資して管理することができる人にとっては、全く不要な存在であり、そもそもどれだけコストが抜き取られているのかわからない商品などは検討に値せず(猛烈な高コストだと言われています)、そのコストを大幅に削減すれば自分のリターンは明確にアップするのですから、こんな不利な商品で投資をすることは極めて非合理的な行動と言えます。

保険というのは生活上のリスクをヘッジする金融商品ですから、シングルマザーが生命保険に入ったり、車を運転する人が自動車保険に入ったり、家を買う人が火災保険に入ったりするのは、高コストであっても意味が有るのです。

現在の変額保険を、私だったら躊躇なく解約します。例え返戻金がマイナスであったとしても、不合理な商品などは必要ありません。あるいはその瞬間に資金が必要だと判断した時も、損益に関係せずに現金化するタイミングです。(私は返戻金が2割の元本割れの時も、保険を解約したことが有ります。解約するのに損益など無関係です。)

今回は損益がプラスになっているから悩んでいるようですが、だとしたら全く損はしないわけで、いったい何を悩んでいるのか、よく分かりません。

参考老後の貯蓄は保険?投資?財形?30年後に楽したい
参考アクサ生命のアップサイドプラスなど買う理由無し
参考三井住友信託銀行から推奨された保険などダメ
参考テルママ式投資法についてどう思いますか?


企業型確定拠出年金の使い方について

投資をする場合は、企業型確定拠出年金口座も含めて、ご家族の保有する投資用の口座をトータルして、アセットアロケーションを決めてください。(離婚の可能性のある人は別だが)

そして、長期間の投資が前提になる口座にリスクの高いものを割り当てます。したがって、企業型確定拠出年金には外国株や外国REITなどをはめ込むのが基本です。しかし401K以外に投資をしないのであれば、その中でアセットアロケーションを考えてください。

NISA口座も開設する予定ならば、この部分は外国株よりも少しリスクの少ない、例えば同じ株でも為替リスクが存在しない分、多少リスクが低めになる日本株を当てはめるのが良いでしょう。(絶対に節税メリットを活かすために、あえてリスクが極小の国内債券を当てはめるという人もいますが、それはそれで合理的な考えです。)

ところで、「アセットアロケーションはこれで良いでしょうか?」というご質問に関しては、それを考えるのが投資の大切な一歩なので、まずはご自身でお考え下さい。

なぜ、「外国株式、新興国株式、国内株式を6:2:2」にしようと思ったのでしょうか? あるいはどうして外国債券は含まれないのでしょうか?

長期投資で一番大切なのは、どんな商品を選ぶかではなくて、ひたすらアセットアロケーションをどうするかに尽きます。ここを他人任せにすることは、本来は許されないのです。ご自身の資産運用は、まずはご自身で考える。投資は自己責任なのです。

アセットアロケーションをどのように決めるのかについては、以下の参考2ページを熟読いただければと思います。

参考アセットアロケーションの決め方の具体例
参考投資信託のリスクとリターンを具体的にチェック


一括投資のメリット・デメリットについて

これについては、過去にもいくつか質問が来ております。以下を参考にしていただいて、判断されると良いでしょう。ご自身で合うと思えば、どちらでも構いません。

参考一括投資の方がドルコスト平均法の積立投資より良いのでは?
参考積立と一括購入はどちらが有利か?
参考800万円を投資信託に投入する時のタイミング


債券投資の必要性について

債券投資は、アセットアロケーションにおける守り神として考えましょう。金利が下がれば債券価格は上昇しますが、これ以上金利は下がりようがないから、債券価格は今後上がることは無いだろうな、というのは確かに一般的な見方です。

しかし、日本国債で儲けてやろうと考えるほうがおかしいのではないかと、私は思います。国債は安全資産であり、株式市場が急落した時の緩衝材的な役割を担います。

株が下がると債券価格が上昇することによる分散効果のために保有することが第一目的である事を、忘れてななりません。




そもそも相場を読まないからこそ、長期の国際分散投資、つまりはインデックス投資をするわけで、それなのに「今後は債券価格は上がらない」と「読んでしまう」事は、大いなる矛盾だと思います。

また、Aoi Yuz様は15年間、野村のマイストーリー株75を積み立ててこられましたが、2009年のリーマンショックの際の超大暴落の時に、ポートフォリオに25%分、含まれている国内債券が、資産トータルの減少を相当程度、緩和してくれていたはずです。

今のような上昇一辺倒の珍しい大相場では、投資は簡単に資産が増えるものだと思っている人が多すぎると思います。しかし相場とは本来、「あり得ないまさか」が必ずあります。

Aoi Yuz様が投資を完了される今後20年~30年の間に、絶望に打ちひしがれるような大暴落が、絶対必ず一度は襲ってきますので、アセットアロケーションを決める時は、その最悪の事態をイメージすることが大変重要なのです。

