10代女性から、投資におけるリスク許容度についてのご相談

今回は、当サイトの質問コーナーが始まって以来の低い年齢、10代の若者からのご質問です。当サイト管理人が10代のころなど、クソの役にも立たないような低レベルな人間だった事を考えると、ご質問を頂くことだけで「凄い人だ!」と感動すら覚えました。


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もうすぐ20代になるならばもう少しリスクを負うべきでしょうか?

2018年1月:MK様(女性・10代)からのご連絡

もうすぐ20代になるので少し早いですが将来のことを考え投資信託をやりたいと思い、色々勉強してみてアセットアロケーションを組んでみたのですが

・先進国株:40% ニッセイ外国株式インデックスファンド
・日本株:10% ニッセイ日経225インデックスファンド
・日本債券:20% 三井住友・日本債券インデックスファンド
・国際債券:10% 三井住友・DC外国債券インデックスファンド
・日本REIT:10% 三井住友TAM-SMT J-REITインデックス・オープン
・金:10% 三菱UFJ国際-三菱UFJ純金ファンド


このような感じで大丈夫か心配です、まだ20代であるならもう少しリスクを負うべきでしょうか? その辺ご教授頂きたいです、宜しくお願いします。







ご回答:大枠で間違っておらず、素晴らしいと思います

大前提として、リスク許容度はご自身で決めましょう

ご質問頂き、ありがとうございます。過去に当サイトでは様々なご質問をお受けしてまいりましたが、10代からは初めてであり、大変驚くと同時に、「この人は今後、老人になるまで、あるいは老人になっても積み立て投資をし続ければ、人生の失敗は無いな」と感じました。

また、ビットコインなどの仮想通貨に現(うつつ)を抜かすでもなく、国際分散投資に興味を持たれたという堅実さを、私は高く評価したいと思います。

株式や債券は人類が地球上で経済活動をしてゆくにおいて、短期的には暴落などもありますが、過去から現在にかけて一貫して右肩上がりの成長をしています。それは今後も、よほど世間の注目を浴びたい天邪鬼な経済評論家を除き、疑う余地はありません。

(ただし、宇宙から隕石が降ってきたり、人類史上最大の超巨大噴火が起こったりした場合は別ですよ。その時は人類そのものの存亡の危機が訪れますので。考えても仕方がない。)

従って、MKさまが挙げたように、先進国の株や債券にあわせて50%と比較的多めに配分して国際分散投資をする事に、なんら問題は有りません。

金(ゴールド)は、それ自体で価値が増えたり、利息が付くわけではないので、投資の王道とは言えませんが、10%程度と「理性的」な数字であり、これも何も問題は有りません。株の暴落時に価格が上がる傾向がありますし、女性はなぜかゴールドがお好きですし。

さて、今回の資産配分比率について、リスクの取りすぎかどうかは、ご自身にしか分かりません。質問したくなる気持ちは重々承知していますが、ここは自分で決めなくてはならないのです。他人に、投資の「肝」の部分を任せてはなりません

ちょうど同じような質問が昨日ありましたので、リスク許容度が高いかどうか自分で計算して決めようの回答も見て頂いて、MK様もご自身で、リスクと向き合ってください。

当サイトで常に申し上げている通り、まずインデックス投資の始め方のページを読んで頂いて、次にアセットアロケーションの作り方ページを熟読いただきたいと思います。

また、アセットアロケーションを作るときの参考として、以下の2つのQ&Aのページを読んで頂くと、ご自身の力で決めることができるはずです。

アセットアロケーションの決め方の具体例
投資信託のリスクとリターンを具体的にチェック


あくまで管理人の個人的な感想としては、株や債券の価格は長期的には上がる方向にある点と、10代~20代などリスクだけへの投資でもいくらでもやり直す事ができる点などを踏まえると、債券への投資はゼロでも良いとさえ感じます。

30代になったらアセットアロケーションの3割を債券にして、以後10年ごとに債券比率を10%引きあげるなどし、徐々に安全資産の比率を上げてゆくのでも良いと思います。

ただし、いくら若いからと言え、性格的に株式の価格の上げ下げがとても気になるという人であれば、株式オンリーでやるのは危険です。リーマンショッククラスの大暴落が来た時に、あまりの価格の下げに恐怖して、最も安値で相場から撤退して、大損してしまうからです。

このあたりが、私がリスク許容度を決める訳にはいかない理由です。歳をとっても株だけで運用する人も多いでしょうし、本当に人それぞれなのです。


リスク許容度を決める、カンタンなやり方

なお、リーマンショッククラスの大暴落が実際に起きた時をイメージして、アセットアロケーションのリスク許容度を決めるという方法もあります。

まず、投資信託とは何か?をクリックして頂いて、該当ページの中ほど、資産クラスごとの価格の上げ下げの表を見て下さい。1998年から2009年まで載せておりますが、2008年が、リーマンショックが発生した年で、よく見て頂ければと。

安全資産の国内債券と先進国債券を除き、信じられないくらい、価格が下がっているのが分かると思います。この年に起きた事を、今回の資産配分に当てはめてみるのです。

下記、積み立て投資が順調に実行されて、MKさまの資産が1000万円の規模に達したとして、まさにその瞬間に大暴落が襲ったとします。その時、1000万円がどれほど減るのかを見てみます。

資産クラス 資産配分比率 リーマンショック時の下落幅 暴落前の資産額 暴落後の資産額
先進国株 40% -53% 400万円 188万円
日本株 10% -42% 100万円 58万円
日本債券 20% +4% 200万円 208万円
国際債券 10% -10% 100万円 90万円
日本REIT 10% -52% 100万円 48万円
10% -38% 100万円 62万円
合計 100% - 1000万円 654万円
(金は「商品」にカウントしています)


こう見ると、「最悪の事態」が発生すると、MKさまの資産は一気に35%ほど減ってしまうのが分かります。安全資産を3割ほど入れている関係で、暴落度合いに一定の歯止めは効いていますが、それでも資産の35%が一時的に失われる形となります。

(株やREITだけで運用している人ならば、半分に減ってしまいますね。)

このような事が起きた場合、MKさまが「ま、仕方がないね、そのうちに相場は戻るからそれまでいつも通りに積み立て投資だな」と思えるかどうかです。

もしも「こんなものは耐えられない」と感じたならば、リスクの取りすぎです。安全資産の割合を増やして、平然とまではいかないまでも、なんとかやり過ごせるような資産配分に変更する事が必要です。

このように、同じリーマンショックが起こっても、ある人はぜんぜん平気だと思うし、またある人は恐怖で顔が引きつるので、リスクの感じ方は十人十色であり、他人が決めるのではなくて、自分で決めなくてはならないのです。

そして一度決めたら、よほどの理由がない限りは、一生続けましょう。途中で結婚したり子供を産んだり(離婚したりシングルマザーになったり)して、ご自身の投資環境が大きく変わる事もありますが、その時は投資金額を増やしたり減らしたりして、相場から離れない事が肝心です。

将来必ず発生する大暴落をやり過ごす事ができれば、暴落して相場が低迷している時に積み立てた部分は口数をたくさん仕込めますので、その後に価格が元に戻ってくると、こんどは逆の意味で、ビックリするくらい大きく利益が出るのを実感する事でしょう。


投資する商品には、できれば若干の変更が望ましい(&つみたてNISAも)

ところで、投資する具体的な商品については、できれば変更したほうが良いと思います。基本的にはどれも低コストのインデックスファンドであり、評価はできますが、今は更にコストの低いものが登場しています。

将来のリターンはMKさまがコントロールする事はできませんが、コストは自分の力で削る事は出来るため、コスト削減の分だけご自身のリターンを増やす事につながります。

資産クラス 現状 変更後
商品名 信託報酬 商品名 信託報酬
先進国株 ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.189% (現状のままでもOK)※1
日本株 ニッセイ日経225インデックスファンド 0.25% eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)(2月2日から運用開始) 0.159%
日本債券 三井住友・日本債券インデックスファンド 0.16% eMAXIS Slim 国内債券インデックス 0.139%
国際債券 三井住友・DC外国債券インデックスファンド 0.21% eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 0.17%
日本REIT SMT J-REITインデックス・オープン 0.40% ニッセイJリートインデックスファンド ※2 0.25%
三菱UFJ純金ファンド 0.9% SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし) 0.65%
(信託報酬は税抜きです)


上記の※1については、信託報酬は同じ0.189%ですが、可能であればeMAXIS Slim 先進国株式インデックスのほうが良いですね。純資産残高が増えると、更に低コストになる仕組みになっています。

また、※2については、証券口座がSBI証券の場合は、Smart-i Jリートインデックスを利用するとコストを0.17%にまで圧縮できます。

基本的に、卵と投資信託は、安いほど良いのです。家電製品などは「安かろう悪かろう」の法則が当てはまりますけれども、投資信託は高いほど悪かったりします。コストが高いものはその分、金融機関側に利益が移ってしまいますから、とにかく低コストにこだわりたいですね。

それと、株式ファンドについては、一般の証券口座ではなくて、利益が非課税になるつみたてNISA制度の口座)を使うようにすると、よりメリット大になりますので、いちど検討してみると良いでしょう。

今後のMKさまの投資人生が、素晴らしいものである事を祈ります。もちろん、投資だけでなくて、(時にはリスクを取って)様々な人生経験を送っていただいて、金銭面も含めて人生が華やかであり続けると良いですね!





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