したがって、特に投資に慣れていない人、あるいは今まで投資の勉強をしてこなかった人は、国内債券の重要性を、特に認識すべきでしょう。一定の分散効果を高めるため、外国債券も含めて組み入れるほうが良いと思います。


無リスク資産について

上記とも関連します。国内債券クラスは金利が下がりきっているので、今後金利が上昇すれば国内債券の価格も下がるだろうから、国内債券クラスにおいては安全資産の日本債券インデックスファンドを買うのではなく、無リスク資産の個人向け国債を買って代用するというインデックス投資家も多いと思います。

これについては、個人向け国債を買ったとしても、株式クラスとの分散効果は一定程度保たれますので、個人向け国債でも良いと思います。

が、そこまで価格にこだわるならば、だったら元本保証であり、個人向け国債よりもはるかに金利の高い定期預金だけで十分だと思います。

定期預金については、当方別サイト「定期預金の鬼」をご覧いただければと思います。今現在においては、SBJ銀行が圧倒的にメリット大なので、無リスク資産の置き場所として検討すると良いでしょう。

しかし、こういうことをやると、国内債券クラスは不要だと言っているようなものであり、個人的にはインデックス投資としてはやや違和感を感じます。高金利定期預金をリスク資産のアセットアロケーションの安全資産として代用する事に、妙な割り切りが必要になりますね。


ベンチマークと基準価額の比較などについて

これについては、モーニングスターのサイトで確認しましょう。例えばTOPIXと、それに連動するインデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドを比較する場合です。

ファンド名を検索した後に、「他のファンドや指数と比較」のボタンをクリックすると、比較検討ができる画面に変わります。




この画面になりますので、TOPIXなどを選んで、「比較する」ボタンを押します。他のファンドと比べたい場合は「検索で探す」タブをクリックして、ファンド名を入力してから比較します。




購入時の基準価額は、もちろん安ければ安いほど上昇した時の果実も大きいので、それに越した事はありません。が、基準価額は株価とは違い、単純比較するようなものでもありません。

例えば上記の<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドと、同じ配当込みTOPIXをベンチマークとするSMT TOPIXインデックス・オープンを比べてみます。

基準価額が安いほうが良いなら、ニッセイのほうが良いという事になりますよね。けれどもチャートで見ると、両社はほとんど同一の運用成績です。つまり、今現在の基準価額で投資信託を選ぶというのは、全くの無意味であることが分かります




もちろん、安い時に仕込んだほう(買ったほうが)が利益が大きいというのは正しいです。

しかしそれは投資信託の基準価額を単純に見るのではなくて、例えば日経平均株価が1000円以上大暴落したとか、そういう「指標が安くなった時」に、それをベンチマークとする投資信託に追加投資をすれば、「安い時」に買える事になります。

積み立て投資と基準価額の関係については、語りだすと長くなります。これについては、半値になっても儲かる積み立て投資という驚くべき本が有りますので、これを一読されると仰天しつつも納得して投資ができますから、必ず目を通してくださいませ。


企業型確定拠出年金でセレクトするファンドについて

それにしても、野村のマイストーリーという高コスト過ぎる投資信託ではありましたが、15年間も積み立て投資を継続しているのは、十分すぎるほど立派です。既にAoi Yuz様とそのご家族はインデックス投資家であり、長期投資家として大きな実績を上げておられたという事です。

しかもあのリーマンショックの時でさえも投資を止めずに継続しており、それが今となっては大変大きな果実を生みつつあります。本当に素晴らしいです。

まさにこれが、長期の積み立て投資の凄いところであり、この実績をもってすれば、冒頭の変額個人年金保険などはリターンも少なく、大した事が無いと分かるのではないでしょうか。

さて野村證券の企業型確定拠出年金のファンドラインナップですが、個人型のiDeCoと変わりなしといったところですね。(⇒野村證券の確定拠出年金・個人型iDeCo

であれば、高コストのマイストーリーなどは使う必要は無く、今後、アセットアロケーションが決定したのちにスイッチングして、個別のファンドに切り替えると良いでしょう。

確定拠出年金は利益確定しても無税ですから、気軽に変更できますね。利確してスイッチングしたのちに相場の暴落が起きて評価がマイナスになったとしても、15年前を基準にして損益を考えてくださいね。

そして相場が暴落したら口数が増える絶好のチャンスですから、リーマンさえも乗り越えた偉大な投資家として、何ら慌てることなく、淡々と積み立てていきましょう。




長期投資家にとっては、暴落はたくさん買えるチャンス、暴騰は資産が大幅に増えるチャンスですから、何が有っても二度美味しいのです(^^♪





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